Dynamics CRM 2015/Online 2015 更新プログラム Web サービスの新しいメッセージ
みなさん、こんにちは。
Microsoft Dynamics CRM 2015 および Microsoft Dynamics CRM Online 2015 更新プログラムで
追加された Web サービスの新しいメッセージについてご紹介します。
Dynamics CRM が提供する Web サービスは、組織 Web サービスと展開 Web サービスの
2 種類があり、それぞれに新しいメッセージが追加されています。各メッセージの説明および
関係する新機能については以下の通りです。
組織 Web サービス
製品カタログ
製品カタログの新機能により多くのメッセージが追加されています。
製品カタログの新機能の詳細は、過去の記事を参照ください。
製品カタログの新機能 その 1 : 新機能概要
製品カタログの新機能 その 2 : 製品ファミリ、バンドル、階層
製品カタログの新機能 その 3 : 提案製品の設定
製品カタログの新機能 その 4 : 既定の価格表設定
製品カタログの新機能 その 5 : 製品カタログの多言語サポート
要求のクラス名 | 説明 |
CalculatePriceRequest | 営業案件、見積もり、受注、請求書の製品にカスタムの価格設定を定義します。詳細はここを参照ください。 |
CloneProductRequest | 製品ファミリ、製品、またはバンドル レコードを複製し、同じ親ノードにレコードのコピーを作成します。詳細はここを参照ください。 |
PublishProductHierarchyRequest | |
GetDefaultPriceLevelRequest | 価格表と担当地域間関係に基づく現在のユーザーの既定の価格レベル(価格表)を取得します。 |
RetrieveProductPropertiesRequest | 営業案件、見積もり、受注、または請求書に追加する製品のプロパティ インスタンス(動的プロパティ インスタンス)を取得します。詳細はここを参照ください。機能の紹介はここを参照ください。 |
RevertProductRequest | 製品ファミリ、製品、またはバンドル レコードを最後のアクティブ状態に戻します。最後に公開された(アクティブ状態)時以降にレコードに加えられたすべての製品プロパティ(属性)変更は失われます。詳細はここを参照ください。機能の紹介はここを参照ください。 |
UpdateProductPropertiesRequest | 営業案件、見積もり、受注、または請求書に追加する製品のプロパティ インスタンス(動的プロパティ インスタンス)の値を更新します。詳細はここを参照ください。機能の紹介はここを参照ください。 |
カスタマイズ、ローカライズ
新しいフィールドの種類であるロールアップ列や、ローカライズ可能な属性に関する操作も
Web サービスのメッセージで実施できるようになりました。
ロールアップ列の詳細は、過去の記事を参照ください。
新しいフィールドの種類 : 概要
新しいフィールドの種類 : ロールアップ列 入門
新しいフィールドの種類 : ロールアップ列 詳細
要求のクラス名 | 説明 |
CalculateRollupFieldRequest | 要求されるとロールアップ属性値を計算します。詳細はここを参照ください。 |
ExportFieldTranslationRequest | 翻訳用にローカライズ可能な属性をエクスポートします。詳細はここを参照ください。 |
ImportFieldTranslationRequest | 翻訳用にローカライズ可能な属性をインポートします。 詳細はここを参照ください。 |
RetrieveCurrentOrganizationRequest | 探索サービスではなく組織サービスから組織情報を取得します。 |
RetrievePrincipalSyncAttributeMappingsRequest | サーバーからクライアント アプリケーションへのデータのフローを定義する同期属性マッピング情報を取得します。 |
展開 Web サービス
要求のクラス名 | 説明 |
AddCrmDatabaseRequest |
CRM データベースを、データベース バックアップまたはデタッチしたデータベースから展開に追加します。 |
DeleteOrganizationRequest |
CRM 組織を削除します。 |
RetrieveMonitoringResultsRequest |
CRM 展開の監視サービス操作テストの結果を取得します。 |
RetrieveUserMappingRequest |
CRM 組織の既存のユーザーのマッピング情報を取得します。 |
例として、組織 Web サービスのメッセージのうち、RetrieveCurrentOrganizationRequest を紹介します。
これまで組織情報を取得する場合は、探索サービスを利用する必要がありましたが、
組織 Web サービスで組織情報を取得することが可能になりました。早速見てみましょう。
1. Visual Studio を開き、コンソールアプリケーションプロジェクトを作成します。
Dynamics CRM 2015 の SDK は、.Net Framework 4.5.2 が必要です。
2. メイン処理に RetrieveCurrentOrganizationRequest を実行するコードを記載します。
using (OrganizationServiceProxy organizationProxy =
GetProxy<IOrganizationService, OrganizationServiceProxy>(orgServiceManagement, credentials))
{
var req = new RetrieveCurrentOrganizationRequest();
var res = (RetrieveCurrentOrganizationResponse)organizationProxy.Execute(req);
・・・
}
3. ビルドして実行します。組織情報が取得できることを確認します。
4. また組織情報を取得した際に利用されたエンドポイントが組織サービスであることを確認します
開発者向けの新機能:
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/gg309589.aspx
まとめ
Dynamics CRM 2015 で追加された新機能の多くは、組織 Web サービスから利用することが可能です。
また展開 Web サービスの新しいメッセージを利用することで、組織の管理を自動化する
ことが可能になります。Dynamics CRM 2015 を利用する際は、是非ご活用ください。
- プレミアフィールドエンジニアリング 河野 高也