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インジケーター (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)

インジケーターは、1 つのデータ値の状態をひとめでわかるようにするための小さなゲージです。インジケーターとその状態を表すアイコンは単純で、小さなサイズでもわかりやすくなっています。

レポートの状態インジケーターを使用して、次の内容を表示できます。

  • 傾向 (上向き、平坦 (変化なし)、上昇、または下降の矢印を使用)

  • 状態 (チェックマークや感嘆符などの一般的な記号を使用)

  • 条件 (信号機や交通標識などの一般的な図形を使用)

  • 評価 (正方形および星形の四分区間数などで進行状況を表示する一般的な図形および記号を使用)

インジケーターはダッシュボードや自由形式のレポートで単独でも使用できますが、多くの場合、行または列のデータを視覚化するためにテーブルまたはマトリックスで使用します。次の図は、販売員および販売区域ごとの年度累計売上を示す信号機インジケーターを使用したテーブルです。

テーブルの行にインジケーターを含むレポート

Reporting Services には、そのまま使用できるインジケーター セットとインジケーター アイコンが組み込まれていますが、必要に応じて、個々のインジケーター アイコンとインジケーター セットをカスタマイズできます。

インジケーターを KPI として使用する方法の詳細については、「チュートリアル : レポートへの KPI の追加 (レポート ビルダー 3.0)」を参照してください。

注意

インジケーターは、レポート パーツとしてレポートとは別にパブリッシュできます。レポート パーツは自己完結型のレポート アイテムで、レポート サーバーに保存され、他のレポートに含めることができます。レポート パーツ ギャラリーでパーツを参照し、選択したパーツをレポートに追加するには、レポート ビルダーを使用します。レポート パーツをレポート パーツ ギャラリーで使用できるように保存するには、レポート デザイナーまたはレポート ビルダーを使用します。詳細については、microsoft.com Web サイトの「レポート パーツ (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」および「レポート デザイナーでのレポート パーツ (SSRS)」を参照してください。

注意

レポート定義 (.rdl) は、Business Intelligence Development Studio のレポート ビルダー 3.0 およびレポート デザイナーで作成および変更できます。これらの作成環境では、レポートおよび関連アイテムの作成方法、開く方法、および保存方法が異なります。詳細については、microsoft.com Web サイトの「レポート デザイナーとレポート ビルダー 3.0 でのレポートのデザイン (SSRS)」を参照してください。

この記事の内容

インジケーターとゲージの比較

使用するインジケーター タイプの選択

インジケーターのカスタマイズ

テーブルおよびマトリックスでのインジケーターの使用

視覚的効果を高めるためのインジケーターのサイズ変更

ゲージ パネルへのインジケーターおよびゲージの配置

インジケーターの状態の順序

操作方法に関するトピック

インジケーターとゲージの比較

インジケーターとゲージは非常に異なるように見えますが、インジケーターはゲージを単純にしたものとも言えます。インジケーターとゲージには 1 つのデータ値が表示されます。大きな違いは、ゲージにはフレームやポインターなどの要素が含まれていることです。インジケーターには、状態、アイコン、ラベル (オプション) のみが含まれています。インジケーターの状態は、ゲージの範囲に似ています。

ゲージと同様に、インジケーターはゲージ パネル内に配置されます。[インジケーターのプロパティ] ダイアログ ボックスまたはプロパティ ペインを使用してインジケーターを構成するには、パネルの代わりにインジケーターを選択する必要があります。それ以外の場合、使用可能なオプションがゲージ パネル オプションに適用されるため、インジケーターを構成することができません。次の図は、ゲージ パネルで選択されたインジケーターを示します。

ゲージ パネル内のインジケーター

データ値を示す方法によっては、インジケーターではなくゲージを使用した方がより適切な場合もあります。詳細については、「ゲージ (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

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使用するインジケーター タイプの選択

データがテーブルまたはマトリックスの詳細行、行グループ、列グループのいずれにある場合も、単独でレポート本文またはダッシュボードにある場合も、適切なインジケーター セットを使用することで、データの意味をすばやく伝えることができます。組み込みのインジケーター セットには 3 つ以上のアイコンがあります。アイコンの形や色はさまざまです。各アイコンは、異なるデータ状態を示します。

次の表に、組み込みインジケーター セットの一覧と、その一般的な使用方法を示します。

インジケーター セット

インジケーター タイプ

方向インジケーター アイコン セット

方向: 上向き、下向き、平坦 (変化なし)、上昇、または下降の矢印を使用して傾向を示します。

記号インジケーター アイコン セット

記号: チェックマークや感嘆符などの一般的な記号を使用して状態を示します。

図形インジケーター アイコン セット

図形: 交通標識や菱形などの一般的な図形を使用して条件を示します。

評価インジケーター アイコン セット

評価: 正方形の四分区間数など、連続する値を表示する一般的な図形および記号を使用して評価を示します。

インジケーター セットを選択したら、インジケーターのダイアログ ボックスまたはプロパティ ペインでプロパティを設定して、そのセット内の各インジケーター アイコンの外観をカスタマイズできます。組み込みの色、アイコン、サイズ、または式を使用して、インジケーターを構成できます。

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インジケーターのカスタマイズ

インジケーターは、必要に応じてカスタマイズできます。インジケーター セットとそのセット内の各インジケーター アイコンは、以下の方法で変更できます。

  • インジケーター アイコンの色を変更する。たとえば、インジケーター セットの配色を単色に変更したり、既定の色以外の色を使用したりできます。

  • インジケーター セットのアイコンを変更する。たとえば、1 つのインジケーター セットで星形、円形、および四角形のアイコンを使用できます。

  • インジケーターの開始値と終了値を指定する。たとえば、インジケーター値の 75% について 1 つのアイコンを使用して、スキュー データを表示できます。

  • インジケーター セットにアイコンを追加する。たとえば、インジケーター セットにアイコンを追加して、より詳細にインジケーター値を区別できるようにします。

  • インジケーター セットからアイコンを削除して、少ないアイコンでより単純にデータを表示する。

詳細については、「インジケーター アイコンとインジケーター セットを変更する方法 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

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テーブルおよびマトリックスでのインジケーターの使用

インジケーターをテーブルおよびマトリックスで使用する場合、単純な図形が理想的です。インジケーターは、サイズが小さくても効果があります。そのため、レポートの詳細やグループの行で使用できます。

次の図は、売上を示すために方向インジケーター セット [4 つの矢印 (色付き)] を使用するテーブルを含むレポートを示しています。レポートのインジケーター アイコンは、既定の赤、黄、緑の代わりに青の網掛けを使用するように構成されています。

インジケーターとして青の網掛け矢印を含むレポート

インジケーターの追加、変更、削除の詳細については、「インジケーターを追加または削除する方法 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

レポートにインジケーターを最初に追加すると、既定値を使用するように構成されます。この値は、データがインジケーターに希望どおりに表示されるように変更できます。また、インジケーター アイコンの外観、使用するアイコンをインジケーターが選択する方法、およびインジケーター セットによって使用されるアイコンを変更できます。詳細については、「インジケーター アイコンとインジケーター セットを変更する方法 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

既定では、インジケーターは測定単位としてパーセンテージを使用し、データの最小値と最大値を自動的に検出するように構成されます。インジケーター内の各アイコンにはパーセンテージ範囲があります。パーセンテージ範囲の数は、アイコン セット内のアイコンの数によって異なりますが、範囲は同じサイズで、連続しています。たとえば、アイコン セットに 5 つのアイコンが含まれている場合は、それぞれ 20% のサイズのパーセンテージ範囲が 5 つ存在することになります。最初の範囲は 0 で始まり 20 で終わります。同様に 2 番目の範囲は 20 で始まり、40 で終わります。それ以降の範囲も同様です。レポートのインジケーターは、パーセンテージ範囲にインジケーター データ値が含まれるインジケーター セットのアイコンを使用します。セット内の各アイコンのパーセンテージ範囲は変更可能です。最小値と最大値は、値または式を指定することにより、明示的に設定できます。さらに、測定単位が数値になるように変更することができます。その場合、データの最小値または最大値は指定しません。代わりに、インジケーターが使用する各アイコンに対して開始値と終了値のみを指定します。詳細については、「測定単位を設定および構成する方法 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

インジケーターは、指定されたスコープ内のインジケーター データ値全体を同期することによってデータ値を示します。既定では、このスコープは、インジケーターを含んでいるテーブルやマトリックスなどのインジケーターの親コンテナーです。インジケーターの同期を変更するには、レポートのレイアウトに応じて、異なるスコープを選択します。インジケーターの同期は省略できます。詳細については、「同期スコープを設定する方法 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

レポート内のスコープの説明および設定方法については、「合計、集計、および組み込みコレクションの式のスコープについて (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

インジケーターでは、1 つの値のみを使用します。複数のデータ値を表示する必要がある場合は、インジケーターではなくスパークラインやデータ バーを使用します。スパークラインやデータ バーは、複数のデータ値を表示できますが、小さなサイズでも単純で理解しやすく、テーブルやマトリックスでも適切に機能します。詳細については、「スパークラインとデータ バー (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

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視覚的効果を高めるためのインジケーターのサイズ変更

インジケーターは、色、方向、形状の他に、サイズを変更して、視覚的効果を高めることができます。あるレポートで、さまざまな種類の自転車に関する顧客満足度を示すインジケーターを使用するとします。インジケーターで使用するアイコンを、顧客満足度に応じて異なるサイズになるように構成します。顧客満足度が大きくなるほど、レポートに表示されるアイコンのサイズも大きくなります。次の図は、自転車の売上のレポートを示し、アイコンのサイズは売上高に対応しています。

異なるサイズのインジケーターを含むレポート

式を使用することで、星形のサイズを、インジケーターで使用されるフィールドの値に基づいて動的に設定できます。詳細については、「式を使用してインジケーターのサイズを指定する方法 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

式の記述方法および使用方法の詳細については、「式 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

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ゲージ パネルへのインジケーターおよびゲージの配置

インジケーターは常にゲージ パネル内に配置されます。ゲージ パネルは、1 つまたは複数のゲージと状態インジケーターが含まれる最上位のコンテナーです。ゲージ パネルには、子または隣接のゲージまたはインジケーターを含めることができます。インジケーターをゲージの子として使用する場合、ゲージに表示されるデータ値の状態を示すことによって、データを詳細に視覚化できます。たとえば、ゲージ内のインジケーターでは、ゲージの値が値の範囲の上限 33% を指していることを示す緑の円を表示できます。ゲージとインジケーターを同時に使用することによって、データをさまざまな方法で表すことができます。いずれの場合も、インジケーターとゲージは同じデータ フィールドまたは異なるデータ フィールドを使用できます。

次の図は、インジケーターとゲージを同時に使用した場合およびインジケーターをゲージ内に配置した場合を示しています。

ゲージ パネル内のインジケーターとゲージ

詳細については、「ゲージ パネルにインジケーターとゲージを配置する方法 (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

ゲージの使い方の詳細については、「ゲージ (レポート ビルダー 3.0 および SSRS)」を参照してください。

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インジケーターの状態の順序

[インジケーターのプロパティ] ダイアログ ボックスの [値と状態] タブのインジケーターの状態の順序は、インジケーターの状態の開始値と終了値が一致している場合にデータ値に対して表示されるインジケーター アイコンに影響します。

この問題は、パーセンテージと数値のどちらの状態測定単位を使用していても発生しますが、数値の測定単位を使用する場合は、特定の値を指定するためより発生しやすくなります。また、レポートのデータ値を丸める場合も、不連続値が減る傾向があるため、この問題が発生しやすくなります。

以下のシナリオは、[3 つの矢印 (色分け)] 方向インジケーターの 3 つの状態の順序を変更するとデータの視覚化にどのような影響が生じるのかを示しています。既定の順序は次のようになっています。

  1. 赤の下向き矢印

  2. 黄色の水平矢印

  3. 緑の上向き矢印

以下のシナリオは、4 種類の状態の順序および値の範囲と、各順序がデータの視覚化に与える影響を示しています。

これらのシナリオでは、[3 つの矢印 (色分け)] インジケーターで数値の状態測定単位が使用されています。

状態の順序

開始値

終了値

0

3500

3500

5000

5000

10000

値 3500 は赤の下向き矢印によって表され、5000 は黄色の水平矢印によって表されます。

状態の順序

開始値

終了値

5000

10000

3500

5000

0

3500

値 3500 は黄色の水平矢印によって表され、5000 は緑の上向き矢印によって表されます。

状態の順序

開始値

終了値

5000

10000

0

3500

3500

5000

値 3500 は赤の下向き矢印によって表され、5000 は緑の上向き矢印によって表されます。

状態の順序

開始値

終了値

3500

5000

0

3500

5000

10000

値 3500 と 5000 の両方が黄色の下向き矢印によって表されます。

要するに、インジケーターの状態の一覧の一番上から評価が開始され、データが値の範囲に収まる最初のインジケーターの状態に関連付けられているインジケーター アイコンがレポートに表示されます。したがって、インジケーターの状態の順序を変更すると、データ値の視覚化に影響が生じる可能性があります。

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操作方法に関するトピック

インジケーターの追加、変更、および削除方法、インジケーターの構成およびカスタマイズ方法、ゲージ内でのインジケーターの使用方法について説明しているトピックの一覧を次に示します。

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変更履歴

変更内容

インジケーターの状態の順序」セクションを追加しました。このセクションでは、レポートに表示される状態アイコンに状態の順序がどのように影響するのかを説明しています。