Project Server 2007 ファームのバックアップと復元の準備をする
更新日: 2008年11月
トピックの最終更新日: 2015-03-09
プロジェクト データをバックアップする前に、まずそのデータが格納される共有フォルダをネットワーク上に作成する必要があります。また、バックアップするために必要なアカウントが共有フォルダにアクセスできることを確認する必要があります。ここでは、データをバックアップする前の基本的な考慮事項と、実行する必要のある手順について説明します。
障害発生時に必要となるデータのバックアップおよび回復を成功させるには、準備が重要です。Project Server の展開をバックアップする前に、バックアップおよび復旧計画を確認し、以下の主要な活動を検討してください。
Microsoft Office Project Server 2007 の展開時に、作成するアカウントのレコード、コンピュータ名、パスワード、選択したセットアップ オプションを保存します。この情報は安全な場所に保管します。
回復に関する資料、ドキュメント、およびデータベースとトランザクション ログのバックアップのコピーは、すべて必ずオフサイトの場所に保存しておきます。バックアップと回復計画については、「Project Server 2007 での障害復旧を計画する」を参照してください。
システムにバックアップを格納できる十分な容量があることを確認してください。記憶容量の計画の詳細については、『Windows Server 2003 Deployment Guide』の「記憶域の計画」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=121920\&clcid=0x411) を参照してください。
定期的にデータ回復のテストを実施し、ファイルが適切にバックアップされていることを確認します。データ回復テストでは、ソフトウェアの検証では検出できないハードウェアの問題が見つかる場合があります。
火事や地震などの災害発生時にデータが失われることを避けるため、サーバーとは別個の場所にサーバーのバックアップのコピーを保持します。これにより、データ損失から重要なデータを保護できます。バックアップ メディアのコピーは 3 つ作成し、少なくとも 1 つをオフサイトの適切に管理された環境で保管することをお勧めします。
SharePoint 製品とテクノロジ サーバー ファームのバックアップまたは復元時に、次の制限と例外が適用されます。
SharePoint 製品とテクノロジの組み込みツールでは、以下のものはバックアップおよび復元できない場合があります。
導入されているカスタム ソリューション
代替アクセス マッピング
SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトをホストする Web アプリケーション
インターネット インフォメーション サービス (IIS) メタベース
サーバーの全体管理コンテンツ データベース
構成データベース
重要 構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースはバックアップできますが、SharePoint 製品とテクノロジまたは SQL Server に組み込まれているツールを使用して、実行中のファームから作成された構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースのバックアップを復元することはサポートされていません。 これは、これらのデータベース内のデータと、他の SharePoint 製品とテクノロジ データベース内のデータが同期していないことが原因です。したがって、SharePoint 製品とテクノロジの組み込みツールによるファーム レベルの回復操作では、これらのデータベースは回復されません。
このデータが同期されない場合、不定期で多様なエラーが発生することがあります。詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の記事 948725「および Windows SharePoint Services 3.0 SharePoint Server 2007 で、組み込みのバックアップと復元機能を使用して、構成データベースの復元がサポートされていません」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=117755\&clcid=0x411) を参照してください。
次の方法で、構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースを含む、ファームを復元できます。
Microsoft System Center Data Protection Manager 2007 を使用して取得された実行中のファームのファーム レベル バックアップを使用すると、構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースを含む、ファーム全体を復元することができます。詳細については、「How to Recover a Windows SharePoint Services Farm (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=102831\&clcid=0x411) を参照してください。
完全に停止したファームから、構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースのバックアップを取得した場合は、そのバックアップを復元します。詳細については、「すべてのデータベースを移動する (Project Server 2007)」を参照してください。
ファームの構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースが同期していない場合は、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードまたは Psconfig コマンド ライン ツールを使用して、両方のデータベースを再作成する必要があります。
構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースを保護するには
すべての構成設定、およびすべてのカスタマイズ情報を記録して、データベースを正確に再作成できるようにします。 ファームの復元の詳細については、「Project Server 2007 で展開を回復する」を参照してください。
構成データベースをホストしている SQL Server が実行されているコンピュータについて、クラスタリング、ミラーリングなど、冗長ソリューションを検討します。ミラーリングの使用方法の詳細については、「Office SharePoint Server および Windows SharePoint Services で SQL Server データベース ミラーリングを使用する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=83725\&clcid=0x411) を参照してください。
サイト コレクションのバックアップと回復では、サーバーの全体管理サイトをサーバーの全体管理サイト以外のサイトに移行することはできません。
Windows SharePoint Services VSS Writer サービスが適切に動作するには、Microsoft SQL Server 2005 データベース ソフトウェアで提供される SQL Server VSS Writer サービスを開始する必要があります。既定では、Windows SharePoint Services VSS Writer サービスは自動的に開始されません。
SharePoint 製品とテクノロジを使用して作成したバックアップを他の場所に移動する場合は、必ずバックアップ フォルダ全体をコピーして移動してください。このフォルダ内の個々のバックアップ フォルダを移動することは避けてください。
バックアップのスケジュールを設定する場合は、Windows タスク スケジューラを使用し、Stsadm コマンド ライン ツールでバックアップを実行できます。
重要 spbackup.xml ファイルは変更しないでください。このファイルを変更すると、バックアップや復元されたファームが破壊され、回復できなくなる可能性があります。 あるバージョンから作成されたバックアップを他のバージョンに復元することはできません。これを実行するには、アップグレード プロセスを使用します。アップグレードの詳細については、以下の記事を参照してください。
サーバーの全体管理を使用してバックアップを実行する場合は、Microsoft SQL Server 2005 ツールなど、他の方法を使用して復元することはできません。
データベースを作成または削除するタスクの実行中にバックアップを行うと、それらの変更はバックアップに含まれない可能性があります。
すべてのカスタム ソリューションは、個別のバックアップとして管理する必要があります。
SQL Server 2005 では、マップされたドライブ、リモート コンピュータ上の語尾が "$" で終わる共有、または IP アドレスにバックアップを作成できません。
共有サービス プロバイダ (SSP) のバックアップでは、グローバル検索設定がバックアップされません。
タスクの要件
このタスクの手順を実行するには、以下のコンポーネントが必要です。
Microsoft Office Project Server 2007 がインストールされている必要があります。Office Project Server 2007 のインストールの詳細については、「サーバー ファーム環境に Project Server 2007 を展開する」を参照してください。
バックアップと回復を実行するためには、以下の表に記載されているアカウントを有効にする必要があります。
アカウント 説明 SQL Server サービス アカウント (MSSQLSERVER)
ローカル システム アカウントをこのサービス アカウントとして使用する場合に、共有フォルダが他のコンピュータ上にあるときは、SQL Server を実行するコンピュータに対して共有フォルダへの変更と読み取りのアクセス許可を与える必要があります。別の方法として、ドメイン ユーザー アカウントを指定し、共有フォルダへのアクセス許可を与えることもできます。
ローカル管理者アカウント
Stsadm コマンド ライン ツールを使用してバックアップと回復を実行するには、Stsadm コマンド ライン ツールを保持しているコンピュータの Administrators グループのメンバとしてログオンする必要があります。
インターネット インフォメーション サービス (IIS) の SharePoint サーバーの全体管理アプリケーション プール ID アカウント
サーバーの全体管理を使用する場合は、バックアップおよび回復を実行するのに、このアプリケーション プール ID アカウントが必要になります。そのため、このアプリケーション プールのセキュリティ アカウントは、バックアップ データが格納される共有フォルダに対する変更と読み取りのアクセス許可を持っている必要があります。
ファーム アカウントを変更した場合は、バックアップを実行する前に、バックアップ データを格納する共有フォルダへの適切な権限を新しいアカウントに付与する必要があります。
サーバーの全体管理を使用してバックアップする場合は、データベース サーバーの SQL Server アカウント、タイマ サービス アカウント、およびサーバーの全体管理アプリケーション プール ID アカウントが、バックアップの場所に対する書き込みアクセス許可を持っている必要があります。Stsadm コマンド ライン ツールを使用する場合は、ログオンに使用するアカウントが、バックアップの場所に対する書き込みアクセス許可を持っている必要があります。
バックアップされているデータベース サーバーとファーム サーバーは、互いに接続できる必要があります。
ネットワーク上での共有フォルダの作成
この手順を使用して、バックアップ データを受信および保持できる共有フォルダをネットワーク上に作成します。この共有フォルダは、データを復元するときにも使用できます。データのバックアップおよび回復に使用できる共有フォルダが既にある場合、この手順を実行する必要はありません。以下の手順を実行して、Microsoft SQL Server 2005 データベース ソフトウェアを実行するコンピュータ、および SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトをホストするコンピュータから共有フォルダにアクセスできるようにします。
重要 |
---|
この手順を実行するには、最小要件として、共有フォルダが作成されるコンピュータの Administrators グループのメンバシップが必要です。 |
ネットワーク上に共有フォルダを作成する
SQL Server を実行しているコンピュータ以外のコンピュータに共有フォルダを作成する場合は、SQL Server (MSSQLSERVER) のサービス アカウントがドメイン ユーザー アカウントを使用していることを確認してください。SQL Server のアカウントの詳細については、以下のリソースを参照してください。
バックアップ データを保存するサーバーで、共有フォルダを作成します。
[プロパティ] ダイアログ ボックスの [共有] タブで、[アクセス許可] をクリックし、以下のアカウントを追加します。
SQL Server サービス アカウント (MSSQLSERVER)
SharePoint サーバーの全体管理アプリケーション プール ID アカウント
[変更] と [読み取り] アクセス許可の [許可] を選択し、[OK] をクリックします。
[プロパティ] ダイアログ ボックスの [セキュリティ] タブで、手順 3. で追加したアカウントに [フル コントロール] 以外のアクセス許可をすべて付与し、[OK] をクリックします。
復元の準備を行う
復元を開始する前に、次のことに注意してください。
重要 |
---|
構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースをバックアップできますが、実行中のファームから取得された構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースのバックアップは、SharePoint 製品とテクノロジまたは SQL Server の組み込みツールでは復元できません。 |
これらのデータベースのデータが、他の Office SharePoint Server 2007 や Windows SharePoint Services 3.0 のデータベースにあるデータと同期できない可能性があるためです。したがって、SharePoint 製品とテクノロジに組み込まれているツールを使用して、ファーム レベルの回復処理中にこれらのデータベースを回復することはできません。
このデータが同期されない場合、不定期で多様なエラーが発生することがあります。詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の記事 948725「および Windows SharePoint Services 3.0 SharePoint Server 2007 で、組み込みのバックアップと復元機能を使用して、構成データベースの復元がサポートされていません」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=117755\&clcid=0x411) を参照してください。
次の方法を使用すれば、構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースを含む、ファームを回復することができます。
System Center Data Protection Manager を使用して取得された実行中のファームのファーム レベル バックアップを使用すれば、構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースを含む、ファーム全体を回復することができます。詳細については、「How to Recover a Windows SharePoint Services Farm (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=102831\&clcid=0x411) を参照してください。
完全に停止したファームから、構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースのバックアップを取得した場合は、そのバックアップを復元できます。詳細については、「すべてのデータベースを移動する (Project Server 2007)」を参照してください。
ファームの構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースが同期していない場合は、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードまたは Psconfig コマンド ライン ツールを使用して、両方のデータベースを再作成する必要があります。
構成データベースとサーバーの全体管理コンテンツ データベースを保護するには
すべての構成設定、およびすべてのカスタマイズ情報を記録して、データベースを正確に再作成できるようにします。ファームの復元に関する詳細については、「組み込みツールを使用して Project Server 2007 ファームを復元する」を参照してください。
コンピュータで SQL Server 2005 を実行して構成データベースをホストしている場合は、クラスタリング、ミラーリングなど、冗長性ソリューションを検討してください。ミラーリングの使用方法の詳細については、「Office SharePoint Server および Windows SharePoint Services で SQL Server データベース ミラーリングを使用する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=83725\&clcid=0x411) を参照してください。
Office Project Server 2007 では、あるバージョンで作成したバックアップを別バージョンの Office Project Server 2007 に復元できません。この操作を行うには、アップグレード プロセスを使用します。
復元を実行する前に、すべてのファーム サーバー上で Windows SharePoint Services Administration サービスが開始されていることを確認してください。スタンドアロン インストールでは、既定でこのサービスは開始されません。
SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトを使用して復元を行う場合、データベース サーバーの SQL アカウント、Timer サービス アカウント、サーバーの全体管理アプリケーション プール アカウントは、バックアップ先の場所に対する読み取りアクセス許可を持っている必要があります。
Stsadm コマンド ライン ツールを使用する場合は、ログオンに使用するアカウントが、バックアップの場所に対する読み取りアクセス許可を持っている必要があります。
バックアップから復元までの間にクロール関連アカウントの資格情報が変更された場合は、復元の実行後にすべてのクロール関連パスワードを再入力する必要があります。これには、既定のコンテンツ アクセス アカウントと、資格情報を含む各インクルード クロール ルールのパスワードが含まれます。
スタンドアロン インストール上で SSP を復元する前に、管理者は、検索が使用できるように、Microsoft SharePoint Services Administration サービスを手動で開始する必要があります。このサービスは、ローカル サーバー上で検索ディレクトリを作成するために必要です。このディレクトリに検索インデックス ファイルが保存されます。
スタンドアロン インストール上では、SSP を復元する前に、タイマ サービスを再開する必要があります。
検索サービスとインデックスを新しいインストールに復元または移行する場合は、検索サービスが実行中であることを確認してから回復を実行してください。
復元後、検索が再び利用できるようになるまで 15 分ほどかかる場合があります。
Web アプリケーションを復元する場合は、同期サービスが一時停止していることをあらかじめ確認してください。
同じバックアップから複数の回復を同時に実行できないことに注意してください。