Windows Server Essentials でのサーバー記憶域の管理
適用対象は、Windows Server 2016 Essentials、Windows Server 2012 R 2 Essentials、Windows Server 2012 Essentials
Windows Server Essentials を使用すると、ダッシュボードの [記憶域] タブのハード ドライブのページから、サーバー記憶域のすべて (ハード ドライブと記憶域スペースを含む) を管理することができます。
以下のセクションは、サーバー記憶域の増加、記憶域スペースの理解と使用、およびハード ドライブの管理に役立つ情報を提供します。
ダッシュボードを使用したハード ドライブの管理
Windows Server Essentials を使用すると、ダッシュボードを通じてサーバーに接続されているすべてのハード ドライブを管理することができます。 ダッシュボードの [記憶域] タブにある [ハード ドライブ] には、サーバー上にあって、データやサーバーのバックアップを格納するために利用できるすべてのハード ドライブが表示されます。 サーバーは各ハード ドライブ上で利用可能な空き領域を監視し、ハード ドライブの空き領域が少なくなった場合にアラートを表示します。 [ハード ドライブ] タブには、以下の情報が表示されます。
各ハード ドライブの名前
各ハード ドライブの容量
各ハード ドライブの使用済み領域の容量
各ハード ドライブ上の空き領域の容量
各ハード ドライブの状態。状態がブランクの場合、それは、そのハード ドライブが正常に動作していることを意味します。
詳細ウィンドウ。選択されたハード ドライブが (物理ディスクではなく) 記憶域スペース上にある場合、ここには、(記憶域プール、記憶域スペース、およびハード ドライブの) すべての記憶域スタック情報が表示されます。
次の表は、ダッシュボードで利用できるさまざまなハード ドライブ管理タスクとその説明の一覧です。 一部のタスクは、ハード ドライブが選択されている場合にのみ表示されます。
利用可能なハード ドライブ管理タスク
タスク名 | 説明 |
---|---|
ハード ドライブのプロパティの表示 | [ HardDriveNameのプロパティ ] ページが表示されます。 このタスクは、ハード ドライブが選択されているときに表示されます。 [HardDriveName のプロパティ] ページの [一般] タブには、以下の追加タスクが含まれています。 - ドライブ クリーンアップ: ハード ドライブ上で使用されていないファイルをクリーンアップする場合に使用します (このタスクは Windows Server Essentials でのみ利用可能 ). - チェックと修復: ハード ドライブにファイル システム エラーがないかどうかチェックし、エラーが検出された場合は自動的に修復を試みます。 [ HardDriveName のプロパティ] ページの HardDriveNameのプロパティ タブでは、シャドウ コピーを有効にすることができます。 また、このタブには、シャドウ コピーの次回の実行スケジュールの時刻が表示されます。 |
記憶域スペースの管理 | 注: Windows Server Essentials では、このタスクは、既存の記憶域スペースが存在する場合にのみ表示されます。 [記憶域スペース] コントロール パネルが表示されます。そこでは、記憶域プールや記憶域スペースの作成と管理を実行できます。 |
記憶域スペースの作成 | 記憶域スペースの作成ウィザードが表示されます。そこでは、1 つ以上のハード ドライブを使用することにより、記憶域プールの容量を大きくすることができます。 |
記憶域プール容量の増加 | 注: このタスクが表示されるのは、選択されたハード ドライブが記憶域スペース上にある場合のみです。 記憶域プールの容量増加ウィザードが表示されます。そこでは、1 つ以上のハード ドライブを使用することによって、記憶域プールの容量を増やすことができます。 |
サーバー上の記憶域の増加
サーバー上の記憶域を増やすには、付加的な内蔵ハード ディスクをサーバーに追加することができます。 付加的な内蔵ハード ディスクを追加するには、サーバーをシャットダウンし、内蔵ハード ディスクを追加してから、サーバーを再起動する必要があります。 ハード ディスクが SCSI コントローラーに接続されている場合には、サーバーをシャットダウンする必要はありません。 その場合、サーバーが実行中の状態のまま、ハード ディスクをつなぐことができます。
追加するハード ディスクがフォーマット済みかどうかに応じて、以下のいずれか 1 つを実行します。
フォーマット済み : 内蔵ハード ディスクが NTFS または ReFS でフォーマットされている場合、サーバーによりそれにドライブ文字が割り当てられ、そのハード ディスクが [ハード ドライブ] タブに表示されます。この段階で、新しいハード ドライブ上にサーバー フォルダーを作成したり、そこに移動したりすることができます。
未フォーマット : 内蔵ハード ディスクが未フォーマットの場合、以下の警告が表示されます。未フォーマットのハード ドライブが 1 つ以上サーバーに接続されました。 ハード ディスクをフォーマットするには、以下の手順を使用します。
ハード ディスクをフォーマットするには
ダッシュボードを開きます。
ナビゲーション ウィンドウで、アラート アイコンをクリックして、Windows Server Essentials の[アラート ビューアー]、または Windows Server Essentials の[ヘルスの監視] タブを起動します。
[アラート ビューアー] または [ヘルスの監視] タブで、アラートをクリックした後、タスク ウィンドウで [この問題のトラブルシューティグ] をクリックします。
指示に従って、新しいハード ドライブの追加ウィザードを完了します。
ハード ドライブをクリーンアップするには
ダッシュボードを開きます。
ナビゲーション ウィンドウで [記憶域] をクリックし、[ハード ドライブ] をクリックします。
[ハード ドライブ] セクションで、新たに追加されたハード ディスクに割り当てられたドライブ文字を選択し、作業ウィンドウで、[ハード ドライブのプロパティの表示] をクリックします。
[<ドライブ文字> のプロパティ] の [全般] タブで、[ドライブ クリーンアップ] をクリックします。
ハード ドライブのチェックと修復の実行
ハード ドライブのチェックと修復のプロセスでは、ハード ドライブ上に格納されているファイル システムの正常性が検証されます。 バックアップ ファイルが格納されているボリュームに対して、chkdsk プロセスが実行されます。 以下のアラート問題は、ハード ドライブのチェックと修復を実行することにより解決されることがあります。
- サーバー バックアップのうち 1 つ以上のハード ドライブをチェックする必要があります。
ハード ドライブのチェックと修復を実行するには
ダッシュボードを開きます。
[サーバー フォルダーとハード ドライブ] をクリックしてから、[ハード ドライブ] をクリックします。
エラーが表示されているハード ドライブを選択し、[ハード ドライブのプロパティの表示] を選択します。
[チェックと修復] タブで、[チェックと修復] をクリックします。
ハード ドライブのフォーマット
フォーマットされていない内蔵ハード ドライブがサーバー上に検出された場合、正常性アラートにより、ユーザーに対して、そのフォーマット プロセスのガイドが提供されます。 新しいハード ドライブの追加ウィザードでは、ハード ドライブをフォーマットすることができ、以下のうちのいずれか 1 つの方法でハード ドライブを構成することができます。
ハード ドライブをフォーマットし、そこに 1 つのドライブを自動作成する。 このオプションを選択した場合、ウィザードが完了すると、NTFS ファイル システムでフォーマットされた 1 つの論理ハード ドライブが作成されます。
ハード ドライブをフォーマットし、サーバー バックアップ用に設定する。 このオプションを選択した場合、サーバー バックアップの設定ウィザードが起動し、そこでサーバー バックアップの構成をすることができます。
記憶域スペースが存在しない場合、新しいハード ドライブを使用することによって記憶域スペースを作成します。 記憶域スペースを作成するには、少なくとも 2 つのハード ドライブが必要です。
記憶域スペースが既に存在する場合、新しいハード ドライブを使用することにより、記憶域プールの容量を増やします。 このオプションは、サーバー上に既存の記憶域スペースが作成されている場合にのみ表示されます。 このオプションを選択した場合、ウィザードによりこのハード ドライブが記憶域プールに追加されます。
新しいハード ドライブの追加
Windows Server Essentials が実行されているサーバーに新しいハード ディスク ドライブを接続した時点で、次のことが可能です。
新しいハード ドライブを使用してサーバー フォルダーを格納する
新しいハード ドライブを使用してサーバー フォルダーを格納するには、新しいサーバー フォルダーをハード ドライブに追加するか、または既存のサーバー フォルダーをハード ドライブに移動することができます。
サーバー フォルダーを格納するには
ダッシュボードを開きます。
[記憶域] タブをクリックし、[サーバー フォルダー] をクリックします。
[サーバー フォルダーのタスク] ウィンドウで、以下のうちの 1 つを実行します。
サーバー フォルダーを追加するには、[フォルダーの追加] をクリックします。
サーバー フォルダーを移動するには、新しいハード ドライブに移動するフォルダーを選択してから、[フォルダーの移動] をクリックします。
注意
ハード ドライブを参照して、フォルダーを作成することなくそれをサーバー フォルダー位置として選択すると、次のエラー メッセージが表示されます。ルート ディレクトリ (C:\ や D:\ など) をサーバー フォルダーとして追加することはできません。新しいフォルダーを作成するか、ルート ディレクトリの下にある既存のフォルダーを選択してから、もう一度やり直してください。 このエラーを解決するには、新たに追加されたハード ドライブに新しいフォルダーを作成し、その新しいフォルダーを、サーバー フォルダーの格納場所として選択します。
指示に従ってウィザードを完了します。
サーバー フォルダーの移動については、「 Add or move a server folder」を参照してください。
新しいハード ドライブを使用してサーバー バックアップを格納する
新たに追加されたハード ドライブは、サーバー バックアップの格納場所として使用することができます。
サーバー バックアップを格納するには
ダッシュボードを開きます。
[デバイス] タブをクリックし、リスト ウィンドウからサーバーを選択してから、作業ウィンドウで以下のうちの 1 つを実行します。
サーバー上にサーバー バックアップが構成されていない場合、[サーバー バックアップのセットアップ] をクリックします。
サーバー上にサーバー バックアップが構成されている場合は、[サーバー バックアップのカスタマイズ] をクリックします。
サーバー バックアップのセットアップ ウィザードが表示されます。
[バックアップ先の選択] ページで、新しいハード ドライブをバックアップ先として選択します。
指示に従ってウィザードを完了します。
新しいハード ドライブを使用して記憶域プール容量を増やす
記憶域プール容量が少ない場合、記憶域プール容量増加ウィザードを使用して新しいハード ドライブを記憶域プールに追加することにより、記憶域プール容量を増やすことができることを示すアラートが表示されます。
注意
この手順は、サーバー上に記憶域プールを作成した場合にのみ実行可能です。
記憶域プールの容量を増やすには
ダッシュボードを開きます。
[記憶域] タブをクリックして、[ハード ドライブ] をクリックします。
容量が低くなっているドライブを選択します。
作業ウィンドウから、[記憶域プール容量の増加] を選択します。 記憶域プールの容量増加ウィザードが表示されます。
指示に従ってウィザードを完了します。
記憶域スペースの概要
記憶域スペースを使用すると、複数のディスクを 1 つの記憶域プールとしてまとめることができます。 そのようにすれば、プール容量を使用することにより、記憶域スペースを作成することができます。 記憶域スペースは、ダッシュボードの [ハード ドライブ] タブに表示される仮想ドライブです。 記憶域スペースは、他のドライブと同じようにして使用できるため、その上で、ファイルの作業を容易に実行することができます。 プール容量が不足してきたなら、大きな記憶域スペースを作成し、記憶域プールにさらにドライブを追加することができます。 記憶域プール内に複数のディスクがある場合、双方向ミラーの記憶域スペースを作成して 1 つのドライブで障害が発生しても影響がないようにすることができます。さらには、3 方向ミラー記憶域スペースを作成すれば、2 つのドライブで障害が発生しても影響がないようにすることも可能です。
記憶域スペースを作成するために必要なことは、Windows インストール先のドライブ以外に、1 つ以上のドライブを追加することだけです。 それらのドライブとしては、内蔵または外付けのハード ドライブまたは SSD を使用できます。 記憶域スペースでは、USB、SATA、SAS ドライブなど、さまざまな種類のドライブを使用できます。
注意
Windows Server Essentials が実行されているサーバー上に記憶域スペースを構成した場合、データのクリーンアップ オプションを指定した工場出荷時リセットを実行することはできません。 この問題を回避するには、まず記憶域スペースを削除してから、データのクリーンアップ オプションを指定した工場出荷時リセットを実行します。
記憶域スペースについての詳細は、 記憶域スペースに関してよく寄せられる質問 (FAQ)を参照してください。
記憶域スペースの作成
サーバー上の記憶域スペースの作業を開始するには、以下の最小要件が満たされていることが必要です。
Windows Server Essentials が実行されているサーバーに、(ブート ドライブだけでなく) 付加的な物理ドライブが接続されていなければなりません。それらのドライブ上で管理されるボリュームがあってはなりません。ドライブの容量として 10 GB 以上が必要です。 1 つの記憶域プールを作成するには、1 つの物理ドライブが必要です。また、回復力のあるミラー記憶域スペースを作成するには、2 つ以上の物理ドライブが必要です。
パリティや双方向ミラーリングによる回復機能のある記憶域スペースを作成するには、2 つ以上の物理ドライブが必要です。
注意
Windows Server Essentials が実行されているサーバー上に記憶域スペースを構成した場合、データのクリーンアップ オプションを指定した工場出荷時リセットを実行することはできません。 この問題を回避するには、まず記憶域スペースを削除してから、データのクリーンアップ オプションを指定した工場出荷時リセットを実行します。
Windows Server Essentials で記憶域スペースを作成するには
Windows Server Essentials が実行されているサーバーに、記憶域スペースとしてまとめるすべてのドライブを追加または接続します。
ダッシュボードで、[ 詳細設定: 記憶域スペースの管理] をクリックします。
[新しいプールと記憶域スペースの作成] をクリックします。
新しい記憶域スペースに追加するドライブを選択し、[プールの作成] をクリックします。
ドライブの名前と文字を指定し、レイアウトを選択します。 [双方向ミラー]、[3 方向ミラー]、および [パリティ] は、記憶域スペース中のファイルを、ドライブの障害から保護するのに役立ちます。
記憶域スペースとして可能な最大サイズを入力し、[記憶域スペースの作成] をクリックします。
Windows Server Essentials では、ダッシュボードから記憶域スペースの作成ウィザードを使用することにより、双方向ミラー記憶域スペースを作成することができます。
Windows Server Essentials で記憶域スペースを作成するには
Windows Server Essentials が実行されているサーバーに、記憶域スペースとしてまとめるすべてのドライブを追加または接続します。
ダッシュボードで [記憶域スペースの管理] をクリックします。 記憶域スペースの作成ウィザードが表示されます。
指示に従ってウィザードを完了します。
記憶域プール容量を増やす方法については、「 Use the new hard drive to increase storage pool capacity」を参照してください。