Dynamics CRM 2015/Online 2015 更新プログラム 製品カタログの新機能 その 1 : 新機能概要
みなさん、こんにちは。
今回から Microsoft Dynamics CRM 2015 および Microsoft Dynamics CRM Online
2015 更新で提供される製品カタログの新機能を紹介します。
これまで製品カタログは、製品の値段や出荷単位を管理し、営業案件や見積もりに
品目として追加する情報源として機能してきましたが、より強力に営業を支援する
ように、以下の機能を追加しています。
製品のライフサイクル
製品のライフサイクル機能により、営業が取扱い中の製品だけを正しく選択できる
ようになります。まだ利用できないものはドラフト、内容を変更中のものは改定中、
利用できるものはアクティブなどのステータスが用意されています。
製品ファミリと階層
多くの場合製品は単体ではなく、他製品との関連が様々な形で存在します。たとえば
弊社の Office 365 の場合、Enterprise や Standard 等のライセンス形態が存在し、その
配下に Exchange Online や SharePoint Online 等の製品が存在します。Exchange Online
は単体の製品としての販売だけでなく、Office 365 Enterprise ライセンスの一部として
販売する対象にもなりうるわけですが、このような製品の複雑な関係を製品ファミリや
製品バンドル、また階層機能以て容易に管理することができます。
製品のプロパティ
製品には独自にプロパティを指定することができます。たとえば Office 365 の場合は
サブスクリプション期間や組織名、ユーザー数などがプロパティになりえます。製品
プロパティは製品ファミリの階層で自動的に伝搬されるため、一元管理が可能である
ことと、エンティティのフィールドではないため柔軟な管理が可能です。
柔軟な製品プロパティ値の設定
製品のプロパティは項目だけ設定しておき、実際に営業案件などに製品を指定する
タイミングで値を決定することができます。
製品フィールドの多言語サポート
これまでもカスタマイズは多言語がサポートされいたため、使用言語にあった言語で
各種ラベルやフィールド名を表示することができましたが、実レコードは多言語が
サポートされないため、言語ごとに複数の製品情報を作成する必要がありました。
今回のバージョンではこの問題を軽減するため、一部のフィールドにおいてレコード
レベルで多言語がサポートされます。
推奨事項による営業支援
特定の製品を選択した際にアップセルや付属品、相互販売や代用製品提案を行う事が
できます。これにより営業担当者は潜在的な需要を効果的に捉える ことができます。
例えば CRM Online の Standard を製品として追加した場合、アップセルとして
Professional ライセンスを表示することができます。
これらの関連は管理者が管理できるため、発売直後の製品情報がまだ営業担当者に
伝わっていないような状況でも、適切な提案が可能です。
インライン編集
製品のプロパティや製品バンドルはサブグリッドから直接編集できるインライン
編集をサポートします。これにより迅速なデータ入力が可能です。
既定の価格表
ユーザーの担当地域を基準に、価格表を自動で設定する機能が提供されます。
この機能で営業担当者は毎回手動で価格表を選択する手間が省けます。
まとめ
今回の機能追加は、営業支援ツールとしての Microsoft Dynamics CRM を新しい
次元に押し上げる、非常に強力なものであると感じます。次回以降で各機能の
具体的な使い方を紹介していきますので、お楽しみに!
- 中村 憲一郎