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非構造化例外処理の概要 (Visual Basic)

非構造化例外処理では、コードのブロックの先頭に配置する On Error ステートメントによって、そのブロック内で発生するすべてのエラーが処理されます。 On Error ステートメントの実行後にプロシージャ内で例外が発生すると、On Error ステートメントの引数 line で指定した行にプログラムが分岐します。 引数 line には、例外ハンドラーの場所を示す行番号または行ラベルを指定します。

元のプロシージャから他のプロシージャが呼び出され、呼び出されたプロシージャで例外が発生することがあります。 このような場合、呼び出されたプロシージャによって例外が処理されないと、例外が呼び出し元のプロシージャに戻されて、引数 line で指定した行に実行が分岐します。

注意

On Error を使った非構造化のエラー処理では、アプリケーションのパフォーマンスの低下を招いたり、コードのデバッグや管理が難しくなったりする可能性があります。 構造化例外処理を使用することをお勧めします。 詳細については、「Visual Basic の構造化例外処理の概要」を参照してください。

On Error GoTo Line

On Error GoTo Line ステートメントでは、必須の line 引数で指定した行でエラー処理コードが開始されると想定されています。 ランタイム エラーが発生すると、引数で指定した行ラベルまたは行番号に制御が分岐して、エラー ハンドラーがアクティブになります。On Error GoTo Line ステートメントと同じプロシージャ内の行を指定する必要があります。それ以外の行を指定すると、Visual Basic でコンパイル エラーが発生します。 行ラベルを使ったエラー ハンドラーの使用例を次に示します。

Sub TestSub
   On Error GoTo ErrorHandler
      ' Code that may or may not contain errors.
   Exit Sub

   ErrorHandler:
      ' Code that handles errors.
      Resume
End Sub

この例には、ErrorHandler というエラー ハンドラーが含まれています。 TestSub サブルーチン内のコードがエラーを生成すると、ErrorHandler ラベルに続くコードがすぐに Visual Basic で実行されます。 エラー処理ブロックの最後に、Resume ステートメントによって、最初にエラーが発生したコードの行に制御が戻されます。 その後、エラーが発生しなかった場合と同じように、サブルーチンの残りのコードが実行されます。

注意

エラー処理ブロックの直前に Exit Sub ステートメントを配置する必要があります。 そうしないと、Visual Basic によってサブルーチンの最後にエラー処理コードが実行され、予想外の結果になる可能性があります。

On Error Resume Next

On Error Resume Next ステートメントを使用すると、ランタイム エラーが発生した場合に、エラーが発生したステートメントの次のステートメントに制御が渡されます。 その位置から実行が継続されます。 On Error Resume Next ステートメントを使用すると、プロシージャ内の他の場所に制御を移す代わりに、エラーが発生する可能性のある場所にエラー処理ルーチンを配置できます。

注意

プロシージャによって他のプロシージャが呼び出された場合、呼び出されたプロシージャの実行中に、On Error Resume Next ステートメントが非アクティブになります。 このため、呼び出されるプロシージャごとに、必要に応じて On Error Resume Next ステートメントを配置する必要があります。 これは、Resume Next の動作が、On Error Resume Next ステートメントを含むプロシージャにしか適用されないためです。 呼び出されたプロシージャで処理できないエラーが発生すると、例外が呼び出し元のプロシージャに戻され、その呼び出しの次のステートメントから実行が再開されます。 この場合、エラーは処理されません。

Resume は、On Error ステートメントの外で、単独で使用することもできます。 Resume を単独で使用すると、Visual Basic によって、エラーを引き起こしたステートメントに制御が返されます。 Resume は、通常、エラー ハンドラーがエラーを修正した後に使用されます。

Visual Basic には、エラーが発生した行の次の行に制御を移す Resume Next ステートメントも用意されています。 Resume Next は、エラーによってアプリケーションが停止しない場合に使用できます。 また、エラーによってサブルーチンの結果が変わらない場合にも使用できます。

Resume ステートメントでの他のバリエーションには、On Error GoTo Line に類似した Resume Line があります。 Resume Line によって、引数 line で指定した行に制御が渡されます。 Resume Line を使用できるのは、エラー ハンドラーの中だけです。

注意

コードをデバッグするときは、On Error Resume Next ステートメントを無効にする必要があります。

On Error GoTo 0

On Error GoTo 0 ステートメントにより、現在のプロシージャのエラー ハンドラーが無効化されます。 On Error GoTo 0 ステートメントがなくても、例外ハンドラーを含むプロシージャが終了すると、エラー ハンドラーは無効になります。

注意

On Error GoTo 0 ステートメントは、プロシージャに行番号 0 の行が含まれている場合でも、エラー処理コードの開始行として行 0 を指定するわけではありません。

On Error GoTo -1

On Error GoTo -1 ステートメントにより、現在のプロシージャの例外ハンドラーが無効化されます。 On Error GoTo -1 ステートメントがなくても、プロシージャが終了すると例外は自動的に無効になります。

注意

On Error GoTo -1 ステートメントは、プロシージャに行番号 -1 の行が含まれている場合でも、エラー処理コードの開始行として行 -1 を指定するわけではありません。

非構造化例外処理の例

DivideByZero という例外ハンドラーが特定のエラー (この場合は 0 による除算) を処理する例を次に示します。 これ以外のエラーが発生すると、Visual Basic で実行時エラーが発生してアプリケーションが停止します。

Sub ErrorTest ()
' Declare variables.
   Dim x As Integer, y As Integer, z As Integer
   ' The exception handler is named "DivideByZero".
   On Error GoTo DivideByZero
   ' The main part of the code, which might cause an error.
   x = 2
   y = 0
   z = x \ y

   ' This line disables the exception handler.
   On Error GoTo 0
      Console.WriteLine(x & "/" & y & " = " & z)

   ' Exit the subroutine before the error-handling code.
   ' Failure to do so can create unexpected results.
   Exit Sub

   ' This is the exception handler, which deals with the error.
   DivideByZero:
   ' Include a friendly message to let the user know what is happening.
   Console.WriteLine("You have attempted to divide by zero!")

   ' Provide a solution to the error.
   y = 2

   ' The Resume statement returns to the point at which
   ' the error first occurred, so the application
   ' can continue to run.
   Resume

End Sub

参照

処理手順

方法: エラー オブジェクトから情報を取得する (Visual Basic)

参照

End ステートメント

Err

Exit ステートメント (Visual Basic)

On Error ステートメント (Visual Basic)

Resume ステートメント

概念

非構造化例外処理での Err オブジェクト (Visual Basic)

例外処理の概要 (Visual Basic)

エラーの種類 (Visual Basic)

構造化例外処理と非構造化例外処理に適した状況 (Visual Basic)