次の方法で共有


Visual Basic の新機能

更新 : 2008 年 7 月

ここでは、Visual Basic 2008 および関連するサービス リリースで使用できる新機能と強化された機能を紹介します。各機能の詳細を参照するには、以下のセクションのリンクをクリックしてください。

we86c8x2.alert_note(ja-jp,VS.90).gifメモ :

Visual Basic 6.0 から Visual Basic 2008 にアップグレードする場合は、新しいバージョンへの移行に役立つトピックが数多くあります。詳細については、「Visual Basic 6.0 ユーザー向けの新機能」を参照してください。

トピック目次

Visual Basic 2008 SP1 の新機能

  • Power Packs のコントロールとコンポーネント

    • DataRepeater コントロール

    • ライン コントロールとシェイプ コントロール

    • PrintForm コンポーネント

    • Printer Compatibility Library

    • Power Packs の配布

  • XML to Schema ウィザード

  • ClickOnce の配置

  • データ アクセス

元の Visual Basic 2008 リリース バージョンの新機能

  • Visual Basic のコンパイラと言語

  • データ アクセス

  • 統合開発環境

    • XML 編集の強化

    • 新しいプロジェクトの種類のサポート

    • .NET Framework の新しいバージョンのサポート

  • 配置

    • ClickOnce の配置

    • Windows インストーラ配置

  • サンプルの追加

  • Visual Basic 6.0 からのアップグレード

Visual Basic 2008 SP1 の新機能

以降のセクションでは、Visual Basic 2008 SP1 の新機能と強化された機能について説明します。

Power Packs のコントロールとコンポーネント

従来、ダウンロードで提供されていた Microsoft Visual Basic Power Packs 3.0 のコントロールとコンポーネントは、Visual Basic 2008 SP1 に付属するようになりました。Power Packs は、Visual Basic と Visual C# のどちらの Windows フォーム アプリケーションでも使用できます。

Power Packs に含まれるのは、これまでにリリースされた Line コントロールと Shape コントロールの更新バージョンに加え、新しい DataRepeater コントロールと、PrintForm コンポーネント、および Printer 互換性ライブラリです。

DataRepeater コントロール

新しい DataRepeater コントロールにより、標準の Windows フォーム コントロールを使用して、スクロール可能なコンテナにデータ行を表示できます。このコントロールは、標準のグリッド コントロールよりも高い柔軟性を備えています。

詳細については、「DataRepeater コントロールの概要 (Visual Studio)」を参照してください。

ライン コントロールとシェイプ コントロール

Line コントロールと Shape コントロールは、3 つのグラフィカル コントロールの集まりであり、デザイン時にこれらを使用してフォームまたはコンテナに線、楕円、および四角形を描画できます。これらのコントロールを使用することにより、ユーザー インターフェイスの外観を簡単に向上させることができます。Line コントロールと Shape コントロールには、System.Drawing 名前空間に含まれるグラフィックス メソッドの多くがカプセル化されています。そのため、グラフィックス オブジェクト、ペン、およびブラシを作成することなく、1 回の手順で線と図形を描画できます。グラデーション塗りつぶしなどの複雑なグラフィックス効果も、いくつかのプロパティを設定するだけで作成できます。これらのコントロールは、クリックやダブルクリックなどのイベントにも対応しているため、エンド ユーザーに応答したりエンド ユーザーと対話したりできます。

詳細については、「ライン コントロールとシェイプ コントロールの概要 (Visual Studio)」を参照してください。

PrintForm コンポーネント

PrintForm コンポーネントは、Visual Basic 6.0 と同様に Windows フォームを簡単に印刷できるようにすることを目的として設計されています。PrintForm コンポーネントを使用することで、以前のように Windows フォームを思いどおりにレイアウトでき、ユーザーはフォームを簡易レポートとして印刷できます。詳細については、「PrintForm コンポーネント (Visual Basic)」を参照してください。

Printer Compatibility Library

Printer 互換性ライブラリを使用することにより、印刷ロジックを変更することなく、Visual Basic 6.0 の Printer オブジェクトと Printers コレクションを使用するプロジェクトをアップグレードできます。ライブラリに参照を追加し、Printer を宣言して、一部の構文を若干変更するだけで、Visual Basic 6.0 と同様に、Printers コレクションと Printer オブジェクトを使用してプロジェクトを印刷できるようになります。このバージョンでは、新しい Write メソッドが Printer オブジェクトに組み込まれています。この新しいメソッドを使用することにより、Visual Basic 6.0 の Print メソッドで使用されるセミコロン構文のように、強制改行を使用せずにテキストを印刷することができます。

詳細については、「Printer Compatibility Library」を参照してください。

Power Packs の配布

ブートストラップ パッケージも付属しており、これを使用することにより、アプリケーションと共に Visual Basic Power Packs を簡単に再頒布できます。これにより、チェック ボックスをオンにするだけで、ClickOnce プロジェクトまたはセットアップ プロジェクトに Power Packs を含めることができます。

詳細については、「Power Packs コントロールを参照するアプリケーションの配置」を参照してください。

XML to Schema ウィザード

従来、PowerToy をダウンロードすることで使用できた XML to Schema ウィザードは、Visual Studio 2008 SP1 に含められました。XML to Schema ウィザードを使用すると、1 つ以上の XML ドキュメントから推論される XML スキーマ セットを作成し、プロジェクトに追加できます。詳細については、「XML to Schema ウィザード」を参照してください。

ClickOnce の配置

Visual Studio 2008 SP1 以降では、ClickOnce 配置の機能が以下のように強化されています。

  • 未署名のマニフェストの発行がサポートされました。詳細については、「方法 : アプリケーション マニフェストおよび配置マニフェストに署名する」の「Generating an Unsigned Manifest」を参照してください。

  • [発行オプション] ダイアログ ボックスが強化されました。これらの機能強化には、以下のオプションの構成サポートが含まれます。

    • [ファイルの関連付け]

    • [エラー URL]。このオプションは、ClickOnce インストール時に使用されるダイアログ ボックスに表示する Web サイトを指定します。

    • [スイート名]。このオプションは、アプリケーションのインストール先となり、[スタート] メニューに表示されるフォルダの名前を指定します。

    • [配置プロバイダ URL の除外]。このオプションは、配置プロバイダの URL を配置マニフェストから除外するかどうかを指定します。

    詳細については、「[発行オプション] ダイアログ ボックス」を参照してください。

データ アクセス

Visual Studio 2008 SP1 では、ローカル データベース キャッシュが以下のように強化されています。

Visual Basic 2008 の元のリリース バージョンの新機能

以降のセクションでは、Visual Basic 2008 の元のリリース バージョンの新機能と強化された機能について説明します。

Visual Basic のコンパイラと言語

Visual Basic 2008 の言語が改良された結果、ソース コードが簡略化されました。また、高度な機能を使用するコンポーネントと対話できるようになりました。詳細については、「Visual Basic 言語の新機能」および「Visual Basic コンパイラの新機能」を参照してください。

Visual Basic 2008 の互換性に影響する変更点」で説明されている言語の変更によって、Visual Studio 2005 で作成されたアプリケーションがコンパイルできない、または実行時の動作が変わる可能性があります。

データ アクセス

このリリースには、アプリケーションにデータを取り込む次の新機能が含まれています。

  • 統合言語クエリ (LINQ: Language-Integrated Query) テクノロジは、プログラミング言語における重要な進歩です。LINQ to SQL では、リレーショナル データベースに LINQ テクノロジが適用されます。詳細については、「LINQ to SQL」を参照してください。

  • オブジェクト リレーショナル デザイナ (O/R デザイナ) は、アプリケーションとリモート データベース間の対応付けを行うオブジェクト (LINQ to SQL エンティティ) の作成と編集を支援します。

  • 型指定されたデータセットの n 層サポートによって、データセット デザイナの機能が拡張され、TableAdapter および型指定されたデータセットのコードを別のプロジェクトに簡単に分離できるようになりました。

  • データセット デザイナに階層更新機能が組み込まれました。これらの拡張により、データベース内の関連するテーブル間で参照整合性を維持するために必要な保存ロジックを含むコードが生成されます。

  • ローカル データベース キャッシュはアプリケーションに SQL Server Compact 3.5 データベースを組み込み、そのデータとサーバー上のリモート データベースを定期的に同期させるように構成します。ローカル データベース キャッシュを使用すると、あまり変更されないデータを操作する場合やアプリケーションがサーバーのデータベースにたまにしか接続できない場合に、アプリケーションとデータベース サーバーとの間のラウンド トリップ数を減少させることができます。

  • Microsoft SQL Server Compact 3.5 は、デスクトップ コンピュータ、スマート デバイス、および Tablet PC に配置できるコンパクトなデータベースです。SQL Server Compact 3.5 によって、ネイティブ アプリケーションとマネージ アプリケーションの両方の開発に共通のプログラミング モデルが開発者に提供されます。

Visual Studio 2008 のデータの詳細については、「データの新機能」を参照してください。

統合開発環境

以降のセクションでは、Visual Studio 統合開発環境 (IDE) に加えられた機能強化について説明します。

XML 編集の強化

Visual Basic の XML 機能は、LINQ to XML の追加によって大幅に向上されました。XML 編集環境がさらに強化され、XML 軸プロパティXML リテラルの追加によって、XML を Visual Basic コードの最上位のデータ型として導入できるようになっています。これにより、XML の作成、変換、変更、およびクエリを簡単に行うことができます。詳細については、「XML (Visual Basic)」を参照してください。

新しいプロジェクトの種類のサポート

Visual Studio 2008 のプロジェクト デザイナでは、新しいプロジェクトの種類として、WPF (Windows Presentation Foundation) と Web アプリケーション プロジェクト (WAP: Web Application Project) がサポートされます。

WPF プロジェクトには次の 4 種類があります。

  • WinFX Windows アプリケーション

  • WinFX Web ブラウザ アプリケーション

  • WinFX カスタム コントロール ライブラリ

  • WinFX サービス ライブラリ

WPF プロジェクトを統合開発環境 (IDE: Integrated Development Environment) に読み込むときには、プロジェクト デザイナの各ページのユーザー インターフェイスで、WPF アプリケーションに固有のプロパティを指定できます。

WAP は Visual Studio 2005 Service Pack 1 で Visual Studio に追加され、Visual Studio 2008 にも組み込まれています。新しい WAP モデルは、Visual Studio .NET 2003 Web プロジェクト モデルと同じものですが、Visual Studio 2005 および ASP.NET Version 2.0 の機能で更新されています。Visual Studio のプロジェクト デザイナは WAP をサポートしますが、WAP はアプリケーション スコープのみという制限があります。

プロジェクト デザイナを表示するには、[プロジェクト] メニューの [プロパティ] をクリックします。詳細については、「プロジェクト デザイナの概要」を参照してください。

.NET Framework の新しいバージョンのサポート

マルチ ターゲットを使用すると、特定のバージョンの .NET Framework をコードの対象にできます。

  • NET Framework 2.0 (Visual Studio 2005 に付属)

  • NET Framework 3.0 (Windows Vista に付属)

  • NET Framework 3.5 (Visual Studio 2008 に付属)

マルチ ターゲットをサポートするには、[ビルドの詳細設定] ダイアログ ボックス (Visual Basic) および [ビルドの詳細設定] ダイアログ ボックス (C#) の新しい [ターゲット フレームワーク] ボックスの一覧で、適切なバージョンをクリックします。

配置

以降のセクションでは、配置に関する機能強化について説明します。

ClickOnce の配置

ClickOnce の配置では、次の新機能が追加されました。

  • ClickOnce は WPF Web ブラウザ アプリケーションの配置をサポートします。WPF Web ブラウザ アプリケーションは Web ブラウザでホストされます。したがって、WPF Web ブラウザ アプリケーションは、配置とセキュリティに関して特別な設定を必要とします。これらのアプリケーションを作成および配置するときは、Visual Studio によって適切なユーザー インターフェイスと既定値が用意されます。

  • ClickOnce には、ISV が顧客の会社名、アプリケーション名、配置 URL、およびサポート URL を使用してアプリケーション マニフェストに再署名できるオプションが用意されています。エンド ユーザーがアプリケーションをインストールするときの "このアプリケーションを信頼してもよろしいですか?" のダイアログ ボックスには、ISV のオリジナルの会社ブランドが引き続き表示されます。

  • プロジェクト デザイナの [発行] ページまたは発行ウィザードを使用して、Visual Studio Tools for Office アプリケーションを作成および配置できます。

  • ClickOnce は、Windows Vista のユーザー アクセス制御 (UAC: User Access Control) の下でのマニフェスト生成をサポートします。

詳細については、「配置の新機能」を参照してください。

Windows インストーラ配置

Windows インストーラ配置は、Windows Vista および最新バージョンの .NET Framework をサポートするように更新されました。

  • Windows インストーラが更新され、ユーザー アカウント制御 (UAC) の下で動作しているときでも、Windows Vista へのインストールをスムーズに実行できるようになりました。

  • .NET Framework 起動条件では、新しいバージョンの .NET Framework 3.0 および 3.5 を対象とするアプリケーションがサポートされます。

詳細については、「配置の新機能」を参照してください。

サンプルの追加

Visual Basic 2008 には多くのサンプル アプリケーションが含まれます。次のような新機能がカバーされています。

LINQ テクノロジ

Windows Communication Foundation

詳細については、「Visual Basic のサンプル アプリケーション」を参照してください。

Visual Basic 6.0 からのアップグレード

Visual Basic 2008 のアップグレード ツールにさまざまな拡張が行われました。これには、多くの Visual Basic 6.0 ActiveX コントロールを Visual Basic 2008 の対応する機能にアップグレードする機能が含まれます。

詳細については、「アップグレードの新機能」を参照してください。

参照

概念

Visual Studio 2008 の新機能

.NET Framework 2.0 の Windows フォームへの追加機能

ASP.NET および Web 開発の新機能

配置の新機能

Visual Basic 言語の新機能

.NET Framework Version 3.5 の新機能

スマート デバイス プロジェクトの新機能

Visual Studio Tools for Office の新機能

参照

Visual Studio デバッガの新機能

履歴の変更

日付

履歴

理由

2008 年 7 月

互換性に影響する変更に関する新しいトピックの情報を追加。

情報の拡充

2008 年 7 月

Visual Studio 2008 SP1 の変更点について説明するセクションを追加。

SP1 機能変更