残存作業レポート
残存作業レポートは、チームでタスクの見積もりを行って作業を開始した後、チームの進行状況を追跡するために使用できます。このレポートを使用することで、ワーク フローの問題を特定できます。
レポートへのアクセス、レポートの更新、またはレポートの管理の方法については、「レポート (アジャイル)」を参照してください。
[!メモ]
このレポートを使用するには、チーム プロジェクトを含むチーム プロジェクト コレクションが SQL Server Reporting Services でプロビジョニングされている必要があります。このレポートは、チーム エクスプローラーを開いて、チーム プロジェクト ノードを展開したときに [レポート] が表示されない場合は使用できません。
このトピックの内容
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このレポートを使用すると、次の事項を確認できます。
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必要なアクセス許可
レポートを表示するには、Reporting Services で閲覧者ロールが割り当てられているグループに割り当てられているか、そのグループに属している必要があります。詳細については、「チーム プロジェクトへのユーザーの追加」または「アクセス許可の管理」を参照してください。
レポートのデータ
残存作業レポートには、そのレポートに指定したフィルター条件に基づいて、指定された時間間隔に各タスク、ユーザー ストーリー、またはバグでキャプチャされたデータの概要が示されます。データは、データ ウェアハウスから派生します。
このレポートは、[作業時間数] ビューまたは [作業項目数] ビューで表示できます。最初のビューは、指定した期間の作業時間の合計とその作業の完了に対するチームの進行状況を表示します。次のビューは、指定した期間の作業項目数と状態ごとの作業項目数を表示します。各ビューは、指定した期間の見積もり作業の合計に対する実績作業の進行状況を面グラフで示します。
レポートは、次の方法でフィルター処理できます。
レポートの開始日と終了日を変更します。
イテレーション パス、領域パス、作業項目の種類、および状態を指定して、レポートに反映させるタスク、ストーリー、およびバグをフィルター処理します。
詳細については、このトピックの「レポートのフィルター処理と表示の変更」を参照してください。
作業時間数
残存作業レポートの [作業時間数] ビューの例を次の図に示します。この例では、作業の進行速度については一定であるため、問題はありません。ただし、開始時の残存時間数と終了時の実績時間数が示すように、チームは、イテレーションの完了に必要な作業量を大幅に低く見積もっていました。
作業項目数
次の図は、前の図と同じレポートを示しています。ただし、この [作業項目数] ビューには、状態別にグループ化された作業項目が表示されます。チームは、作業項目の解決と終了を問題なく進行させましたが、作業項目の見積もり量は、イテレーションの開始から終了までに約 3 倍増えました。
レポートに反映されるデータの概要を次の表に示します。内容は、指定するフィルターと表示オプションによって異なります。
時間 |
作業項目数 |
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作業項目の追跡に必要なアクティビティ
有益で正確な残存作業レポートを作成するには、チームは次のアクティビティを実行し、作業項目を追跡する必要があります。
タスク、ストーリー、およびバグを定義し、作業項目ごとにイテレーション パスと領域パスを指定します。
[!メモ]
イテレーション パスと領域パスの定義方法については、「区分およびイテレーションの作成および修正」を参照してください。
タスクまたはサブタスクごとに [実績時間] フィールドと [残存時間] フィールドを指定し、チームの各作業項目の進行に合わせてこれらのフィールドを更新します。
重要 タスクをサブタスクに分割する場合、作業時間はサブタスクにのみ指定してください。この作業時間は、親タスクおよびユーザー ストーリーの集計値としてロール アップされます。詳細については、「集計値の発行に関する誤りの修正」を参照してください。
各タスク、ストーリー、およびバグのアクティブから終了への進行状況に合わせて、それぞれの [状態] を更新します。
イテレーションの期間の設定
現在のイテレーションに対するチームの進行状況を把握するには、現在のイテレーション サイクルに合わせてレポートの開始日と終了日を設定する必要があります。
イテレーションの期間を変更するには
[イテレーション開始 (日付)] または [イテレーション終了 (日付)] の横にある予定表アイコンをクリックし、日付をクリックします。
[レポートの表示] をクリックします。
レポートの解釈
残存作業レポートには、チームの進行状況を把握するための情報やチームが指定時間内にタスクを終了するかどうかを把握するための情報が表示されます。
レポートで確認できる事項
レポートを確認することで、イテレーションごとに、または時間の経過と共に、進行状況を把握できます。具体的には、次の事項を確認できます。
チームは残存作業のバーンダウンをどの程度の進行速度で進めることができるか。
イテレーションの途中で作業が追加されているか。チームは作業のスコープを広げているか。
チームは使用できる作業時間内に作業をどの程度進めることができるか。
チームはいつごろ作業を終了できるか。
進行中の作業量は多すぎないか。
ワーク フローが遅延、または停止していないか。
チームはいつ現在のイテレーションを終了させるか。
正常なレポート
正常な残存作業レポートでは、次の図に示すように、タスクの解決と終了において安定した進行状況を示しています。ダイアグラムの四角形は、見積もり作業が、必要な作業とほぼ一致していることを示しています。
問題のあるレポート
次の図は、問題のある残存作業レポートの例を示しています。作業項目が、変化のない状態を示すフラットなラインで表示されています。これは、作業全体が数週間にわたってほとんど進行していないことを示します。さらに、作業項目数がイテレーションの中間点を過ぎてから増加しています。これは、機能の追加が行われたことを示しています。
問題のある残存作業レポートには、次の問題が 1 つ以上含まれている可能性があります。
実績時間数や解決または終了した作業項目数に変化が見られない。
この状況は、1 つ以上の懸案事項によって進行が止まっていることを示しているか、または既にチームで完了、修正、および検証した作業項目がまだ解決および終了していないことを示しています。
残存時間数またはアクティブな作業項目が増加している。
この状況は、イテレーションの開始時にチームが作業を正確に見積もらなかったか、またはイテレーションの開始後にチームが機能を追加したかのいずれかを示しています。必要な工数が見積もり工数を超過する場合、チーム メンバーは難易度、時間、またはその他の要因を低く見積もっていた可能性があります。この区分については、根本原因を特定するために質問する価値があります。たとえば、タスクをどのように細分化するかを決める場合に役立つことがあります。
レポートのフィルター処理と表示の変更
残存作業レポートは、次の方法でフィルター処理または表示変更できます。
レポートの開始日と終了日を変更します。
レポートに反映させるユーザー ストーリー、バグ、およびタスクを、イテレーション パス、領域パス、作業項目の種類、および作業項目の状態を指定することでフィルター処理します。
レポートを表示するビューを切り替えます。
使用できるフィルターと表示オプションを次の図に示します。
レポートに表示されるタスク、ユーザー ストーリー、およびバグをフィルター処理するには
次の 1 つ以上の操作を実行します。
[イテレーション] ボックスまたは [区分] ボックスで、含めるイテレーションまたは製品区分のチェック ボックスをオンにします。
[作業項目の種類] ボックスまたは [状態] ボックスで、含める作業項目の種類または状態のチェック ボックスをオンにします。
[レポートの表示] をクリックします。
作業時間数と作業項目数の表示を切り替えるには
[単位] ボックスで、[作業時間数] または [作業項目数] をクリックします。
[作業時間数] ビューには、すべてのタスクの作業時間の累積値が、レポートに適用されたフィルターに基づいて表示されます。
[作業項目数] ビューには、すべての状態の作業項目数の累積値が、レポートに適用されたフィルターに基づいて表示されます。
[レポートの表示] をクリックします。