SharePoint Server Search コネクタ フレームワーク

Microsoft SharePoint Server 2010 は、コンテンツ ソースに接続してクロールするための新しいコネクタ フレームワークを提供します。

最終更新日: 2010年10月11日

適用対象: SharePoint Server 2010

この記事の内容
SharePoint Server 2010 インデックス コネクタ
データベースおよび Web サービスのインデックス コネクタ
.NET Framework のアセンブリ コネクタとカスタム インデックス コネクタ

新しいコネクタ フレームワークは、Microsoft Business Connectivity Services (BCS) に基づいて構築されています。インデックス コネクタは、コンテンツのローカル インデックスのクロール、列挙、作成を行い、以下で構成されます。

• BDC モデル ファイル   外部システムへの接続情報とデータ構造を提供します。

• コネクタ   外部システムに接続するコードを提供します。

このトピックでは、SharePoint Server 2010 インデックス コネクタに関する情報と、カスタム インデックス コネクタを作成して外部システムを検索する方法について説明します。

SharePoint Server 2010 インデックス コネクタ

SharePoint Server 2010 は、外部システムを検索するために以下のインデックス コネクタを提供します。

• Lotus Notes コネクタ

• Exchange コネクタ

• Documentum コネクタ

これらのコネクタをインストールおよび設定する方法については、「コネクタをインストールする (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

データベースおよび Web サービスのインデックス コネクタ

Business Connectivity Services は、データベースおよび Windows Communication Foundation (WCF)、または Web サービスへの接続をサポートする Business Data Connectivity (BDC) service コネクタを提供します。つまり、データベースおよび WCF、または Web サービス外部コンテンツ タイプ用のインデックス コネクタを、コードを記述せずに作成できます。インデックス コネクタ用の モデル ファイルを作成するだけです。Microsoft SharePoint Designer 2010 を使用してこのことを行う方法については、「[方法] Web サービスに基づく外部コンテンツ タイプを作成する」と「[方法] SQL Server テーブルに基づく外部コンテンツ タイプを作成する」を参照してください。

.NET Framework のアセンブリ コネクタとカスタム インデックス コネクタ

外部システムが Business Connectivity Services によって直接サポートされていない場合は、独自の BDC モデル ファイルとコネクタを作成して、Business Connectivity Services 経由で外部システムを公開できます。

外部システム内の外部コンテンツ タイプが静的で頻繁に変更されず、既知のタイプが少ない場合は、Web サービスまたは .NET Connectivity Assembly を作成して外部システムのデータを公開できます。詳細については、「.NET Connectivity Assemblies と Web サービスを作成する」と「[方法] .NET Connectivity Assembly を作成する」を参照してください。

外部システム内の外部コンテンツ タイプが動的であり、カスタム タイプを含み、規模が大きい場合、その外部システム用のカスタム コネクタ アセンブリを作成することを検討する必要があります。詳細については、「.NET Assembly Connector を使用することとカスタム コネクタを作成することの違い」と「カスタム インデックス コネクタの作成」を参照してください。カスタム コネクタ用の BDC モデル ファイルを作成する場合は、「[方法] SharePoint Designer を使用してカスタムコネクタの BDC モデル ファイルを作成する」を参照してください。

BDC モデル ファイルの検索プロパティ

BDC メタデータ モデルには、SharePoint Server Search をサポートするプロパティが特別に用意されています。次の表では、このプロパティについて説明します。

表 1. BDC モデル ファイルの検索プロパティ

名前	メタデータ オブジェクト	説明
ShowInSearchUI	Model	モデル ファイルの LobSystemInstance 要素を検索ユーザー インターフェイスに表示する必要があることを指定します。この値は、カスタム コネクタについては無視されます。
InputUriProcessor	LobSystem	入力 URL をコネクタに渡す前にその入力 URL を処理するクラスの名前を指定します。カスタム コネクタおよび Business Connectivity Services に既定で組み込まれているコネクタに適用されます。
OutputUriProcessor	LobSystem	出力 URL をコネクタから検索システムに渡す前にその出力 URL を処理するクラスの名前を指定します。カスタム コネクタおよび既定の Business Connectivity Services コネクタに適用されます。
Title	Entity	検索結果に表示する外部コンテンツ タイプのタイトルを指定します。
DefaultLocale	Entity	ロケール文字列を指定します。LCIDField プロパティまたは CultureField プロパティを使用してこの値を無効にできます。
RootFinder	Method	クロールするアイテムを列挙するために使用する Finder メソッドを指定します。たとえば、データベースに接続している場合、SELECT ステートメントまたはクロールするテーブルのリストを指定することが考えられます。
DirectoryLink	Method	BDC が関連付けの間を移動する必要があることを指定します。階層クロールに必要です。
DeletedCountField	Method	削除された数の値を指定します。このプロパティは、ゼロより大きい整数が指定されていない場合は無視されます。
WindowsSecurityDescriptorField	Method	アイテムの Windows セキュリティ記述子を指定します。指定しなかった場合、GetSecurityDescriptor メソッドが呼び出されます。GetSecurityDescriptor が定義されていない場合、すべての外部アイテムには、Everyone アクセス制御リスト (ACL) が割り当てられます。
AuthorField	Method	検索結果に表示する作成者名を指定します。
DisplayUriField	Method	検索結果に表示する URL を指定します。指定した場合、このプロパティは、Business Connectivity Services によって提供されるプロファイル ページの URL を無効にします。指定しなかった場合、検索結果に表示される URL は、bdc3:// で始まり、ブラウザーによって認識されません。
LastModifiedTimeStampField	Method	検索結果に表示する外部アイテムのタイムスタンプを指定します。この値は、増分クロールについても使用されます。
DescriptionField	Method	検索結果に表示する説明を指定します。
LCIDField	Method	DescriptionField のロケール ID (LCID) を指定します。指定しなかった場合、既定のワード ブレーカーが使用されます。
CultureField	Method	DescriptionField のカルチャを指定します。
Extension	Method	クロール可能なストリームのファイル名拡張子を指定します。指定しない場合の既定の拡張子は、.txt です。
MimeType	Method	クロール可能なストリームの MIME の種類を指定します。指定しない場合の既定の拡張子は、.txt です。Extension フィールドおよび MimeType フィールドの両方を指定した場合、MimeType フィールドに指定した値が使用されます。
UseClientCachingForSearch	Method	列挙中、クローラーがコンテンツをキャッシュするかどうかを指定します。コンテンツがキャッシュされる場合、クローラーは、個々のアイテムをクロールするときに、コンテンツ ソースにもう一度トリップしません。
EnumerateIdsOnly	FilterDescriptor	IDEnumerator で ID だけを返すかどうかを指定します。
CrawlStartTime	FilterDescriptor	最後のクロールの開始時刻が格納されます。
SynchronizationCookie	FilterDescriptor	外部コンテンツ ソースがクロール後に Cookie を返すことを指定します。Cookie は、次の列挙呼び出しのときに、インデックス コネクタによって再送信されます。外部コンテンツ ソースは Cookie を使用して、最後のクロール以降に何が変更されたかを判断します。このプロパティは、ChangedIDEnumerator メソッド インスタンスと DeletedIDEnumerator メソッド インスタンスとともに使用されます。
Property	TypeDescriptor	プロパティの検索で使用する struct 配列を指定します。次の要素で構成されます。 PropertyName PropertyValue PropertyCulture
Text	TypeDescriptor	添付ファイルの検索に使用する struct 配列を指定します。次の要素で構成されます。 TextExtension TextContentType TextValue

関連項目

タスク

[方法] SharePoint Designer を使用してカスタムコネクタの BDC モデル ファイルを作成する

概念

SharePoint Server Search の BDC モデル ファイルの拡張

カスタム インデックス コネクタの作成

コード サンプル: MyFileConnector カスタム インデックス コネクタ

[方法] 関連する外部コンテンツ タイプをクロールする

[方法] バイナリ ラージ オブジェクト (BLOB) をクロールする

アイテム レベル セキュリティ

検索コネクタ フレームワークのトラブルシューティング