複数のサーバーで SharePoint 統合を構成する方法
このトピックでは、複数サーバー配置トポロジに SharePoint 統合モードで Reporting Services をインストールして構成する手順について説明します。SharePoint サイトからレポートにアクセスするユーザーが多い場合は、この構成をお勧めします。次の図に、インストールする必要があるコンポーネントを示します。
必要条件
コンポーネントをインストールする前に、次の手順を実行する必要があります。
配置構成の概要を確認し、インストールするコンポーネントについて理解します。詳細については、「SharePoint 統合モードでの Reporting Services の配置トポロジ」を参照してください。
構成の概要のトピックでサービス アカウント構成に関する推奨事項を確認し、構成手順の詳細について理解します。詳細については、「SharePoint 3.0 統合用の Reporting Services の構成」を参照してください。
SharePoint 統合モードの Reporting Services が含まれるすべての配置シナリオに適用されるハードウェアとソフトウェアの要件を確認します。詳細については、「Reporting Services を SharePoint 統合モードで実行する要件」を参照してください。
このセクションの残りの項目を確認し、スタンドアロン サーバーの構成に適用される追加の要件について理解します。
複数サーバー配置のサーバー要件
少なくとも 2 つまたは 3 つのサーバーが必要です。データベース エンジン専用の第 3 のサーバーでアプリケーション データベースをホストする方法は、ユーザー数が比較的多いことが予想される場合にパフォーマンスを向上させる目的でよく使用される方法です。
2 つのサーバーを使用する場合、それぞれに次のコンポーネントが必要です。
一方のサーバーに、SQL Server 2008 Reporting Services (SSRS) とデータベース エンジンをインストールします。このサーバーを使用して、レポート サーバー データベースおよび SharePoint アプリケーション データベースと共にレポート サーバーをホストします。
もう一方のサーバーに、Microsoft.NET Framework 3.0 再配布可能パッケージ、SharePoint の製品またはテクノロジのインスタンス、および Reporting Services アドインをインストールします。このサーバーは、ファームのプライマリ サーバーになります。サーバーの全体管理はこのサーバーにインストールされます。ユーザーは、このコンピュータ上のサイト コレクションからレポート サーバー コンテンツにアクセスします。
複数サーバー配置のアカウント要件
SharePoint の製品またはテクノロジのインスタンスを SharePoint_config データベースに接続するには、ドメイン ユーザー アカウントが必要です。サーバー ファームでは、サービスとデータベースの接続にドメイン アカウントを使用する必要があります。可能であれば、このアプリケーションだけに使用できる新しいアカウントを作成します。独自の資格情報や、SharePoint サイトに通常のユーザーとしてアクセスする可能性があるユーザーの資格情報は使用しないようにしてください (アクセス拒否エラーが発生します)。
ドメイン アカウントの SQL Server データベース ログインを作成する必要があります。このログインには、サーバーに対する DBCreator 権限が必要です。
SharePoint アプリケーション プールのプロセス アカウントをドメイン ユーザーとして実行するように構成する必要があります。
レポート サーバー サービスをドメイン ユーザー アカウントとして実行するように構成する必要があります。
重要 |
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レポート サーバー、SharePoint Web アプリケーション、およびサーバー データベースが 3 つの別々のコンピュータにインストールされている分散サーバー配置では、既定の Web サイトとポートの割り当てなどに、既定の設定を使用できます。SharePoint Web アプリケーションとレポート サーバーを別々のコンピュータにインストールした場合でも、SharePoint データベースをレポート サーバー コンピュータに配置すると、前のセクションで説明したサービス アカウントの構成に関するガイドラインに従っている場合を除いて、接続エラーが発生します。詳細については、「Reporting Services のサービス アカウントを構成する方法」を参照してください。 |
すべてのセットアップ プログラムを実行したり、プライマリ サイト コレクション管理になる権限を許可したり、レポート サーバーの統合の構成時にデータベース アクセスを許可したりするには、管理者資格情報が必要です。
インストールの順序
コンポーネント テクノロジは任意の順序でインストールできます。最適な結果を得るには、サーバー製品やテクノロジを統合する前に、それぞれが正しくインストールされていることを確認します。
配置タスクの概要を次に示します。
Reporting Services とデータベース エンジンをインストールします。実稼働サーバーにサーバー ソフトウェアをインストールする場合、または 3 つのサーバーによる配置構成を使用する場合は、レポート サーバーを構成するタイミングと方法を制御できるように、[サーバーを構成せずにインストールする] オプションの選択を計画します。
レポート サーバーを構成し、環境の有効性を確認します。
.NET Framework 3.0 再配布可能パッケージをダウンロードしてインストールします。
Windows SharePoint Services または Office SharePoint Server 2007 をインストールします。構成時にリモート データベース サーバーを指定できるように、[詳細設定] インストール オプションの選択を計画します。
SharePoint の製品とテクノロジの構成ウィザードを実行し、データベース サーバーを選択します。
サーバーの全体管理でサイト コレクション機能を構成し、SharePoint サイトを開いて環境の有効性を確認します。
SharePoint テクノロジ用 Reporting Services アドインをダウンロードしてインストールします。
サーバーの全体管理でレポート サーバーの統合機能を構成します。
Reporting Services とデータベース エンジンをインストールするには
- 同じコンピュータまたは別のコンピュータに Reporting Services とデータベース エンジンをインストールします。詳細については、「Reporting Services のインストールに関する注意点」を参照してください。
セットアップが完了したら、インストールが正しく行われたことを確認するために、ネイティブ モードで動作するようにレポート サーバーを構成します。これにより、レポート マネージャを使用してインストールを確認できます。
Reporting Services 構成ツールの起動方法およびレポート サーバーの動作の構成方法については、「Reporting Services の構成の操作方法に関するトピック」を参照してください。
.NET Framework 3.0 再配布可能パッケージをダウンロードしてインストールするには
SharePoint の製品またはテクノロジのインスタンス用に使用する別のサーバーに、Microsoft ダウンロード センターから .NET Framework 3.0 再配布可能パッケージをダウンロードします。
セットアップを実行します。セットアップはバックグラウンドで実行され、完了するまでに時間がかかることがあります。進行状況を確認するには、タスク バーの通知領域にある Microsoft.NET Framework 3.0 のインストール アイコンをクリックします。
SharePoint の製品またはテクノロジをインストールするには
Windows SharePoint Services 3.0 または MicrosoftOffice SharePoint Server のインストール メディアから Setup.exe を実行します。
25 文字のプロダクト キーを入力します。
ソフトウェア使用許諾契約に同意します。
[詳細設定] をクリックします。
[サーバーの種類] で、[Web フロント エンド] をクリックします。
[データの場所] タブでは、検索インデックス ファイルの場所を指定します。[データの場所] で、既定値を使用するか、またはディスク領域に余裕があるコンピュータを選択します。
[今すぐインストール] をクリックします。
SharePoint の製品またはテクノロジを構成します。セットアップが完了すると、SharePoint の製品とテクノロジの構成ウィザードが起動します。起動しない場合は [管理ツール] から起動します。
ようこそ画面で、[次へ] をクリックします。
必要な場合は、[はい] をクリックしてサービスを再起動します。
[サーバー ファームへの接続] ページで、[いいえ、新しいサーバー ファームを作成します] をクリックし、[次へ] をクリックします。
[構成データベースの設定] ページで、データベース サーバー名を入力します。データベース エンジンを既定のインスタンスとしてインストールした場合は、データベース サーバー名はコンピュータ名になります。
[ユーザー名] および [パスワード] に、コンピュータにログオンする権限、SQL Server データベース ログイン、およびサーバーに対する DBCreator 権限を持つドメイン ユーザー アカウントの資格情報を入力します。可能であれば、このアプリケーションを実行するためだけに使用するアカウントを指定します。後で SharePoint サイトにアクセスする可能性があるユーザーの資格情報は入力しないでください。そうしないと、後でそのユーザーがサイトのコンテンツにアクセスしたときに、アクセス拒否エラーが発生する可能性があります。[次へ] をクリックします。
[SharePoint サーバーの全体管理の構成] ページで、[次へ] をクリックして既定値をすべてそのまま使用します。ドメインで権限の借用機能と委任機能が Windows 認証に対して有効になっていることがわかっている場合は、代わりに [ネゴシエート (Kerberos)] を選択できます。それ以外の場合は、既定値を選択して [次へ] をクリックします。
[SharePoint の製品とテクノロジの構成ウィザードの完了] で [次へ] をクリックして、指定した設定で構成を開始します。
[完了] をクリックします。
SharePoint Web アプリケーションを構成するには
[スタート] ボタンをクリックし、[管理ツール] をポイントし、[SharePoint 3.0 サーバーの全体管理] をクリックします。管理者タスクのチェックリストに従います。各タスクの詳細については、[配置手順の参照] リンクをクリックして、クイック スタート ガイドを開きます。以下の手順のタスクが必要です。
Web アプリケーションを作成します。
[SharePoint サイトの作成] をクリックします。
[新しい Web アプリケーションの作成] をクリックします。
既定値を使用して [新しい IIS Web サイトを作成する (SharePoint - 80)] を選択します。既定では、ポート 80、ホスト ヘッダーなし、既定のパス、NTLM、匿名アクセスなしになります。アプリケーション プールのプロセス アカウントを指定する必要があります。ドメイン ユーザー アカウントを選択します。
[OK] をクリックします。
[作成済みアプリケーション] ページで [サイト コレクションの作成] をクリックします。
タイトルを入力します。
すべて既定値を使用します。プライマリ サイト コレクション管理者を指定する場合は、ローカル管理者権限を持つアカウントを指定します。
[OK] をクリックします。
コマンド プロンプト ウィンドウを開き、「iisrest /noforce」と入力します。
URL をクリックしてサイトを確認します。
(省略可能) サーバーの全体管理で診断ログを有効にします。
レポート サーバーを SharePoint 統合モード用に構成するには
レポート サーバー コンピュータに SharePoint Web フロントエンドをインストールして構成します。手順については、「レポート サーバー コンピュータに SharePoint Web フロントエンドをインストールする方法」を参照してください。
- ブラウザ ウィンドウが開いてプライマリ サーバーの全体管理が表示され、サーバー ファームの構成が正しく行われたことを確認できます。
統合用にレポート サーバーを構成します。
Reporting Services 構成ツールを起動して、レポート サーバー インスタンスに接続します。手順については、「Reporting Services 構成を開始する方法」を参照してください。
ナビゲーション ウィンドウで [サービス アカウント] をクリックします。ドメイン ユーザー アカウントが使用されていることを確認します。使用されていない場合は、ドメイン ユーザー アカウントを使用するように構成します。
ナビゲーション ウィンドウで [データベース] をクリックします。
注意 リモートのデータベース エンジン インスタンスを使用する場合の詳細については、「SharePoint 統合モード用のレポート サーバー データベースを作成する方法 (Reporting Services 構成)」を参照してください。
[データベースの変更] をクリックします。
[新しいデータベースを作成する] を選択します。
[次へ] をクリックします。
データベースをホストするデータベース エンジンのインスタンスを指定します。
[接続テスト] をクリックして接続状態を確認します。
[次へ] をクリックします。
[データベース名] に、新しいデータベースの名前 (たとえば reportserverSharepointMode) を入力します。
[SharePoint 統合モード] を選択します。
[次へ] をクリックします。
レポート サーバーがレポート サーバー データベースへの接続に使用する資格情報を指定します。
[次へ] をクリックします。
[次へ] をクリックします。
[完了] をクリックします。
自動実行アカウント、および変更するその他の設定を構成します。レポート サーバー仮想ディレクトリの値は有効なままにする必要があります。ただし、SharePoint 統合モードのデータベースを使用するようにレポート サーバーを構成したため、レポート マネージャは使用できなくなっています (レポート マネージャの仮想ディレクトリのタブが網掛けになります)。
Reporting Services アドインをダウンロードしてインストールするには
[Microsoft SQL Server 200] をクリックして、Microsoft Web サイトのダウンロード ページを開きます。
重要 Reporting Services アドインをインストールするには、SharePoint Web ファームの管理者であるか、サイト コレクションの管理者である必要があります。
インストールする言語を選択します。
[このダウンロードに含まれるファイル] で、[ダウンロード] をクリックして 32 ビット版または 64 ビット版の Reporting Services アドインをインストールします。
[保存] をクリックして、コンピュータ上の場所にファイルを保存します。
Windows エクスプローラを開き、ファイルが保存されているフォルダを参照します。
rsSharePoint.msi をダブルクリックしてインストールを開始します。手順については、「Reporting Services アドインをインストールまたはアンインストールする方法」を参照してください。
Reporting Services アドインの最新バージョンの Readme ファイルを取得し、最新の変更内容と既知の問題を確認します。Microsoft Web サイトのダウンロード ページの [このダウンロードに含まれるファイル] で、[ダウンロード] をクリックして readme_rsaddin.htm ファイルを開き、コンピュータに保存します。
サーバーの全体管理でサーバーの統合を構成するには
[スタート] ボタンをクリックし、[管理ツール] をポイントし、[SharePoint 3.0 サーバーの全体管理] をクリックします。
重要 次の手順を完了するには、SharePoint ファームの管理者グループのメンバであるか、サイト コレクションの管理者である必要があります。
[アプリケーション構成の管理] をクリックします。Reporting Services という名前の新しいセクションが表示され、統合設定に使用するページへのリンクが示されます。このセクションが表示されない場合は、レポート サーバーの統合機能をアクティブ化する必要があります。詳細については、「SharePoint のサーバー全体管理でレポート サーバー機能をアクティブ化する方法」を参照してください。
少なくとも、レポート サーバーの URL を設定し、認証モードを選択して、レポート サーバーに SharePoint データベースへのアクセス権を与える必要があります。詳細については、「SharePoint サーバーの全体管理でレポート サーバー統合を構成する方法」を参照してください。
サーバーの全体管理を終了します。
Reporting Services サービスをビルトイン アカウントで実行している場合はエラーが発生します。ドメイン ユーザー アカウントを使用するように既にサービスを構成している場合は、サービスを再起動して古い接続情報を消去します (現在のセッションで既存の接続がある場合)。サービス アカウントの構成の詳細については、「レポート サーバー サービスのアカウントの構成」を参照してください。
次の手順
すべてのコンポーネントをインストールし、サーバー コンポーネントを接続するための設定を構成した後は、権限を割り当ててコンテンツの種類を追加し、レポート サーバー アイテムを SharePoint ライブラリに追加する必要があります。
サーバーの統合のための配置タスクを完了するには
SharePoint Web アプリケーションを起動します。既定の URL は http://<your-server-name> です。
ユーザーが SharePoint サイトにアクセスできるように権限を設定します。セキュリティは必要ですが、既存の権限を継承する場合は、特定のアイテムに対して権限を設定する必要はありません。詳細については、「SharePoint サイトのレポート サーバー アイテムに対する権限の付与」または「サイト上のレポート サーバー アイテムに対する権限を設定する方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。
新しい共有データ ソース、レポート モデル、およびレポート ビルダ レポートを作成する場合は、Reporting Services のコンテンツの種類を追加します。詳細については、「レポート サーバー コンテンツの種類をライブラリに追加する方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。
レポートおよびモデルで使用する共有データ ソースを作成します。詳細については、「共有データ ソースを作成および管理する方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。
サブスクリプションまたは自動レポート処理で使用する共有スケジュールを作成します。詳細については、「共有スケジュールを作成および管理する方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。
レポート定義ファイル (.rdl)、データ ソース ファイル (.rds)、およびレポート モデル ファイル (.smdl) を SharePoint ライブラリにパブリッシュします。また、SharePoint ライブラリでアップロード コマンドを使用して、.rdl ファイルと .smdl ファイルをアップロードすることもできます。ただし、.rds ファイルはアップロードできません。権限に応じて、レポート ビルダでレポートを作成してライブラリに保存することもできます。共有データ ソースまたは外部ファイルへの参照がレポートに含まれている場合、参照を更新する必要があります。詳細については、「SharePoint サイトへのモデルおよび共有データ ソースの配置」および「SharePoint ライブラリにドキュメントをアップロードする方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。
レポートをアップロードする場合、レポートのデータ ソース プロパティが正しいことを確認してください。このデータ ソースでは、外部データ ソースに対する有効な接続文字列が必要です。資格情報の種類は、ネットワーク トポロジに対して有効である必要があります。具体的には、Kerberos 認証がドメインに対して有効ではない場合、資格情報の種類に Windows 統合セキュリティは使用できません。代わりに、保存された資格情報を指定する必要があります。データ ソース プロパティが正しいことを確認したら、レポート名をクリックしてレポートを開くことができます。レポートは、レポート ビューア Web パーツに自動的に表示されます。
レポートが表示されない場合は、レポートに対する権限と、外部データ ソースへの接続を定義するデータ ソース プロパティを確認します。サイトまたはファームでは、SharePoint の権限を使用して、レポート、レポート モデル、共有データ ソース、およびアドホック レポートの作成に使用されるレポート ビルダ ツールへのアクセスを制御しています。これらのアイテムがユーザーに表示されない場合、権限が正しく設定されているかどうかを確認する必要があります。
SharePoint 統合モードで実行されるレポート サーバーは、レポート マネージャでは管理できません。サポートされている機能とサポートされていない機能の一覧については、「SharePoint 統合モードで Reporting Services がサポートする機能」を参照してください。