Business Intelligence Development Studio でのレポートの作成
Business Intelligence Development Studio の SQL Server 2008 R2 バージョンを使用すると、SQL Server 2008 と SQL Server 2008 R2 Reporting Services の両方のレポートを開き、その内容を変更、プレビュー、保存、および配置できます。これにより、最新バージョンの Business Intelligence Development Studio を使用することで、以前のバージョンと最新バージョンのレポートやレポート サーバー プロジェクトの操作が容易になります。
重要 |
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SQL Server 2008 R2 バージョンの Business Intelligence Development Studio に SQL Server 2008 レポート サーバー プロジェクトを保存した場合、このプロジェクトは SQL Server 2008 バージョンの Business Intelligence Development Studio で開けなくなります。 |
Business Intelligence Development Studio の SQL Server 2008 R2 バージョンでは、以下のシナリオがサポートされています。
SQL Server 2008 と SQL Server 2008 R2 バージョンのレポート定義とレポート サーバー プロジェクトを開く。
SQL Server 2008 と SQL Server 2008 R2 Reporting Services の両方と互換性のあるレポート定義をビルドする。
SQL Server 2008 と SQL Server 2008 R2 Reporting Services のレポートをレポート デザイナーでプレビューする。
SQL Server 2008 Reporting Services または SQL Server 2008 R2 Reporting Services のどちらかを実行しているレポート サーバーにレポートを配置する。
次の図は、シナリオを示しています。
Business Intelligence Development Studio では、プロジェクト構成がサポートされています。プロジェクトがレポートをプレビューまたは配置する手順の中でビルドされる場合、プロジェクト構成には、場所と動作を指定する一連のプロパティが含まれます。プロジェクト構成の詳細については、Visual Studio のマニュアルを参照してください。
プロジェクト構成を使用して、レポート デザイナーのプレビューを管理し、異なるバージョンのレポート サーバー間でレポートを配置します。レポート サーバー プロジェクトのプロジェクト構成には、ターゲット レポート サーバーのバージョンを指定するプロパティ、ビルド プロセスでプレビューと配置のためにレポートを一時的に保存する際に使用されるフォルダー、およびエラー レベルが含まれます。
レポートは、レポート デザイナーでプレビューとしてレンダリングされるか、レポート サーバーに配置される前にビルドされます。SQL Server 2008 R2 Reporting Services にアップグレードできないアイテムまたは SQL Server 2008 Reporting Services に戻すことができないアイテムを含むレポートをプレビューまたは配置しようとすると、バージョンに関連するビルドの問題が多く発生する可能性があります。たとえば、SQL Server 2008 レポート サーバーに配置された SQL Server 2008 R2 レポートから、マップが削除される場合があります。
Business Intelligence Development Studio では、ソリューションとプロジェクト構成がサポートされています。プロジェクト構成を使用して、SQL Server 2008 Reporting Services と SQL Server 2008 R2 Reporting Services との間でレポート サーバー プロジェクトとレポートのアップグレードおよびダウングレードを管理します。プロジェクト構成は、特定のプロジェクトに関連付けられています。ソリューションおよびプロジェクト構成の詳細については、Visual Studio のマニュアルを参照してください。
Business Intelligence Development Studio の [プロジェクト プロパティ] ダイアログ ボックスで、構成プロパティを設定します。
ビルド プロパティと配置プロパティには、以下の項目が含まれます。
OutputPath は、ビルドの検証、配置、およびレポートのプレビューで使用されるレポート定義の保存先フォルダーのパスを識別するビルド プロパティです。
ErrorLevel は、エラーとしてレポートされるビルドの問題の重大度を識別するビルド プロパティです。ErrorLevel の値以下の重大度レベルを持つ問題は、エラーとしてレポートされます。それ以外の問題は、警告としてレポートされます。
TargetServerVersion は、TargetServerURL プロパティで指定されたターゲット レポート サーバーにインストールされている SQL Server Reporting Services の想定されるバージョンを識別する配置プロパティです。
注 TargetServerVersion を使用したレポート定義のアップグレードおよびダウングレードは、SQL Server 2008 Reporting Services と SQL Server 2008 R2 Reporting Services との間でのみサポートされています。この操作は、SQL Server 2005 Reporting Services などの以前のバージョンの Reporting Services ではサポートされていません。
[プロジェクト プロパティ] ダイアログ ボックスで以前のバージョンの SQL Server Reporting Services を指定すると、レポートは以前のバージョンに自動的に戻らず、SQL Server 2008 レポートのままの状態になります。このような場合、レポート サーバー プロジェクトには、2 つの異なるバージョンの SQL Server からのレポートが含まれることになります。レポート サーバー プロジェクトが配置されると、プロジェクト内のレポートは、TargetServerVersion で指定されたバージョンに変換されます。
プロジェクトには複数のプロジェクト構成を追加できます。各プロジェクト構成は、異なるバージョンのレポート サーバーへの配置など、さまざまなシナリオで使用されます。
詳細については、「配置プロパティを設定する方法 (Reporting Services)」および「[プロパティ ページ] ダイアログ ボックス」を参照してください。
Business Intelligence Development Studio のアクション
次の表は、SQL Server 2008 または SQL Server 2008 R2 Reporting Services レポート サーバー プロジェクトに含まれる、SQL Server 2008 および SQL Server 2008 R2 Reporting Services のレポート定義における Business Intelligence Development Studio コマンド ([保存] および [ビルド]) の動作を示しています。
1 つまたは複数のレポート アイテムがアクションによって削除された場合、プロジェクトまたはレポート定義を保存するときに重要な相違が生じます。このような場合、保存アクションでは、最新バージョンの SQL Server Reporting Services を使用してレポート アイテムを保存します。このアクションは、プロンプトが表示されずに自動的に行われます。それ以外の場合は、レポート サーバー プロジェクトに追加して、開いたり変更や保存を行ったレポート定義は、元のバージョンに保存されます。
レポートの検証
レポートは、レポート サーバーに配置されたり、レポート デザイナーでプレビューされる前にレポートを検証する手順の中でビルドされます。
レポートをビルドする際にビルドに関する複数の問題が発生する可能性があります。レポートには、プロジェクトによって指定された Reporting Services のバージョンと互換性のない、式やクエリなどの文字列が含まれる場合があります。
ビルドに関する警告やエラーを管理するには、ErrorLevel プロパティを使用します。ErrorLevel プロパティには 0 ~ 4 の範囲の値が含まれます。値によって、エラーとしてレポートされるビルドの問題や、警告としてレポートされるビルドの問題が決まります。既定値は 2 です。警告とエラーは Business Intelligence Development Studio 出力ウィンドウに書き込まれます。
ErrorLevel の値以下の重大度レベルを持つ問題は、エラーとしてレポートされます。それ以外の問題は、警告としてレポートされます。
次の表に、エラー レベルを示します。
エラー レベル |
説明 |
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0 |
レポートのプレビューおよび配置を妨げる、最も重大で避けることのできないビルドの問題。 |
1 |
レポートのレイアウトが大幅に変更される重大なビルドの問題。 |
2 |
レポートのレイアウトが大きく変更される重大度のやや低いビルドの問題。 |
3 |
レポートのレイアウトが目立たない程度に若干変更されるマイナーなビルドの問題。 |
4 |
パブリッシュ上の警告としてのみ使用される。 |
マップやデータ バーなど、SQL Server 2008 R2 で新しくなったレポート アイテムが含まれるレポートをプレビューまたは配置しようとすると、これらのレポート アイテムはレポートから削除される可能性があります。既定では、構成の ErrorLevel プロパティは 2 に設定されます。この設定では、マップが削除されると、レポートの作成が失敗する原因となります。ただし、ErrorLevel プロパティの値を 0 または 1 に変更すると、マップが削除されても、警告が発行され、ビルド プロセスは続行されます。