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SQL Server 2005 のエディションとコンポーネント

更新 : 2006 年 4 月 14 日

インストールの前提条件は、使用するアプリケーションの要件によって大きく異なります。SQL Server 2005 にはさまざまなエディションがあり、組織や個人の独自のパフォーマンス、ランタイム、および価格に関する要件に対応できます。多様な SQL Server 2005 コンポーネントの中からどれをインストールするかについても、各組織または各ユーザーの要件によって異なります。この後のセクションでは、SQL Server 2005 の最適なエディションおよびコンポーネントを選択する方法について説明します。

SQL Server 2005 のエディションの決定

実稼働環境では、SQL Server 2005 Developer Edition と SQL Server 2005 Evaluation Edition を除く、すべてのエディションの SQL Server 2005 を使用できます。以降、SQL Server 2005 の各エディションについて説明します。

  • SQL Server 2005 Enterprise Edition (32 ビットおよび 64 ビット)
    Enterprise Edition は、大企業におけるオンライン トランザクション処理 (OLTP)、きわめて複雑なデータ分析、データ ウェアハウス システム、および Web サイトをサポートできるパフォーマンス レベルを備えています。Enterprise Edition の包括的なビジネス インテリジェンス機能と分析機能、およびフェールオーバー クラスタリングなどの高可用性機能により、最もミッション クリティカルなエンタープライズ用ワークロードを処理できます。SQL Server の中で最も包括的な Enterprise Edition は、大企業に最適で、きわめて複雑な要件に対処できます。
  • SQL Server 2005 Evaluation Edition (32 ビットおよび 64 ビット)
    SQL Server 2005 には、32 ビットまたは 64 ビット プラットフォーム対応の 180 日間限定 Evaluation Edition も用意されています。SQL Server Evaluation Edition には、SQL Server 2005 Enterprise Edition と同等の機能が備わっています。SQL Server Evaluation Edition は、実稼働環境用にアップグレードすることもできます。
  • SQL Server 2005 Standard Edition (32 ビットおよび 64 ビット)
    SQL Server 2005 Standard Edition は中小規模の組織向けのデータ管理および分析用プラットフォームです。このエディションには、電子商取引、データ ウェアハウジング、および業務用ソリューションに不可欠な機能が含まれています。Standard Edition の統合ビジネス インテリジェンス機能と高可用性機能により、こうした中小組織の運営に不可欠な機能が提供されます。SQL Server 2005 Standard Edition は、総合的なデータ管理および分析用プラットフォームを必要とする中小規模の組織に適しています。
  • SQL Server 2005 Workgroup Edition (32 ビットのみ)
    SQL Server 2005 Workgroup Edition は、サイズやユーザー数が無制限のデータベースを必要とする小規模の組織向けのデータ管理ソリューションです。SQL Server 2005 Workgroup Edition はフロントエンド Web サーバーとして使用でき、部門や支店の運営に利用することもできます。このエディションには SQL Server 製品ラインの主要なデータベース機能が含まれており、SQL Server 2005 Standard Edition または SQL Server 2005 Enterprise Edition へ簡単にアップグレードできます。SQL Server 2005 Workgroup Edition は、信頼性と堅牢性に優れ、管理しやすいため、入門レベルとして理想的なデータベースです。
  • SQL Server 2005 Developer Edition (32 ビットおよび 64 ビット)
    SQL Server 2005 Developer Edition では、SQL Server 上で動作するあらゆる種類のアプリケーションを開発できます。このエディションには SQL Server 2005 Enterprise Edition の機能がすべて含まれていますが、稼働サーバーとして使用するのではなく、開発およびテスト システムとしての利用に対してライセンスが供与されます。SQL Server 2005 Developer Edition は、独立系ソフトウェア ベンダ (ISV)、コンサルタント、システム インテグレータ、ソリューション プロバイダに適しています。また、アプリケーションを作成し、テストする企業内の開発者も利用できます。SQL Server 2005 Developer Edition は、実稼働環境用にアップグレードできます。
  • SQL Server 2005 Express Edition (32 ビットのみ)
    SQL Server Express データベース プラットフォームは SQL Server 2005 を基盤としており、Microsoft Desktop Engine (MSDE) の後継でもあります。SQL Server Express と Microsoft Visual Studio 2005 が統合されたことにより、豊富な機能を備え、記憶域のセキュリティが確保され、高速に配置されるデータ ドリブン アプリケーションの開発が容易になります。

    SQL Server Express は無償で提供され、合意を条件として再配布が可能です。また、クライアント データベースとして機能するだけでなく、基本的なサーバー データベースとしても機能します。SQL Server Express は、独立系ソフトウェア ベンダ (ISV)、サーバー ユーザー、アマチュアの開発者、Web アプリケーションの開発者、Web サイトをホストしているユーザー、クライアント アプリケーションを趣味で開発する開発者などに適しています。さらに高度なデータベース機能が必要な場合には、SQL Server Express を SQL Server の上位バージョンにシームレスにアップグレードできます。

    また、SQL Server Express には、SQL Server 2005 Express Edition with Advanced Services (SQL Server Express) の一部として使用できるその他のコンポーネントも用意されています。SQL Server Express with Advanced Services には、SQL Server Express の機能に加えて以下の機能が含まれています。

    • SQL Server Management Studio Express (SSMSE)。これは SQL Server Management Studio のサブセットです。
    • フルテキスト カタログのサポート。
    • Reporting Services によるレポート表示のサポート。
  • SQL Server 2005 Compact Edition (32 ビットのみ)
    SQL Server 2005 Compact Edition は、デバイスで企業のデータ管理機能を利用できるようにする、コンパクトなデータベースです。SQL Server 2005 Compact Edition では、SQL Server 2005 および SQL Server 2000 との間でデータをレプリケートできるため、ユーザーはプライマリ データベースと同期が取れたモバイル データ ストアを管理できます。SQL Server 2005 Compact Edition は、スマート デバイスにリレーショナル データベース管理機能を提供する、唯一の SQL Server エディションです。
  • SQL Server 2005 Runtime Edition (32 ビットおよび 64 ビット)
    SQL Server 2005 Runtime Edition は、Microsoft ISV のロイヤルティ プログラムによって提供されます。顧客が SQL Server コードを使用して、他のアプリケーションを実行したり、他のコンテキストで SQL Server コードを使用したりしない場合に、SQL Server 2005 Runtime Edition のエンド ユーザー ライセンス契約に基づいて、独立系ソフトウェア ベンダ (ISV) が SQL Server コードをソリューションに組み込むことができます。SQL Server Runtime Edition の詳細については、サポート技術情報の資料「SQL Server ランタイム ライセンスの入手方法」 (https://support.microsoft.com/kb/917400) を参照してください。

インターネット サーバーと共に SQL Server 2005 を使用する

インターネット インフォメーション サービス (IIS) を実行するサーバーなどのインターネット サーバーでは、一般に SQL Server 2005 クライアント ツールをインストールします。クライアント ツールには、アプリケーションが SQL Server のインスタンスに接続する際に使用するクライアント接続コンポーネントが含まれています。

ms144275.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
IIS を実行しているコンピュータに SQL Server のインスタンスをインストールすることは可能ですが、通常はサーバー コンピュータが 1 台の小規模 Web サイトの場合に行います。ほとんどの Web サイトでは、その中層 IIS システムが 1 つまたはクラスタ構成の複数サーバーに配置され、データベースは 1 つの独立したサーバーまたは連合構成の複数サーバーに配置されます。SQL Server 2005 Reporting Services は、通常、中間層にインストールします。Reporting Services のソフトウェア要件の詳細については、「SQL Server 2005 のインストールに必要なハードウェアおよびソフトウェア」を参照してください。連合の詳細については、SQL Server 2005 Books Online のトピック「連合データベース サーバー」を参照してください。

クライアント/サーバー アプリケーションと共に SQL Server 2005 を使用する

SQL Server 2005 のクライアント コンポーネントだけを、SQL Server のインスタンスに直接接続するクライアント/サーバー アプリケーションを実行するコンピュータにインストールできます。クライアント コンポーネントをインストールすることは、データベース サーバー上にある SQL Server のインスタンスを管理する場合、または SQL Server アプリケーションを開発しようとしている場合にも適切なオプションです。

クライアント コンポーネントをインストールするオプションを選択すると、コマンド プロンプト ツール、Reporting Services ツール、接続コンポーネント、プログラミング モデル、管理ツール、開発ツール、Books Online、サンプル データベース、サンプル アプリケーションなどの SQL Server の機能がインストールされます。詳細については、「SQL Server 2005 をインストールする方法 (セットアップ)」を参照してください。

SQL Server 2005 コンポーネントの決定

SQL Server 2005 のインストールに含めるコンポーネントを選択するには、SQL Server インストール ウィザードの [機能の選択] ページを使用します。ツリーの中に、既定で選択されている機能はありません。

以下の説明を参照し、必要な機能を判断してください。

サーバー コンポーネント 説明

SQL Server データベース エンジン

データベース エンジンには、データを格納、処理、およびセキュリティで保護するための主要サービスであるデータベース エンジン、レプリケーション、フルテキスト検索、およびリレーショナル データと XML データの管理ツールが含まれます。

Analysis Services

Analysis Services には、オンライン分析処理 (OLAP) アプリケーションおよびデータ マイニング アプリケーションを作成、管理するためのツールが含まれます。

Reporting Services 1,2

Reporting Services には、表形式、マトリックス形式、グラフィカル形式、および自由形式のレポートを作成、管理、配置するためのサーバー コンポーネントとクライアント コンポーネントが含まれます。Reporting Services は、レポート アプリケーション開発用の拡張可能プラットフォームとしても使用できます。

Notification Services

Notification Services は、さまざまなデバイスのサブスクライバに、個人的な情報を適切なタイミングで送信するアプリケーションを開発および配置するためのプラットフォームです。

Integration Services

Integration Services は、データを移動、コピー、変換するための一連のグラフィカル ツールとプログラミング可能なオブジェクトです。

1 Reporting Services をインストールするには、インターネット インフォメーション サービス (IIS) 5.0 以上が必要です。

2 Reporting Services のレポート デザイナ コンポーネントをインストールするには、Microsoft Internet Explorer 6.0 Service Pack (SP) 1 が必要です。

クライアント コンポーネント 説明

接続コンポーネント

クライアントとサーバー間の通信用コンポーネント、および DB-Library、ODBC、OLE DB 用のネットワーク ライブラリをインストールします。

管理ツール 説明

SQL Server Management Studio 1

SQL Server Management Studio (SSMS) は、Microsoft SQL Server 2005 で新たに導入された、SQL Server のすべてのコンポーネントを構成、管理、開発し、それらのコンポーネントへアクセスできるようにする統合環境です。SSMS は、以前のリリースの SQL Server に含まれていた Enterprise Manager、クエリ アナライザ、分析マネージャの機能を 1 つに統合したものです。この環境内では、スキル レベルにかかわらず、あらゆる開発者と管理者が SQL Server にアクセスできます。

SQL Server 構成マネージャ

SQL Server 構成マネージャを使用して、SQL Server サービス、サーバー プロトコル、クライアント プロトコル、およびクライアントの別名に関する基本的な構成管理を行います。

SQL Server Profiler

SQL Server Profiler には、データベース エンジンのインスタンス、または Analysis Services のインスタンスを監視するためのグラフィカル ユーザー インターフェイスが備わっています。

データベース エンジン チューニング アドバイザ

データベース エンジン チューニング アドバイザは、最適なインデックスのセット、インデックス付きビュー、およびパーティションの作成に役立ちます。

1 SQL Server Management Studio をインストールするには、Internet Explorer 6.0 SP1 が必要です。

開発ツール 説明

Business Intelligence Development Studio 1

Business Intelligence Development Studio は、Analysis Services、Reporting Services、および Integration Services ソリューション用の統合開発環境です。

1 Business Intelligence Development Studio をインストールするには、Internet Explorer 6.0 SP1 が必要です。

ドキュメントとサンプル 説明

SQL Server Books Online

SQL Server 2005 の主要マニュアル。

SQL Server サンプル

データベース エンジン、Analysis Services、Reporting Services、および Integration Services 用のサンプル コードとサンプル アプリケーションを提供します。

参照

関連項目

インストールするコンポーネント
機能の選択
バージョンとエディションのアップグレード

その他の技術情報

SQL Server セキュリティ構成

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手

変更履歴

リリース 履歴

2006 年 7 月 17 日

変更内容 :
  • SQL Server 2005 エディションの一覧に SQL Server Runtime を追加しました。

2006 年 4 月 14 日

変更内容 :
  • SQL Server 2005 Evaluation Edition の試用期間を 120 日から 180 日に更新しました。
  • 実稼働環境で使用可能な SQL Server 2005 エディションの一覧を改訂しました。Developer Edition と Evaluation Edition は実稼働環境では使用できません。