複数地域環境でのサイトの操作
SharePoint サイトの範囲は、複数地域テナントの既定の地理的位置と、サテライトの地理的位置に及びます。 カスタムソリューションが SharePoint サイトを操作する必要があり、アプリケーションを展開する場合、複数地域テナントの地理的位置に注意することが重要です。
複数地域テナントへのアプリケーションの配置
SharePoint Framework に基づいて SharePoint アドイン、クライアント側の SharePoint web パーツなどのアプリケーションを配置する場合、アプリケーションは地理的位置レベルで配置されることに注意してください。
既定の地理的位置にアプリケーションを配置すると、そのアプリケーションはサテライトの地理的位置では使用できません。 詳細については、「複数地域テナントにおけるアプリおよびアドインの管理」をご覧ください。
エンタープライズ アプリケーションはすべての位置に配置して更新することをお勧めします。 これにより、すべてのユーザーが確実にアプリケーションを利用できるようになります。
サイト コレクションの列挙
テナントのすべてのサイト コレクションを列挙するには、Tenant
オブジェクトのインスタンスのCSOM GetSitePropertiesFromSharePointByFilters メソッドを使用します。 各地域の場所にはテナント管理センターがあるため、geo の場所ごとにサイト コレクションを列挙し、結果を連結して、1 つのテナント全体のサイト コレクションの一覧を取得する必要があります。
テナント全体のサイトを列挙するには、
- すべての地理的位置を特定します。加えて、関連するテナント管理サイトの URL を特定します。
- 地理的位置を反復処理し、地理的位置の管理サイトの URL をもつ
Tenant
オブジェクトを作成するループを作ります。-
Tenant
オブジェクトでGetSitePropertiesFromSharePointByFilters
メソッドを呼び出し、その地理的位置のサイト コレクションを取得します。 - サイト コレクションをリストに追加します。
-
- サイト コレクションのリストを返します。
詳細については、MultiGeo.SiteEnumeration のサンプルをご覧ください。
アクセス許可とアプリケーションを構成する方法の詳細については、「複数地域機能のサンプル アプリケーションをセットアップする」を参照してください。
テナント レベルの操作
Tenant
オブジェクトは、CDN 構成などのテナント レベルの設定と、サイトの地理的位置の制限などのテナント レベルのサイト設定を行うためにも使用されます。 テナント レベルの操作を行うには、
- すべての地理的位置を特定します。加えて、関連するテナント管理サイトの URL を特定します。
- テナント レベルの設定を更新するには、地理的位置を反復処理して各位置について変更を行います。
- テナント レベルのサイトの設定をアップデートするには、
-
Site
オブジェクトのGeoLocation
プロパティを使用し、サイトの地理的位置を取得します。 - テナントの
GetSitePropertiesByUrl
メソッドを使用し、サイトを取得し、変更を行ってから取得したSiteProperties
オブジェクトのUpdate
を呼び出します。
-
GetSitePropertiesByUrl
メソッドを使用してサイトを取得し、RestrictedToRegion
プロパティを設定してサイトの移動を制限する方法については、MultiGeo.RestrictSiteToGeoLocation サンプルを参照してください。
サイト ID を保存することによるサイトの特定
複数地域テナントでは、サイトはその地理的位置間で移動できるため、サイトの URL は変わる可能性があります。このため、サイトを特定する一意キーとしてサイトの URL を保存することはお勧めしません。 むしろ、サイト ID を保存することをお勧めします。これは、サイトがホストされている地理的位置が変わってもサイト ID は変化しないためです。