既存の SharePoint サーバーに PowerPivot for SharePoint をインストールする方法
既に SharePoint Server 2010 がインストールされたコンピューターに SQL Server PowerPivot for SharePoint を追加すると、PowerPivot データを含むパブリッシュ済み Excel ブックのクエリ処理やデータ更新をサポートできるようになります。
このトピックは、次のセクションで構成されています。
前提条件
手順 1: Analysis Services の以前のインストールの確認
手順 2: SQL Server PowerPivot for SharePoint のインストール
手順 3: PowerPivot ソリューション パッケージの配置
手順 4: サーバーでのサービスの開始
手順 5: PowerPivot サービス アプリケーションの作成
手順 6: Excel Services の構成
手順 7: Secure Store Service とデータ更新の構成
手順 8: ディスク領域使用量の上限の設定
手順 9: SharePoint Web アプリケーションと Excel Services の最大アップロード サイズの増加
手順 10: サイト コレクションを対象とした PowerPivot 機能の統合のアクティブ化
手順 11: インストールと構成の確認
インストールおよび構成のエラーのトラブルシューティング
インストール後のタスク
注 |
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インストール後の構成タスクは、PowerShell スクリプトを使って自動化できます。詳細については、「PowerShell 構成スクリプト (PowerPivot for SharePoint)」を参照してください。 |
注 |
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クリーンなサーバーを使用して、小規模のワークグループや部門の専用の PowerPivot for SharePoint サーバーを配置する場合は、別の手順に従ってください。操作可能な SharePoint サーバーが含まれていないコンピューターに PowerPivot for SharePoint をインストールする方法の詳細については、「新しい SharePoint サーバーへの PowerPivot for SharePoint のインストール」を参照してください。 |
必要条件
操作可能な Microsoft SharePoint 2010 Enterprise エディションの単一サーバーまたはマルチサーバー ファームが必要です。Excel Services はサーバーまたはファームで有効になっている必要があります。サーバーは、SharePoint セットアップでサーバー ファーム インストール オプションを使用してインストールされたものである必要があります。組み込みのデータベースを使用するスタンドアロン SharePoint サーバーはサポートされません。
Enterprise、Evaluation、Developer、または Data Center のいずれかのエディションの SQL Server 2008 R2 が必要です。
コンピューターがドメインに参加している必要があります。
サービスに指定するアカウントは、ドメイン ユーザー アカウントである必要があります。少なくとも、Analysis Services 用のドメイン アカウントと PowerPivot サービス アプリケーション用に別のアカウントが必要です。追加のサービス (Excel Services など) を構成している場合は、提供するサービスごとに個別のアカウントを用意してください。
SQL Server セットアップを実行するには、コンピューターのローカル管理者である必要があります。
PowerPivot for SharePoint をファームに追加するには、ファームの管理者である必要があります。ファーム管理者アカウントがローカルの管理者セキュリティ グループのメンバーでない場合は、PowerPivot for SharePoint をインストールできるようにここでグループに追加します。このアカウントはインストールの完了後に削除できます。
SharePoint_Config データベースに対する db_owner 権限が必要です。SharePoint を最初にインストールしたファームの管理者には、この権限が自動的に付与されます。
SharePoint Web アプリケーションは、クラシック モード認証を使用するように構成されている必要があります。詳細については、「PowerPivot ソリューションの配置」の「Web アプリケーションでクラシック モード認証が使用されていることを確認する」を参照してください。
手順 1: Analysis Services の以前のインストールの確認
コンピューターに以前の SQL Server 2008 R2 Analysis Services または PowerPivot for SharePoint がインストールされている場合は、Microsoft.AnalysisServices.SharePoint.Integration.dll ファイルに関する無効な .NET アセンブリ キャッシュ ステータス情報が原因で、SQL Server セットアップがエラー "ファイルまたはアセンブリ 'Microsoft.AnalysisServices.SharePoint.Integration.dll' を読み込めませんでした" で失敗するという既知のセットアップ バグが発生することがあります。
多くの場合、エラーは Analysis Services の SQL Server 2008 R2 をインストールし、続いて SharePoint Server 2010、PowerPivot for SharePoint の順にインストールした場合に発生します。
この構成を持つシステムでもエラーが必ず発生するわけではありませんが、発生することが多いため、予防的な手順を実行して最初からエラーの発生を回避することをお勧めします。エラーを回避するには次の手順に従います。
SQL Server 2008 R2 Analysis Services インスタンスのプログラム フォルダーを確認します。既存のインストールまたは以前のインストールの証拠が見つかった場合は、残りの手順を実行します。それ以外の場合は、「手順 2: SQL Server PowerPivot for SharePoint のインストール」に進みます。
管理権限でメモ帳を使用して、setup100.exe.config を編集して次の XML ステートメントを追加します。
最初に、メモ帳を右クリックし、[管理者として実行] を選択します。
%ProgramFiles%\Microsoft SQL Server\100\Setup Bootstrap\SQLServer2008R2\x64 から setup100.exe.config を開きます。
ファイルに <disableCachingBindingFailures> を追加し、ファイルを保存します。このエントリは、キャッシュされたバインド エラーを無視するようセットアップに指示して、以前に失敗した場合でもオブジェクトの新規インスタンスをインストールできるようにします。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?> <configuration> <runtime> <disableCachingBindingFailures enabled="1" /> </runtime> </configuration>
「手順 2: SQL Server PowerPivot for SharePoint のインストール」に進みます。
このエラーとその解決方法の詳細については、「インストール失敗: "ファイルまたはアセンブリ 'Microsoft.AnalysisServices.SharePoint.Integration.dll' を読み込めませんでした"」および「PreRequisiteInstaller.exe ツールを実行する前に SQL Server 2008 R2 をインストールした場合のエラー メッセージ」を参照してください。
注 |
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この問題は SQL Server 2008 R2 SP1 で解決されていますが、自分または組織内のだれかが修正を含むセットアップのスリップストリーム バージョンを作成していない限り、説明した順序でサーバー ソフトウェアをインストールした場合にこのエラーが発生する可能性があります。 |
手順 2: SQL Server PowerPivot for SharePoint のインストール
SQL Server 2008 R2 セットアップを実行して SharePoint ファームに PowerPivot for SharePoint を追加します。ファームが複数の SharePoint サーバーで構成されている場合は、既にファームに参加しているアプリケーション サーバーで SQL Server 2008 R2 セットアップを実行する必要があります。
SharePoint 2010 が既にインストールされているコンピューターで、インストール メディアを挿入するか、SQL Server 2008 R2 のセットアップ ファイルが格納されているフォルダーを開きます。
管理者権限で SQL Server セットアップを実行します。Setup.exe を右クリックし、[管理者として実行] をクリックします。
左側のナビゲーション ウィンドウで [インストール] をクリックします。
[新規インストールの作成または既存のインストールへの機能の追加] をクリックします。
[セットアップ サポート ルール] で、問題が検出されなかった場合は [OK] をクリックします。問題が検出された場合は、ページの指示に従って問題を修正し、セットアップを再度実行します。
[セットアップ サポート ファイル] で [インストール] をクリックします。この手順によって、SQL Server セットアップ プログラム ファイルがコンピューターに追加され、サポート ファイルのインストール時に発生する可能性のある問題が識別されます。
注 Windows ファイアウォールが有効になっている場合、ポートを開いてリモート アクセスを有効にするように求める警告が表示されます。この警告は、通常、PowerPivot のインストールには該当しません。PowerPivot サービスとデータ ファイルへの接続は、SharePoint サービス間の通信用に既に開かれているポートを使用して確立されます。ポートを開く必要があるのは、リモート コンピューターからのデータ アクセスが必要なその他の SQL Server 機能をインストールする場合のみです。これにはたとえば、Analysis Services 多次元データベースを PowerPivot ブックの外部データ ソースとして使用する場合、リモートの SharePoint サーバーで読み込まれた PowerPivot ブックを SQL Server Management Studio などのクライアント アプリケーションを使用して参照する場合、データベース エンジンをマルチサーバー SharePoint ファームのデータベース サーバーとして設定する場合などがあります。それらのサーバーで使用されるポートを開く方法の詳細については、「SQL Server のアクセスを許可するための Windows ファイアウォールの構成」を参照してください。
[次へ] をクリックしてサポート ファイルをインストールします。
[インストールの種類] で、[新規インストールまたは機能の追加] を選択します。このページは、インストール済みの既存のインスタンスがある場合にのみ表示されます。[既存の SQL Server 2008 R2 インスタンスに機能を追加する] は選択しないでください。PowerPivot for SharePoint は、新しいインスタンスとしてインストールする必要があります。[次へ] をクリックします。
[プロダクト キー] で、Enterprise Edition、Developer Edition、または Data Center Edition のライセンス コピーのプロダクト キーを入力するか、Evaluation Edition を指定します。[次へ] をクリックします。
マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項に同意し、[次へ] をクリックします。
[セットアップ ロール] で [SQL Server PowerPivot for SharePoint] を選択します。
同じく [セットアップ ロール] ページで、[PowerPivot for SharePoint の追加先] ボックスの一覧から [既存のファーム] を選択します。[次へ] をクリックします。
[機能の選択] で、インストールされる機能の一覧を確認します。この一覧は読み取り専用で、情報を示すためだけに表示されます。このロールにあらかじめ選択されている項目を追加または削除することはできません。[次へ] をクリックします。
[インストール ルール] で [次へ] をクリックします。
[インスタンスの構成] で、インスタンス名が 'PowerPivot' と表示されます。この名前は読み取り専用で、情報を示すためだけに表示されます。必ずこのインスタンス名にする必要があり、変更することはできません。ただし、ディレクトリ名とレジストリ キーがわかるように、固有のインスタンス ID を入力することができます。[次へ] をクリックします。
[必要なディスク領域] で、機能をインストールできるだけの十分なディスク領域があることを確認し、[次へ] をクリックします。
[サーバーの構成] で、SQL Server Analysis Services のドメイン ユーザー アカウントを指定します。Local System や Network Service などのビルトイン システム アカウントは使用しないでください。ドメイン ユーザー アカウントは、SharePoint ファームに Analysis Services をインストールする場合は必ず指定する必要があります。アカウントに関する推奨事項の詳細については、「SharePoint ファームへの PowerPivot の配置の計画」を参照してください。[次へ] をクリックします。
[Analysis Services の構成] で、[現在のユーザーの追加] をクリックします。
同じページで、Analysis Services サービス インスタンスに対する管理権限が必要なユーザーの Windows ユーザー アカウントを追加します。データベースの接続に関する問題のトラブルシューティングを行ったりバージョン情報を取得したりするために、SQL Server Management Studio で Analysis Services サービス インスタンスに接続するユーザーには、サーバーに対するシステム管理者権限が必要です。サーバーのトラブルシューティングや管理を担当する可能性があるユーザーのユーザー アカウントをここで追加しておきます。
[次へ] をクリックします。
残りの各ページで [次へ] をクリックし、[インストールの準備完了] ページまで進みます。
[インストール] をクリックします。
手順 3: PowerPivot ソリューション パッケージの配置
サーバーの構成のために、SharePoint Web アプリケーションに PowerPivot ソリューションを配置する必要があります。
[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム]、[Microsoft SharePoint Products 2010]、[SharePoint 2010 サーバーの全体管理] の順にクリックします。
SharePoint 2010 サーバーの全体管理で、[システム設定] の [ファーム ソリューションの管理] をクリックします。
powerpivotfarm.wsp と powerpivotwebapp.wsp という 2 つの異なるソリューション パッケージが表示されます。1 つ目のソリューション (powerpivotfarm.wsp) は、最初の PowerPivot for SharePoint インスタンスをインストールしたときに配置されるソリューションで、再度配置する必要はありません。2 つ目のソリューション (powerpivotwebapp.wsp) は、サーバーの全体管理に配置されるソリューションですが、PowerPivot データ アクセスをサポートする各 SharePoint Web アプリケーションに手動で配置する必要があります。
[powerpivotwebapp.wsp] をクリックします。
[ソリューションの配置] をクリックします。
[配置先] で、PowerPivot 機能のサポートを追加する SharePoint Web アプリケーションを選択します。
重要 Web アプリケーションがクラシック モード認証用に構成されていることを確認します。認証モードの検証方法については、「PowerPivot ソリューションの配置」を参照してください。
[OK] をクリックします。
PowerPivot データ アクセスをサポートする他の SharePoint Web アプリケーションに対して、この手順を繰り返します。
手順 4: サーバーでのサービスの開始
PowerPivot for SharePoint の配置では、Excel Calculation Services、Secure Store Service、および Windows トークン サービスに対するクレームの各サービスがファームに含まれている必要があります。
Excel Services と PowerPivot for SharePoint はどちらも、現在の SharePoint ユーザーの Windows ID を使用して外部データ ソースへの接続を確立するために、Windows トークン サービスに対するクレームを使用します。このサービスが開始されていない場合は、Excel Calculation Services が PowerPivot System サービスに認証済みの要求を転送できるようにするために、ここで開始する必要があります。
サーバーの全体管理で、[システム設定] の [サーバーのサービスの管理] をクリックします。
Windows トークン サービスに対するクレームを開始します。
Excel Calculation Services を開始します。
Secure Store Service を開始します。
SQL Server Analysis Services と SQL Server PowerPivot System サービスの両方が開始されていることを確認します。
手順 5: PowerPivot サービス アプリケーションの作成
次に、PowerPivot サービス アプリケーションを作成します。
注 |
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アプリケーションを作成しているときに発生するエラーは、インストールに問題があることを示します。インストールを修復して、問題が解決されるかどうかを確認してください。詳細については、「修復 (PowerPivot for SharePoint)」を参照してください。 |
サーバーの全体管理で、[アプリケーション構成の管理] の [サービス アプリケーションの管理] をクリックします。
[サービス アプリケーション] リボンで、[新規作成] をクリックします。
[SQL Server PowerPivot サービス アプリケーション] を選択します。この項目が一覧に表示されない場合は、PowerPivot for SharePoint がインストールされていないか、ソリューションが配置されていません。
[新しい PowerPivot サービス アプリケーションの作成] ページで、アプリケーションの名前を入力します。既定の名前は、"PowerPivotServiceApplication<番号>" です。複数の PowerPivot サービス アプリケーションを作成する場合は、それぞれの用途を明確に示す名前を付けると他の管理者にわかりやすくなります。
[アプリケーション プール] で、新しいアプリケーション プールを作成して、そのアプリケーション プールのセキュリティ アカウントを選択します。ドメイン ユーザー アカウントが必要となります。
[データベース サーバー] で、サービス アプリケーション データベースを作成するデータベース サーバーを選択します。既定値は、ファーム構成データベースをホストする SQL Server データベース エンジン インスタンスです。
[データベース名] の既定値は、"PowerPivotServiceApplication1_<guid>" です。既定のデータベース名は、既定のサービス アプリケーション名に対応しています。独自のサービス アプリケーション名を入力した場合は、サービス アプリケーションとデータベースを一緒に管理できるように、データベース名に対しても同様の命名規則を使用してください。
[データベース認証] の既定値は、"Windows 認証" です。[SQL 認証] を選択する場合は、SharePoint 管理者ガイドを参照して、SharePoint 配置でその認証の種類を使用するためのベスト プラクティスを確認してください。
[この PowerPivot サービス アプリケーションのプロキシを既定のプロキシ グループに追加します] のチェック ボックスをオンにします。これにより、このサービス アプリケーション接続が既定のサービス接続のグループに追加されます。既定の接続グループに少なくとも 1 つの PowerPivot サービス アプリケーションを追加する必要があります。
既定の接続グループの一覧に既に PowerPivot サービス アプリケーションが表示されている場合は、そのグループにサービス アプリケーションをそれ以上追加しないでください。既定の接続グループに同じ型のサービス アプリケーションを 2 つ追加する構成はサポートされていません。接続グループで追加のサービス アプリケーションを使用する方法の詳細については、「PowerPivot サービス アプリケーションを SharePoint Web アプリケーションに接続する方法」を参照してください。
[OK] をクリックします。作成したサービスが、他のマネージ サービスと共にファームのサービス アプリケーションの一覧に表示されます。
手順 6: Excel Services の構成
PowerPivot for SharePoint でファーム内の PowerPivot データ アクセスをサポートするには、Excel Services が必要です。Excel Services が既に有効になっているかどうかを確認するには、サーバーの全体管理のサービス アプリケーションの一覧に Excel Services アプリケーションが表示されているかどうかを確認します。Excel Services が一覧に表示されていない場合は、次の手順に従ってここで有効にしてください。
サーバーの全体管理で、[アプリケーション構成の管理] の [サービス アプリケーションの管理] をクリックします。
[サービス アプリケーション] リボンで、[作成] の [新規作成] をクリックします。
[Excel Services アプリケーション] を選択します。
[新しい Excel Services アプリケーションの作成] で、名前を指定します ("Excel Services アプリケーション" など)。
[アプリケーション プール] で、[新しいアプリケーション プールの作成] をクリックして、わかりやすい名前を指定します ("Excel Services アプリケーション プール" など)。
[構成可能] で、このアプリケーション プール ID の Windows ドメイン ユーザー アカウントを選択します。
チェック ボックスをオンのままにして、このサービス アプリケーション プロキシを既定のサービス接続リストに追加します。
[OK] をクリックします。
作成した Excel Services アプリケーションをクリックします。
[信頼できるファイル保存場所] をクリックし、信頼できる場所を選択します (通常は、[アドレス] 列に "http://" として登録されます)。Excel Services と PowerPivot サービスの両方がブックにアクセスできるようにするには、SharePoint を Excel Services の信頼できる場所として含める必要があります。PowerPivot System サービスは、SharePoint ファーム外に格納されたブックにはアクセスできません。
[ブックのプロパティ] で、[ブックの最大サイズ] を 50 に設定します。
[外部データ] で、[外部データの許可] を [信頼できるデータ接続ライブラリと、埋め込まれている接続] に設定します。この設定は、ブックでの PowerPivot データ アクセスに必要です。
[データ更新に関する警告を表示する] チェック ボックスをオフにして、PowerPivot ギャラリーで個々のワークシートのプレビュー イメージを許可します。警告とブックの設定で、ファイルを開くときに更新する動作が指定されていると、ブックのページではなく警告の単一のプレビュー イメージが表示されることがあります。
[OK] をクリックします。
手順 7: Secure Store Service とデータ更新の構成
PowerPivot for SharePoint で資格情報とデータ更新用の自動実行アカウントを格納するには、Secure Store Service が必要です。Secure Store Service が既に有効になっているかどうかを確認するには、サービス アプリケーションの一覧に表示されているかどうかを確認します。
重要 |
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Secure Store Service が有効になっている場合でも、マスター キーが生成されていることを確認するようにしてください。手順については、この後の「作業 2: マスター キーの生成」を参照してください。 |
Secure Store Service が一覧に表示されていない場合は、次の手順に従ってここで有効にしてください。Secure Store を有効にすると、ブックの作成者やドキュメントの所有者が、パブリッシュしたブックのデータ更新をスケジュールする際に、より多くのデータ ソース接続オプションを必要に応じて使用できるようになります。
作業 1: Secure Store Service の有効化
サーバーの全体管理で、[アプリケーション構成の管理] の [サービス アプリケーションの管理] をクリックします。
[サービス アプリケーション] リボンで、[作成] の [新規作成] をクリックします。
[Secure Store Service] をクリックします。
[Secure Store アプリケーションの作成] ページで、アプリケーションの名前を入力します。
[データベース] で、このサービス アプリケーションのデータベースをホストする SQL Server インスタンスを指定します。既定値は、ファーム構成データベースをホストする SQL Server データベース エンジン インスタンスです。
[データベース名] に、サービス アプリケーション データベースの名前を入力します。既定値は、Secure_Store_Service_DB_<guid> です。既定の名前は、既定のサービス アプリケーション名に対応しています。独自のサービス アプリケーション名を入力した場合は、サービス アプリケーションとデータベースを一緒に管理できるように、データベース名に対しても同様の命名規則を使用してください。
[データベース認証] の既定値は、"Windows 認証" です。"SQL 認証" を選択する場合は、SharePoint 管理者ガイドを参照して、ファームでその認証の種類を使用する方法を確認してください。
[アプリケーション プール] で、[新しいアプリケーション プールの作成] をクリックします。他のサーバー管理者がアプリケーション プールの使用方法を理解できるように、わかりやすい名前を指定します。
アプリケーション プールのセキュリティ アカウントを選択します。ドメイン ユーザー アカウントを使用するマネージ アカウントを指定します。
それ以外の設定を既定値のままにして、[OK] をクリックします。作成したサービス アプリケーションが、他のマネージ サービスと共にファームのサービス アプリケーションの一覧に表示されます。
作業 2: マスター キーの生成
一覧で、Secure Store Service アプリケーションをクリックします。
[サービス アプリケーション] リボンの [キー管理] で、[新しいキーの生成] をクリックします。
パス フレーズを入力し、そのパス フレーズを確認します。パス フレーズは、Secure Store 共有サービス アプリケーションを追加するために使用されます。
[OK] をクリックします。
作業 3: 自動 PowerPivot データ更新アカウントの構成
データ更新時の外部データ アクセスのために、PowerPivot データ アクセスに対する自動データ更新アカウントの作成が必要になることがよくあります。たとえば、Kerberos が有効になっていない場合、外部データ ソースに接続するには、PowerPivot サービスで使用できる自動アカウントを作成する必要があります。
自動アカウントを後で作成する方法またはデータ更新で使用されるその他の保存された資格情報を構成する方法については、「PowerPivot 自動データ更新アカウントの構成と使用」および「PowerPivot データ更新用の保存された資格情報の構成と使用」を参照してください。
手順 8: ディスク領域使用量の上限の設定
SP1 には、ディスクにキャッシュされる PowerPivot データ ファイルに使用されるディスク容量の最大制限を設定する新機能があります。既定では、使用可能なすべてのディスク領域が使用されます。SP1 を使用している場合は、「ディスク使用量の構成 (PowerPivot for SharePoint)」の手順に従って、ディスク領域の消費量を制限します。
手順 9: SharePoint Web アプリケーションと Excel Services の最大アップロード サイズの増加
PowerPivot ブックはサイズが大きくなる可能性があるため、最大ファイル サイズを増やしたい場合があります。ファイル サイズは、Web アプリケーションの [アップロードの最大サイズ] と Excel Services の [ブックの最大サイズ] という 2 つの設定で構成します。最大ファイル サイズは、両方のアプリケーションで同じ値に設定してください。手順については、「アップロードするファイルの最大サイズの構成 (PowerPivot for SharePoint)」を参照してください。
手順 10: サイト コレクションを対象とした PowerPivot 機能の統合のアクティブ化
サイト コレクション レベルで機能をアクティブ化すると、サイトでアプリケーション ページやテンプレートを使用できるようになります。これには、定期データを更新するための構成ページや、PowerPivot ギャラリーとデータ フィード ライブラリのアプリケーション ページなどが含まれます。
SharePoint サイトで、[サイトの操作] をクリックします。
既定では、SharePoint Web アプリケーションへのアクセスにはポート 80 が使用されます。したがって、多くの場合、「http://<computer name>」と入力してルート サイト コレクションを開くことで SharePoint サイトにアクセスできます。
[サイトの設定] をクリックします。
[サイト コレクションの管理] で [サイト コレクションの機能] をクリックします。
[PowerPivot 統合サイト コレクション機能] が表示されるまで、ページを下にスクロールします。
[アクティブ化] をクリックします。
他のサイト コレクションについても、各サイトを開き、[サイトの操作] をクリックして手順を繰り返します。
詳細については、「サイト コレクションを対象とした PowerPivot 機能の統合のアクティブ化」を参照してください。
手順 11: インストールと構成の確認
ファームの PowerPivot クエリ処理は、ユーザーまたはアプリケーションが PowerPivot データを含む Excel ブックを開いたときに発生します。PowerPivot 機能が使用可能になっているかどうかは、最低限、SharePoint サイトのページを調べれば確認できますが、PowerPivot 機能のインストールを完全に確認するには、SharePoint にパブリッシュでき、ライブラリからアクセスできる PowerPivot ブックが必要になります。テストの際には、既に PowerPivot データが含まれているサンプル ブックをパブリッシュして、それを使用して SharePoint 統合が正しく構成されているかどうかを確認できます。
PowerPivot の SharePoint サイトとの統合を確認するには、次の操作を行います。
ブラウザーで、作成した Web アプリケーションを開きます。既定値を使用した場合は、URL アドレスに「http://<コンピューター名>」と指定します。
PowerPivot データ アクセス機能と PowerPivot データ処理機能がアプリケーションで使用可能になっていることを確認します。そのためには、PowerPivot によって提供されるライブラリ テンプレートがあるかどうかを確認します。
[サイトの操作] の [その他のオプション] をクリックします。
[ライブラリ] に [データ フィード ライブラリ] と [PowerPivot ギャラリー] が表示されていることを確認します。これらのライブラリ テンプレートは PowerPivot 機能によって提供されるものであり、PowerPivot 機能が正しく統合されている場合に [ライブラリ] に表示されます。
サーバーで PowerPivot データ アクセスを確認するには、次の操作を行います。
PowerPivot ブックを PowerPivot ギャラリーまたは任意の SharePoint ライブラリにアップロードします。サンプル ファイルへのアクセス方法の詳細については、「Excel での PowerPivot ブックの作成のロードマップ」を参照してください。
ドキュメントをクリックしてライブラリから開きます。
スライサーをクリックするか、データをフィルターして PowerPivot のクエリを開始します。サーバーは PowerPivot データをバックグラウンドで読み込んで結果を返します。次の手順で、サーバーに接続して、データの読み込みとキャッシュが行われたことを確認します。
[スタート] メニューの Microsoft SQL Server 2008 R2 プログラム グループから SQL Server Management Studio を起動します。このツールがサーバーにインストールされていない場合は、以降の手順はスキップし、最後の手順でキャッシュされたファイルがあるかどうかを確認します。
[サーバーの種類] で [Analysis Services] を選択します。
[サーバー名] に「<server-name>\powerpivot」と入力します。<server-name> には、PowerPivot for SharePoint をインストールしたコンピューターの名前を入力します。
[接続] をクリックします。
オブジェクト エクスプローラーで、[データベース] をクリックして、読み込まれた PowerPivot データ ファイルの一覧を確認します。
コンピューターのファイル システムのフォルダーで、ファイルがディスクにキャッシュされているかどうかを確認します。キャッシュされたファイルが存在していれば、配置が機能していることの確認になります。ファイル キャッシュを表示するには、\Program Files\Microsoft SQL Server\MSAS10_50.POWERPIVOT\OLAP\Backup フォルダーに移動します。
インストールおよび構成のエラーのトラブルシューティング
予想したページや機能ではなくエラーが表示された場合は、次の操作を行います。
SharePoint 2010 と SQL Server 2008 R2 の両方のリリース ノートで、インストールの既知の問題を回避する方法を調べます。リリース ノートは、インストール メディア、またはソフトウェアをダウンロードした Microsoft サイトで提供されています。
Microsoft TechNet WIKI の「PowerPivot for SharePoint のインストールの問題のトラブルシューティング」のページを参照してください。
Microsoft Web サイトで SharePoint 配置に関する記事を参照します。これらの記事には、Internet Explorer で設定を構成する手順が記載されています。詳細については、「SQL Server を使用する単一サーバーを展開する」を参照してください。
インストール後のタスク
インストールの確認が完了したら、PowerPivot ギャラリーを作成するか個々の構成設定を調整してサービスの構成を終了します。インストールしたサーバー コンポーネントを完全に利用するには、PowerPivot for Excel をダウンロードし、最初の PowerPivot ブックを作成してパブリッシュします。
ブックのユーザーに SharePoint 権限を付与する
ユーザーがブックをパブリッシュまたは表示するには、SharePoint 権限が必要です。パブリッシュ済みのブックを表示する必要があるユーザーには表示権限を付与し、ブックをパブリッシュまたは管理するユーザーには投稿権限を付与してください。権限を付与するには、サイト コレクションの管理者である必要があります。
サイトで [サイトの操作] をクリックします。
[サイトの権限] をクリックします。
サイト コレクションのメンバー グループのチェック ボックスをオンにします。
リボンの [権限の許可] をクリックします。
ドキュメントを追加または削除する権限を必要とする Windows ドメインのユーザー アカウントまたはグループ アカウントを入力します。
[OK] をクリックします。
サイト コレクションの閲覧者グループのチェック ボックスをオンにします。
リボンの [権限の許可] をクリックします。
ドキュメントを表示する権限を必要とする Windows ドメインのユーザー アカウントまたはグループ アカウントを入力します。上で説明した手順と同様に、アプリケーションで従来の認証が構成されている場合は、電子メール アドレスまたは配布グループを使用しないでください。
[OK] をクリックします。
ADO.NET Data Services のインストール
ADO.NET Data Services は、SharePoint リストのデータ フィードのエクスポートに必要です。SharePoint 2010 では、このコンポーネントは PrerequisiteInstaller プログラムに含まれていないため、手動でインストールする必要があります。ADO.NET Data Services をインストールする方法の詳細については、「SharePoint リストのデータ フィードのエクスポートをサポートする ADO.NET Data Services のインストール方法」を参照してください。
データ更新に使用されるデータ プロバイダーのインストール
サーバー側のデータ更新を使用すると、ユーザーは更新されたデータを自動モードでブックに再インポートできます。データ更新を正常に行うには、サーバーでは、最初にデータをインポートするときに使用したのと同じデータ プロバイダーを使用する必要があります。また、データ更新が実行されるユーザー アカウントには、外部データ ソースに対する読み取り権限が必要です。正常な結果を確保するために、データ更新を有効にして構成するための要件を確認してください。詳細については、「PowerPivot データ更新を有効化し、構成する」を参照してください。
PowerPivot ギャラリーの作成
PowerPivot ギャラリーは、SharePoint サイトの PowerPivot ブックを表示するためのプレビュー オプションや表示オプションを備えたライブラリです。プレビュー機能があるため、PowerPivot ブックをパブリッシュしたり表示したりする際には PowerPivot ギャラリーを使用することをお勧めします。同じ SharePoint サーバーに Reporting Services も配置されている場合は、PowerPivot ギャラリーからレポート ビルダーを起動して、パブリッシュされた PowerPivot ブックを新しいレポートのベースとして使用することもできます。ライブラリの作成および使用の詳細については、「PowerPivot ギャラリーを作成およびカスタマイズする方法」および「PowerPivot ギャラリーを使用する方法」を参照してください。
PowerPivot for Excel のインストールと PowerPivot ブックの作成
ファームにサーバー コンポーネントをインストールしたら、PowerPivot データが埋め込まれた最初の Excel 2010 ブックを作成して、Web アプリケーションの SharePoint ライブラリにパブリッシュすることができます。PowerPivot データを含む Excel ブックを作成するには、まず Excel 2010 をインストールし、次に PowerPivot for Excel アドインをインストールする必要があります。このアドインは、PowerPivot データのインポートと活用をサポートするように Excel を拡張します。PowerPivot for Excel のインストール方法と PowerPivot データの作成方法については、「PowerPivot for Excel のインストール (SQL Server オンライン ブック)」および「Excel での PowerPivot ブックの作成のロードマップ」を参照してください。
長期にわたるサーバーまたはアプリケーションの追加
PowerPivot ソリューションを配置すると、Web アプリケーションのすべてのサイト コレクションについて、サイト コレクション レベルで機能の統合がアクティブ化されます。後で新しい Web アプリケーションを作成した場合は、そのそれぞれに対して powerpivotwebapp ソリューションを配置する必要があります。手順については、「PowerPivot ソリューションの配置」を参照してください。
PowerPivot サービス アプリケーションの構成方法によっては、PowerPivot System サービスが既定の接続グループに追加され、既定の接続を使用するすべての Web アプリケーションで使用できるようになります。ただし、カスタム サービス アプリケーション接続リストを使用するように Web アプリケーションを構成した場合は、PowerPivot データ処理を有効にする各 SharePoint Web アプリケーションに PowerPivot サービス アプリケーションを追加する必要があります。詳細については、「PowerPivot サービス アプリケーションを SharePoint Web アプリケーションに接続する方法」を参照してください。
後でデータ ストレージや処理能力を追加する必要が生じた場合は、ファームに 2 つ目の PowerPivot for SharePoint サーバー インスタンスを追加することができます。インストールの手順は、最初のサーバーを追加したときの手順とほとんど同じですが、インスタンス名とサービス アカウント情報の指定についての要件が異なります。手順については、「SharePoint ファームへの PowerPivot サーバーの追加」を参照してください。
構成設定のチューニング
PowerPivot サービス アプリケーションは、既定のプロパティと値を使用して作成されますが、個々のサービス アプリケーションの構成設定を変更して、要求の割り当て方法を変更したり、サーバー タイムアウトを設定したり、クエリ応答レポート イベントのしきい値を変更したり、使用状況データを保持する期間を指定したりすることもできます。サーバーの全体管理での構成および SharePoint Web アプリケーションでの PowerPivot 機能の使用の詳細については、「構成 (PowerPivot for SharePoint)」および「操作 (PowerPivot for SharePoint)」を参照してください。