Visual Studio における Office ソリューションの作成

[アーティクル]
04/28/2010

更新 : 2008 年 7 月

Visual Studio でソリューションを開発することで、Microsoft Office アプリケーションをカスタマイズし、ビジネスプロセスで必要な機能を追加できます。たとえば、Microsoft Office Word を、編集可能または編集不可能な既存部品から契約書を組み立てる、契約書生成アプリケーションに変えることができます。また、Microsoft Office Excel を使用して、さまざまなプロジェクト用にカスタマイズされた、自動化された予算ワークシートを作成できます。

Office プロジェクトの作成

開始する前に、要件を決定し、最適なソリューションの種類を探します。たとえば、アプリケーションを使用するたびに作成した Office ソリューションを実行する必要がある場合は、アプリケーションレベルのアドインが最適です。コードが 1 つのドキュメントと緊密に統合されている場合は、ドキュメントレベルのカスタマイズを作成します。これらのプロジェクトタイプは、Visual Studio のプロジェクトテンプレートとして利用できます。Visual Studio Tools for Office に付属しているプロジェクトテンプレートの詳細については、「Visual Studio Tools for Office のプロジェクトテンプレートの概要」を参照してください。

ドキュメントレベルのカスタマイズを作成する場合、複数の人々がそれを使用する方法を考慮してください。全員が同じドキュメントで作業するか、それとも全員が自分用に独自のコピーを持つかを検討します。それぞれのタイプに適したプロジェクトテンプレートがあります。「文書ファイルとテンプレートファイル」を参照してください。

Word テンプレートを作成する場合は、それをグローバルテンプレートとして使用したり、既存のドキュメントに添付したりできません。また、Excel のアドインファイル (.xla) 用のプロジェクトテンプレートはありません。詳細については、「グローバルテンプレートと Excel アドイン (.xla ファイル) に関する制限事項」を参照してください。

.NET Framework のバージョンの選択

要件に最適なプロジェクトの種類を選択した後、開発工程で使用する .NET Framework のバージョンを選択する必要があります。選択したバージョンによって、使用できる機能、ソリューションが Microsoft Office アプリケーション内でロードされる方法、ソリューションインストーラを格納できる場所、アップデートがインストールされるタイミング、使用できる配置方法などに影響があります。

次の表は、Microsoft Office 2003 または 2007 Microsoft Office system 用に開発する場合に最低限必要な .NET Framework のバージョンを示します。

Microsoft Office	.NET Framework	Visual Studio Tools for Office ランタイム
Microsoft Office 2003	.NET Framework 2.0	Visual Studio 2005 Tools for Office Second Edition
2007 Microsoft Office system	.NET Framework 3.5	Visual Studio Tools for Office 3.0
	.NET Framework 3.5 SP1	Visual Studio Tools for Office 3.0 SP1
	.NET Framework Client Profile (Visual Studio 2008 Service Pack 1 (SP1) の新機能)	Visual Studio Tools for Office 3.0 SP1

.NET Framework 2.0、3.0、および 3.5 では、新しいプロジェクトを作成するときに .NET Framework のバージョンを設定できます。しかし、プロジェクトを作成した後で Office ソリューションの .NET Framework のバージョンを変更することもできます。

.NET Framework Client Profile 用に開発する場合は、プロジェクトを作成した後でこのオプションを設定する必要があります。ターゲットとする .NET Framework のバージョンの変更の詳細については、「方法 : 対象の .NET Framework を変更する」を参照してください。

複数バージョンの Microsoft Office のソリューションの作成

顧客ベースが複数のバージョンの Microsoft Office を使用している場合は、両方のバージョンで動作する Office ソリューションを開発できます。Microsoft Office 2003 と 2007 Microsoft Office system の両方で動作する単一のソリューションをサポートおよび配置する方法や、バージョン固有のソリューションを配置することで、異なるバージョンの Microsoft Office の機能を利用する方法について決定する必要があります。詳細については、「複数バージョンの Microsoft Office のソリューションの作成」を参照してください。

このセクションの内容

Office ソリューションにおけるアプリケーションマニフェストと配置マニフェスト
Visual Studio Tools for Office ソリューションにおけるアプリケーションマニフェストと配置マニフェストの役割について説明します。
方法 : Office ソリューションの構成情報を設定する
Visual Studio Tools for Office プロジェクトに .config ファイルを手動で追加する方法について説明します。
Office ソリューションのアセンブリの概要
Visual Studio Tools for Office プロジェクトのマネージコードアセンブリの役割について説明します。
Office ソリューションの名前空間の考慮事項
Visual Studio Tools for Office プロジェクトの名前空間の変更について説明します。
Visual Studio Tools for Office プロジェクトのプロパティ
[プロパティ] ウィンドウで公開されるプロパティについて説明します。
Office ソリューションのグローバリゼーションとローカリゼーション
アセンブリや他のマネージリソースとは別処理が必要な静的テキストを含む、Office ソリューションのローカライズに関する問題について説明します。