CopyProfile による既定のユーザー プロファイルのカスタマイズ
Windows では、テンプレートとして既定のユーザー プロファイルが使用されて、新しいユーザーそれぞれにプロファイルが割り当てられます。 既定のユーザー プロファイルをカスタマイズすることにより、そのコンピューター上に作成されるすべてのユーザー アカウントの設定を構成できます。
ユーザー プロファイルをカスタマイズして、そのプロファイルを既定のユーザー プロファイルにコピーするために、CopyProfile
設定を使用できます。 CopyProfile
を使用することにより、インストールされているアプリケーション、ドライバー、デスクトップの背景、Internet Explorer の設定、およびその他の構成をカスタマイズできます。 CopyProfile
では保存されない設定があることにご注意ください。
Note
CopyProfile
を使用してスタート メニューをカスタマイズすることはサポートされていません。 代わりに次の方法を使用すると、カスタマイズされたスタート画面のレイアウトを管理できます
- Windows 11:
- 「Windows 11 スタート画面のレイアウトをカスタマイズする」を参照してください。
- Windows 10:
- OEM では
layoutmodification.xml
を使用できます。 詳細については、「スタート画面のレイアウトをカスタマイズする」をご覧ください。 - IT 担当者は、次のリソースから、Windows 10 のスタート メニューの管理方法を確認できます。
- OEM では
既定のアプリなどの一部のユーザー プロファイル設定は、ユーザーに固有のハッシュを使用して暗号化されています。 これらの設定を別のユーザー プロファイルにコピーすると、Windows ではそれらは無効なものとして扱われ、そのユーザーが初めてサインインしたときにリセットされます。 Windows では、これらの設定をコピーするために CopyProfile
を使用することをサポートしていません。
重要
レジストリを正しく変更しないと、重大な問題が発生する可能性があります。 変更する前に、問題が発生した場合に復元するためにレジストリをバックアップします。
CopyProfile
を実行した後、リセットの問題を防ぐために、既定のユーザーからいくつかのレジスト リエントリを削除する必要があります。 次に、その方法を示します。
次のサブツリーを見つけて選択します。
HKEY_USERS[ファイル] メニューの [ハイブの読み込み] を選択します。
Note
既定のユーザー ハイブは、既定では存在しません。 読み込み、編集してから、手動でアンロードする必要があります。
[ファイル名] ボックスに「C:\Users\Default\NTUSER.DAT」と入力して、[開く] を選択します。
[ハイブの読み込み] ダイアログ ボックスで、[キー名] ボックスに一時的な名前「<DefaultUser>」を入力し、Enter キーを押します。
次のレジストリ エントリを削除します。
HKEY_USERS\<DefaultUser>\Software\Microsoft\Windows\Shell\Associations\FileAssociationsUpdateVersion
HKEY_USERS\<DefaultUser>\Software\Microsoft\Windows\Shell\Associations\UrlAssociations
HKEY_USERS\<DefaultUser>\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\FileExts
Note
これらのレジストリ エントリは、
CopyProfile
の実行後にのみ存在します。HKEY_USERS\<DefaultUser>
にアクセスします。[ファイル] メニューの [ハイブのアンロード] を選択します。
レジストリ エディターを閉じます。
これで、ユーザーが初めて Windows にサインインするときに、oemdefaultassociations.xml ファイルから標準の既定のアプリケーション設定が Windows に読み込まれるようになりました。
CopyProfile 設定を含む応答ファイルを作成する
Windows SIM で、amd64_Microsoft-Windows-Shell-Setup_neutral\ が Pass 4 - Specialize に追加された応答ファイルを作成し、CopyProfile
を True
に設定します。 この応答ファイルを copyprofile.xml
として保存します。 この応答ファイルは、Sysprep を実行するときに使用します。
詳細については、「応答ファイルを作成するためのベストプラクティス」および「Windows の無人セットアップに関するリファレンス」をご覧ください。
既定のユーザー プロファイル設定を構成する
監査モードでユーザー設定を構成してから、CopyProfile
が True
に設定された応答ファイルを使用して、Windows インストールを一般化します。 別の応答ファイルを使用して Windows をインストールする場合は、追加のユーザーアカウントを作成する CopyProfile
やその他の設定が応答ファイルに含まれないようにしてください。
参照コンピューターに Windows をインストールし、コンピューターを監査モードで起動します。 詳細については、「監査モードまたは OOBE での Windows の起動」をご覧ください。
重要
コンピューターを起動する際に、ドメイン アカウントを使用しないでください。 これは、
CopyProfile
設定が、Sysprep の実行の際に、コンピューターがドメインから削除された後で実行されるためです。 このため、ユーザーがドメインで構成した設定はすべて失われてしまいます。 既定のユーザー プロファイルを変更してから、そのコンピューターをドメインに参加させると、既定のユーザー プロファイルに対して行ったカスタマイズは新しいドメイン アカウントに表示されます。アプリケーション、デスクトップ ショートカット、およびその他の設定をインストールして、あらかじめ登録された Administrator アカウントをカスタマイズします。
重要
インストールできるプロビジョニング済み Windows ランタイムベース アプリの数には制限があります。 ただし、プロビジョニングされていない追加アプリをインストールするスクリプトを作成することができます。 詳細については、「DISM を使用したアプリのサイドロード」をご覧ください。
カスタマイズが完了したら、
CopyProfile
応答ファイルを格納しているメディアを参照コンピューターに挿入します。 たとえば、応答ファイルを USB ドライブにコピーできます。参照コンピューターで、管理者特権でのコマンド プロンプトを開き、次のコマンドを入力します。
C:\Windows\System32\Sysprep\Sysprep /generalize /oobe /shutdown /unattend:F:\CopyProfile.xml
このコマンドでは、F が USB フラッシュ ドライブまたはその他のリムーバブル メディアの文字です。 Sysprep ツールでは、イメージからコンピューター固有の情報が削除されますが、ユーザーが構成したユーザー プロファイル設定は保持されます。 詳細については、「Windows インストールの Sysprep (一般化)」をご覧ください。
イメージを一般化し、コンピューターがシャットダウンした後で、そのイメージをキャプチャします。 これを行うには、Windows PE 環境でコンピューターを起動します。 DISM を使用して、Windows インストールをキャプチャし、展開します。 詳細については、「起動可能な WinPE メディアの作成」および「単一の .WIM ファイルを使用した Windows イメージのキャプチャと適用」をご覧ください。
ユーザー プロファイルのカスタマイズをテストする
カスタマイズしたイメージをセットアップ先のコンピューターに展開した後、そのコンピューターを使用してユーザー プロファイルのカスタマイズをテストできます。 Out-Of-Box Experience (OOBE) を実行してユーザー エクスペリエンスをテストすることも、ユーザーのカスタマイズを監査モードでテストすることもできます。
重要
監査モードではあらかじめ登録された Administrator アカウントが使用されるため、Windows ランタイムに基づくアプリは監査モードでは起動しません。 Windows ランタイムベースのアプリを監査モードで実行するには、レジストリ エントリを変更する必要があります。
OOBE 後にユーザー プロファイルのカスタマイズをテストするには
Windows をテスト コンピューターにインストールします。
Windows のインストールが完了したら、OOBE を実行し、コンピューター名、ユーザー アカウント名、およびその他の項目を指定します。 OOBE が完了すると、Windows のスタート画面が表示されます。
OOBE 中に指定したユーザー アカウントを使用してコンピューターにサインインし、アプリとカスタマイズが表示されることを確認します。
監査モードでユーザー プロファイルのカスタマイズをテストするには
応答ファイルを使用するか、OOBE の開始時に Ctrl + Shift + F3 キーを押して、コンピューターを監査モードで起動します。 詳細については、「監査モードまたは OOBE での Windows の起動」をご覧ください。
カスタマイズが意図したとおりに動作することを確認します。 Windows ランタイムベースのアプリをテストするには、次のようにレジストリを変更します。
管理者特権でのコマンド プロンプトで、Regedit.exe を実行します。
次のレジストリ エントリを参照します: HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System\FilterAdministratorToken
FilterAdministrationToken を選択し、値データとして「1」と入力します。
コンピューターからサインオフします。
コンピューターに再度サインインし、Windows ランタイムベースのアプリを起動して、カスタマイズが意図したとおりに動作することを確認します。
Windows ランタイムベース アプリの検証が済んだら、FilterAdministrationToken レジストリ エントリを 0 に再設定します。
CopyProfile のトラブルシューティング
ユーザー プロファイル設定が正常にコピーされない場合は、次の手順を実行します。
CopyProfile
設定を、展開プロセス中に 1 度だけ設定するようにします。ユーザー設定をカスタマイズする場合は、間違ったプロファイルの設定を誤ってコピーしないように、そのコンピューターのあらかじめ登録された Administrator アカウントのみを使用します。
ドメイン アカウントを使用していないことを確認します。
自分で構成したあらかじめ登録された Administrator アカウント以外に、追加のユーザー アカウントが存在しないことを確認します。 これを行うには、次の手順に従います。
[スタート] を選択し、「コントロール パネル」と入力します。
[コントロール パネル]>[ユーザー アカウントの追加または削除] の順に選択します。
自分で構成したあらかじめ登録された Administrator アカウント以外の追加のユーザー アカウントを選択し、そのアカウントを削除します。
Note
あらかじめ登録された Administrator アカウントをカスタマイズする前に、そのコンピューター上の他のすべてのユーザー アカウントを削除してください。
ユーザーがサインインした後に登録される、プロビジョニングされていない Windows ランタイムベース アプリのスタート画面のタイル レイアウトを保持するには、ユーザーがサインインしてから 2 時間以内にそのアプリをインストールするようにします。
一部の設定は、
CopyProfile
の無人設定を使用することによってのみ構成できます。また、グループ ポリシーを使用して構成できる設定もあります。 そのためには、次のいずれかの方法を実行します。新しいユーザー サインイン プロセスによってリセットされる設定を構成するには、グループ ポリシーを使用します。 これらのユーザー設定を定義するスクリプトを作成することもできます。
CopyProfile
の無人設定を使用します。 詳細については、「Windows の無人セットアップに関するリファレンス」を参照してください。