【IIS7】 Tech・Ed 2008 セッション振り返り(01)
今年は3日目に実施となった私のセッションですが、デモをやりきれませんでしたねー。お約束通り、ここで不足分も含め、カバーしていきますので適宜 ご覧いただければと思います。
まず、実施したセッションの内容を整理します。
「T1-403:IIS 7.0 をさらに強力にするFTP 7.0 を含む様々なツールの活用方法」
https://www.event-marketing.jp/events/te08/session/sessiondetail.aspx?sessionid=T1-403
IIS 7.0 はモジュール構造が取り入れられました。このことにより、IIS 製品開発チームが行う機能拡張は IIS 7.0 のメジャー リリースやサービス パックを待たずに行われます。この出荷方法、出荷製品を OOB (Out Of Band)、さらに OOB ツールと呼んでいます。本セッションでは FTP 7.0、WebDAV、Microsoft Web Deployment Tool、URL Rewrite モジュールなどを含むこれらの OOB ツールについてご説明します。実際にこれらの IIS 本体機能以外をご覧になったことのない方はぜひお越しください。
Key Products:Windows Server 2008, Windows Vista
Key Technologies:64-bit テクノロジ, ASP.NET, IIS 7.0
1.OOBツールについて
実は上記リンクのサイトのセッション概要で私は間違った方を書いています。上記で赤の通り、これは out of band の略で、ゴルフの OB が out of bound です。<(_ _)> この ”band” の使い方はラジオ局の周波数などで出てくるbandwidthのbandで、通信系から来た言葉で文字通り、帯域外 のことをあらわしているわけです。IISでいうとOSの出荷サイクルがメインの周波数でその周波数帯以外で開発されているツールがOOBツールという具合です。
IIS7 そして Windows Vista 発展して Windows Server 2008 ではかなりのコンポーネント化(モジュール化)が進んでおり、本当に必要なものだけをインストールするということが確実に実施できるようになりました。IIS の開発チームは市場で大変強力な対抗製品に対抗するために大きな決断を下し、IIS7ではモジュール構造にすることを決定して実施しました。この決定はセキュリティ面で優位になる他に多くの副産物、あるいはむしろそちらの方が大きいメリットがあります。
その一つが製品出荷サイクルへの影響です。ご存じのように Apache では mod_某 という形で非常に便利な機能が後でどんどん作られていくわけですが、IIS7もそのような形をとったわけです。従って、今後のIIS7本体にブラグインされる新機能、改善された機能がOSの出荷サイクルに大きく引きずられることなく逐次出荷されてくるという図式が登場したわけです。そして、有効で誰にも望まれる機能については最終的にOSの出荷サイクル(サービスパック、マイナーバージョンアップ<R2>、メジャーリリース)の際に標準機能として組みこまれることになります。
今回のセッションはこれらのOOBツールで現時点 開発されているもの、Webで入手可能なものについて取り上げていきました。
2.CTP → GO LIVE → RTW → 標準機能
ではこれらのOOBツールたちがどのように提供されているかを見ていきましょう。IISのダウンロードセンターから数多くのツールが入手できますが、その中にOOBツールがどんどん登場してきます。
IIS Download CENTER
https://www.iis.net/downloads/default.aspx?tabid=3
Microsoft URL Rewrite Module for IIS 7.0 CTP1 (x86)
PowerShell Provider for IIS 7.0 (x64) – CTP2
Microsoft Web Deployment Tool - Beta 1 Go Live – x64
UrlScan version 3.0 RTW – x86
代表的なものをピックアップしてきましたが、これらの意味を少し読み解いておくために説明をしておきます。
CTPというのは Community Technology Preview の略で、同テクノロジーを将来使う可能性のあるコミュニティの技術者の皆さんに広く使っていただき、正式版が提供されるまでにいただいたフィードバックで製品の仕様を変更していくプロセスの途中段階で提供される中間ビルドのことです。従って、このビルド時点では仕様も最終Fixのものではありませんし、部分的に動かない機能がリリースノートに書いてあったりします。以前は単純にBeta版と呼んでいたものをもっと細分化したと思っていただくといいかもしれません。CTPについては製品によって 1,2,3…といくものもあれば June, Sepと言う具合に出荷月をつける場合もあります。IISチームでは番号をつけるルールを採用しています。
上記の例で言うと URL Rewrite Module は初めての CTP ビルド、PowerShell Provider は2回目のCTPビルドということになるわけです。
CTPがより製品版に近付くにつれ、Go Live と名前を付けたビルドが提供されてきます。CTPはあくまでも検証用ですから本番環境では使ってはいけないビルドとなっています。Go Liveというステージになった瞬間に本番環境での利用を想定してもいいという段階になり、サポートのほか、最終製品版への移行もその後 考慮されるビルドということになります。もうすぐ製品版ということですね。製品版が出るまでのつなぎ版ともいえるでしょう。
Microsoft Web Deployment Tool がこの例に当てはまります。
そして 製品版が出ます。これをRTW(Released To Web)版とも言います。ご存じな方も多いかもしれませんが、マイクロソフト社内では製品開発完了のマイルストーンをRTM(Released To Manufacturing)と呼んでおり、時々RTM版とも呼ばれることがあります。製品版が出荷されたあとは今回からの構造変更により1.0→1.1とか1.5とかいう名前のついて提供される機能も今後登場すると思ってください。
UrlScan version 3.0 はもう出荷しましたので RTW と名前がついているわけです。
最後に、RTW で時間を経たものが OS の出荷サイクルの際に標準機能として取り込まれるかどうかが検討され、採用が決まったものはサービスパックや R2 などのタイミングで標準機能になっていきます。FTP7 や WebDAV などはこれらの有力候補というわけです。
この流れについては英語で恐縮ですが、IIS開発チームの責任者 Bill Staples のブログにある下記投稿を参照いただければと思います。
https://blogs.iis.net/bills/archive/2008/06/02/how-iis-ships-software.aspx
3.実際のOOBツールたちの紹介
そして、セッションでは現時点で CTP/GOLIVE/RTW いずれかの形で提供されているものを順に紹介していく形をとりました。ところがやっぱり紹介したいことが多すぎてスライド説明だけで終わったもの、デモをやったものが入り混じってしまいましたね。今後 説明とデモ内容を順次 各ツールについてここで書いていくことにします。
FTP Publishing Service for IIS7
WebDAV Extension for IIS7
IIS Manager for Remote Administration
Administration Pack for IIS7
Database Manager for IIS7
PowerShell Provider for IIS7
FastCGI Extension for IIS6.0
Microsoft Web Deployment Tool
URL Rewrite Module for IIS7.0
Application Request Routing for IIS 7
Windows Media Services 2008
IIS7 Media Pack - Bit Rate Throttling
Web Playlist for IIS7
Web Capacity Analysis Tool 6.3
UrlScan Version 3.0
やっぱり15個は欲張りすぎですよね。。。まあブログなら時間制限なしなのでどしどし書くことにしますわ。
ということでセッション振り返り(01)でした。
Comments
- Anonymous
January 01, 2003
この投稿の内容は @ITさんのWebサイト向けに書かせていただいた記事 と重複しているところも多くありますが、更新された内容も書かれています。 Part I.  IIS, Yesterday