コンシューマ ウィザードで生成されたメソッド
更新 : 2007 年 11 月
ATL OLE DB コンシューマ ウィザードおよび MFC アプリケーション ウィザードでは、注意する必要のある関数がいくつか生成されます。一部のメソッドは、属性を使用するプロジェクトでの実装方法が異なります。それぞれの場合の注意事項を以下に示します。挿入されたコードの表示については、「挿入されたコードのデバッグ」を参照してください。
OpenAll は、データ ソースや行セットを開き、ブックマークが使用可能な場合はブックマークを有効にします。
CloseAll は、開いている行セットをすべて閉じ、コマンドの実行をすべて解放します。
OpenRowset は、コンシューマの行セット (1 つまたは複数) を開くために OpenAll によって呼び出されます。
GetRowsetProperties は、行セットのプロパティ セットへのポインタを取得します。このポインタを使用してプロパティを設定できます。
OpenDataSource は、[データ リンク プロパティ] ダイアログ ボックスで指定した初期化文字列を使用してデータ ソースを開きます。
CloseDataSource は、適切な方法でデータ ソースを閉じます。
OpenAll と CloseAll
HRESULT OpenAll();
void CloseAll();
同じコマンドを繰り返し実行するときに OpenAll と CloseAll を呼び出す方法を以下に示します。CCommand::Close のコード例と比較してください。CloseAll の代わりに Close や ReleaseCommand を呼び出す方法が示されています。
int main(int argc, char* argv[])
{
HRESULT hr;
hr = CoInitialize(NULL);
CCustOrdersDetail rs; // Your CCommand-derived class
rs.m_OrderID = 10248; // Open order 10248
hr = rs.OpenAll(); // (Open also executes the command)
hr = rs.MoveFirst(); // Move to the first row and print it
printf( "Name: %s, Unit Price: %d, Quantity: %d, Discount %d, Extended Price %d\n", rs.m_ProductName, rs.m_UnitPrice.int64, rs.m_Quantity, rs.m_Discount, rs.m_ExtendedPrice.int64 );
// Close the first command execution
rs.Close();
rs.m_OrderID = 10249; // Open order 10249 (a new order)
hr = rs.Open(); // (Open also executes the command)
hr = rs.MoveFirst(); // Move to the first row and print it
printf( "Name: %s, Unit Price: %d, Quantity: %d, Discount %d, Extended Price %d\n", rs.m_ProductName, rs.m_UnitPrice.int64, rs.m_Quantity, rs.m_Discount, rs.m_ExtendedPrice.int64 );
// Close the second command execution;
// Instead of rs.CloseAll() you could call
// rs.Close() and rs.ReleaseCommand():
rs.CloseAll();
CoUninitialize();
return 0;
}
解説
HasBookmark メソッドを定義すると、OpenAll コードによって DBPROP_IRowsetLocate プロパティが設定されます。プロバイダでこのプロパティがサポートされている場合にのみ、このメソッドを定義してください。
OpenRowset
// OLE DB Template version:
HRESULT OpenRowset(DBPROPSET* pPropSet = NULL)
// Attribute-injected version:
HRESULT OpenRowset(const CSession& session, LPCWSTR szCommand = NULL);
OpenAll はこのメソッドを呼び出して、コンシューマの行セット (1 つまたは複数) を開きます。通常、複数のデータ ソース、セッション、または行セットを使用しない限り、OpenRowset を呼び出す必要はありません。OpenRowset は、コマンドまたはテーブル クラスのヘッダー ファイルで宣言されます。
// OLE DB Template version:
HRESULT OpenRowset(DBPROPSET *pPropSet = NULL)
{
HRESULT hr = Open(m_session, NULL, pPropSet);
#ifdef _DEBUG
if(FAILED(hr))
AtlTraceErrorRecords(hr);
#endif
return hr;
}
属性を使用すると、このメソッドの実装方法が異なります。このバージョンでは、セッション オブジェクトとコマンド文字列が使用されます。既定では、db_command で指定されたコマンド文字列が使用されますが、別の文字列を渡すこともできます。HasBookmark メソッドを定義すると、OpenRowset コードによって DBPROP_IRowsetLocate プロパティが設定されます。プロバイダでこのプロパティがサポートされている場合にのみ、このメソッドを定義してください。
// Attribute-injected version:
HRESULT OpenRowset(const CSession& session, LPCWSTR szCommand=NULL)
{
DBPROPSET *pPropSet = NULL;
CDBPropSet propset(DBPROPSET_ROWSET);
__if_exists(HasBookmark)
{
propset.AddProperty(DBPROP_IRowsetLocate, true);
pPropSet= &propset;
}
...
}
GetRowsetProperties
void GetRowsetProperties(CDBPropSet* pPropSet);
このメソッドは、行セットのプロパティ セットへのポインタを取得します。このポインタを使用すると、DBPROP_IRowsetChange などのプロパティを設定できます。GetRowsetProperties は、次のようにユーザー レコード クラスで使用されます。このコードを変更して、ほかの行セット プロパティを設定できます。
void GetRowsetProperties(CDBPropSet* pPropSet)
{
pPropSet->AddProperty(DBPROP_CANFETCHBACKWARDS, true, DBPROPOPTIONS_OPTIONAL);
pPropSet->AddProperty(DBPROP_CANSCROLLBACKWARDS, true, DBPROPOPTIONS_OPTIONAL);
pPropSet->AddProperty(DBPROP_IRowsetChange, true, DBPROPOPTIONS_OPTIONAL);
pPropSet->AddProperty(DBPROP_UPDATABILITY, DBPROPVAL_UP_CHANGE | DBPROPVAL_UP_INSERT | DBPROPVAL_UP_DELETE);
}
解説
ウィザードによって定義されたメソッドと矛盾する場合があるため、グローバル メソッド GetRowsetProperties は定義しないでください。テンプレートおよび属性を使用するプロジェクトで取得するウィザード生成メソッドであることに注意してください。このコードは属性によって挿入されません。
OpenDataSource と CloseDataSource
HRESULT OpenDataSource();
void CloseDataSource();
解説
ウィザードによって OpenDataSource メソッドと CloseDataSource メソッドが定義されます。OpenDataSource は CDataSource::OpenFromInitializationString を呼び出します。