スキーマ
WMI では、情報はスキーマを使用して公開されます。スキーマは、特定の管理環境で使用される管理クラスおよびインスタンスをグループ化します。このグループ化により、一貫性があり統一されたビューに、すべての型の論理オブジェクトおよび物理オブジェクトが表示されます。管理オブジェクトは、クラスなどのオブジェクト指向の構成体を使用して表されます。クラスは、データを記述するプロパティと、動作を記述するメソッドを含みます。サードパーティの開発者は、販売元に固有の環境を記述した独自のカスタム スキーマを作成できます。スキーマは好きなだけ拡張できるので、既存の環境の新しいマネージ オブジェクトを表すために使用する新しいクラスを常に追加できます。
WMI を使用して情報を表すときには、ツールがアプリケーションを管理できるようにするための適切なスキーマが不可欠です。情報をスキーマに構造化することは、分散管理システムにとって不可欠な機能です。この構造化により、スキーマをサポートするさまざまなシステムで信頼して処理できる操作を定義できます。スキーマが存在すると実行できる操作が明確になり、また、操作のパフォーマンスを向上させることができます。スキーマは、環境の構造を表し、制御し、構成する機能を提供します。
また、WMI は関連付けもサポートしています。関連付けは関連付けクラスのインスタンスであり、WMI オブジェクト間の関係を表すために使用されます。関連付けで記述されている関係は、管理アプリケーションから参照できます。WMI は、システム クラスをサポートする関連付けクラスを定義します。サードパーティの開発者は、独自の管理環境のために関連付けクラスを定義できます。
System.Management.Instrumentation 名前空間では、マネージ クラスと WMI クラス間の割り当てをカスタマイズできるため、両方の長所を取り入れることができます。アプリケーション開発者は、独自のアプリケーションに最も合った構造を持つクラスを自由に定義できます。マネージ クラスは、WMI スキーマ標準に準拠する WMI クラスに割り当てることができます。これにより、開発者がマネージ クラスを使用するときの生産性が向上すると共に、アプリケーションによって提供されるサービスを管理ツールが正しく解釈できるようになります。
参照
.NET Framework での WMI の使用 | クエリ | 管理イベント | System.Management 名前空間と System.Management.Instrumentation 名前空間