PDF 出力のデザイン
更新 : 2008 年 11 月 17 日
PDF 表示拡張機能を使用すると、Adobe Acrobat および PDF 1.3 をサポートするその他のサードパーティ製 PDF ビューアで開くことのできるファイルにレポートが表示されます。PDF 1.3 は Adobe Acrobat 4 と互換性がありますが、Reporting Services は Adobe Acrobat 6 以降をサポートしています。この表示拡張機能では、レポートの表示処理に Adobe 製のソフトウェアは必要ありません。ただし、レポートを PDF 形式で表示または印刷するには、Adobe Acrobat などの PDF ビューアが必要です。
PDF 表示拡張機能は、画像表示拡張機能に基づいています。ただし、若干違いがあります。画像表示拡張機能と PDF 表示拡張機能に共通する情報については、「画像出力のデザイン」を参照してください。このトピックでは、PDF 表示拡張機能に固有の機能について説明します。
PDF 表示拡張機能では ANSI 文字がサポートされ、日本語、韓国語、繁体字中国語、簡体字中国語、キリル文字、ヘブライ語、アラビア語の Unicode 文字を変換できます。
フォントの埋め込み
PDF 表示拡張機能は、可能な限り、PDF ファイルでレポートを表示するために必要な各フォントのサブセットを埋め込みます。レポートに使用されるフォントは、レポート サーバーにインストールされている必要があります。レポート サーバーは、レポートを PDF 形式で生成する際に、レポートで参照されているフォントに格納されている情報を使用して、PDF ファイル内に文字マッピングを作成します。参照されているフォントがレポート サーバーにインストールされていないと、結果の PDF ファイルに適切なマッピングが作成されず、正しく表示されなくなる可能性があります。
フォントは、次の条件が当てはまる場合に、PDF ファイルに埋め込まれます。
- フォントの作成者によってフォントの埋め込み権限が付与されている場合。インストールされたフォントには、フォントの作成者がドキュメントへのフォントの埋め込みを許可するかどうかを示すプロパティが含まれます。このプロパティの値が EMBED_NOEMBEDDING の場合、フォントは PDF ファイルに埋め込まれません。詳細については、msdn.microsoft.com の「TTGetEmbeddingType」を参照してください。
- フォントが TrueType の場合。
- 文字列の文字の Font プロパティが ANSI ではなく、Unicode に設定されている場合。ANSI 文字の場合はフォントが埋め込まれません。
- レポートに表示されるアイテムによってフォントが参照されている場合。Hidden プロパティが True に設定されたアイテムによって参照されているフォントは、データの表示に必要ないので、ファイルに埋め込まれません。フォントは、レポート データの表示に必要な場合にのみ、埋め込まれます。
フォントに対してこれらすべての条件が当てはまる場合には、PDF ファイルにフォントが埋め込まれます。当てはまらない条件がある場合には、フォントが PDF ファイルに埋め込まれません。
クライアント コンピュータ上のフォント
PDF ファイルにフォントが埋め込まれている場合、レポートの表示に使用されるコンピュータ (クライアント コンピュータ) には、レポートを正しく表示するためのフォントがインストールされている必要がありません。
PDF ファイルにフォントが埋め込まれていない場合には、レポートを正しく表示するために必要なフォントがクライアント コンピュータにインストールされている必要があります。フォントがクライアント コンピュータにインストールされていない場合、PDF ファイルでは、サポートされない文字が疑問符 (?) で示されます。
PDF ファイルにおけるフォント使用の確認
PDF 出力に差異が発生することが最も多い状況は、ラテン文字以外の文字をサポートしないフォントがレポートで使用されているときに、ラテン文字以外の文字がレポートに追加された場合です。レポート サーバーとクライアント コンピュータの両方で PDF 表示機能による出力をテストし、レポートが正しく表示されることを確認してください。
レポートのプレビュー表示やエクスポートした HTML 表示を過信しないでください。プレビューの場合はグラフィカル デザイン インターフェイスによって、HTML の場合は Microsoft Internet Explorer によって、それぞれフォントが自動的に置き換えられるため、レポートが正しく表示されているように見えます。PDF でフォントが自動的に置き換えられない場合は、レポートを PDF にエクスポートすると、ラテン文字以外のサポートされない文字が疑問符 (?) に置き換えられます。
PDF ファイルに埋め込まれているフォントの一覧を表示するには、Adobe Acrobat でファイルを開き、[ファイル] メニューから [プロパティ] を表示します。[フォント] タブに、ファイルに埋め込まれているフォントの一覧が表示されます。
メタデータ
PDF 表示拡張機能によって、次の情報が PDF ファイルに書き込まれます。
PDF プロパティ | 作成元 |
---|---|
Title |
Report RDL 要素の Name 属性です。 |
Author |
Author RDL 要素です。 |
Subject |
Description RDL 要素です。 |
Creator |
Reporting Services の製品名および製品バージョンです。 |
Producer |
表示拡張機能の名前とバージョンです。 |
CreationDate |
PDF datetime 形式でのレポートの実行時間です。 |
Fonts |
埋め込まれた各フォントのフォント名とプロパティです。 |
ブックマーク
PDF 表示拡張機能では、見出しマップが PDF のブックマークとして表示されます。表示されたページ内のアイテムのブックマークのみが含まれます。レポートが 1 ページの場合、ブックマークは含まれません。
ハイパーリンクとドリルスルー リンク
ハイパーリンクは、PDF 表示拡張機能によって表示されます。ユーザーがハイパーリンクをクリックすると、リンク先のページがブラウザに表示されます。ドリルスルー リンクを PDF 出力に使用することはお勧めしません。他のページにリンクする PDF レポートでは、ハイパーリンクの使用を検討してください。
画像
レポートの画像を最初に JPEG 形式で保存した場合、PDF でもその画像は JPEG 形式で表示されます。最初に他の形式で保存した画像は、PNG 形式で表示されます。
表示
PDF 表示拡張機能を使用してレポートを表示する場合、次のような複数のデバイス情報設定を指定できます。
- 表示するページの範囲
- ページの幅と高さ
- 余白のサイズ
- 列数と列の間隔
- PDF の解像度
デバイス情報設定の詳細については、「Reporting Services デバイス情報設定」を参照してください。
参照
概念
ヘルプおよび情報
変更履歴
リリース | 履歴 |
---|---|
2008 年 11 月 17 日 |
|
2006 年 12 月 12 日 |
|