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PowerPivot の主要業績評価指標 (KPI)

主要業績評価指標 (KPI) は、特定のメジャーに基づき、定義された対象に対するメトリックの現在値および状態のエンド ユーザーによる評価を支援するように設計されています。 KPI は、対象の値に対するベース メジャーによって定義される、また、メジャーまたは絶対値によって定義される値のパフォーマンスを測定します。 ビジネス用語では、KPI とは、ビジネスの目標達成度を判断するための測定値のことです。 たとえば、組織の営業部門では KPI を使用して予測総利益に対する月間売上総利益を測定できます。 経理部門では、月間の収入に対する支出を測定してコストを評価し、人事部門では、四半期単位の従業員離職率を測定することができます。 これらはそれぞれ KPI の一例です。 企業のプロフェッショナルは、グループにまとめて事業のスコアカードに記録した KPI を頻繁に使用し、事業の成功度の履歴要約をすばやく正確に取得したり、傾向を把握したりします。

定義

KPI には以下の項目が含まれます。

  • ベース値
    ベース値は、値に解決されるメジャーによって定義されます。 ベース値には、営業の集計として作成したメジャーや、特定期間の利益を定義するために作成したメジャーなどを使用できます。
  • 対象の値
    対象の値は、値に解決されるメジャーまたは絶対値によって定義されます。 たとえば、メジャーを対象の値として使用することで、組織の経営層は、営業部のノルマ達成度や、予算メジャーが対象の値のどのあたりに位置するかを比較できます。 絶対値を対象の値として使用する例には、人事管理者が各従業員の病欠日数を平均病欠日数と比較して評価する場合などが挙げられます。この場合の平均病欠日数は絶対値です。
  • 状態のしきい値
    状態のしきい値は、低いしきい値と高いしきい値との間の範囲によって定義されます。 状態のしきい値は、対象の値と比べたベース値の状態を簡単に判別できるようにグラフィックで表示されます。

Adventure Works の販売責任者は、販売担当者の一定期間 (年) の販売ノルマの達成状況がひとめでわかるようなピボットテーブルを作成しようとしています。 ピボットテーブルには販売担当者ごとの実績販売額 (ドル) と販売ノルマ額 (ドル) を表示し、各担当者がノルマを下回っているか、上回っているかの状態を示す簡単なグラフィックを表示することにします。 データは年単位でスライスできるようにしたいと考えています。

これを実現するために、AdventureWorks ブックに販売 KPI を追加することにします。 次に、ピボットテーブルを作成してフィールド (メジャーと KPI) およびスライサーを設定し、販売担当者がノルマを達成したかどうかを分析します。

PowerPivot ブックの FactResellerSales テーブルの SalesAmount 列に、各販売担当者の実績販売額をドル単位で表すメジャーが作成されます。 このメジャーは KPI のベース値を定義します。 販売責任者は、列を選択し、[ホーム] タブの [オート SUM] をクリックするか、数式バーに式を入力します。

次の式で販売メジャーを作成します。

Sales:=Sum(FactResellerSales[SalesAmount])

FactSalesQuota テーブルの SalesAmountQuota 列には、各担当者の販売ノルマが定義されています。 この列の値が KPI の対象のメジャー (値) になります。

次の式で SalesAmountQuota メジャーを作成します。

Target SalesAmountQuota:=Sum(FactSalesQuota[SalesAmountQuota])
注意

FactSalesQuota テーブルの EmployeeKey 列と DimEmployees テーブルの EmployeeKey 列との間にリレーションシップがあります。 このリレーションシップは、DimEmployee テーブルの各販売担当者を FactSalesQuota テーブルで表すために必要です。

KPI のベース値および対象の値となるメジャーを作成した後は、販売メジャーを新しい販売 KPI に拡張します。 販売 KPI では、ターゲットの SalesAmountQuota メジャーが対象の値として定義されます。 状態のしきい値はパーセンテージ範囲によって定義されます。ターゲットが 100% の場合、販売メジャーによって定義された実績販売額がターゲットの SalesAmoutnQuota メジャーで定義されたノルマに達したことを意味します。 [低] および [高] のパーセンテージはステータス バーで定義され、グラフィックの種類が選択されます。

これで、販売責任者は KPI のベース値、対象の値、状態を [値] フィールドに追加するピボットテーブルを作成できます。 Employees 列を RowLabel フィールドに追加し、CalendarYear 列をスライサーとして追加します。

販売責任者は、各販売担当者の実績販売額、販売ノルマ、状態を年単位でスライスできるようになりました。 これによって数年間の売上傾向を分析し、販売担当者の販売ノルマを調整する必要があるかどうかを判断できます。

タスク

重要な注意事項重要

KPI を作成する前に、値を評価するベース メジャーを作成する必要があります。 次に、ベース メジャーを KPI に拡張します。 メジャーの作成方法の詳細については、「PowerPivot で使用するメジャー」を参照してください。 KPI には対象の値も必要です。 この値には事前定義された別のメジャーまたは絶対値を使用できます。 ベース メジャーを KPI に拡張すると、[主要業績評価指標] ダイアログ ボックスで対象の値を選択し、状態のしきい値を定義できます。 詳細については、「[主要業績評価指標] ダイアログ ボックス」を参照してください。

KPI を作成するには

  1. データ ビューで、ベース メジャーとして使用するメジャーが存在するテーブルをクリックします。 ベース メジャーをまだ作成していない場合は、「PowerPivot で使用するメジャー」を参照してください。

  2. 計算領域が表示されていることを確認します。 表示されていない場合は、PowerPivot ウィンドウの [ホーム] タブの [表示] 領域で [計算領域] をクリックして、計算領域を表示します。

    計算領域は現在作業しているテーブルの下に表示されます。

  3. 計算領域で、ベース メジャー (値) となるメジャーを右クリックし、コンテキスト メニューの [KPI の作成] をクリックします。

  4. [対象の値の定義] で次のいずれかを選択します。

    [メジャー] を選択し、リスト ボックスから対象のメジャーを選択します。

    [絶対値] を選択し、数値を入力します。

  5. [状態のしきい値の定義] で、低いしきい値および高いしきい値をクリックしてスライドします。

  6. [アイコンのスタイルの選択] で画像の種類をクリックします。

  7. [説明] をクリックして KPI、値、状態、対象の説明を入力します。

KPI を編集するには

  • 計算領域で、KPI のベース メジャー (値) となるメジャーを右クリックし、[KPI 設定の編集] をクリックします。

KPI を削除するには

  • 計算領域で、KPI のベース メジャー (値) となるメジャーを右クリックし、[KPI の削除] をクリックします。

    KPI を削除しても、ベース メジャーまたは対象のメジャーは削除されません (定義されている場合)。

関連項目

参照

[主要業績評価指標] ダイアログ ボックス

概念

PowerPivot で使用するメジャー