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ロード パターンを編集して仮想ユーザー アクティビティをモデル化

ロード パターン プロパティは、ロード テスト中に、シミュレートされたユーザー ロードを調整する方法を指定します。 Visual Studio Ultimate には、持続、ステップ、およびゴール志向の 3 つの組み込みのロード パターンが用意されています。 ロード パターンを選択し、ロード テストの目的に適したレベルにプロパティを調整します。

ロード パターンはシナリオのコンポーネントです。 定義されたロード パターンを持つシナリオによって、ロード テストが構成されます。

注意

すべてのロード パターンでは、Team Test が生成するロードは、仮想ユーザーによってシミュレートされるロードです。

ロード パターン

定数

持続ロード パターンは、ロード テスト中に変化しないユーザー ロードを指定するために使用されます。 たとえば、Web アプリケーションでスモーク テストを実行する場合、軽い、10 ユーザーの持続したロードを設定します。

持続ロード パターンに関する考慮事項

持続ロード パターンは、ロード テストの実行中に同じユーザー ロードを実行するために使用されます。 ユーザー数の多い持続ロード パターンを使用すると、ロード テストの開始時にサーバーに対して不適切で現実的ではない確認要求が行われる場合があるので、注意が必要です。 たとえば、ロード テストにホーム ページへの要求から始まる Web テストがあり、ロード テストの持続ロードを 1,000 ユーザーに設定すると、ロード テストでは最初の 1,000 の要求をできるだけ速くホーム ページに送信します。 これは、Web サイトへの実際のアクセスのシミュレーションとして現実的ではない場合があります。 これを緩和するには、徐々に 1,000 ユーザーまで増加するステップ ロード パターンの使用を検討するか、ロード テストの実行設定でウォームアップ期間を指定します。 ウォームアップ期間を指定すると、ロード テストではウォームアップ期間中に負荷が徐々に自動的に増加されます。 詳細については、「シナリオの開始遅延の設定」を参照してください。

ステップ

ステップ ロード パターンは、定義された最大ユーザー ロードまで、時間と共に増加するユーザー ロードを指定するために使用されます。 ステップ ロードの場合、[初期のユーザー カウント][最大ユーザー カウント][ステップ継続時間 (秒)]、および [ユーザー カウントのステップ] を指定します。

たとえば、[初期のユーザー カウント] に 1、[最大ユーザー カウント] に 100、[ステップ継続時間 (秒)] に 10、[ユーザー カウントのステップ] に 1 を設定したステップ ロードの場合、1 で開始し、100 ユーザーになるまで、10 秒ごとに 1 増えるユーザー ロード パターンが作成されます。

注意

合計テスト期間が、最大ユーザー ロードまで増大するために必要な時間よりも短い場合、テストは経過期間の後で停止し、[最大ユーザー カウント] のターゲットまでは達しません。

ステップの目標を使用すると、サーバーのパフォーマンスが急激に低下する点までロードを増やすことができます。 ロードを増やし続けると、いずれはサーバーがリソース不足の状態になります。 ステップ ロードは、この現象が発生するユーザー数を決定するために適した方法です。 ステップ ロードの場合、エージェントで目的のロードを生成できることを確認するために、エージェント リソースを注意深く監視する必要もあります。

指定したロードに対する適切な測定値を得るには、通常、異なるステップ実行間隔とステップごとのユーザー カウントを指定して実行を何回か試行する必要があります。 各ステップでユーザーが追加されると、多くの場合、ロードの初期スパイクが発生します。 ロードをそのレートに保つと、システムが初期スパイクから回復した後で、システム パフォーマンスを計測できます。

ステップ ロード パターンに関する考慮事項

ステップ ロード パターンは、ロード テストの実行中にサーバーの負荷を上げるために使用できます。これにより、ユーザー ロードが増加するにつれてパフォーマンスがどのように変化するかを確認できます。 たとえば、ユーザー ロードが 2,000 人に増加したときにサーバーがどのように動作するかを確認するには、次のプロパティが設定されたステップ ロード パターンを使用して 10 時間のロード テストを実行します。

  • 初期のユーザー カウント: 100

  • 最大ユーザー カウント: 2000

  • ステップ実行間隔 (秒): 1800

  • ステップごとの傾斜増加時間 (秒): 20

  • ステップごとのユーザー カウント: 100

これらの設定では、100 人、200 人、300 人をはじめ、2,000 人までのユーザー ロードで、30 分 (1,800 秒) のロード テストを実行します。 これらのプロパティの中で "ステップごとの傾斜増加時間" プロパティは、新しいロード テスト ウィザードで選択できない唯一のプロパティです。 "ステップごとの傾斜増加時間" プロパティでは、1 つのステップから次のステップ (100 人から 200 人への増加など) へ突然増加するのではなく、徐々に増加することができます。 例では、ユーザー ロードは、20 秒で 100 人から 200 人のユーザーに増加します (毎秒 5 人の増加)。 詳細については、「方法: ステップ ロード パターンの "ステップごとの傾斜増加時間" プロパティを指定する」を参照してください。

ゴール志向

ゴール志向ロード パターンは、ステップ パターンに似ていますが、定期的なユーザー ロードの調整とは異なり、パフォーマンス カウンターのしきい値に基づいてユーザー ロードを調整します。 ゴール志向のロードは、さまざまな目的で役立ちます。

  • エージェントからの出力を最大化する。エージェントの出力を最大化するために、エージェントの主要な制限メトリックを測定します。 通常は CPU ですが、メモリが原因の場合もあります。

  • 対象のサーバーで、通常は CPU が対象のリソース レベルに到達したときに、そのレベルでのスループットを計測する。 これにより、サーバーのリソース利用状況を一定のレベルに保った状態で、スループットの実行ごとの比較を行うことができます。

  • サーバーで対象のスループット レベルに到達する。

次の表に、以下のようなプロパティが設定されたゴール志向パターンの一例を示します。

プロパティ グループ

プロパティ

[パフォーマンス カウンター]

[カテゴリ]

プロセッサ

[パフォーマンス カウンター]

[コンピューター]

ContosoServer1

[パフォーマンス カウンター]

[カウンター]

% Processor Time

[パフォーマンス カウンター]

[インスタンス]

_Total

[パフォーマンス カウンターの対象範囲]

[最大値]

90

[パフォーマンス カウンターの対象範囲]

[最小値]

70

[ユーザー カウントの制限]

[初期のユーザー カウント]

1

[ユーザー カウントの制限]

[最大ユーザー カウント]

100

[ユーザー カウントの制限]

[最大ユーザー カウントの減少]

5

[ユーザー カウントの制限]

[最大ユーザー カウントの増加]

5

[ユーザー カウントの制限]

[最小ユーザーカウント]

1

これらの設定では、ロード テスト アナライザーは、WebServer01 の [% Processor Time] の [カウンター] が、70% ~ 90% の間になるように、テストの実行中にユーザー ロードを 1 ~ 100 の間で調整します。

それぞれのユーザー ロード調整のサイズは、[最大ユーザー カウントの増加] および [最大ユーザー カウントの減少] の設定に従って決定されます。 ユーザー数の制限は、[最大ユーザー カウント] プロパティおよび [最小ユーザー カウント] プロパティで設定されます。

ゴール志向ロード パターンに関する考慮事項

ゴール志向ロード パターンは、リソース使用量があるレベルに達するまでにシステムでサポートできるユーザー数を決定する場合に便利です。 このオプションは、システムで制限されているリソース (つまり、ボトルネック) が既に特定されている場合に最適です。

たとえば、システムで制限されているリソースがデータベース サーバーの CPU であることがわかっており、データベース サーバーの CPU が約 75% ビジー状態になったときにサポートできるユーザー数を確認するとします。 この場合は、パフォーマンス カウンターの [%Processor Time] の値を 70 ~ 80% に維持するゴール志向ロード パターンを使用できます。

他の複数のリソースがシステムのスループットを制限している場合は、注意が必要です。 そのようなリソースがあると、ゴール志向ロード パターンで指定されたゴールに達しない場合があります。 また、ユーザー ロードは、[最大ユーザー カウント] に指定された値に達するまで増加し続けます。 通常、これは目的のロードではないため、ゴール志向ロード パターンでのパフォーマンス カウンターの選択には注意が必要です。

仮想ユーザーの制限とライセンス

Visual Studio Ultimate では、ロード テストをローカルで実行する場合、最大 250 の仮想ユーザーを使用できます。 ロード テストで必要な仮想ユーザーがこの数を超える場合、またはリモート コンピューターを使用する必要がある場合は、Visual Studio Load Test Virtual User Pack 2010 を購入する必要があります。 Visual Studio Load Test Virtual User Pack 2010 は、Visual Studio Ultimate を購入した場所で購入できます。 詳細については、「テスト コントローラーによるロード テスト用の仮想ユーザー ライセンスの管理」および「ロード テストのためのテスト コントローラーおよびテスト エージェントの構成」を参照してください。

タスク

タスク

関連するトピック

ロード テストの初期ロード パターンを指定する: 新しいロード テスト ウィザードを使用してロード テストを作成するときに、ロード パターンを選択します。

ロード テストのロード パターンを編集する: ロード テスト ウィザードでロード テストを作成した後で、ロード テスト エディターを使用してロード パターンを編集できます。

ロード テスト シナリオの仮想ユーザーに Web キャッシュ データを含めるかどうかを指定する: "新しいユーザーのパーセンテージ" プロパティを変更できます。このプロパティの変更によって、仮想ユーザーの Web ブラウザーで実行される Web キャッシュをロード テストでシミュレートする方法が影響を受けます。

ステップ ロード パターンのステップごとの傾斜増加時間を指定する: "ステップごとの傾斜増加時間" プロパティを使用すると、1 つのステップから次のステップ (100 人から 200 人への増加など) へ突然増加するのではなく、徐々に増加することができます。

参照

その他の技術情報

ロード テストの作成と編集