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参照変換

参照変換は、入力列のデータを参照データセットの列と結合することにより参照を実行します。参照を使用すると、共通の列の値に基づいている関連テーブル内の追加情報にアクセスできます。

参照データセットは、キャッシュ ファイル、既存のテーブル、既存のビュー、新しいテーブル、または SQL クエリの結果のいずれかになります。参照変換では、OLE DB 接続マネージャまたはキャッシュ接続マネージャを使用して、参照データセットに接続します。詳細については、「OLE DB 接続マネージャ」および「キャッシュ接続マネージャー」を参照してください。

参照変換は、次の方法で構成できます。

  • 使用する接続マネージャを選択します。データベースに接続する場合は、OLE DB 接続マネージャを選択します。キャッシュ ファイルに接続する場合は、キャッシュ接続マネージャを選択します。

  • 参照データセットを含むテーブルまたはビューを指定します。

  • SQL ステートメントを指定して、参照データセットを生成します。

  • 入力と参照データセット間の結合を指定します。

  • 参照データセットの列を参照変換の出力に追加します。

  • キャッシュ オプションを構成します。

参照変換では、OLE DB 接続マネージャ用に次のデータベース プロバイダをサポートしています。

  • SQL Server

  • Oracle

  • DB2

参照変換は、変換入力の値と参照データセットの値の間で等結合を実行しようとします。等結合の場合、変換入力の各行は、参照データセットの少なくとも 1 行と一致する必要があります。等結合を行うことができない場合、参照変換で次のいずれかの処理が実行されます。

  • 参照データセット内に一致するエントリがない場合、結合は行われません。既定では、参照変換で一致するエントリがない行は、エラーとして扱われます。ただし、それらの行を不一致出力にリダイレクトするように参照変換を構成することもできます。詳細については、「[参照変換エディタ] ([全般] ページ)」および「[参照変換エディタ] ([エラー出力] ページ)」を参照してください。

  • 参照テーブル内の複数のエントリが一致する場合、参照クエリから最初に返されたエントリのみが返されます。複数のエントリが一致する場合、すべての参照データセットをキャッシュに読み込むように参照変換が構成されているときだけ、エラーまたは警告が生成されます。この場合、参照変換によってデータセットがキャッシュに読み込まれたときに複数の一致エントリが検出されると、警告が生成されます。

複合結合の場合、変換入力の複数の列を参照データセットの列に結合できます。この変換では、DT_R4、DT_R8、DT_TEXT、DT_NTEXT、または DT_IMAGE データ型以外のすべてのデータ型の列を結合できます。詳細については、「Integration Services のデータ型」を参照してください。

通常、参照データセットの値が、変換出力に追加されます。たとえば、参照変換により、入力列の値を使用してテーブルから製品名を抽出し、製品名を変換出力に追加できます。参照テーブルの値によって列の値を置換したり、値を新しい列に追加できます。

参照変換が実行する参照では、大文字と小文字は区別されます。データ内の大文字/小文字の相違が原因で参照が失敗するのを回避するために、最初に文字マップ変換を使用して、データを大文字または小文字に変換します。次に、参照テーブルを生成する SQL ステートメント内で UPPER 関数または LOWER 関数を使用します。詳細については、「文字マップ変換」、「UPPER (Transact-SQL)」、および「LOWER (Transact-SQL)」を参照してください。

参照変換の入力と出力を次に示します。

  • 入力。

  • 一致出力。一致出力は、参照データセット内の 1 つ以上のエントリと一致した変換入力内の行を処理します。

  • 不一致出力。不一致出力は、参照データセット内の 1 つ以上のエントリと一致しない入力内の行を処理します。一致エントリがない行をエラーとして扱うように参照変換を構成している場合、これらの行はエラー出力にリダイレクトされます。それ以外の場合、これらの行は不一致出力にリダイレクトされます。

    注意注意

    SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) の参照変換の出力は 1 つだけでした。SQL Server 2005 で作成された参照変換を実行する方法の詳細については、「参照変換のアップグレード」を参照してください。

  • エラー出力。

参照データセットのキャッシュ

インメモリ キャッシュは、参照データセットを格納し、データのインデックスを作成するハッシュ テーブルを格納します。キャッシュは、パッケージの実行が完了するまでメモリ内に保持されます。キャッシュはキャッシュ ファイル (.caw) に永続化できます。

キャッシュをファイルに永続化すると、システムによるキャッシュの読み込みが高速化されます。これにより、参照変換とパッケージのパフォーマンスが向上します。キャッシュ ファイルを使用する場合は、データベース内にあるデータの最新の状態が反映されていないデータを操作していることに注意してください。

キャッシュをファイルに永続化する他の利点を次に示します。

  • 複数のパッケージ間でキャッシュ ファイルを共有できます。詳細については、「キャッシュ接続マネージャを使用してフル キャッシュ モードの参照変換を実装する方法」を参照してください。

  • キャッシュ ファイルをパッケージと一緒に配置できます。***これにより、このデータを複数のコンピュータ上で使用できます。***詳細については、「参照変換用のキャッシュを作成および配置する方法」を参照してください。

  • 生ファイル ソースを使用してキャッシュ ファイルからデータを読み取ることができます。次に他のデータ フロー コンポーネントを使用してデータを変換または移動できます。詳細については、「生ファイル ソース」を参照してください。

    注意注意

    キャッシュ接続マネージャは、生ファイル変換先を使用して作成または変更されたキャッシュ ファイルをサポートしていません。

  • ファイル システム タスクを使用して、キャッシュ ファイルに対して処理を実行したり属性を設定したりできます。詳細については、「ファイル システム タスク」を参照してください。

キャッシュのオプションを次に示します。

  • 参照データセットは、テーブル、ビュー、または SQL クエリを使用して生成され、参照変換が実行される前にキャッシュに読み込まれます。OLE DB 接続マネージャを使用して、データセットにアクセスします。

    このキャッシュ オプションは、SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) の参照変換に用意されているフル キャッシュ オプションと互換性があります。

  • 参照データセットは、データ フロー内の接続されているデータ ソースまたはキャッシュ ファイルから生成され、参照変換の実行前にキャッシュに読み込まれます。キャッシュ接続マネージャ (および必要に応じてキャッシュ変換) を使用して、データセットにアクセスします。詳細については、「キャッシュ接続マネージャー」および「キャッシュ変換」を参照してください。

  • 参照データセットは、参照変換の実行時に、テーブル、ビュー、または SQL クエリを使用して生成されます。参照データセットに一致するエントリがある行、およびデータセットに一致するエントリがない行がキャッシュに読み込まれます。

    キャッシュのメモリ サイズを超えると、使用頻度の最も低い行が、参照変換によって自動的にキャッシュから削除されます。

    このキャッシュ オプションは、SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) の参照変換に用意されている部分キャッシュ オプションと互換性があります。

  • 参照データセットは、参照変換の実行時に、テーブル、ビュー、または SQL クエリを使用して生成されます。データはキャッシュされません。

    このキャッシュ オプションは、SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) の参照変換に用意されているキャッシュなしオプションと互換性があります。

Integration Services と SQL Server では、文字列の比較方法が異なります。実行前に参照データセットをキャッシュに読み込むように参照変換が構成されている場合、Integration Services によりキャッシュ内で参照比較が行われます。それ以外の場合、参照操作でパラメータ化 SQL ステートメントが使用され、SQL Server により参照比較が行われます。つまり、キャッシュの種類に応じて、参照変換が、同じ参照テーブルから異なる数の一致結果を返す可能性があります。

参照変換のトラブルシューティング

参照データセットをキャッシュに読み込まないように構成されている参照変換は、参照操作が NULL 値を含む列に一致する場合に失敗します。この失敗を回避するには、OR ISNULL(ColumnName) 条件を含むように SQL ステートメントを手動で更新します。実行前に参照データセットをキャッシュに読み込むように参照変換が構成されている場合、参照操作は成功します。

注意注意

NULL 値が含まれる可能性のある列は、できるだけ参照操作に使用しないようにしてください。列に NULL 値が含まれる場合、エラー出力を使用して、参照テーブル内の照合先のない行を別の変換出力に送るように、参照変換を構成します。または、NULL 値の参照操作をサポートする完全キャッシュの使用を検討します。

参照変換による外部データ プロバイダの呼び出しをログに記録できます。このログ機能を使用すると、参照変換が実行する外部データ ソースからキャッシュへのデータ格納に関するトラブルシューティングを行うことができます。参照変換による外部データ プロバイダの呼び出しのログを記録するには、パッケージ ログ記録を有効にして、パッケージ レベルで Diagnostic イベントを選択する必要があります。詳細については、「パッケージ実行のトラブルシューティング」を参照してください。

参照変換の構成

プロパティを設定するには SSIS デザイナから行うか、またはプログラムによって設定します。

[参照変換エディタ] ダイアログ ボックスで設定できるプロパティの詳細については、次のトピックのいずれかを参照してください。

設定できる追加のプロパティの詳細については、次のトピックのいずれかを参照してください。

プロパティの設定方法の詳細については、次のトピックのいずれかを参照してください。

外部リソース

Integration Services のアイコン (小) 最新の Integration Services の入手

マイクロソフトが提供する最新のダウンロード、アーティクル、サンプル、ビデオ、およびコミュニティで選択されたソリューションについては、MSDN または TechNet の Integration Services のページを参照してください。

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