新機能 (Integration Services)
この最新リリースの Microsoft Integration Services には、データ変換ソリューションを開発する開発者、管理者、およびナレッジ ワーカーの能力や生産性を向上させる、以下のような新機能や機能強化が導入されています。
以下に、新機能と強化機能を分野別に示します。確認してください。
配置
管理およびトラブルシューティング
開発に関する機能強化
パフォーマンス
データ品質
サンプルおよびチュートリアルへのアクセス
配置
現在のリリースの Integration Services では、Integration Services サーバーにプロジェクトを配置できます。 これは新しいプロジェクトの配置モデルです。 Integration Services サーバーを使用すると、さまざまな環境を利用して、パッケージの管理、パッケージの実行、およびパッケージに合わせたランタイム値の構成を行うことができます。
次のトピックでは、プロジェクトからプロジェクト配置モデルへの変換、プロジェクトの配置、および Integration Services サーバーについて説明します。
管理およびトラブルシューティング
サーバー環境
サーバー環境は、Integration Services のこのリリースでの新しい概念です。 Integration Services サーバーに配置したプロジェクトに含まれるパッケージに合わせたランタイム値を指定するための環境を使用します。 値はプロジェクト パラメーターにマップされます。詳細については、「サーバー環境の作成とマップ」および「プロジェクトとパッケージの展開」を参照してください。
SSISDB カタログ
SSISDB カタログは、Integration Services サーバーに配置した Integration Services (SSIS) プロジェクトを操作するための中核となります。 たとえば、プロジェクト パラメーターとパッケージ パラメーターの設定、パッケージに合わせたランタイム値を指定するための環境の構成、パッケージの実行およびトラブルシューティング、さまざまな Integration Services サーバー操作の管理を行います。詳細については、次の各トピックを参照してください。
パフォーマンスとデータに関する問題のトラブルシューティング
このリリースには、パフォーマンスとデータに関する問題のトラブルシューティングに役立つ、新たなビュー、ストアド プロシージャ、およびストアド関数が用意されています。トラブルシューティング機能
関連するビュー、プロシージャ、および関数
パフォーマンス統計と実行に関するその他の情報を取得する
パッケージのデータ フローのデータ タップを追加、削除、およびクエリする
実行中のパッケージのダンプを作成する
実行のインスタンスにパラメーターの値を設定し、インスタンスの実行中にパッケージによって使用されるパラメーター値を表示します。
パッケージ操作のトラブルシューティングのためのレポート
このリリースでは、SSISDB カタログに配置された Integration Services パッケージのトラブルシューティングに役立つ標準レポートを SQL Server Management Studio で使用できるようになりました。 これらの操作レポートは、パッケージの実行状態を確認する場合や、実行が失敗した原因を特定する場合に役立ちます。詳細については、「Integration Services サーバーのレポート」を参照してください。
開発に関する機能強化
プロジェクト接続マネージャー
このリリースでは、プロジェクトの複数のパッケージで共有できる接続マネージャーをプロジェクト レベルで作成することができます。 プロジェクト レベルで作成した接続マネージャーは、すべてのパッケージの SSIS デザイナーのウィンドウの [接続マネージャー] タブに自動的に表示されます。 詳細については、「パッケージの接続マネージャーを追加、削除、または共有する」を参照してください。オフライン接続マネージャー
Integration Services では、パッケージが開かれるときに、すべてのデータ フロー コンポーネントを検証する前にすべての接続を検証し、低速または使用不能の接続を、オフラインで動作するように設定します。 これにより、パッケージのデータ フローを検証するときの遅延を減らすことができます。 パッケージを開いた後でも、[接続マネージャー] 領域の接続マネージャーを右クリックして [オフライン作業] をクリックすることにより、接続をオフにできます。 これにより SSIS デザイナーの動作を速くできます。詳細については、「パッケージ開発のトラブルシューティング ツール」を参照してください。
フラット ファイル接続マネージャーの変更
フラット ファイル接続マネージャーでは、修飾子が埋め込まれた解析ファイルがサポートされるようになりました。 また、接続マネージャーは、行区切り記号を既定で常にチェックし、列フィールドがない行を含むファイルを正しく解析できます。詳細については、「フラット ファイル接続マネージャー」を参照してください。
パラメーター
Integration Services (SSIS) パラメーターを使用すると、パッケージの実行時にパッケージ内のプロパティに値を割り当てることができます。 プロジェクト パラメーターはプロジェクト レベル、パッケージ パラメーターはパッケージ レベルで作成できます。 プロジェクト パラメーターは、プロジェクトが受け取る外部入力をプロジェクト内の 1 つまたは複数のパッケージに指定するために使用します。 パッケージ パラメーターを使用すると、パッケージを編集したり再配置したりせずにパッケージ実行を変更できます。 詳細については、「Integration Services (SSIS) パラメーター」を参照してください。パッケージのタスクとパラメーターの実行
このリリースでは、変数またはパラメーターを子パッケージのパラメーターにマップすることで、値を子パッケージで使用できるようにパッケージ実行タスクを構成できます。 詳細については、「パッケージ実行タスク」の「子パッケージへの値の引き渡し」セクションを参照してください。パッケージの比較とマージ
パッケージ .dtsx ファイルの構造が変更され、パッケージを容易に比較できるようになりました。 さらに、競合を引き起こす可能性のある変更やバイナリ形式で保存されている変更を含まないパッケージをより確実にマージできるようになりました。詳細については、「SSIS パッケージの形式」を参照してください。
SSIS デザイナーの元に戻す/やり直す
SSIS デザイナーでの操作は、最大 20 件まで元に戻したり、やり直したりすることができます。 パッケージの場合、元に戻す/やり直すを使用できるのは、[制御フロー] タブ、[データ フロー] タブ、[イベント ハンドラー] タブ、[パラメーター] タブと、[変数] ウィンドウです。 プロジェクトの場合、元に戻す/やり直すは [プロジェクト パラメーター] ウィンドウで使用できます。詳細については、「SSIS デザイナー」を参照してください。
列のマッピング
見つからない列など、データ フローで列マッピングの問題によりエラーが発生すると、パスが接続されていないときに、エラー アイコンがパスまたはコンポーネント上に表示されます。 また、マッピングの問題がある場合でも、コンポーネントを引き続き編集できます。SSIS デザイナーでは、新しいデータ ソースを接続したときの、列の再マップの機能が強化されました。 列は、系列 ID ではなく、列の名前とデータ型に基づいて再マップされます。
列参照解決エディター を使用することにより、実行ツリーでの切断された接続入力パスの問題やマップされていない列の問題を簡単に解決できます。
スクリプト タスクとスクリプト コンポーネント
スクリプト タスクまたはスクリプト コンポーネントを含む SQL Server Data Tools - Visual Studio 2012 用 Business Intelligence を使用してパッケージを作成する場合、.NET Framework 4.5 クラス ライブラリを対象としてスクリプト プロジェクトを構成できます。 Microsoft Visual Studio Tools for Applications (VSTA) の [ターゲット フレームワーク] プロパティを設定します。SQL Server Data Tools - Visual Studio 2012 用 Business Intelligence と SQL Server 2012 に含まれる SQL Server データ ツール (SSDT) は、サイド バイ サイドでインストールすることができます。
重要 .NET Framework 4.5 クラス ライブラリを対象とするスクリプト タスクおよびスクリプト コンポーネントは、SQL Server 2012 に含まれる SQL Server データ ツール (SSDT) では編集できません。 これを回避するには、SQL Server Data Tools - Visual Studio 2012 用 Business Intelligence にパッケージを読み込んで、.NET Framework 4.0 クラス ライブラリを対象としてスクリプト プロジェクトを変更します。
SQL Server 2012 に含まれている SQL Server Data Tools - Visual Studio 2012 用 Business Intelligence と SQL Server データ ツール (SSDT) の両方でパッケージを編集することを計画している場合、.NET Framework 4.0 クラス ライブラリを対象としてスクリプト プロジェクトを構成することをお勧めします。
パフォーマンス
マージ変換およびマージ結合変換によるメモリ使用量の削減
Microsoft により、Integration Services マージ変換およびマージ結合変換がより堅牢で信頼性の高いものになりました。 具体的には、複数の入力によってデータが不均一なレートで生成される場合に、コンポーネントによって過度にメモリが消費されるリスクが減少しました。 この改善により、マージ変換またはマージ結合変換を使用するパッケージでメモリをより効率的に使用することができます。Microsoft では、カスタム データ フロー コンポーネントの開発者が独自のコンポーネントで同様のソリューションを実行できるように、新しいプロパティとメソッドが用意されています。 この機能強化によって、複数の入力をサポートする強力なカスタム データ フロー コンポーネントの開発がより現実的になります。 詳細については、「複数の入力を持つデータ フロー コンポーネントの開発」を参照してください。
データ品質
DQS クレンジング変換
Integration Services に新しく追加された DQS クレンジング変換によって、データ品質を簡単かつ正確に向上できるようになりました。これらのコンポーネントを使用したデータ品質の向上については、「DQS クレンジング変換」を参照してください。
サンプルおよびチュートリアルへのアクセス
[作業の開始] ウィンドウ
SSIS デザイナーの [作業の開始] ウィンドウには、サンプル、チュートリアル、およびビデオへのリンクが表示されます。 その他のコンテンツへのリンクを追加することによって、ウィンドウをカスタマイズできます。 詳細については、「Integration Services のユーザー インターフェイス」を参照してください。SSIS ツールボックス
SQL Server データ ツール (SSDT) の SSIS ツールボックスには、コンテンツの制御フロー項目およびデータ フロー項目のサンプルおよびヘルプへのリンクが表示されます。 カスタム コンポーネントのリンクを追加できます。 詳細については、「Integration Services 用のカスタム オブジェクトの開発」を参照してください。
関連タスク
関連コンテンツ
msdn.com のブログ投稿「SSIS パッケージのパフォーマンスに関する問題のトラブルシューティング」
msdn.com のブログ投稿「SSIS の 30 日」
msdn.com のブログ投稿「SSIS カタログでのレポートの作成」
msdn.microsoft.com の技術記事「SSIS から SQL Server 2012 へのスムーズなアップグレードのための 5 つのヒント」
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