Office ソリューションの共同開発
更新 : 2007 年 11 月
Visual Studio Tools for Office プロジェクトでは、他の Visual Studio プロジェクトの場合と同じように、複数の開発者が共同で作業できます。Visual Studio は、Microsoft Office が別の場所にインストールされていても、各コンピュータでその場所を正しく認識できます。ただし、注意を必要とする重要な考慮事項もあります。
デバッグ プロパティは共有されない
デバッグ プロパティは、ソース管理で複数のユーザー間では共有されません。Visual Basic プロジェクトや Visual C# プロジェクトでは、デバッグ プロパティはユーザー固有のファイル (ProjectName.vbproj.user または ProjectName.csproj.user) に格納されます。このファイルはソース管理で管理されません。複数のユーザーがデバッグを実行する場合は、各自が手動でデバッグ プロパティを入力する必要があります。
プロジェクトがソース管理ではなくネットワーク共有にある場合は、共同開発者がソリューションを開いてアセンブリをテストできるようにするために、追加の手順が必要です。
ソース管理ではすべてのファイルのチェックアウトが必要
プロジェクトでソース管理を使用する場合、コード ファイルを変更するたびに、ソリューション エクスプローラでそのコード ファイルの下位にあるファイルを (既定では非表示のものも含めて) すべてチェックアウトする必要があります。最上位のコード ファイルのみをチェックアウトすると、変更が失われることがあります。
変更を加えた後で、すべてのファイルを再度チェックインします。プロジェクトの非表示のコード ファイルに関する詳細については、「Office プロジェクト テンプレート」を参照してください。
ネットワーク上での共同作業のセキュリティ (Microsoft Office 2003)
開発場所として UNC パス (\\Servername\Sharename など) を使用すると、ウィザードにより、セキュリティに関する警告メッセージが表示されます。ネットワーク上の場所の安全性が低いと、他のユーザーが有害なアセンブリで元のアセンブリを上書きできるため、コンピュータが危険にさらされる可能性があります。全員の共有フォルダへのアクセスを読み取り専用に設定し、書き込みアクセス許可は自分とそのアクセス許可が必要な人だけに付与することで、ネットワーク上の場所をセキュリティで保護できます。
URL を証拠としてアセンブリを信頼するのではなく、シグネチャ、発行者キー、またはその他の形の証拠を利用してアセンブリを信頼することをお勧めします。さまざまな形の証拠については、「証拠」を参照してください。
開発者が Visual Studio のネットワーク上の管理者である場合は、完全な信頼を自動的に付与してプロジェクトを実行できます。開発者が管理者でない場合は、コンピュータ (Machine) レベルでアセンブリとドキュメントに完全な信頼を付与するためのセキュリティ ポリシーを、管理者が各開発者に対して設定する必要があります。詳細については、「Office ソリューション ビルド処理の概要」および「Office ソリューションの実行に必要なセキュリティ条件 (2003 システム)」を参照してください。
ネットワーク上での共同作業のセキュリティ (2007 Microsoft Office System)
ネットワーク場所 (\\Servername\Sharename など) にあるドキュメント レベルのソリューションでは、作業している Microsoft Office アプリケーションの信頼できるフォルダのリストに完全修飾位置を追加する必要があります。メイン フォルダの下位にあるサブディレクトリを含めるようにオプションを選択するか、デバッグ用のフォルダとビルド用のフォルダを信頼できるフォルダのリストに具体的に追加します。リソースを追加する方法の詳細については、「ドキュメントへの信頼の付与 (2007 システム)」を参照してください。
ビルド時に自動的に生成される一時的な証明書は、パスワードで保護されていません。この証明書には、開発者のログイン名などの個人情報が含まれています。一時的な証明書で署名したカスタマイズを配置すると、他のユーザーがこの情報にアクセスできる可能性があります。
参照
処理手順
方法 : Office ソリューションを配置する (2003 システム)
概念
Visual Studio における Office ソリューションの作成