イベントの監視
SQL Server には、データベース エンジンで発生するイベントを監視するための SQL トレースとイベント通知が用意されています。
SQL トレースでは指定したイベントを記録することによって、パフォーマンスのトラブルシューティング、データベースの利用状況の監査、テスト環境のサンプル データの収集、Transact-SQL ステートメントとストアド プロシージャのデバッグ、およびパフォーマンス分析ツール用のデータの収集を行うのに役立ちます。SQL トレースには、SQL Server Profiler、グラフィカル ユーザー インターフェイス、またはコマンド ラインで入力した Transact-SQL システム ストアド プロシージャのいずれかを使用してアクセスします。
SQL トレースの実行中、データベース エンジンでイベントが発生すると、それらのイベントがキャプチャされます。キャプチャされるイベントは、trace という処理で監視することを選択したイベント クラスのインスタンスです。各イベント クラスは、イベント名、および特定のイベント クラスを発生させる属性を説明するデータ列で構成されます。トレースで指定したイベント クラスに所属するイベントが発生すると、SQL トレースによって、イベント名と関連するデータがトレース ファイルに記録されます。
通常、SQL トレースには、SQL Server Profiler を使用してアクセスします。また、Transact-SQL システム ストアド プロシージャを使用してアクセスすることもできます。SQL Server Profiler によって、SQL トレースのすべてのイベント キャプチャ機能が使用され、テーブルに対する情報のトレース、テンプレートとしてのトレース定義の保存、個別の XML ファイルとしてのクエリ プランやデッドロック イベントの抽出、診断と最適化のためのトレース結果の再生を行う機能が追加されます。
イベント通知では、SQL トレースでキャプチャされる同じイベントに関する多数の情報が Service Broker サービスに送信されます。ただし、イベント通知を使用すると、トレースとは異なり、イベントに応答して SQL Server 内部でアクションを実行できます。イベント通知では、これらのアクションが非同期に実行されるので、即時トランザクションで定義されたリソースがすべて使用されるわけではありません。
次のトピックでは、SQL Server Profiler、SQL トレース、およびイベント通知を使用してイベントを監視する方法について説明します。
注意 |
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SQL Server 2008 では、拡張イベントを使用してパフォーマンス上の問題のトラブルシューティングを行うこともできます。拡張イベントは、SQL Server の内部動作をより深く理解するのに役立ち、より高度なトラブルシューティング シナリオに利用できます。詳細については、「SQL Server 拡張イベント」を参照してください。 |
このセクションの内容
トピック |
説明 |
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SQL トレースの機能方法、およびストアド プロシージャを使用してトレースを作成する方法について説明します。 |
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SQL Server Profiler を使用してトレースを行う方法について説明します。 |
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ユーティリティとツールのパフォーマンスを向上するためにチューニングできるサーバー操作について説明します。 |
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SQL Server をチューニングしてサーバーのパフォーマンスを最適化できる方法について説明します。 |
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イベント通知の機能方法、およびイベント通知を使用してデータベース イベントとサーバー イベントを監視し、それらに応答する方法について説明します。 |
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SQL Server Management Studio を使用して SQL Server のパフォーマンスを監視できる方法について説明します。 |
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SQL Server エラー ログと Microsoft Windows アプリケーション ログを使用して、SQL Server の利用状況を監視できる方法について説明します。 |
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Transact-SQL ステートメントを使用して SQL Server のインスタンスを監視できる方法について説明します。 |