【IIS7】 Tech・Ed 2008 セッション振り返り(03)
次へ参りましょう!
アイテム №2
「WebDAV Extension for IIS7」
説明
Windows Server 2008 向けに完全に書き直したWebDAV拡張
特徴
●IIS7.0との統合
●サイト毎の構成が可能
●URL単位でのセキュリティ設定が可能
ベネフィット
この WebDAV 拡張により、以前よりもパワフルで使いやすいWebコンテンツの発行が可能。一方では、管理者にとってはセキュアな環境で 且つ 展開もしやすい。
利用可能 OS
Windows Server 2008 x86 edition (IIS 7.0)
Windows Server 2008 x64 edition (IIS 7.0)
※基本的に OOB ツール群は内部構造の酷似から Vista でも動作するものが多いですが、サポートという観点ではここに書いてあるOSとお考えください。それに XP 同様、Vista での IIS 利用は開発環境を想定しており、運用環境としては元来想定していません。
その他前提条件
■IIS7.0がインストールされていること
■IISマネージャを使用してWebDAVを管理する場合には管理ツールもインストールしておく必要がある
■この拡張のインストールは管理者として実行する必要がある
■共有構成をしている場合には一旦解除し、インストール後に再構成する
入手先
Microsoft WebDAV Extension for IIS 7.0 (x86)
Microsoft WebDAV Extension for IIS 7.0 (x64)
開発ステージ
製品版(RTW)
ドキュメンテーション
WebDAV for IIS 7.0
https://learn.iis.net/page.aspx/357/webdav-for-iis-70/
重要!!
Hotfix もうあります。(9/7時点)
A hotfix rollup is available for the out-of-band WebDAV module for IIS 7.0
https://support.microsoft.com/kb/955137/
A hotfix rollup is available for the out-of-band Web Distributed Authoring and Versioning (WebDAV) module for Internet Information Services (IIS) 7.0. The hotfix rollup resolves the following issues when you use the WebDAV module for IIS 7.0:
•Some characters are not escaped correctly in the PROPFIND responses.
•Virtual directory enumeration does not work as expected.
セッションより
WebDAV は RFC2518 で定義されている HTTP を使用してファイルやフォルダを管理するために作られた仕様です。XPでいうところのネットワークプレイスから接続する際に「HTTP」を指定するアレというとわかりやすいでしょうか。それと Windows Server 2003 だと Web 拡張 つまり ISAPI 拡張として実装されており、IISマネージャを開くとすぐに見つかったものです。Windows Server 2008 ではベースになる WebDAVのプラットフォームは用意されているものの、実際に利用できるようになっていないのが実情です。そこで出荷したのがこの WebDAV Extension for IIS7 ということになります。完全な書き直しで、ISAPI ではなく、モジュールとして実装されています。
FTP7と同様、IIS7に完全統合されており、管理系は同じ操作感覚で実施できるほか、IIS6ではWeb拡張にあったことからサーバー全体での管理だったのですが、今回はサイト毎に有効化できます。管理もそれぞれのサイトで利用可能です。ということはサイト毎にユーザーサービスを提供したいホスティングにおいてはかなりの威力を期待できることになります。企業内で利用する場合も例えば構築しているシステム単位で設定をわけるなど設計の仕方によってはなかなか面白い使い方ができるでしょう。
いくつか利用にあたっての注意点ですが、まず Windows Server 2008 で試そうと思って net use * https://localhost/ とやると失敗します。本来であればこれでドライブがマップされて、以降そのドライブを利用するとHTTPでのやりとりが可能になります。この点についてはサーバーの機能で「デスクトップエクスペリエンス」が必要です。ただ通常は Windows Server 2008 はサーバー側であって、アクセスする側ではないので必要ないでしょう。一方で Windows Vista でアクセスする場合には問題ないはずです。Windows XP についてはちょっと注意が必要で、公開したルートにはアクセスできない仕様になっているのでサブフォルダからの利用という設計をしてください。
もう一つ、セッションでも言ったのでここでも書いておこうと思います。ちょうど同僚の松崎が SharePoint の環境を構築している時にも遭遇した問題で、SharePoint の方は独自の WebDAV 実装をしているというものです。つまり、このモジュールをインストールしてはいけないということです。ただ、今後は SharePoint の方が共通の部品を使用する観点で OS 側に近いこっちのモジュールを使用するように変わってくるという可能性が高いという話もしました。これは将来のバージョンでの話なので今は SharePoint で入るものを利用するということを忘れないようにしましょう。どうなるかというと、入れてしまうと Explorer ビューがうまく動かなくなるのです。
感想
この機能も Windows Server 2008 の標準機能として盛り込んで欲しかった機能の一つだったのですが、残念ながらタイミングが合わず、OOBツールとして出荷したものです。FTP7の投稿でも書きましたが、Visual Studio の発行機能をお使いの方向けに IT Pro 道場の自主トレシリーズでは FrontPage Server Extension(FPSE)の使い方や入手について触れています。でも実は今後は FTP や WebDAV が発行の標準に変わってきます。なので、FPSEを強力に今 使っている方はコンテンツ発行に関してはできれば FTP よりもさらに WebDAV に移行していくのを推進いただいた方がいいです。
余談
WebDAVを見ていて思うのは Exchange の Webフォルダと呼ばれていたころの機能です。マイクロソフトの実装としては前からあるわけですが、基本機能として Web サーバーにこれがきちんと実装されているのはうれしいですね。
Comments
- Anonymous
January 01, 2003
今年は3日目に実施となった私のセッションですが、デモをやりきれませんでしたねー。お約束通り、ここで不足分も含め、カバーしていきますので適宜 ご覧いただければと思います。   ※大野が撮ってくれた写真を追加しちゃいます。