接続の頻度があまり高くないアプリケーション (デバイス)
更新 : 2008 年 7 月
接続の頻度があまり高くないアプリケーションでは、リモート データベースにアクセスできる場合はそのデータベースのデータを使用しますが、リモート データベースにアクセスできない場合は、ローカル キャッシュに格納されているデータを使用します。接続が可能になると、接続の頻度があまり高くないアプリケーションによって、ローカル キャッシュに格納されているデータがリモート データベースに格納されているデータと同期されます。したがって、接続の頻度があまり高くないスマート デバイス アプリケーションのユーザーは、ネットワーク接続が使用できない場合でもアプリケーションを引き続き使用できます。
モバイル デバイスが頻繁にネットワーク範囲の内外で移動する場合、接続の頻度があまり高くないアプリケーションには大きな利点があります。たとえば、切断状態では使用できない、既存の営業用アプリケーションについて考えてみます。これは製品情報を提供し、受注を行うとします。そのデータ アクセスが突然中断されると、そのアプリケーションを使用する現地の販売担当者はアプリケーションを使用できなくなります。
接続の頻度があまり高くないスマート デバイスをサポートするように、ADO.NET プログラミング モデルを既に使用しているアプリケーションを簡単に変更することができます。Visual Studio 2008 Service Pack 1 で使用できるツールを使用して、Synchronization Services フレームワークを利用できます。変更後、販売担当者は、DataSet オブジェクトまたは System.Data.SqlServerCe.SqlCeResultSet オブジェクトを使用して、モバイル デバイス上の製品データや注文データにローカルにアクセスできます。ネットワーク接続が使用可能な場合は、アプリケーションによって、ローカル SQL Server Compact データベースとリモート データベースが同期されます。
接続の頻度があまり高くないスマート デバイス アプリケーションを作成するには、同期されたデスクトップ アプリケーションの開発に使用する場合と同じ同期デザイナを使用します。同期デザイナの概要については、「接続の頻度があまり高くないアプリケーションの概要」および「方法 : アプリケーションでデータ同期を構成する」を参照してください。接続の頻度があまり高くないスマート デバイス アプリケーションを作成する方法の詳細な手順については、「チュートリアル : 接続の頻度があまり高くないスマート デバイス アプリケーションの作成」を参照してください。
デスクトップ向けではなくスマート デバイス向けの開発
スマート デバイス向けに接続の頻度があまり高くないアプリケーションを開発している場合は、次の制約が適用されます。
Microsoft Synchronization Services for ADO.NET (Devices) Version 1.0 では、Windows CE 5.0、Windows Mobile 5.0、および Windows Mobile 6 を実行するデバイスをサポートしています。Windows Mobile 2003、Windows CE 4.2、およびそれ以前のオペレーティング システムを実行するデバイスはサポートされていません。
Microsoft Synchronization Services for ADO.NET v1 SP1 (Devices) を手動でダウンロードしてインストールする必要があります。デスクトップ バージョンの Microsoft Synchronization Services for ADO.NET とは異なり、デバイス バージョンは、Visual Studio 2008 または SQL Server Compact 3.5 と共にインストールされません。
Visual Studio 2008 Service Pack 1 をインストールする必要があります。
Synchronization Services for ADO.NET (Devices) Version 1.0 は、.NET Compact Framework Version 2.0 以降を対象とするデバイス アプリケーションと連携します。ネイティブ アプリケーションはサポートされません。
Synchronization Services for ADO.NET (Devices) は、2 層の同期をサポートしていません。そのため、Synchronization Services を使用するデバイス アプリケーションはリモート データベースと直接同期できません。代わりに、デバイスでは、WCF (Windows Communication Foundation) サービスまたは Web サービスを通じて n 層アーキテクチャと n 層同期を使用する必要があります。
スマート デバイス プロジェクトでは、データ ソース構成ウィザードから同期デザイナを開始できません。
同期に対応するデバイス アプリケーションを Visual Studio IDE から展開すると、Synchronization Services CAB ファイルが対象のデバイスまたはエミュレータに自動的に展開されてインストールされます。デバイスに Synchronization Services CAB ファイルを手動でインストールする必要はありません。
Synchronization Services API のインストールとヘルプの表示
既定では、Synchronization Services ドキュメントはインストールされません。ヘルプがオンラインで使用できるように構成されていないと、このドキュメントは使用できません。ローカルで使用できるように Synchronization Services ドキュメントをインストールするには、まず Microsoft Synchronization Services for ADO.NET オンライン ブックの Web サイトからヘルプ コレクションをダウンロードする必要があります。オンライン リファレンスの詳細については、「Synchronization Services for ADO.NET Overview」を参照してください。
参照
処理手順
チュートリアル : 接続の頻度があまり高くないスマート デバイス アプリケーションの作成
概念
SQL Server Compact 3.5 データベース (デバイス) の使用
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