Windows Server Essentials から Windows Server 2012 Standard への移行

[アーティクル]
10/05/2023

適用対象: Windows Server 2016 Essentials、Windows Server 2012 R2 Essentials、Windows Server 2012 Essentials

Windows Server® 2012 Essentials では、最大 25 人のユーザーと 50 台のデバイスがサポートされています。お客様のビジネスでこの制限を超える必要がある場合は、Windows Server Essentials から Windows Server 2012 Standard へのライセンスのインプレース移行を実行することで、ライセンスに準拠した状態を保つことができます。

ユーザーおよびデバイスの制限に対する移行の影響

Windows Server 2012 Standard への移行後は、ユーザーアカウントとデバイスの制限がなくなる一方、Windows Server Essentials に固有の機能 (ダッシュボード、リモート Web アクセス、クライアントコンピューターのバックアップなど) は引き続き利用できます。ただし、これらの機能の技術的な制限により、サポートされる最大ユーザー数は 75 人、デバイス数は 75 台になります。追加するユーザーアカウントまたはデバイスの数が 75 を超える場合は、Windows Server Essentials の機能を無効にし、Windows Server 2012 Standard のネイティブツールを使用してユーザーアカウントとデバイスを管理する必要があります。

重要

Windows Server 2012 Standard では、環境内のユーザーまたはデバイスごとにクライアントアクセスライセンス (CAL) が必要です。この点は、CAL モデルを使用せず、CAL が付属しない Windows Server Essentials とは異なります。 Windows Server Essentials から Windows Server 2012 Standard に移行する場合は、環境に合わせて適切な数と種類の CAL を購入する必要があります (ほとんどの顧客は user CAL を購入します)。

移行前に

Windows Server Essentials から Windows Server 2012 Standard に移行する場合は、事前にサーバーデータを完全にバックアップしておく必要があります。

重要

サーバーの完全バックアップがない場合、サーバーを移行前の状態に復元することはできません。
また、Windows Server 2012 Standard のソフトウェアライセンス条項 (EULA) をよく読んで理解してください。 EULA を表示するには:
1. 管理者としてコマンドウィンドウを開きます。
2. 次のコマンドを実行します。
```
dism /online /set-edition:ServerStandard /geteula: eula path
```
  EULA のパスは、EULA ファイルの保存先の場所を表します。たとえば、C:\ws8std_eula.rtf のように指定します。ファイル名拡張子として .rtf を使用してください。
3. ファイルを保存した場所を開き、そのファイルをダブルクリックして開きます。

Windows Server 2012 Standard への移行

Windows Server Essentials から Windows Server 2012 Standard に移行することを決定したら、次の 2 つの手順を行います。

Windows Server 2012 Standard のライセンスと、ご利用の環境に合わせて適切な数のユーザークライアントアクセスライセンスまたはデバイスクライアントアクセスライセンスを購入します。

Windows Server 2012 Standard のライセンスは、小売店や販売代理店から、または Microsoft パートナーを通じて購入できます。

注意

最初に Windows Server 2012 Standard を購入し、2 つの仮想インスタンスのうちの 1 つを Windows Server Essentials としてインストールするためにダウングレード権を行使した場合は、何も追加購入する必要はありません。

ボリュームライセンスチャネルを通じて Windows Server 2012 Standard を購入する場合は、ボリュームライセンスサービスセンター (VLSC) から Windows Server 2012 Standard の ISO イメージとプロダクトキーをダウンロードできます。

他のすべてのチャネルから Windows Server 2012 Standard を購入した場合は、TechNet Evaluation Center から Windows Server Essentials の ISO イメージと評価版のプロダクトキーをダウンロードできます。次の手順に記載されている移行操作を実行すると、評価版の製品がフルライセンス版のサポート対象製品に変換されます。
管理者として Windows PowerShell を開き、次のコマンドを実行します。
```
dism /online /set-edition:ServerStandard /accepteula /productkey: <Product Key>
```
ここで、プロダクトキーは、ご利用の Windows Server 2012 Standard コピーのプロダクトキーです。

サーバーが再起動すると、移行プロセスが完了します。

移行後、Windows Server Essentials の機能は、サーバーに残り、最大で 75 人のユーザーと 75 台のデバイスに対してサポートされます。これらの制限のどちらかを超える場合は、Windows Server 2012 Standard のネイティブツールを使用してユーザーアカウントとデバイスを管理する必要があります。

さらに、Windows Server 2012 Standard に移行すると、Windows Server Essentials のメディア機能は使用できなくなります。これには、リモート Web アクセスのメディア機能と、ダッシュボードのメディア設定が含まれます。

Windows Server Essentials 機能を無効にする

Windows Server Essentials ダッシュボードが不要になった場合、またはサーバーを管理するためのその他の付加価値機能が不要になった場合は、機能を無効にしてサーバーから削除できます。

Windows Server 2012 Essentials 機能の無効化ウィザード:

機能をアンインストールするのに役立ちます。それを行うと、Windows Server Essentials サーバーソフトウェアで作成されたファイルのサーバーのクリーンアップも行われます。クリーンアップ操作の一部はすぐに実行されますが、サーバーの再起動後に開始される操作もあります。
ウィザードを完了する前に、すべてのアドインを手動でアンインストールする必要があります。インストールされているアドインの一覧を表示するには、ダッシュボードの [アプリケーション] ページを開きます。インストールされているアドインがウィザードによって検出されると、警告が表示され、アンインストールを求めるメッセージが表示されます。
Windows Server Essentials の機能を無効にした後、クライアントコンピューターのバックアップファイルを残しておくかどうかを選択できます。

ダッシュボードから Windows Server Essentials 機能の無効化ウィザードを実行するには、2 とおりの方法があります。

アラートからの操作

ダッシュボードからアラートビューアーを開きます。
[整理] の一覧で、移行後の Windows Server Essentials 機能の無効化について報告しているアラートを選択します。
アラートで、[Windows Server Essentials 機能を無効にする]をクリックします。

[ヘルプとサポートを参照する] ウィンドウからの操作

[ホーム] ページで、[ヘルプとサポートを参照する] をクリックします。
[Windows Server Essentials 機能の無効化ウィザード]をクリックします。

Windows Server Essentials 機能の無効化ウィザード によって実行されるタスクの一部は、正常に完了しない可能性があります。場合によっては、これが原因でダッシュボードを実行できなくなることもあります。この問題が発生した場合は、次のファイルを実行することで手動でウィザードを起動できます。

%systemdrive%\Program Files\Windows Server\Bin\TurnOffFeaturesWizard.exe

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