ワークスペースを作成して開く
WinDbg には、既定のワークスペースと名前付きワークスペースの 2 種類のワークスペースがあります。
既定のワークスペース
WinDbg には、いくつかの異なる種類の既定のワークスペースがあります。
WinDbg が休止状態の場合に、ベース ワークスペースが使用されます。
既定のユーザー モード ワークスペースは、ユーザー モード プロセスにアタッチするときに使用されます (-p コマンド ライン オプションを使用するか、File | Attach to a Process を使用します)。
リモートの既定のワークスペースは、デバッグ サーバーに接続するときに使用されます。
既定の カーネル モード ワークスペース は、WinDbg がカーネル モード デバッグ セッションを開始するときに使用されます。
プロセッサ固有のワークスペースは、WinDbg がターゲット コンピューターにアタッチされた後、カーネル モードのデバッグ中に使用されます。 x86 ベースのプロセッサと x64 ベースのプロセッサには、プロセッサ固有のワークスペースが個別に用意されています。
WinDbg がデバッグ用のユーザー モード プロセスを作成すると、その実行可能ファイルのワークスペースが作成されます。 作成された実行可能ファイルにはそれぞれ独自のワークスペースがあります。
WinDbg がダンプ ファイルを分析すると、そのダンプ ファイル分析セッション用のワークスペースが作成されます。 各ダンプ ファイルには、独自のワークスペースがあります。
デバッグ セッションを開始すると、適切なワークスペースが読み込まれます。 デバッグ セッションを終了するか WinDbg を終了すると、ダイアログ ボックスが表示され、現在のワークスペースに加えた変更を保存するかどうかを尋ねられます。 -QY コマンド ライン オプションを使用して WinDbg を起動すると、このダイアログ ボックスは表示されず、ワークスペースが自動的に保存されます。 また、-Q コマンド ライン オプションで WinDbg を起動した場合、このダイアログ ボックスは表示されず、変更は保存されません。
ワークスペースは累積的な方法で読み込まれます。 基本ワークスペースは常に最初に読み込まれます。 特定のデバッグ アクションを開始すると、適切なワークスペースが読み込まれます。 そのため、ほとんどのデバッグは、2 つのワークスペースが読み込まれた後に完了します。 カーネル モードのデバッグは、3 つのワークスペース (ベース ワークスペース、既定のカーネル モード ワークスペース、およびプロセッサ固有のワークスペース) が読み込まれた後に完了します。
最大限の効率を得るために、すべての WinDbg 作業に適用する場合は、下位レベルのワークスペースに設定を保存する必要があります。
注: デバッグ情報ウィンドウのレイアウトは、ワークスペースの累積的な動作の 1 つの例外です。 各ウィンドウの位置、ドッキング状態、およびサイズは、開いた最新のワークスペースによってのみ決定されます。 この動作には、[ウォッチ] ウィンドウの内容と、各メモリ ウィンドウで表示した場所が含まれます。 [デバッガー コマンド] ウィンドウのコマンド履歴は、新しいワークスペースが開かれたときに消去されませんが、他のすべてのウィンドウの状態がリセットされます。
ベース ワークスペースにアクセスするには、ターゲットなしで WinDbg を起動するか、セッションの完了後に [デバッグ] メニューの [デバッグの停止] をクリックします。 その後、基本ワークスペースで許可されている編集を行うことができます。
名前付きワークスペース
ワークスペース名を指定してから、個別に保存または読み込むこともできます。 名前付きワークスペースを読み込むと、既定のワークスペースの自動読み込みと保存がすべて無効になります。
名前付きワークスペースには、既定のワークスペースにはない追加情報がいくつか含まれています。 この追加情報の詳細については、「ワークスペースの内容」を参照してください。
ワークスペースを開く、保存する、クリアする
ワークスペースを制御するには、次の操作を行います。
-WX command-line オプションを使用して、ワークスペースの自動読み込みをすべて無効にします。 ワークスペースが保存または読み込まれるのは、明示的なワークスペース コマンドだけです。
[ファイル] メニューの [ワークスペースを開く] をクリックするか、Ctrl キーを押しながら W キーを押して、名前付きワークスペースを開いて読み込みます。
[ファイル] メニューの [ワークスペースの保存] をクリックして、現在の既定のワークスペースまたは現在の名前付きワークスペースを保存します。
現在のワークスペースに名前を割り当てて保存するには、[ファイル] メニューの [ワークスペースに名前を付けて保存] をクリックします。
[ファイル] メニューの [ワークスペースのクリア] をクリックして、現在のワークスペースから特定の項目と設定を削除します。
[ファイル] メニューの [ワークスペースの削除] をクリックして、ワークスペースを削除します。
[ファイル] メニューの [ファイルでワークスペースを開く] をクリックして、ファイルからワークスペースを開いて読み込みます。
[ファイル] メニューの [ファイルにワークスペースを保存] をクリックして、ワークスペースをファイルに保存します。