チュートリアル: レポートへのスパークラインの追加 (レポート ビルダー)
このチュートリアルでは、サンプルの売上データに基づいて基本的なテーブル レポートを作成してから、テーブルのセルにスパークライン グラフを追加します。
このチュートリアルで作成するレポートについては、SQL Server 2012 レポート ビルダーのサンプル レポートに発展版が含まれています。 このサンプル レポートおよびその他のサンプル レポートをダウンロードする方法の詳細については、レポート ビルダーのサンプル レポートのページを参照してください。 次の図に、ここで作成するレポートと同様のサンプル レポートを示します。
ビデオ「テーブルにスパークラインを作成する方法 (レポート ビルダー ビデオ)」では、スパークラインを使用して同様のレポートを作成する方法を説明しています。
学習する内容
このチュートリアルでは、次の方法を学習します。
1. テーブルを使用したレポートを作成する
2. テーブルまたはマトリックス ウィザードでクエリを作成する
3. スパークラインをテーブルに追加する
4. スパークラインを垂直方向および水平方向に揃える
その他のオプションの手順
5. データに通貨の書式を設定する
6. データに日付の書式を設定する
7. 列幅を変更する
8. レポート タイトルを追加する
9. レポートを保存する
このチュートリアルの推定所要時間: 30 分
必要条件
必要条件の詳細については、「チュートリアルの前提条件 (レポート ビルダー)」を参照してください。
1.テーブルを使用したレポートを作成する
レポートを作成するには
[スタート] ボタンをクリックし、[プログラム]、[Microsoft SQL Server 2012 レポート ビルダー] の順にポイントして、[レポート ビルダー] をクリックします。
[作業の開始] ダイアログ ボックスが表示されます。
注 [作業の開始] ダイアログ ボックスが表示されない場合は、[レポート ビルダー] ボタンの [新規作成] をクリックします。
左ペインで、[新しいレポート] が選択されていることを確認します。
右ペインで、[テーブルまたはマトリックス ウィザード] をクリックします。
[データセットの選択] ページで [データセットを作成する] を選択し、[次へ] をクリックします。 [データ ソースへの接続の選択] ページが開きます。
注 このチュートリアルでは、特定のデータは必要ありません。SQL Server 2012 データベースへの接続だけが必要です。 [データ ソース接続] の一覧に既にデータ ソース接続が表示されている場合は、データ ソース接続を選択して手順 10 に進みます。 詳細については、「別の方法でデータ接続を取得する (レポート ビルダー)」を参照してください。
[新規作成] をクリックします。 [データ ソースのプロパティ] ダイアログ ボックスが表示されます。
[名前] に、データ ソースの名前として「Product Sales」と入力します。
[接続の種類の選択] で、[Microsoft SQL Server] が選択されていることを確認します。
[接続文字列] に次のように入力します。
Data Source=<servername>
式 <servername> には、たとえば Report001 など、SQL Server データベース エンジンのインスタンスがインストールされているコンピューターを指定します。 レポート データは SQL Server のデータベースから抽出されるのではないので、データベース名を含める必要はありません。 指定したサーバー上の既定のデータベースを使用して、クエリが解析されます。
[資格情報] をクリックします。 外部データ ソースへのアクセスに必要な資格情報を入力します。
[OK] をクリックします。
[データ ソースへの接続の選択] ページに戻ります。
データ ソースに接続できることを確認するために、[接続テスト] をクリックします。
"接続が正常に作成されました" というメッセージが表示されます。
[OK] をクリックします。
[次へ] をクリックします。
2.テーブル ウィザードでクエリを作成する
レポートでは、クエリが事前に定義された共有データセットを使用するか、そのレポートでのみ使用する埋め込みデータセットを作成できます。 このチュートリアルでは、埋め込みデータセットを作成します。
注 |
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このチュートリアルのクエリにはデータ値が含まれているため、外部のデータ ソースを必要としません。 この場合、クエリが非常に長くなります。 ビジネス環境でクエリにデータを含めることはありません。 これは、学習に使用することのみを目的としています。 |
クエリを作成するには
[クエリのデザイン] ページでは、リレーショナル クエリ デザイナーが開きます。 このチュートリアルでは、テキスト ベースのクエリ デザイナーを使用します。
[テキストとして編集] をクリックします。 テキスト ベースのクエリ デザイナーは、クエリ ペインと結果ペインで構成されています。
[クエリ] ボックスに、次の Transact-SQL クエリを貼り付けます。
SELECT CAST('2010-01-04' AS date) as SalesDate, 'Accessories' as Subcategory, 'Carrying Case' as Product, CAST(16996.60 AS money) AS Sales, 68 as Quantity UNION SELECT CAST('2010-01-05' AS date) as SalesDate, 'Accessories' as Subcategory, 'Carrying Case' as Product, CAST(1350.00 AS money) AS Sales, 18 as Quantity UNION SELECT CAST('2010-01-10' AS date) as SalesDate, 'Accessories' as Subcategory, 'Carrying Case' as Product, CAST(1147.50 AS money) AS Sales, 17 as Quantity UNION SELECT CAST('2010-01-04' AS date) as SalesDate, 'Accessories' as Subcategory, 'Budget Movie-Maker' as Product, CAST(1056.00 AS money) AS Sales, 44 as Quantity UNION SELECT CAST('2010-01-05' AS date) as SalesDate, 'Accessories' as Subcategory, 'Slim Digital' as Product, CAST(1380.00 AS money) AS Sales, 18 as Quantity UNION SELECT CAST('2010-01-05' AS date) as SalesDate,'Accessories' as Subcategory, 'Budget Movie-Maker' as Product, CAST(780.00 AS money) AS Sales, 26 as Quantity UNION SELECT CAST('2010-01-07' AS date) as SalesDate, 'Accessories' as Subcategory, 'Budget Movie-Maker' as Product, CAST(3798.00 AS money) AS Sales, 9 as Quantity UNION SELECT CAST('2010-01-08' AS date) as SalesDate, 'Camcorders' as Subcategory, 'Budget Movie-Maker' as Product, CAST(10400.00 AS money) AS Sales, 13 as Quantity UNION SELECT CAST('2010-01-09' AS date) as SalesDate, 'Camcorders' as Subcategory, 'Budget Movie-Maker' as Product, CAST(3000.00 AS money) AS Sales, 60 as Quantity UNION SELECT CAST('2010-01-10' AS date) as SalesDate, 'Digital' as Subcategory, 'Budget Movie-Maker' as Product, CAST(7234.50 AS money) AS Sales, 39 as Quantity UNION SELECT CAST('2010-01-06' AS date) as SalesDate, 'Digital' as Subcategory, 'Carrying Case' as Product, CAST(10836.00 AS money) AS Sales, 84 as Quantity UNION SELECT CAST('2010-01-07' AS date) as SalesDate, 'Digital' as Subcategory, 'Slim Digital' as Product, CAST(2550.00 AS money) AS Sales, 17 as Quantity UNION SELECT CAST('2010-01-04' AS date) as SalesDate, 'Digital' as Subcategory, 'Slim Digital' as Product, CAST(8357.80 AS money) AS Sales, 44 as Quantity UNION SELECT CAST('2010-01-08' AS date) as SalesDate, 'Digital SLR' as Subcategory, 'Slim Digital' as Product, CAST(18530.00 AS money) AS Sales, 34 as Quantity UNION SELECT CAST('2010-01-06' AS date) as SalesDate, 'Digital SLR' as Subcategory, 'Slim Digital' as Product, CAST(26576.00 AS money) AS Sales, 88 as Quantity
クエリ デザイナーのツール バーで、[実行] (!) をクリックします。
SalesDate、Subcategory、Product、Sales、および Quantity の各フィールドを取得するクエリが実行され、結果セットが表示されます。
[次へ] をクリックします。
[フィールドの配置] ページで、Sales を [値] にドラッグします。
Sales は Sum 関数を使用して集計されます。 値は [Sum(Sales)] です。
Product を [行グループ] にドラッグします。
SalesDate を [列グループ] にドラッグします。
[次へ] をクリックします。
[レイアウトの選択] ページの [オプション] で、[小計と総計を表示] が選択されていることを確認します。
ウィザードのプレビュー ペインに、3 行を含むテーブルが表示されます。 レポートを実行すると、各行は次のように表示されます。
1 行目はテーブルで 1 回表示され、列見出しを示します。
2 行目は製品ごとに 1 回表示され、製品名、1 日あたりの合計、および行の合計を示します。
3 行目はテーブルで 1 回表示され、総計を示します。
[次へ] をクリックします。
[スタイルの選択] ページのスタイル ペインで、[スレート] を選択します。
プレビュー ペインにそのスタイルのテーブルのサンプルが表示されます。
[完了] をクリックします。
テーブルがデザイン画面に追加されます。 テーブルには 3 列および 5 行が含まれています。
グループ化ペインを確認します。 グループ化ペインが表示されない場合、[表示] メニューの [グループ化] をクリックします。 行グループ ペインに行グループ Product が表示されます。 列グループ ペインに列グループ SalesDate が表示されます。 詳細データは、データセット クエリによって取得されるすべてのデータです。
[実行] をクリックして、レポートをプレビューします。
3.スパークラインを追加する
テーブルにスパークライン グラフを追加するには
[デザイン] をクリックしてデザイン ビューに戻ります。
テーブルの合計列を選択します。
右クリックして表示される [列の挿入] を選択してから、[左] をクリックします。
新しい列で [Product] 行を右クリックし、[挿入] リボン タブをポイントしてから、[スパークライン] をクリックします。
[列] 行の最初のスパークラインが選択されていることを確認してから、[OK] をクリックします。
スパークラインをクリックして、グラフ データ ペインを表示します。
[値] ボックスのプラス記号 (+) をクリックしてから、Sales をクリックします。
Sales フィールドの値がスパークラインの値になります。
[カテゴリ グループ] ボックスのプラス記号 (+) をクリックしてから、SalesDate をクリックします。
[実行] をクリックして、レポートをプレビューします。
テーブルの各行にスパークライン グラフがありますが、正しくないことに注意してください。 グラフ内のバーが揃っていません。 データの 2 行目のバーは 4 本しかないので、バーが 6 本ある最初の行のバーよりも太くなっています。 1 日あたりの各製品の値を比較できません。 グラフ内のバーは揃っている必要があります。
また、どの行も、最も高いバーの高さがその行の高さに合わせられています。 各行の最大値は同じではないので、誤解を招きます。たとえば、Budget Movie-Maker の最大の値は 10,400 ドルですが、Slim Digital の最大の値は 26,576 ドルで 2 倍以上あります。 ところが、これらの 2 つの行の最も高いバーはほぼ同じ高さになっています。 こちらも他のスパークラインに合わせて修正する必要があります。
4.スパークラインを垂直方向および水平方向に揃える
スパークラインは、測定方法が異なると、読み取りにくくなります。 各スパークラインの縦軸と横軸は、残りのスパークラインと一致させる必要があります。
テーブル内のスパークラインの配置を設定するには
[デザイン] をクリックしてデザイン ビューに戻ります。
スパークラインを右クリックし、[縦軸のプロパティ] をクリックします。
[軸を整列する] チェック ボックスをオンにします。
一覧に Tablix1 が表示されます。 これが唯一のオプションです。 このオプションによって、各スパークラインのバーの高さが相対的に設定されます。
[OK] をクリックします。
スパークラインを右クリックし、[横軸のプロパティ] をクリックします。
[軸を整列する] チェック ボックスをオンにします。
一覧に Tablix1 が表示されます。 これが唯一のオプションです。 このオプションによって、各スパークラインのバーの幅が相対的に設定されます。 あるスパークラインで他のスパークラインよりバーの数が少ない場合は、そのスパークラインのデータがない位置は空白のスペースになります。
[OK] をクリックします。
[実行] をクリックして、レポートをもう一度プレビューします。
今度は、すべてのバーが他の行のバーと揃っています。
5.(オプション) データに通貨の書式を設定する
既定では、Sales フィールドの集計データは通常の数値として表示されます。 このフィールドを書式設定して、数値を通貨として表示します。 書式設定したテキスト ボックスおよびプレースホルダー テキストのサンプル値を表示するには、[プレースホルダーのスタイル] の設定を切り替えます。
通貨フィールドを書式設定するには
[デザイン] をクリックしてデザイン ビューに切り替えます。
SalesDate 列の 2 行目 (列見出しの次の行) のセルをクリックしてドラッグし、[Sum(Sales)] が格納されたすべてのセルを選択します。
[ホーム] タブの [数値] グループで、[通貨] ボタンをクリックします。 セルの表示が、通貨の書式に変更されます。
地域設定が英語 (米国) の場合、既定のサンプル テキストは $12,345.00 です。 通貨値の例が表示されない場合は、[数値] グループの [プレースホルダーのスタイル] をクリックし、[サンプルの値] をクリックします。
[実行] をクリックして、レポートをプレビューします。
Sales の集計値が通貨として表示されます。
6.(オプション) データに日付の書式を設定する
既定では、SalesDate フィールドには日付と時刻の情報が表示されます。 このフィールドを書式設定して、日付のみを表示できます。
日付フィールドの書式を既定の書式に設定するには
[デザイン] をクリックしてデザイン ビューに戻ります。
[SalesDate] が格納されたセルをクリックします。
リボンの [ホーム] タブの [数値] グループで、ドロップダウン リストから [日付] を選択します。
セルに、日付の例として [2000/1/31] と表示されます。 日付の例が表示されない場合は、[数値] グループの [プレースホルダーのスタイル] をクリックし、[サンプルの値] をクリックします。
[実行] をクリックして、レポートをプレビューします。
SalesDate の値が、既定の日付の書式で表示されます。
7.(オプション) 列幅を変更する
テーブルの各セルには、既定でテキスト ボックスが含まれます。 テキスト ボックスは、ページを表示するときにテキストに合わせて垂直方向に拡張されます。 表示されるレポートでは、各行がその行で最も高いテキスト ボックスの高さに拡張されます。 デザイン画面の行の高さは、表示されるレポートの行の高さには影響しません。
各行の垂直方向の領域を小さくするには、列の幅を広げ、列で想定されるテキスト ボックスの内容が 1 行に収まるようにします。
列の幅を変更するには
[デザイン] をクリックしてデザイン ビューに戻ります。
テーブルをクリックし、列ハンドルおよび行ハンドルをテーブルの上部および横に表示します。
テーブルの上と横のグレーのバーは、列および行ハンドルです。
列ハンドルの間の罫線をポイントします。カーソルが 2 方向の矢印の形状に変化します。 列をドラッグして、目的のサイズに変更します。 たとえば、製品名が 1 行に表示されるように Product 列を広げます。
[実行] をクリックして、レポートをプレビューします。
8.(オプション) レポート タイトルを追加する
レポート タイトルは、レポートの最上部に表示されます。 レポート ヘッダーがあれば、そこにレポート タイトルを配置します。レポート ヘッダーを使用しない場合は、レポート本文の一番上のテキスト ボックスに配置します。 このチュートリアルでは、自動的にレポート本文の一番上に配置されるテキスト ボックスを使用します。
テキストの語句や文字のフォントのスタイル、サイズ、および色を変更して、テキストをさらに強調することもできます。 詳細については、「テキスト ボックス内のテキストの書式設定 (レポート ビルダーおよび SSRS)」を参照してください。
レポート タイトルを追加するには
デザイン画面で、[クリックしてタイトルを追加] をクリックします。
「Product Sales」と入力し、テキスト ボックスの外側をクリックします。
"Product Sales" が含まれているテキスト ボックスを右クリックし、[テキスト ボックスのプロパティ] をクリックします。
[テキスト ボックスのプロパティ] ダイアログ ボックスで、[フォント] をクリックします。
[サイズ] ボックスの一覧の [18pt] を選択します。
[色] ボックスの一覧の [栗色] を選択します。
[太字] を選択します。
[OK] をクリックします。
9.レポートを保存する
レポートをレポート サーバーまたは自分のコンピューターに保存します。 レポート サーバーに保存しない場合は、Reporting Services のいくつかの機能 (レポート パーツ、サブレポートなど) が使用できなくなります。
レポート サーバーにレポートを保存するには
レポート ビルダーのボタンの [名前を付けて保存] をクリックします。
[最近使ったサイトとサーバー] をクリックします。
レポートを保存する権限があるレポート サーバーの名前を入力するか選択します。
"レポート サーバーに接続しています" というメッセージが表示されます。 接続が完了すると、レポート サーバー管理者がレポートの既定の場所として指定したレポート フォルダーのコンテンツが表示されます。
[名前] に入力されている既定の名前を「Product Sales」に置き換えます。
[保存] をクリックします。
レポートがレポート サーバーに保存されます。 接続しているレポート サーバーの名前がウィンドウ下部のステータス バーに表示されます。
コンピューターにレポートを保存するには
レポート ビルダーのボタンの [名前を付けて保存] をクリックします。
[デスクトップ]、[マイ ドキュメント]、または [マイ コンピューター] をクリックして、レポートを保存するフォルダーを参照します。
[名前] に入力されている既定の名前を「Product Sales」に置き換えます。
[保存] をクリックします。
次の手順
これで、スパークライン グラフを使ったテーブル レポートを作成するチュートリアルを終了します。 スパークラインの詳細については、「スパークラインとデータ バー (レポート ビルダーおよび SSRS)」を参照してください。