次の方法で共有


dtexec ユーティリティ

dtexec コマンド プロンプト ユーティリティは、SQL ServerIntegration Services パッケージの構成および実行に使用します。dtexec ユーティリティを使用すると、接続、プロパティ、変数、ログ記録、進行状況インジケータなど、パッケージの構成と実行に関するすべての機能にアクセスできます。また dtexec ユーティリティでは、MicrosoftSQL Server データベース、SSIS サービス、およびファイル システムの 3 つの変換元からパッケージを読み込むことができます。

注意注意

SQL Server 2008 に付属するバージョンの dtexec ユーティリティを使用して SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) パッケージを実行すると、Integration Services によってパッケージが一時的に SQL Server 2008 Integration Services (SSIS) にアップグレードされます。ただし、dtexec ユーティリティを使用して、このようなアップグレードによる変更を保存することはできません。SQL Server 2005 パッケージを SQL Server 2008 に永続的にアップグレードする方法の詳細については、「Integration Services パッケージのアップグレード」を参照してください。

64 ビット コンピュータでのインストールに関する注意点

64 ビット コンピュータには、Integration Services によって 64 ビット版の dtexec ユーティリティ (dtexec.exe) がインストールされます。特定のパッケージを 32 ビット モードで実行する必要がある場合は、32 ビット版の dtexec ユーティリティをインストールする必要があります。32 ビット版の dtexec ユーティリティをインストールするには、セットアップ中に [クライアント ツール] または [Business Intelligence Development Studio] を選択する必要があります。

既定では、64 ビットと 32 ビットの両方のバージョンの Integration Services コマンド プロンプト ユーティリティがインストールされている 64 ビット コンピュータでは、コマンド プロンプトで 32 ビット バージョンが実行されます。これは、PATH 環境変数で、32 ビット バージョンのディレクトリ パスが 64 ビット バージョンのディレクトリ パスより前に配置されているためです (通常、32 ビットのディレクトリ パスは <drive>:\Program Files(x86)\Microsoft SQL Server\100\DTS\Binn で、64 ビットのディレクトリ パスは <drive>:\Program Files\Microsoft SQL Server\100\DTS\Binn です)。

注意注意

SQL Server エージェントを使用してユーティリティを実行する場合は、SQL Server エージェントによって 64 ビット バージョンのユーティリティが自動的に使用されます。SQL Server エージェントでは、PATH 環境変数ではなくレジストリを使用してユーティリティの適切な実行可能ファイルが特定されます。

コマンド プロンプトで 64 ビット バージョンのユーティリティが実行されるようにするには、次のいずれかの操作を実行します。

  • コマンド プロンプト ウィンドウを開いて、64 ビット バージョンのユーティリティが格納されたディレクトリ (<drive>:\Program Files\Microsoft SQL Server\100\DTS\Binn) に移動し、その場所からユーティリティを実行します。

  • コマンド プロンプトで、64 ビット バージョンのユーティリティの完全なパス (<drive>:\Program Files\Microsoft SQL Server\100\DTS\Binn) を入力してユーティリティを実行します。

  • PATH 環境変数で、64 ビットのパス (<drive>:\Program Files\Microsoft SQL Server\100\DTS\Binn) を 32 ビットのパス (<drive>:\ Program Files(x86)\Microsoft SQL Server\100\DTS\Binn) より前に配置してパスの順序を永続的に変更します。

実行のフェーズ

このユーティリティの実行には、4 つのフェーズがあります。それらのフェーズを次に示します。

  1. コマンド初期フェーズ : コマンド プロンプトによって、指定されたオプションおよび引数のリストが読み取られます。/? オプションまたは /HELP オプションが指定されている場合、後続のフェーズはすべてスキップされます。

  2. パッケージ読み込みフェーズ : /SQL/FILE、または /DTS オプションによって指定されたパッケージが読み込まれます。

  3. 構成フェーズ : 次の順序でオプションが処理されます。

    • パッケージのフラグ、変数、およびプロパティを設定するオプション

    • パッケージのバージョン番号およびビルドを確認するオプション

    • レポートなど、ユーティリティの実行時の動作を構成するオプション

  4. 検証および実行フェーズ : パッケージを実行します。/VALIDATE オプションが指定されている場合は、実行せずに検証されます。

dtexec ユーティリティから返される終了コード

パッケージの実行時、dtexec は終了コードを返すことができます。終了コードは、ERRORLEVEL 変数の値を設定する場合に使用されます。この変数の値は、バッチ ファイル内の条件ステートメントや分岐ロジックでテストできます。次の表は、終了時に dtexec ユーティリティが設定できる値を示しています。

説明

0

パッケージが正常に実行されました。

1

パッケージが失敗しました。

3

パッケージはユーザーによってキャンセルされました。

4

ユーティリティは要求されたパッケージを見つけられません。パッケージが見つかりませんでした。

5

ユーティリティは要求されたパッケージを読み込めません。パッケージを読み込めませんでした。

6

ユーティリティは、コマンド ラインに構文の内部エラーまたはセマンティック エラーを検出しました。

ユーティリティの構文規則

すべてのオプションは、スラッシュ (/) またはマイナス記号 (-) で始まる必要があります。ここに示すオプションはスラッシュ (/) で始まりますが、マイナス記号 (-) を代わりに使用することもできます。

引数に空白文字を含める場合は、引数を引用符で囲む必要があります。引数を引用符で囲まないと、空白文字を引数に含めることはできません。

引用符で囲まれた文字列内に二重引用符がある場合は、単一引用符がエスケープされていることを表します。

パスワードを除いて、オプションおよび引数では大文字と小文字が区別されません。

xp_cmdshell での dtexec の使用

xp_cmdshell プロンプトで dtexec を実行できます。次の例では、UpsertData.dtsx というパッケージを実行し、リターン コードを無視します。

EXEC xp_cmdshell 'dtexec /f "C:\UpsertData.dtsx"'

次の例では、同じパッケージを実行し、リターン コードを取得します。

DECLARE @returncode int
EXEC @returncode = xp_cmdshell 'dtexec /f "C:\UpsertData.dtsx"'
重要な注意事項重要

MicrosoftSQL Server を新しくインストールした場合、xp_cmdshell オプションは既定により無効になっています。オプションを有効にするには、sp_configure システム ストアド プロシージャを実行します。詳細については、「xp_cmdshell オプション」を参照してください。

構文

dtexec /option [value] [/option [value]]...

パラメーター

SQL Server 2000dtsrun ユーティリティで使用されるコマンド プロンプト オプションと、SQL Serverdtexec ユーティリティで使用されるコマンド プロンプト オプションのマップ方法については、「dtsrun オプションと dtexec オプションのマッピング」を参照してください。

オプション

説明

/?[option_name]

(省略可)。コマンド プロンプトのオプション、または指定された option_name のヘルプを表示して、ユーティリティを終了します。

option_name 引数を指定すると、dtexec によって SQL Server オンライン ブックが起動され、「dtexec ユーティリティ」トピックが表示されます。

/CheckF[ile]filespec

(省略可)。パッケージの CheckpointFileName プロパティが、filespec で指定されたパスおよびファイルに設定されます。このファイルは、パッケージが再起動されたときに使用されます。このオプションが指定されていて、ファイル名の値が指定されていない場合、パッケージの CheckpointFileName には空の文字列が設定されます。このオプションが指定されない場合、パッケージの値は保持されます。

/CheckP[ointing]{on\off}

(省略可)。パッケージの実行時にパッケージがチェックポイントを使用するかどうかを決定する値を設定します。値 on を指定すると、失敗したパッケージが再実行されます。失敗したパッケージが再実行される場合、ランタイム エンジンは、障害点からパッケージを再起動するためにチェックポイント ファイルを使用します。

オプションが値なしで宣言されている場合、既定値は on です。値が on に設定されていて、チェックポイント ファイルが見つからない場合、パッケージの実行は失敗します。このオプションが指定されない場合、パッケージの値セットは保持されます。詳細については、「パッケージでのチェックポイントの使用」を参照してください。

dtexec の /CheckPointing on オプションを使用すると、パッケージの SaveCheckpoints プロパティを True に設定した場合、および CheckpointUsage プロパティを Always に設定した場合と同等の効果が得られます。

/Com[mandFile]filespec

(省略可)。ユーティリティのコマンド初期フェーズ時に、filespec で指定されたファイルを開き、ファイルに EOF が見つかるまでそのファイルの変換元オプションの処理を続行します。filespec に指定されるのは、追加の dtexec コマンド オプションを含んでいるテキスト ファイルです。filespec 引数には、パッケージの実行に関連付けるコマンド ファイルのファイル名とパスを指定します。

/Conf[igFile]filespec

(省略可)。値を抽出する構成ファイルを指定します。このオプションを使用すると、パッケージのデザイン時に指定された構成と異なる実行時構成を設定できます。パッケージを実行するには、XML 構成ファイルに異なる構成設定を格納してから、/ConfigFile オプションを使用して設定を読み込む必要があります。

/ConfigFile オプションを使用すると、デザイン時に指定しなかった追加の構成を実行時に読み込むことができますが、デザイン時に指定した構成値を置き換えることはできません。パッケージ構成が適用されるしくみについては、「パッケージ構成」および「SQL Server 2008 における Integration Services 機能の動作の変更」を参照してください。

/Conn[ection]id_or_name;connection_string [[;id_or_name;connection_string]…]

(省略可)。指定した名前または GUID の接続マネージャがパッケージ内にあり、接続文字列が指定されていることを示します。

このオプションでは、接続マネージャの名前または GUID を指定する id_or_name 引数と、有効な接続文字列を指定する connection_string 引数の両方のパラメータが必須です。詳細については、「Integration Services の接続」を参照してください。

実行時に /Connection オプションを使用すると、デザイン時に指定した場所とは別の場所からパッケージ構成を読み込むことができます。デザイン時に指定した値は、それらの構成の値で置き換えられます。ただし、/Connection オプションを使用できるのは、接続マネージャを使用する構成 (SQL Server 構成など) だけです。パッケージ構成が適用されるしくみについては、「パッケージ構成」および「SQL Server 2008 における Integration Services 機能の動作の変更」を参照してください。

/Cons[oleLog] [[displayoptions];[list_options;src_name_or_guid]...]

(省略可)。パッケージの実行中に、指定されたログ エントリをコンソールに表示します。このオプションを省略した場合、ログ エントリはコンソールに表示されません。表示を制限するパラメータなしでオプションが指定された場合、すべてのログ エントリが表示されます。コンソールに表示されるエントリを制限するには、displayoptions パラメータを使用して表示する列を指定し、list_options パラメータを使用してログ エントリの種類を制限します。

displayoptions の値は次のとおりです。

  • N (名前)

  • C (コンピュータ)

  • O (オペレータ)

  • S (変換元の名前)

  • G (変換元の GUID)

  • X (実行 GUID)

  • M (メッセージ)

  • T (開始時刻および終了時刻)

list_options の値は次のとおりです。

  • I - 包含一覧を指定します。指定された変換元の名または変換元の GUID のみがログに記録されます。

  • E - 除外一覧を指定します。指定された変換元の名前または変換元の GUID はログに記録されません。

  • src_name_or_guid パラメータには、含めるまたは除外するイベント名、変換元の名前、変換元の GUID を指定します。

同じコマンド プロンプトで複数の /ConsoleLog オプションを使用する場合、次のような相互作用があります。

  • 表示の順序には影響しません。

  • 包含一覧がコマンド ラインに指定されていない場合、すべての種類のログ エントリに対して除外一覧が適用されます。

  • 包含一覧がコマンド ラインに指定されている場合、すべての包含一覧の集合に対して除外一覧が適用されます。

/ConsoleLog オプションの例については、「解説」を参照してください。

/D[ts]package_path

(省略可)。SSIS パッケージ ストアからパッケージを読み込みます。package_path 引数には、SSIS パッケージの相対パスを指定します。このパスは SSIS パッケージ ストアのルートから始まり、SSIS パッケージの名前を含むパスです。package_path 引数に指定するパスまたはファイル名に空白文字を含める場合は、package_path 引数を引用符で囲む必要があります。

/DTS オプションは、/File オプションまたは /SQL オプションと共に使用することはできません。複数のオプションが指定された場合、dtexec は失敗します。

/De[crypt] password

(省略可)。パスワードが暗号化されているパッケージを読み込むときに使用する暗号化解除用パスワードを設定します。

/Dumperror code

(省略可)。パッケージの実行中に指定のイベントが 1 つ以上発生した場合に、デバッグ ダンプ ファイル (.mdmp および .tmp) を作成します。error code 引数では、システムによるデバッグ ダンプ ファイル作成のトリガとなるイベント コードの種類 (エラー、警告、または情報) を指定します。イベント コードを複数指定するには、各 error code 引数をセミコロン (;) で区切ります。

Integration Services の既定では、デバッグ ダンプ ファイルは <drive>:\Program Files\Microsoft SQL Server\100\Shared\ErrorDumps フォルダに格納されます。

注意注意
デバッグ ダンプ ファイルには機密情報が含まれている場合があります。アクセス制御リスト (ACL) を使用してファイルへのアクセスを制限するか、アクセスが制限されたフォルダにファイルをコピーしてください。たとえば、デバッグ ファイルを Microsoft サポート サービスに送信する前には、機密性の高い情報をすべて削除することをお勧めします。

dtexec ユーティリティで実行するすべてのパッケージにこのオプションを適用するには、DumpOnCodes REG_SZ 値をレジストリ キー HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Microsoft SQL Server\100\SSIS\Setup\DtsPath に追加します。DumpOnCodes のデータ値では、システムによるデバッグ ダンプ ファイル作成のトリガとなるエラー コードを指定します。複数のエラー コードは、セミコロン (;) で区切る必要があります。

DumpOnCodes 値をレジストリ キーに追加し、/Dump オプションも使用した場合、両方の設定に基づくデバッグ ダンプ ファイルが作成されます。

デバッグ ダンプ ファイルの詳細については、「デバッグ ダンプ ファイルの操作」を参照してください。

/DumpOnError

(省略可)。パッケージの実行中にエラーが発生した場合に、デバッグ ダンプ ファイル (.mdmp および .tmp) を作成します。

Integration Services の既定では、デバッグ ダンプ ファイルは <drive>:\Program Files\Microsoft SQL Server\100\Shared\ErrorDumps フォルダに格納されます。

注意注意
デバッグ ダンプ ファイルには機密情報が含まれている場合があります。アクセス制御リスト (ACL) を使用してファイルへのアクセスを制限するか、アクセスが制限されたフォルダにファイルをコピーしてください。たとえば、デバッグ ファイルを Microsoft サポート サービスに送信する前には、機密性の高い情報をすべて削除することをお勧めします。

dtexec ユーティリティで実行するすべてのパッケージにこのオプションを適用するには、DumpOnError REG_DWORD 値をレジストリ キー HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Microsoft SQL Server\100\SSIS\Setup\DtsPath に追加します。DumpOnError REG_DWORD の値によって、dtexec ユーティリティで /DumpOnError オプションを使用する必要があるかどうかが決まります。

  • ゼロ以外のデータ値を指定すると、dtexec ユーティリティで /DumpOnError オプションを使用するかどうかにかかわらず、エラーの発生時にデバッグ ダンプ ファイルが作成されます。

  • ゼロのデータ値を指定すると、dtexec ユーティリティで /DumpOnError オプションを使用しない限り、デバッグ ダンプ ファイルは作成されません。

デバッグ ダンプ ファイルの詳細については、「デバッグ ダンプ ファイルの操作」を参照してください。

/F[ile]filespec

(省略可)。ファイル システムに保存されているパッケージを読み込みます。filespec 引数には、パッケージのパスとファイル名を指定します。汎用名前付け規則 (UNC) 形式のパス、またはローカル パスのどちらかでパスを指定できます。filespec 引数に指定するパスまたはファイル名に空白文字を含める場合は、filespec 引数を引用符で囲む必要があります。

/File オプションは、/DTS オプションまたは /SQL オプションと共に使用することはできません。複数のオプションが指定された場合、dtexec は失敗します。

/H[elp] [option_name]

(省略可)。オプションのヘルプ、または指定された option_name のヘルプを表示して、ユーティリティを終了します。

option_name 引数を指定すると、dtexec によって SQL Server オンライン ブックが起動され、「dtexec ユーティリティ」トピックが表示されます。

/L[ogger]classid_orprogid;configstring

(省略可)。1 つまたは複数のログ プロバイダを SSIS パッケージの実行と関連付けます。classid_orprogid パラメータには、ログ プロバイダを指定します。指定できるのはクラス GUID です。configstring は、ログ プロバイダを構成するために使用する文字列です。

使用できるログ プロバイダは次のとおりです。

  • テキスト ファイル:

    • ProgID: DTS.LogProviderTextFile.1

    • ClassID: {59B2C6A5-663F-4C20-8863-C83F9B72E2EB}

  • SQL Server Profiler:

    • ProgID: DTS.LogProviderSQLProfiler.1

    • ClassID: {5C0B8D21-E9AA-462E-BA34-30FF5F7A42A1}

  • SQL Server:

    • ProgID: DTS.LogProviderSQLServer.1

    • ClassID: {6AA833A1-E4B2-4431-831B-DE695049DC61}

  • Windows イベント ログ:

    • ProgID: DTS.LogProviderEventLog.1

    • ClassID: {97634F75-1DC7-4F1F-8A4C-DAF0E13AAA22}

  • XML ファイル:

    • ProgID: DTS.LogProviderXMLFile.1

    • ClassID: {AFED6884-619C-484F-9A09-F42D56E1A7EA}

/M[axConcurrent]concurrent_executables

(省略可)。パッケージが同時に実行できる実行可能ファイルの数を指定します。負以外の整数または -1 を指定する必要があります。-1 の値は、SSIS が同時に実行できる実行可能ファイルの最大数が、パッケージを実行するコンピュータのプロセッサの合計数に 2 を加えたものと等しいことを意味します。

/P[assword]password

(省略可)。SQL Server 認証によって保護されているパッケージの取得を可能にします。このオプションは、/User オプションと共に使用します。/Password オプションを省略して /User オプションを使用する場合、空白のパスワードが使用されます。password 値は引用符で囲むことができます。

セキュリティに関する注意セキュリティに関する注意
可能な場合は、Windows 認証を使用します。

/Remcomment

(省略可)。コマンド プロンプトまたはコマンド ファイルにコメントを含めます。引数は省略可能です。comment の値は、引用符で囲むか、空白を含まない文字列を指定する必要があります。引数を指定しない場合、空白行が挿入されます。comment の値はコマンド初期フェーズで破棄されます。

/Rep[orting]level [;event_guid_or_name[;event_guid_or_name[...]]

(省略可)。レポートするメッセージの種類を指定します。level に使用できるレポート オプションは次のとおりです。

N   レポートしません。

E   エラーがレポートされます。

W   警告がレポートされます。

I   情報メッセージがレポートされます。

C   カスタム イベントがレポートされます。

D   データ フロー タスク イベントがレポートされます。

P   進行状況がレポートされます。

V   詳細がレポートされます。

V および N の引数は、他のすべての引数と同時には使用できないため、単独で指定する必要があります。/Reporting オプションが指定されない場合、既定のレベルは E (エラー)、W (警告)、および P (進行状況) になります。

すべてのイベントの先頭には、"YY/MM/DD HH:MM:SS" の形式のタイムスタンプが付きます。また使用可能な場合は、GUID または表示名も付加されます。

省略可能なパラメータの event_guid_or_name には、ログ プロバイダに関する例外のリストを指定します。この例外で指定されるイベントは、ログに記録されません。指定されないイベントがログに記録されます。

既定でログに記録されないイベントは、除外する必要はありません。

/Res[tart] {deny | force | ifPossible}

(省略可)。パッケージの CheckpointUsage プロパティの新しい値を指定します。パラメータの意味は次のとおりです。

Deny   CheckpointUsage プロパティを DTSCU_NEVER に設定します。

Force   CheckpointUsage プロパティを DTSCU_ALWAYS に設定します。

ifPossible   CheckpointUsage プロパティを DTSCU_IFEXISTS に設定します。

値が指定されない場合は、既定値の force が使用されます。

/SetpropertyPath;value

(省略可)。パッケージ内の変数、プロパティ、コンテナ、ログ プロバイダ、Foreach 列挙子、または接続の構成を上書きします。このオプションを指定すると、/Set は propertyPath 引数を、指定された値に変更します。複数の /Set オプションを指定できます。

パッケージ構成ウィザードを実行して、propertyPath の値を確認できます。最後の [ウィザードの完了] ページに選択したアイテムのパスが表示されるので、これをコピーして貼り付けることができます。この操作のみが目的でウィザードを使用した場合は、パスをコピーした後、ウィザードをキャンセルしてください。

以下に、パッケージを実行し、変数に対して新しい値を指定する例を示します。

dtexec /f mypackage.dtsx /set \package.variables[myvariable].Value;myvalue

/Set オプションを使用すると、パッケージ構成を読み込む場所を変更することができますが、デザイン時の構成で指定した値を上書きすることはできません。パッケージ構成が適用されるしくみについては、「パッケージ構成」および「SQL Server 2008 における Integration Services 機能の動作の変更」を参照してください。

/Ser[ver]server

(省略可)。/SQL オプションまたは /DTS オプションが指定されている場合、このオプションにはパッケージを取得するサーバーの名前を指定します。/Server オプションを省略して /SQL または /DTS オプションを指定した場合、ローカル サーバーに対してパッケージの実行が試行されます。server_instance 値は引用符で囲むことができます。

/SQ[L]package_path

SQL Server に格納されているパッケージを読み込みます。package_path 引数には、取得するパッケージの名前を指定します。パス名を指定する場合、パス内のフォルダの最後には円記号 ("\") を指定します。package_path 値は引用符で囲むことができます。package_path 引数に指定するパスまたはファイル名に空白文字を含める場合は、package_path 引数を引用符で囲む必要があります。

/User/Password、および /Server オプションは、/SQL オプションと共に使用できます。

/User オプションを省略した場合、パッケージへのアクセスに Windows 認証が使用されます。/User オプションを使用する場合、指定する /User ログイン名は SQL Server 認証に関連付けられます。

/Password オプションは、/User オプションを指定した場合にのみ使用できます。/Password オプションを使用する場合、パッケージは指定されたユーザー名とパスワード情報を使用してアクセスされます。/Password オプションを省略した場合、空白のパスワードが使用されます。

セキュリティに関する注意セキュリティに関する注意
可能な場合は、Windows 認証を使用します。

/Server オプションを省略した場合、SQL Server の既定のローカル インスタンスが使用されます。

/SQL オプションは、/DTS または /File オプションと共に使用することはできません。複数のオプションが指定された場合、dtexec は失敗します。

/Su[m]

(省略可)。後続のコンポーネントが受け取る行数を示す増分カウンタを表示します。

/U[ser]user_name

(省略可)。SQL Server 認証によって保護されているパッケージの取得を可能にします。このオプションは、/SQL オプションが指定されている場合にのみ使用されます。user_name 値は引用符で囲むことができます。

セキュリティに関する注意セキュリティに関する注意
可能な場合は、Windows 認証を使用します。

/Va[lidate]

(省略可)。検証フェーズ後、パッケージの実行を停止します。パッケージは実際には実行されません。検証を行う場合、/WarnAsError オプションを指定すると、dtexec は警告をエラーとして処理するので、検証中に警告が発生した場合にパッケージが失敗します。

/VerifyB[uild]major[;minor[;build]]

(省略可)。検証フェーズ中に、パッケージのビルド番号を、major、minor、および build 引数に指定されたビルド番号に対して検証します。不一致が発生した場合、パッケージは実行されません。

値は長整数型です。引数は次の 3 つの形式のいずれかになります。major の値は必須です。

  • major

  • major;minor

  • major; minor; build

/VerifyP[ackageID]packageID

(省略可)。実行するパッケージの GUID を、package_id 引数に指定された値と比較して検証します。

/VerifyS[igned]

(省略可)。Integration Services でパッケージのデジタル署名を確認します。パッケージが署名されていないか、署名が有効でない場合、パッケージは失敗します。詳細については、「パッケージでのデジタル署名の使用」を参照してください。

重要な注意事項重要
パッケージの署名が確認されるように構成した場合、Integration Services によって確認されるのは、デジタル署名が存在するかどうか、有効かどうか、および信頼関係のある発行元の署名であるかどうかのみです。Integration Services では、パッケージが変更されたかどうかは確認されません。
注意注意
オプションの BlockedSignatureStates レジストリ値では、Business Intelligence Development Studio または dtexec コマンド ラインで設定されたデジタル署名オプションよりも制限が厳しい設定を指定できます。この場合、制限が厳しい方のレジストリ設定が他の設定よりも優先されます。

/VerifyV[ersionID]versionID

(省略可)。パッケージの検証フェーズ中に、実行されるパッケージのバージョン GUID を version_id 引数に指定された値と比較して検証します。

/VLog[Filespec]

(省略可)。すべての Integration Services パッケージ イベントを、パッケージの設計時に有効にしたログ プロバイダに書き込みます。Integration Services でテキスト ファイルのログ プロバイダを有効にし、指定したテキスト ファイルにログ イベントを書き込むには、パスとファイル名を Filespec パラメータとして含めます。

Filespec パラメータを含めない場合、Integration Services でテキスト ファイルのログ プロバイダが有効になりません。Integration Services では、パッケージの設計時に有効にしたログ プロバイダに対してのみ、ログ イベントが書き込まれます。

/W[arnAsError]

(省略可)。パッケージは警告をエラーと判断するので、検証中に警告が発生した場合にはパッケージが失敗します。検証中に警告が発生せず、/Validate オプションが指定されていない場合、パッケージは実行されます。

/X86

(省略可)。SQL Server エージェントは 64 ビット コンピュータ上で 32 ビット モードでパッケージを実行します。このオプションは、次に示す条件が満たされた場合に SQL Server エージェントによって設定されます。

  • ジョブ ステップの種類が [SQL Server Integration Services パッケージ] であること。

  • [新しいジョブ ステップ] ダイアログ ボックスの [実行オプション] タブで [32 ビット ランタイムを使用] オプションが選択されていること。

このオプションは、ストアド プロシージャまたは SQL Server 管理オブジェクト (SMO) を使用してジョブをプログラムにより作成することで、SQL Server エージェント ジョブ ステップに設定することもできます。

このオプションは、SQL Server エージェントのみに使用されます。コマンド プロンプトで dtexec ユーティリティを実行している場合、このオプションは無視されます。

説明

コマンド オプションの指定順序は、パッケージの実行方法に影響します。

  • オプションは、コマンド ライン上で指定されている順に処理されます。コマンド ファイルは、コマンド ラインで指定されているとおりに読み取られます。コマンド ファイル内のコマンドも指定されている順に処理されます。

  • 同じオプション、パラメータ、または変数が、同じコマンド ライン ステートメントに複数指定されている場合は、最後に指定されているものが優先されます。

  • /Set および /ConfigFile オプションは、指定されている順に処理されます。

パッケージの実行

Windows 認証を使用する SQL Server に保存されている SSIS パッケージを実行するには、次のコードを使用します。

dtexec /sq pkgOne /ser productionServer

SSIS パッケージ ストアの [ファイル システム] フォルダに保存されている SSIS パッケージを実行するには、次のコードを使用します。

dtexec /dts "\File System\MyPackage"

Windows 認証が使用されていて、SQL Server に保存されているパッケージを実行せずに検証するには、次のコードを使用します。

dtexec /sq pkgOne /ser productionServer /va

ファイル システムに保存されている SSIS パッケージを実行するには、次のコードを使用します。

dtexec /f "c:\pkgOne.dtsx" 

ファイル システムに保存されている SSIS パッケージの実行、およびログ オプションの指定を行うには、次のコードを使用します。

dtexec /f "c:\pkgOne.dtsx" /l "DTS.LogProviderTextFile;c:\log.txt"

Windows 認証が使用され、SQL Server の既定のローカル インスタンスに保存されているパッケージの実行、および実行前にバージョンの確認を行うには、次のコードを使用します。

dtexec /sq pkgOne /verifyv {c200e360-38c5-11c5-11ce-ae62-08002b2b79ef}

ファイル システムに保存されているが、外部で構成されている SSIS パッケージを実行するには、次のコードを使用します。

dtexec /f "c:\pkgOne.dtsx" /conf "c:\pkgOneConfig.cfg"
注意注意

/SQL、/DTS、または /FILE オプションの package_path または filespec 引数は、パスまたはファイル名に空白文字が含まれる場合、引用符で囲む必要があります。引数を引用符で囲まないと、空白文字を引数に含めることはできません。

ログ オプション

ログ エントリの種類が A、B、C の 3 つある場合、次のように、パラメータを指定せずに ConsoleLog オプションを使用すると、3 つすべてのログの種類がすべてのフィールドと共に表示されます。

/CONSOLELOG

次のオプションを指定すると、すべてのログの種類が、Name 列および Message 列のみと共に表示されます。

/CONSOLELOG NM

次のオプションを指定すると、A の種類のログ エントリのみが、すべての列と共に表示されます。

/CONSOLELOG I;LogEntryTypeA

次のオプションを指定すると、A の種類のログ エントリのみが Name 列および Message 列と共に表示されます。

/CONSOLELOG NM;I;LogEntryTypeA

次のオプションを指定すると、A および B の種類のログ エントリが表示されます。

/CONSOLELOG I;LogEntryTypeA;LogEntryTypeB

複数の ConsoleLog オプションを指定すると、同じ結果を得ることができます。

/CONSOLELOG I;LogEntryTypeA /CONSOLELOG I;LogEntryTypeB

パラメータなしで ConsoleLog オプションを指定すると、すべてのフィールドが表示されます。次の指定に list_options パラメータを含めると、A の種類のログ エントリのみがすべてのフィールドと共に表示されます。

/CONSOLELOG NM;I;LogEntryTypeA /CONSOLELOG

次の例では、種類 A のログ エントリを除くすべてのログ エントリ (種類 B と C) が表示されます。

/CONSOLELOG E;LogEntryTypeA

次のように複数の ConsoleLog オプションを使用し、単一のログ エントリを除外することで、前の例と同じ結果が得られます。

/CONSOLELOG E;LogEntryTypeA /CONSOLELOG
/CONSOLELOG E;LogEntryTypeA /CONSOLELOG E;LogEntryTypeA
/CONSOLELOG E;LogEntryTypeA;LogEntryTypeA

ログ ファイルの種類が包含一覧と除外一覧の両方に指定されている場合、そのログ ファイルは除外されるため、次の例ではログ メッセージは表示されません。

/CONSOLELOG E;LogEntryTypeA /CONSOLELOG I;LogEntryTypeA

SET オプション

パッケージのプロパティ値、またはコマンド ラインからパッケージを起動するときの変数値を変更できる /SET オプションの使用方法を次に示します。

/SET \package\DataFlowTask.Variables[User::MyVariable].Value;newValue

変更履歴

変更内容

  • /ConfigFile/Connection/SET の各オプションの説明に、これらのオプションを実行時に使用する方法の説明を追加しました。