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Visual Studio Tools for Office の新機能

更新 : 2007 年 11 月

Visual Studio 2008 Service Pack 1 (SP1) には、Visual Studio Tools for Office に影響する更新と新機能が含まれています。最新の追加機能を簡単に見つけることができるよう、Visual Studio 2008 の機能とは分けて SP1 での変更点を以下に示します。

  • Visual Studio Tools for Office SP1

  • Visual Studio Tools for Office (Service Pack の適用なし)

Visual Studio Tools for Office SP1

Visual Studio 2008 SP1 には、次のタスクを実行できるようにデザインされた機能が導入されています。

  • アドイン プロジェクトへのホスト コントロールとスマート タグの追加

  • ソリューション インストーラを使用した、Office プライマリ相互運用機能アセンブリの配置

  • .NET Framework Client Profile を使用した、ソリューションの迅速な配置

  • イベント ビューアを使用した、インストールのトラブルシューティング

アドイン プロジェクトへのホスト コントロールとスマート タグの追加

アプリケーション レベルのアドイン プロジェクトにあるドキュメントに対してスマート タグやホスト コントロールを追加できます。たとえば、Word 2007 にはコンテンツ コントロール、Excel 2007 にはリスト オブジェクトを追加できます。これらのマネージ ホスト コントロールは、ネイティブな Office オブジェクトのように動作しますが、付加的なイベントやデータ バインディング機能を備えています。

作業を開始するには、「実行時の Office ドキュメントへのコントロールの追加」および「スマート タグの概要」を参照してください。

ソリューション インストーラを使用した、Office プライマリ相互運用機能アセンブリの配置

2007 Microsoft Office system のソリューションの配置に ClickOnce を使用すると、必須コンポーネントとして自動的に Microsoft Office 2007 プライマリ相互運用機能アセンブリが選択されます。プライマリ相互運用機能アセンブリは、ソリューションのインストーラと同じ配置にコピーされます。

開始するには、「方法 : Office ソリューションを実行するための必須コンポーネントをエンド ユーザーのコンピュータにインストールする (2007 システム)」を参照してください。

.NET Framework Client Profile を使用した、ソリューションの迅速な配置

対象とする Framework のバージョンとして、.NET Framework Client Profile を指定できるようになりました。この .NET Framework のサイズの小さいバージョンにはすべての Framework アセンブリが含まれていないため、インストールされるソリューション サイズが小さくなります。2007 Microsoft Office system のソリューションでは、このバージョンを使用できます。

開始するには、「Visual Studio における Office ソリューションの作成」を参照してください。

イベント ビューアを使用した、インストールのトラブルシューティング

Visual Studio Tools for Office ソリューションをインストールまたはアンインストールするとき、Visual Studio Tools for Office ランタイムによりエラー メッセージがログに記録されるため、Windows のイベント ビューアを使用してメッセージを表示できます。これらのメッセージは、インストールと配置の問題解決に役立ちます。

開始するには、「イベント ログ (2007 システム)」を参照してください。

Visual Studio Tools for Office (Service Pack の適用なし)

Microsoft Visual Studio Tools for the Microsoft Office system (version 3.0) には、次のタスクを実行できるようにデザインされた新機能が導入されました。

  • アドイン作成による Microsoft Office アプリケーションのカスタマイズ

  • Word 文書と Excel ドキュメントのカスタマイズ

  • SharePoint ワークフローの作成

  • カスタム作業ウィンドウの作成

  • リボンのカスタマイズ

  • Word コンテンツ コントロールを使用した文書の構造化

  • カスタム フォーム領域を使用した Outlook フォームの拡張

  • Outlook でデザインしたフォーム領域のインポート

  • Microsoft Office ソリューションのセキュリティと配置

アドイン作成による Microsoft Office アプリケーションのカスタマイズ

アプリケーション レベルのアドインは、Microsoft Office アプリケーションに独自の機能を追加するときに使用できる 1 つの手段です。記述したコードは、どのドキュメントが開いているかにかかわらず、アプリケーション自体に対して使用できます。

Visual Studio Tools for Office には、アドインを簡単に開発できるように、次の機能が用意されています。

  • Microsoft Office 2003 および 2007 Microsoft Office system の多くのアプリケーション向けに用意された新しいプロジェクト テンプレートを使用して、アドインを作成します。

  • COM アドインを記述するよりも簡単な新しいプログラミング モデルを使用して、アドインのプログラミングを行います。

開始するには、「アプリケーション レベルのアドインのプログラミングについて」を参照してください。

アドインのコードを他の Office ソリューションから呼び出す

他の Microsoft Office ソリューションに対して、アドイン内のオブジェクト (ドキュメント内の他のアドインや VBA コードなど) を公開できます。これは、作成したアドインが、他の Office ソリューションで使用可能なサービスを提供する場合に役立ちます。

開始するには、「他の Office ソリューションからのアプリケーション レベルのアドインのコードの呼び出し」を参照してください。

ClickOnce を使用してアプリケーション レベルのアドインを配置する

ClickOnce テクノロジを使用して、2007 Microsoft Office system のアプリケーション用のアドインを配置できます。

Visual Studio Tools for Office には、次の配置機能が用意されています。

  • 発行ウィザードを使用してアドインを配置します。

  • アドインが読み込まれるときに、ソリューションによって自動的に更新がダウンロードされ、インストールされるようにします。

  • ユーザーがネットワークに接続していない場合には、インストールされているアドインを読み込んで実行します。

開始するには、「Office ソリューションの配置 (2007 システム)」を参照してください。

アプリケーション レベルのアドインを安全な方法で読み込む

2007 Microsoft Office system のアプリケーション向けに開発されたアドインは、クライアント コンピュータに読み込まれる前に、一連のセキュリティ チェックを通過する必要があります。

開始するには、「Office ソリューションにおけるセキュリティ (2007 システム)」を参照してください。

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Word 文書と Excel ドキュメントのカスタマイズ

ドキュメント レベルのカスタマイズは、特定の文書またはブックに対して独自の機能を追加するときに使用できる 1 つの手段です。作成したカスタマイズに含まれている機能は、関連付けられている文書またはブックでのみ使用できます。

Visual Studio Tools for Office には、Word 2007 および Excel 2007 のドキュメント レベルのカスタマイズを簡単に開発できるように、次の機能が用意されています。

  • Word 2007 および Excel 2007 でサポートされているオープン XML 形式、または Microsoft Office 2003 以前のバージョンでサポートされているバイナリ ファイル形式で、文書やブックのカスタマイズを作成します。

  • Visual Studio 内でドキュメントやテンプレートをデザインし、同じ環境内でコードを記述します。

  • ドキュメントまたはテンプレートに Windows フォーム コントロールを追加します。

  • ドキュメントまたはテンプレートにホスト コントロールを追加します。ホスト コントロールは、Word および Excel の一部の組み込みオブジェクトを拡張します。これらのオブジェクトは、イベントを公開し、データ バインディング機能を備えています。

開始するには、「方法 : Visual Studio Tools for Office プロジェクトを作成する」を参照してください。

VBA コードからドキュメント レベルのカスタマイズ内のメンバを呼び出す

ドキュメント レベルのプロジェクトを構成し、ドキュメント内の VBA コードから、プロジェクトのアセンブリ内にあるパブリック メンバを呼び出すことができます。

開始するには、「VBA からドキュメント レベルのカスタマイズ内のコードを呼び出す」を参照してください。

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SharePoint ワークフローの作成

Microsoft Office SharePoint Server 2007 に格納されているドキュメントを、プロセスをとおして効率的に移動できるように、SharePoint ワークフローをデザインします。

Visual Studio Tools for Office には、SharePoint ワークフローを簡単に開発できるように、次の機能が用意されています。

  • SharePoint 2007 シーケンシャル ワークフロー テンプレートと SharePoint 2007 ステート マシンのワークフロー テンプレートを使用して、SharePoint ワークフロー プロジェクトを作成します。

  • F5 キーを押してワークフローのロジックをデバッグします。Visual Studio Tools for Office によって、自動的に、ローカルの SharePoint Web サイト上にある既定のドキュメント ライブラリに対してワークフローが関連付けられ、ワークフローのインスタンスが起動されます。

開始するには、「チュートリアル : SharePoint ワークフロー ソリューションの作成とデバッグ」を参照してください。

ウィザードを使用して SharePoint プロジェクトのデバッグの設定を構成する

新しい Office SharePoint ワークフローウィザードを使用して、プロジェクトを作成するときにデバッグの構成設定を指定します。このウィザードには、次のオプションが用意されています。

  • SharePoint ワークフローをデバッグするときに使用する SharePoint サイト、ライブラリ、およびリストを指定します。

  • ワークフローを起動するアクションを指定します。

詳細については、「SharePoint ワークフロー ソリューション」を参照してください。

カスタム作業ウィンドウの作成

Visual Studio Tools for Office を使用して、カスタム作業ウィンドウを作成します。作業ウィンドウとは、Microsoft Office アプリケーション ウィンドウのいずれかの端に通常ドッキングされているユーザー インターフェイス パネルです。カスタム作業ウィンドウを使用すると、独自の作業ウィンドウを作成して、ユーザーが使い慣れたインターフェイスを使用してソリューションの機能にアクセスできるようにすることができます。 

2007 Microsoft Office system の一部のアプリケーション向けに、アプリケーション レベルのアドインにカスタム作業ウィンドウを作成できます。開始するには、「カスタム作業ウィンドウの概要」を参照してください。

リボンのカスタマイズ

次のアプリケーションのリボンをカスタマイズできます。

  • Microsoft Office Excel 2007

  • Microsoft Office Outlook 2007

  • Microsoft Office PowerPoint 2007

  • Microsoft Office Word 2007

詳細については、「リボンの概要」を参照してください。

リボン デザイナを使用してリボンをカスタマイズする

Visual Studio Tools for Office には、リボンを簡単にカスタマイズできるように、次の機能が用意されています。

  • [リボン (ビジュアル デザイナ)] アイテム テンプレートを使用して、短時間の操作で Office プロジェクトにカスタマイズ可能なリボンを追加します。

  • リボン デザイナを使用してビジュアルにカスタム タブを作成します。

    • リボン デザイナ上にコントロールをドラッグします。

    • コントロールのレイアウトと外観を調整します。

    • コントロールをダブルクリックするとイベント ハンドラが開きます。

  • [プロパティ] ウィンドウを使用して、コントロール プロパティを設定します。

  • Visual C# または Visual Basic を使用してイベント ハンドラにカスタム コードを追加し、型チェックや IntelliSense 技術を利用します。

リボン デザイナを使用して、[Microsoft Office] ボタンをクリックしたときに表示されるメニューにコントロールを追加することもできます。

開始するには、「チュートリアル : リボン デザイナを使用したカスタム タブの作成」を参照してください。

リボン XML を使用してリボンをカスタマイズする

リボン XML を使用すると、リボン デザイナではサポートされていない高度な方法でリボンをカスタマイズできます。次の機能も利用できます。

  • **[リボン (XML)]**アイテム テンプレートを使用して、短時間の操作で Visual Studio Tools for Office プロジェクトにカスタマイズ可能なリボンを追加します。

  • [リボン (ビジュアル デザイナ)] アイテムを使用して作成したリボンを、[リボン (XML)] アイテムにエクスポートします。

詳細については、「リボン XML」を参照してください。

Word コンテンツ コントロールを使用した文書の構造化

コンテンツ コントロールを使用して、構造化された Word 2007 文書を作成できます。コンテンツ コントロールは、テキスト、日付、画像などの特定の種類のコンテンツだけを格納できる領域を定義します。コンテンツ コントロールを使用すると、ユーザーが文書の領域に対して操作する方法を制限できます。

Visual Studio Tools for Office には、コンテンツ コントロールを簡単に開発できるように、次の機能が用意されています。

  • Word 2007 で提供される各コンテンツ コントロールの新しいマネージ クラスのプログラミングを行います。

  • 各コンテンツ コントロールのユーザー イベントを処理します。

  • 文書内のカスタム XML 部分の要素、データベース フィールド、またはマネージ オブジェクトに対して、コンテンツ コントロールをバインドします。

  • デザイナを使用して、文書にコンテンツ コントロールを追加します。

    • 文書にコンテンツ コントロールをドラッグします。

    • [プロパティ] ウィンドウを使用して、コントロール プロパティを設定します。

    • コントロールをダブルクリックして、既定のイベント ハンドラを作成します。

  • 実行時にプログラムで文書にコンテンツ コントロールを追加します。

開始するには、「コンテンツ コントロール」を参照してください。

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カスタム フォーム領域を使用した Outlook フォームの拡張

Visual Studio Tools for Office を使用して、標準またはカスタムの Microsoft Office Outlook フォームを拡張するフォーム領域をデザインします。

Visual Studio Tools for Office には、フォーム領域を簡単に開発できるように、次の機能が用意されています。

  • [フォーム領域] アイテム テンプレートを使用して、短時間の操作でプロジェクトにフォーム領域を追加します。

  • フォーム領域ウィザードを使用して、フォーム領域のレイアウトを定義し、フォームの種類を選択して、フォームを拡張します。

  • フォーム領域デザイナを使用してビジュアルにフォーム領域を作成します。

    • フォーム領域デザイナにマネージ コントロールをドラッグ アンド ドロップします。

    • コントロールのレイアウトと外観を調整します。

    • コントロールをダブルクリックするとイベント ハンドラが開きます。

    • Visual C# または Visual Basic を使用してカスタム コードを追加し、型チェックや IntelliSense を利用します。

  • ツールを使用してプロジェクトをデバッグします。ツールでは、自動的に Outlook が起動され、Outlook がフォーム領域を特定して実行するために必要なファイルや構成設定が生成されます。

  • 開始するには、「方法 : フォーム領域を Outlook アドイン プロジェクトに追加する」を参照してください。

Outlook でデザインしたフォーム領域のインポート

新しい Outlook フォーム領域ウィザードを使用して、Microsoft Office Outlook でデザインしたフォーム領域をインポートします。Outlook でデザインすると、Visual Studio の [ツールボックス] では利用できない、Outlook のフィールドやネイティブ コントロールを使用できます。

他の Outlook プロジェクトで作成したフォーム領域を再利用することもできます。

フォーム領域をインポートすると、コントロール イベントを処理するためのコードを追加できます。開始するには、「チュートリアル : Outlook でデザインしたフォーム領域のインポート」を参照してください。

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Microsoft Office ソリューションのセキュリティと配置

ClickOnce テクノロジを使用して、2007 Microsoft Office system 向けに開発されたすべての Visual Studio Tools for Office ソリューションをセキュリティで保護し、配置することができます。これには、ドキュメント レベルのカスタマイズとアプリケーション レベルのアドインも含まれます。

Visual Studio Tools for Office には、次の配置機能が用意されています。

  • 発行ウィザードを使用して、カスタマイズとアドインを発行し、配置します。

  • ソリューションで自動的に更新のチェックが定期的な間隔で行われ、更新がダウンロードされてインストールされるようにします。または、以前のバージョンにロールバックされるようにします。

  • ユーザーがネットワークに接続していない場合には、インストールされている Office ソリューションを読み込んで実行します。

開始するには、「Office ソリューションの配置 (2007 システム)」を参照してください。

Microsoft Office ソリューションを安全な方法で読み込む

ClickOnce セキュリティ モデルは、Visual Studio Tools for Office ランタイム、Microsoft .NET Framework、および Microsoft Office の将来のバージョンと互換性を保つようにデザインされています。

Visual Studio Tools for Office には、次のセキュリティ機能が用意されています。

  • 2007 Microsoft Office system の場合、ClickOnce に基づいた、バージョンに依存しないセキュリティ モデルを使用して、Office ソリューションをセキュリティで保護します。

  • セキュリティに関する決定は、Microsoft Office のセキュリティ センターを使用する、証明書で配置マニフェストに署名する、ClickOnce 信頼プロンプトを表示する、ユーザーの信頼のリストにプログラムによってエントリを追加する、のいずれかの方法を使用して行います。

  • コンピュータ上のユーザーに対して、個別にセキュリティ ポリシーを設定します。

開始するには、「Office ソリューションにおけるセキュリティ (2007 システム)」を参照してください。

参照

概念

Visual Studio 2008 の新機能

その他の技術情報

はじめに (Visual Studio Tools for Office)