グラフ データ領域で表示するデータの準備 (レポート ビルダ 2.0)
グラフを使用すると、データの概要を表示できます。ただし、大きなデータセットの場合、グラフの情報がわかりにくくなったり、読み取れなくなったりする可能性があります。存在しないデータ ポイントや NULL データ ポイント、グラフの種類に適さないデータ型、およびグラフとテーブルの組み合わせなどの詳細設定の適用はすべて、グラフの読みやすさに影響します。グラフをデザインする前に、データを慎重に準備し、理解しておく必要があります。これにより、短時間で効率的にグラフをデザインできます。
グラフを使用する前のデータセットに関する注意点
グラフは、マトリックスやテーブルなど他のデータ領域と同様に、1 つのデータセットにバインドされます。複数のデータセットを同じグラフに表示する場合は、SQL クエリで JOIN ステートメントまたは UNION ステートメントを使用する追加のデータセットを作成した後、データをグラフに追加します。JOIN ステートメントおよび UNION ステートメントの詳細については、オンライン ブックまたは SQL のその他のリファレンスを参照してください。レポートには、必要な数だけグラフを作成することができます。
詳細データが不要な場合や有用ではない場合は、データセット クエリでデータを事前に集計することを検討してください。各データ ポイントをより明確に表示するには、データセット内のカテゴリの数を減らします。データセットをフィルタ選択したり、返される行数を少なくする条件をクエリに追加したりすることができます。
ほとんどの種類のグラフでは、正確に描画するために値軸 (通常は Y 軸) に数値が必要です。値フィールドのデータ型が String の場合、フィールドに数字が入っていても、グラフでは数値を表示できません。その代わり、グラフには、そのフィールドに値が格納されている行の総数が表示されます。この動作を回避するには、値系列に使用するフィールドに、書式設定された数値を格納した文字列ではなく、数値データ型を設定してください。
グラフにデータを表示する際の推奨事項
グラフが最も効果を発揮するのは、表示される要素の数によって、基になっている情報のイメージが明確に表現できる場合です。散布図など一部のグラフはデータ ポイントの数が多い場合に効果的ですが、円グラフなどの他のグラフはデータ ポイントが少ない場合に効果的です。データセット内の値とその情報の表示方法に基づいて、慎重にグラフの種類を選ぶ必要があります。詳細については、「グラフの種類 (レポート ビルダ 2.0)」を参照してください。
グラフ上のデータを整理するには、いくつかの方法があります。
円グラフを使用している場合は、複数の小さいスライスを "その他" という 1 つのスライスにまとめます。こうすると、円グラフのスライスの数が少なくなります。詳細については、「円グラフの小さいスライスをまとめる方法 (レポート ビルダ 2.0)」を参照してください。
データ ポイントの数が多い場合は、データ ポイント ラベルを使用しないでください。データ ポイント ラベルが最も効果的なのは、グラフ上のポイントが少数の場合です。
不要なデータや無関係なデータをフィルタ処理します。これにより、グラフに表示する主要なデータを強調することができます。Reporting Services でデータをフィルタ処理する方法の詳細については、「フィルタを追加する方法 (レポート ビルダ 2.0)」を参照してください。
横棒グラフを追加して、テーブルやマトリックスのテンプレートに比率データを表示する場合は、横棒グラフではなく線形ゲージの使用を検討してください。セル内にある 1 つの値を表示するには、ゲージの方が適しています。詳細については、「データ領域の入れ子化 (レポート ビルダ 2.0)」を参照してください。
データセット内のフィールドの空の値または NULL 値
グラフでは、指定したグラフの種類によって空の値の処理方法が異なります。
グラフの種類が線形のグラフ (横棒グラフ、縦棒グラフ、散布図、折れ線グラフ、面グラフ、または範囲グラフ) の場合、空の値は、空白 (すきま) としてグラフに表示されます。空のポイントを示すには、空のポイントのプレースホルダを追加する必要があります。詳細については、「空のポイントをグラフに追加する方法 (レポート ビルダ 2.0)」を参照してください。
グラフの種類が連続性のある線形のグラフ (面グラフ、横棒グラフ、縦棒グラフ、折れ線グラフ、散布図) の場合、空のデータ ポイントが、系列の連続性を維持するようにグラフに追加されます。
グラフの種類が線形のグラフ以外 (極座標グラフ、円グラフ、ドーナツ グラフ、じょうごグラフ、またはピラミッド グラフ) の場合、空の値はグラフに表示されません。
重要なデータが目立たなくなることを避けるには、空の値をデータセットから削除することを検討してください。NULL 値をフィルタ処理するには、クエリで NOT IS NULL 句を使用することができます。また、0 以外の値だけが表示されるように指定するフィルタ式を追加することもできます。詳細については、「フィルタを追加する方法 (レポート ビルダ 2.0)」を参照してください。
返されたデータセット内の値が含まれていないフィールドについては、データ ポイントを含まない空のグラフが表示されますが、系列の名前 (通常はフィールド名) は凡例項目として追加されます。この動作は、返されたデータセット内のデータが 0 行である場合とは異なります (この状況は、レポートがパラメータ化されており、選択した値によって空の結果セットが返される場合に発生します)。データセット クエリによって返されるデータが 0 行の場合は、表示できるデータがないことを示すメッセージが実行時に表示されます。プロパティ ペインでレポートの NoDataMessage キャプションを変更することによって、このメッセージをカスタマイズできます。詳細については、「レポート データセットについて (レポート ビルダ 2.0)」を参照してください。