スマートタグの概要

[アーティクル]
04/28/2010

更新 : 2008 年 7 月

対象
このトピックの情報は、指定された Visual Studio Tools for Office プロジェクトおよび Microsoft Office のバージョンにのみ適用されます。ドキュメントレベルのプロジェクト Excel 2003 Excel 2007 Word 2003 Word 2007 アプリケーションレベルのプロジェクト Excel 2007 Word 2007 詳細については、「アプリケーションおよびプロジェクトの種類別の使用可能な機能」を参照してください。

このトピックの情報は、指定された Visual Studio Tools for Office プロジェクトおよび Microsoft Office のバージョンにのみ適用されます。

ドキュメントレベルのプロジェクト

Excel 2003
Excel 2007
Word 2003
Word 2007

アプリケーションレベルのプロジェクト

Excel 2007
Word 2007

詳細については、「アプリケーションおよびプロジェクトの種類別の使用可能な機能」を参照してください。

スマートタグとは、付随するタイプ情報を持つ文字列です。指定の基準に一致する文字列がドキュメントに存在すると認識され、ユーザーはそのタイプの文字列に対応するアクションを実行できます。たとえば、株式銘柄記号を認識するスマートタグを作成するとします。ユーザーが大文字で 4 文字の文字列を入力した場合に、インターネットで株価を参照するなど株式に関連するアクションの一覧を表示するように設定できます。

Visual Studio Tools for Office で提供されるクラスを使用すると、Microsoft Office Word 文書および Microsoft Office Excel ブックに迅速にスマートタグを追加できます。これらのクラスの使用方法を示す例については、「方法 : Word 文書にスマートタグを追加する」および「方法 : Excel ブックにスマートタグを追加する」を参照してください。

スマートタグを実行するには、Word または Excel でスマートタグを有効にしておく必要があります。詳細については、「方法 : Word および Excel でスマートタグを有効にする」を参照してください。

Word または Excel 以外のアプリケーション用にスマートタグを作成するには、スマートタグ SDK を使用する必要があります。詳細については、「Word または Excel 以外のアプリケーションでのスマートタグの作成」を参照してください。

Visual Studio Tools for Office スマートタグの機能

スマートタグのコードを Word または Excel の Visual Studio Tools for Office プロジェクトに記述する際には、IntelliSense、統合ヘルプなどの Visual Studio の機能を利用できます。スマートタグのコードはすべて 1 つのクラスに含まれています。別のアクションクラスやレコグナイザクラスを作成する必要はありません。スマートタグクラスの詳細については、「スマートタグのアーキテクチャ」を参照してください。

ドキュメントスコープ

ドキュメントレベルのプロジェクトとアプリケーションレベルのプロジェクトとでは、Visual Studio Tools for Office を使用して作成したスマートタグの動作が異なります。

ドキュメントレベルのカスタマイズにスマートタグを作成した場合、スマートタグは、カスタマイズの一部であるドキュメント内でのみ動作します。開いているすべての Word 文書または Excel ドキュメントで動作するのではありません。このように複数の種類のドキュメントにスマートタグを適用すると、認識する必要のない汎用的なテキストまで認識される可能性があります。たとえば、請求書では 5 桁の数値が表すのが常に製品番号であるとしても、人事部のドキュメントでは社員番号を表す可能性もあります。スマートタグが請求書のみを対象とするのであれば、誤った認識によって社員番号にアクションが割り当てられる心配はありません。

Visual Studio 2008 Service Pack 1 (SP1) では、スマートタグをアプリケーションレベルのアドインに作成できるようになりました。特定のドキュメントでのみスマートタグを使用できるようにするか、または Word または Excel で開かれているすべてのドキュメントでスマートタグを使用できる (この種のスマートタグはアプリケーションレベルのスマートタグと呼ばれます) ようにするかを選択できます。

メモ :
SP1 をインストールする前に作成したプロジェクトにアプリケーションレベルのスマートタグを追加するには、必要なコードを生成するようにプロジェクトを変更する必要があります。詳細については、「方法 : SP1 より前に作成されたプロジェクトにアプリケーションレベルのスマートタグを追加する」を参照してください。

SP1 をインストールする前に作成したプロジェクトにアプリケーションレベルのスマートタグを追加するには、必要なコードを生成するようにプロジェクトを変更する必要があります。詳細については、「方法 : SP1 より前に作成されたプロジェクトにアプリケーションレベルのスマートタグを追加する」を参照してください。

配置

Visual Studio Tools for Office スマートタグは Visual Studio Tools for Office プロジェクトに含まれるので、別途配置する必要はありません。スマートタグにセキュリティポリシーを特別に設定する必要もありません。スマートタグは、ソリューションにセキュリティが設定されている場合に実行されます。

登録

スマートタグを登録する必要はありません。スマートタグの登録は、Visual Studio Tools for Office によって行われ、すべての Visual Studio Tools for Office スマートタグを含むレジストリエントリが 1 つ作成されます。

Word または Excel 以外のアプリケーションでのスマートタグの作成

Visual Studio Tools for Office で提供されるスマートタグクラスは、Word および Excel 用のプロジェクトでのみ使用できます。ただし、PowerPoint や Outlook (電子メールエディタとして Word が使用されている場合) など、他の Microsoft Office アプリケーションもスマートタグをサポートします。これらのアプリケーション用にスマートタグを作成するには、Visual Studio Tools for Office ではなく、スマートタグ SDK を使用する必要があります。このプロセスは、主に 2 つの手順で構成されます。

必要な ISmartTagRecognizer COM インターフェイスおよび ISmartTagAction COM インターフェイスを実装するスマートタグ DLL (マネージアセンブリまたはアンマネージ DLL) を作成します。
スマートタグ DLL をエンドユーザーのコンピュータに配置し、Microsoft Office アプリケーションがスマートタグ DLL を検出するために必要なレジストリキーを作成します。

詳細については、MSDN ライブラリのスマートタグ SDK に関するドキュメントを参照してください。

通常は、Visual Studio Tools for Office アドインでスマートタグの COM インターフェイスを実装しないでください。代わりに、別のアセンブリまたはアンマネージ DLL で実装します。アドインを使用した場合、Office アプリケーションはアドインを読み込むときと、アプリケーションがシステムにインストールされているスマートタグの DLL を検出して読み込むときの 2 回アドインアセンブリを読み込むため、冗長コードがメモリに読み込まれることになります。アドインアセンブリの各インスタンスは、別々のアプリケーションドメインに読み込まれます。