【WITブログ(訳)】マイクロソフトの開発部門でのTFSの活用 - 第7章(リスクのトラッキング)
Content Style: Text and screenshot,
Content Type: Translated post
英語原文:https://blogs.msdn.com/teams_wit_tools/archive/2008/05/16/how-microsoft-devdiv-uses-tfs-chapter-7-tracking-risk.aspx
※この投稿は、米Microsoftのデベロッパーツール開発部門のブログ(Teams WIT Tools)を長沢流に意訳・変訳したものです。
※英語原文を正とし、この投稿はあくまで理解の一助としてご活用ください。
※翻訳にあたって Teams WIT Tools ブログの執筆者から許可を得ています。
前回の投稿では、複数のプロジェクトにまたがった進捗の追跡について書きました。今回は、複数のプロジェクト間でのリスクの追跡について書きます。
はじめに、フィーチャ(Feature)作業項目の Progress タブを見てください:
リスクに関連するフィールドが2つあることがわかります。Risk Level とは、リスクを信号機の色(緑、黄色、赤)で表現したものです。緑(Green) = 期日にマッチしている、 黄色(Yellow) = リスクあり、 赤(Red) = 期日に間に合わない。2つ目のフィールドである Risk Comments は、フリーテキストでの補足説明になっている。
毎週、プロジェクト マネージャはフィーチャ(Feature)作業項目に設定された日付(※日付については前々回の投稿で説明しています)を確認し、その設定された日付にマッチしているかどうかを判断し、Risk Level を設定します。必要に応じて Risk Comments に細くの説明を記述することもできます。
これにより、以下のようなレポートを生成することができるようになります:
このレポートは Excel によって生成されています。Risk Level が 緑(Green)ではないもののみをクエリ抽出しています。カラーフォーマット(着色)は、Excel の機能で付加しています。
毎週、Risk が緑以外(non-green)となっているプロジェクトについて、他のチームに対して、なぜリスクがあるのか、何をしていたのか、Risk Level を緑(Green)に戻すにはどうしたらよいのかを説明する必要があります。
リスクが、スケジュールのスリップを反映しているのなら、作業項目は、Risk Level = Red にい週間でなり、スケジュールがスリップしたことはだれもが理解することができます。 この場合は、End Date(終了日)を適切に更新することで、Risk Level を 緑(Green)に再設定することができます。
上記のリスク レポートに "snow/ice storm" という記述があります(※最下行の Risk Comments を見てください)。なんだそれって思うかもしれませんが、シアトルでは、雪のときの対応がうまくできないので、こういう理由になることもあります。でもこれも誰もが理解できる正当な理由ではあるわけです (^^;
What about gaming the system?
なぜ、プロジェクトの状況が 黄色(Yellow)や赤色(Red)であってもそれを快くしめしているのでしょう。なぜ、緑(Green)な状態が残るようにしようとしないのでしょうか。
答えは、2つあります。
1つ目の答えは、最終的にプロジェクトに何か問題があったならば、スケジュールをスリップしなければならなくなるでしょう。もし、突然に事前にリスクの指標なしで、スケジュールを4週間スリップしたならば、チームメンバーからは次のような質問がでるでしょう:
- なぜ、もっと早くに気付かなかったのか?
- 知っているのなら、なんでもっと早くに知らせてくれなかったのか?
これらは、信頼できる環境を維持するためにも必要だったのです。
2つ目の答えは、文化の変革です。プロジェクトの Risk Level を設定することによって、それが何か間違ったことをしているという後ろめたさを排除することにつながります。いつもリスクは、制御できないものになりがちです。制御化におけるということは、ステータスについてコミュニケーションが取れるということになります。チームメンバーは、プロジェクトのリスクではなく、コミュニケーションの説明責任を保つことができるようになるのです(もちろん、もし、繰り返しスケジュールをスリップしているならば、それにようて誰かが問いかけてくれるでしょう)。
次回の投稿では、このシステムを活用して品質ゲートをどのように管理しているのかについて書きたいと思います。
※この意訳・変訳した投稿に関するお問い合わせは、長沢まで