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データ更新のトラブルシューティング

ここでは、データ更新について詳しく説明します。

  • データ更新のしくみ

  • データ更新の影響

  • データ ソースの特定

  • データ ソースの更新日の特定

  • 自動更新の有効化に関する制限

  • データ ソースへの変更に関する制限

データ更新のしくみ

データを更新すると、PowerPivot ウィンドウのデータが新しいデータに置き換えられます。 新しいデータ行のみ、または変更されたデータのみをインポートすることはできません。 PowerPivot for Excel では、どの行が追加されたかは追跡されません。

データの更新はトランザクションとして行われます。 つまり、データの更新を開始したら、更新全体が成功するか失敗するかのどちらかになります。データが部分的に正しい状態になることはありません。

PowerPivot ウィンドウから開始する手動によるデータ更新は、ローカルの Analysis Services のメモリ内インスタンスによって処理されます。 したがって、データ更新操作は、コンピューター上の他のタスクのパフォーマンスに影響する可能性があります。ただし、SharePoint サイトに保存されているブックのデータの自動更新をスケジュールする場合は、SharePoint サイト内でホストされている Analysis Services インスタンスによってインポート処理とそのタイミングが管理されます。

データ更新の影響

通常、データの更新を行うと数式、ピボットテーブル、およびグラフ内のデータの再計算が行われます。 データの更新とは、外部ソースから最新のデータを取得することです。再計算とは、変更されたデータを使用するすべての数式の結果を更新することです。 通常、更新操作により再計算が行われます。

したがって、データ ソースを変更したり、データ ソースから取得したデータを更新する前に、その影響について常に考慮し、次のような結果への影響を考慮する必要があります。

  • データ ソースを変更した結果、PowerPivot データの一部が破損する場合があります。 一部の列をデータ ソースから取得できない場合 (たとえば、列が削除または変更されている場合)、更新は失敗し、ソース データと PowerPivot データの間のマッピングを更新する必要があります。 詳細については、「既存のデータ ソースのプロパティの編集」を参照してください。

  • 更新後、一部の列にエラーの存在を示すフラグが設定されることがあります。 更新時に使用できなくなっていたデータを列内の DAX 式が使用している場合、列のデータ型が変更された場合、または無効な値が外部データに追加された場合に、フラグが設定されます。 この問題を解決するには、数式を編集するか、使用できなくなったデータに基づいている列を削除します。

  • 更新されたデータを使用する数式は再計算する必要があります。 ブックのサイズによっては、処理に時間がかかる場合があります。

  • ブックに複数のデータ ソースが含まれる場合は、1 つの外部データ ソースのみが変更されたときでもブック全体を更新することが必要になる場合があります。 たとえば、計算列に依存するメジャーを作成し、それらの計算列が他の計算列の値を使用する場合、PowerPivot はまず依存関係を分析し、次に関連するオブジェクトのチェーン全体を順に処理します。 依存関係の複雑さによっては、この処理に時間がかかることがあります。

  • フィルターを変更する場合、ブック全体を再計算する必要があります。

数式の再計算の詳細については、「数式の再計算」を参照してください。 大規模なデータ更新のパフォーマンスへの影響を軽減するために、再計算を一時的に無効にすることもできます。 詳細については、「手動による PowerPivot の数式の再計算」を参照してください。

データ ソースの特定

ブックのデータのソースがわからない場合は、PowerPivot ウィンドウのツールを使用して、ソース ファイルの名前やパスなどの詳細を確認することができます。

注意

Windows Vista および Windows 7 では、PowerPivot ウィンドウの機能をリボンから実行できます。このトピックではその手順について説明しています。 Windows XP では、同じ機能を一連のメニューから実行できます。 Windows XP を使用している場合、メニュー コマンドとリボン コマンドの対応については、「Windows XP の PowerPivot UI」を参照してください。

既存のデータのソースを調べるには

  1. PowerPivot ウィンドウで、ソースを特定するデータを含むテーブルを選択します。

  2. [デザイン] タブの [プロパティ] グループで、[テーブルのプロパティ] をクリックします。

  3. [テーブルのプロパティの編集] ダイアログ ボックスで、[接続名] に表示された値を書き取ります。

  4. [デザイン] タブの [接続] グループで、[既存の接続] をクリックします。

  5. [既存の接続] ダイアログ ボックスで、手順 3. で特定した名前のデータ ソースを選択して [編集] をクリックします。

  6. [接続の編集] ダイアログ ボックスで、データベース名、ファイル パス、レポート パスなどの接続情報を確認します。

データの最終更新日の特定

PowerPivot ウィンドウのツールを使用して、データの最終更新日を調べることができます。ブックを SharePoint サイトに保存している場合にサーバーでデータの自動更新がスケジュールされているときは、[最終更新時刻] の日付に自動更新の日付も表示されます。

テーブルの最終更新日を調べるには

  1. PowerPivot ウィンドウで、更新日を特定するデータを含むテーブルを選択します。

  2. [デザイン] タブの [プロパティ] グループで、[テーブルのプロパティ] をクリックします。

  3. [テーブルのプロパティの編集] ダイアログ ボックスの [最終更新時刻] に、テーブルの最終更新日が表示されます。

更新可能なデータ ソースに関する制限

SharePoint サイトから自動的に更新できるデータ ソースには、いくつかの制限が適用されます。 次の条件を満たすデータ ソースのみを選択します。

  • データ ソースは、データ更新時に指定の場所にあり、使用できる必要があります。 元のデータ ソースが、ブックを作成したユーザーのローカル ディスク ドライブにある場合は、そのデータ ソースをデータ更新操作から除外するか、何らかの方法でそのデータ ソースをネットワーク接続経由でアクセス可能な場所にパブリッシュする必要があります。 データ ソースをネットワーク上の場所に移動する場合は、PowerPivot for Excel でブックを開いて、データ取得の手順を繰り返します。 この操作は、PowerPivot データ ソースに格納された接続情報を再確立するために必要です。

  • データ ソースへのアクセスには、PowerPivot データ ソースに埋め込まれている資格情報、またはスケジュールに指定されている資格情報を使用する必要があります。 埋め込みの資格情報は、PowerPivot for Excel から外部データ ソースに接続するときに、PowerPivot データ ソースに作成されます。 サーバーに保存可能であれば、スケジュールに別のユーザー アカウントを指定して、それらの資格情報を上書きできます。 詳細については、Microsoft Web サイトの「PowerPivot データ更新用の保存された資格情報を構成する方法」を参照してください。

  • データ更新は、指定したすべてのデータ ソースに対して成功する必要があります。 成功しなかった場合、更新されたデータは破棄され、最後に保存したバージョンのブックが維持されます。 確実でないデータ ソースは除外してください。

  • ブック内の他のデータを無効にするようなデータ更新を行わないでください。 データのサブセットを更新するときは、時期の異なる静的データと新しいデータを集計してもブックが引き続き有効になるかどうかの判断が重要になります。 データの依存関係を理解し、データ更新がブックにとって適切かどうかを確認するのは、ブック作成者の責任です。

    外部データ ソースには、PowerPivot ウィンドウを使用してブックに元のデータをインポートしたときに指定した、埋め込まれた接続文字列、URL、または UNC パスを通してアクセスします。 PowerPivot データ ソースに格納された元の接続情報が、その後のデータ更新操作に再利用されます。 データ更新のために、別個の接続情報が作成され管理されることはありません。既存の接続情報だけが使用されます。

データ ソースへの変更に関する制限

データ ソースへの変更には制限があります。

  • 列のデータ型は互換性のあるデータ型にしか変更できません。 たとえば、列内のデータに小数が含まれている場合は、データ型を整数に変更できません。 ただし、数値データをテキストに変更することはできます。 データ型の詳細については、「PowerPivot ブックでサポートされているデータ型」を参照してください。

  • 別々のテーブルの列を複数選択して、これらの列のプロパティを変更することはできません。 一度に 1 つのテーブルまたはビューのみを操作できます。

関連項目

概念

数式の再計算

PowerPivot でデータを更新する各種の方法

再計算のトラブルシューティング