データ型の概要
JScript には、プログラムで使用できる多くのデータ型が用意されています。 これらの型は、値データ型と、JScript オブジェクトと呼ばれる参照データ型の 2 つのカテゴリに分類されます。 JScript に型を追加するには、新しいデータ型を含む名前空間またはパッケージをインポートするか、新しいデータ型として使用できる新しいクラスを定義します。
データ型の詳細
次の表は、JScript でサポートされる値データ型を示しています。 表の 2 列目は、Microsoft .NET Framework の対応するデータ型です。 .NET Framework 型の変数または JScript の値型のどちらの変数を宣言しても同じ結果が得られます。 記憶領域のサイズと範囲も型ごとに決まっています。 3 列目は、1 つのインスタンスに必要な記憶領域を示しています。 4 番目の列は、保持できる値の範囲を示します。
JScript の値型 |
.NET Framework 型 |
記憶領域のサイズ |
範囲 |
---|---|---|---|
なし |
true または false。 |
||
2 バイト |
任意の Unicode 文字。 |
||
float (単精度浮動小数点数) |
4 バイト |
約 -3.4E+38 ~ 3.4E+38。精度は 7 桁です。 最小で 1E-44 までの数値を表すことができます。 |
|
8 バイト |
約 -1.79E+308 ~ 1.79E+308。精度は 15 桁です。 最小で 1E-323 までの数値を表すことができます。 |
||
12 バイト (整数部) |
約 -7.9E+28 ~ 7.9E+28。精度は 28 桁です。 最小で 1E-28 までの数値を表すことができます。 |
||
byte (符号なし) |
1 バイト |
0 ~ 255 |
|
ushort (符号なし短整数) |
2 バイト |
0 ~ 65,535 |
|
uint (符号なし整数) |
4 バイト |
0 ~ 4,294,967,295 |
|
ulong (符号なし長整数) |
8 バイト |
0 ~ 約 1.8E+19。 |
|
sbyte (符号付き) |
1 バイト |
-128 ~ 127 |
|
short (符号付き短整数) |
2 バイト |
-32,768 ~ 32,767 |
|
int (符号付き整数) |
4 バイト |
-2,147,483,648 ~ 2,147,483,647 |
|
long (符号付き長整数) |
8 バイト |
約 -9.2E+18 ~ 9.2E+18。 |
|
void |
なし |
なし |
値を返さない関数の戻り値の型として使用されます。 |
次の表は、JScript に用意されている、型として使用できる参照データ型 (JScript オブジェクト) です。 参照型には、定義済みの特定の記憶領域サイズがありません。
JScript の参照型 |
.NET Framework 型 |
参照先 |
---|---|---|
同等の項目はありません。 |
オートメーション オブジェクト。 |
|
Array および型指定された配列と相互運用。 |
任意の型の配列。 |
|
Boolean と相互運用。 |
true または false のブール値。 |
|
DateTime と相互運用。 |
日付は JScript の Date オブジェクトを使って実装されます。 範囲は、1970 年 1 月 1 日の前後およそ 285,616 年です。 |
|
同等の項目はありません。 |
コレクション内の項目の列挙。 下位互換性を維持するために用意されています。 |
|
同等の項目はありません。 |
Error オブジェクト。 |
|
同等の項目はありません。 |
Function オブジェクト。 |
|
Double と相互運用。 |
約 -1.79E+308 ~ 1.79E+308 の範囲の数値。精度は 15 桁です。 最小で 1E-323 までの数値を表すことができます。 |
|
Object と相互運用。 |
Object 参照。 |
|
Regex と相互運用。 |
正規表現オブジェクト。 |
|
String 型 (可変長) |
0 個 ~ 約 20 億個の Unicode 文字 各文字は 16 ビット (2 バイト) です。 |
|
String オブジェクト (可変長) |
String と相互運用。 |
0 個 ~ 約 20 億個の Unicode 文字 各文字は 16 ビット (2 バイト) です。 |
同等の項目はありません。 |
読み取り専用の Visual Basic 配列。 下位互換性を維持するために用意されています。 |
注意
指数表記では、E は 10 のべき乗を表します。 つまり、3.56E+2 は 3.56 x 102 または 356 を表し、3.56E-2 は 3.56 / 102 または 0.0356 を表します。
参照
参照
概念
その他の技術情報
データ型 (Visual Studio - JScript)