方法: スタンドアロン サーバーに SharePoint 統合をインストールして構成する
SharePoint 統合モードで Reporting Services を実行するための配置シナリオの 1 つとして、すべてのサーバー コンポーネントとアプリケーション データベースを 1 台のスタンドアロン サーバーにインストールするシナリオが挙げられます。この構成は、テクノロジの連携方法を学習する場合や、カスタム アプリケーションの開発時に 1 台のコンピューターにすべてのサービスを簡単に配置できるようにする場合に便利です。
必要条件
コンポーネントをインストールする前に、次の手順を実行する必要があります。
配置構成の概要を確認し、インストールするコンポーネントについて理解します。詳細については、SQL Server オンライン ブックの「SharePoint 統合モードでの Reporting Services の配置トポロジ」を参照してください。
構成の概要のトピックでサービス アカウント構成に関する推奨事項を確認し、構成手順の詳細について理解します。詳細については、「SharePoint 2010 統合用の Reporting Services の構成」を参照してください。
SharePoint 統合モードの Reporting Services が含まれるすべての配置シナリオに適用されるハードウェアとソフトウェアの要件を確認します。詳細については、SQL Server オンライン ブックの「Reporting Services を SharePoint 統合モードで実行する要件」を参照してください。
「Windows Vista、Windows 7、および Windows Server 2008 で SharePoint 2010 の開発環境をセットアップする」を確認してください。
セキュリティに関連するトピック「サーバーの構成 - サービス アカウント」および「SQL Server インストールにおけるセキュリティの考慮事項」を確認してください。
単一のサーバー構成に関するデータベースの注意事項
SharePoint 製品をインストールする前にデータベース エンジンと Reporting Services をインストールすることをお勧めします。そうすると、SharePoint 製品をインストールするときに、最初の手順の一環としてインストールした既存のデータベース エンジンを使用するよう SharePoint インストールを変更できます。インストールごとに個別のデータベース エンジンを使用する場合は、次の情報を確認してください。
Reporting Services でも、SharePoint の製品およびテクノロジでも、アプリケーション データの格納に SQL Server リレーショナル データベースが使用されます。
Reporting Services では、互換性のある SQL Server エディションのデータベース エンジンのインスタンスが必要です。
SharePoint 製品では、既にインストールされていれば、既存のデータベース インスタンスを使用できます。データベース エンジンのインスタンスがインストールされていない場合は、SharePoint 製品のセットアップ プログラムによって、SharePoint アプリケーション データベース用の SQL Server Express Edition がインストールされます。
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注 レポート サーバー インスタンスの場合、データベースに SQL Server Express Edition を使用することはできません。ただし、SharePoint 製品またはテクノロジによってインストールされた SQL Server Express Edition インスタンスの場合、他のデータベース エンジン エディションをインストールすればこれをサイド バイ サイドで使用できます。レポート サーバー データベースに関するエディションの要件の詳細については、「レポート サーバー データベースの作成」を参照してください。
インストールの順序
1 台のコンピューターに Reporting Services を SharePoint と共にインストールして構成するには、次の手順を実行します。
Reporting Services とデータベース エンジンをインストールします。SharePoint 製品をインストールする前に、環境の有効性を確認します。
SharePoint 2010 製品準備ツールを実行します。SharePoint 2010 製品用 Reporting Services アドインがインストールされます。
SharePoint Server 2010 または SharePoint Foundation 2010 をインストールします。
SharePoint 製品構成ウィザードを実行します。その後、SharePoint サイトを開き、環境の有効性を確認します。
SharePoint ファームの構成ウィザードを実行します。
SharePoint サーバーの全体管理を使用してレポート サーバーの統合機能を構成します。これにより、Reporting Services と SharePoint 製品が統合されます。
Reporting Services とデータベース エンジンをインストールするには
SQL Server インストール ウィザードを実行します。詳細については、SQL Server オンライン ブックの「SQL Server 2008 R2 をインストールする方法 (セットアップ)」を参照してください。
ウィザードの左側の [インストール] をクリックし、[新規インストールを実行するか、既存のインストールに機能を追加します] をクリックします。
[セットアップ サポート ルール] ページで、すべてのルールに合格したと想定して [OK] をクリックします。
[セットアップ サポート ファイル] ページで [インストール] をクリックします。
サポート ファイルのインストールが完了して、サポート ルールの状態が [合格] になったら、[次へ] をクリックします。警告やインストールの障害となる問題を確認します。
[プロダクト キー] ページで、適切なプロダクト キーを入力して [次へ] をクリックします。
ライセンス条項を確認し、同意します。Microsoft では、機能使用状況に関するデータを送信することに同意して、製品の機能やサポートの改善にご協力いただき感謝しております。[次へ] をクリックします。
[セットアップ ロール] ページで、[SQL Server 機能のインストール] をクリックします。
[機能の選択] ページで、[データベース エンジン サービス]、[Reporting Services]、および [管理ツール - 完全] をクリックします。[次へ] をクリックして次に進みます。
[インストール ルール] ページで、[次へ] をクリックします。警告やインストールの障害となる問題を確認します。
[インスタンスの構成] ページで、MSSQLSERVER の既定のインスタンスをそのまま使用し、[次へ] をクリックします。
[必要なディスク領域] ページで、[次へ] をクリックします。
[サーバーの構成] ページで、適切な資格情報を入力して、[次へ] をクリックします。ファーム構成の SharePoint 2010 製品では、サービス構成用のドメイン アカウントが必要です。単一のサーバー インストールはまだファーム構成と見なされているため、この記事の後半では SharePoint のインストールを実行するときにファーム オプションを選択します。
[データベース エンジンの構成] ページで、SQL 管理者の一覧に適切なアカウントを追加し、[次へ] をクリックします。
[Reporting Services の構成] ページで、[SharePoint 統合モードの既定の構成をインストールする] をクリックします。
[エラー レポート] ページでエラー レポートを送信するためのチェック ボックスをオンにすると、Microsoft が SQL Server の機能とサービスを改善するのに役立ちます。[次へ] をクリックします。
[インストール構成ルール] ページで、警告を確認して [次へ] をクリックします。
[インストールの準備完了] ページで、インストールの概要を確認して [次へ] をクリックします。概要には、DefaultSharePointMode というインストール モード値とアカウント情報が格納されている Reporting Services ノードがあります。
確認: セットアップが完了したら、SQL Server 構成マネージャーを実行して、Reporting Services サービスが実行されていることを確認できます。構成マネージャーで、[SQL Server のサービス] をクリックし、[SQL Server Reporting Services] サービスが実行されていることを確認します。
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SharePoint 2010 製品準備ツールを実行するには
インストール メディアから PreRequisiteInstaller.exe を実行します。
準備ツールによってインストールされる製品の一覧に SQL 2008 R2 Reporting Services SharePoint 2010 アドインがあることに注意してください。[次へ] をクリックします。
アドインは個別にダウンロードしてインストールすることもできます。詳細については、「SharePoint 製品用 Reporting Services アドインの入手先」を参照してください。
[インストールが完了しました] ページの一覧に "SQL 2008 R2 Reporting Services SharePoint 2010 アドイン: インストールは正常に終了しました" と表示されます。
[完了] をクリックします。
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SharePoint 2010 製品をインストールするには
インストール メディアから Setup.exe を実行します。
プロダクト キーを入力し、[続行] をクリックします。
ソフトウェア ライセンス条項を確認し、使用許諾契約書に同意するチェック ボックスをオンにします。[続行] をクリックします。
インストールの種類を指定するページで、[サーバー ファーム] をクリックします。
[サーバーの種類] ページで、[完了] をクリックし、[今すぐインストール] をクリックします。
インストールが完了すると、[構成ウィザードの実行] ページが表示されます。[SharePoint 製品構成ウィザードを今すぐ実行する] チェック ボックスがオンになっていることを確認します。このウィザードを使用すると、最初の SharePoint 環境をセットアップできます。Reporting Services サーバーを既存のファームに追加する場合は、ウィザードによって新しいサーバーが既存のファームに追加されます。
[閉じる] をクリックします。
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SharePoint 製品構成ウィザードを実行するには
SharePoint のインストールが完了すると、SharePoint 製品構成ウィザードが実行されます。SharePoint 2010 製品構成ウィザードは、[スタート] ボタンをクリックして [Microsoft SharePoint 2010 製品] フォルダーを開いて起動することもできます。
[SharePoint 製品へようこそ] ページで [次へ] をクリックします。構成プロセスの途中で一部のサービスを再起動する必要があることを示す警告メッセージが表示されます。[はい] をクリックします。
[サーバー ファームへの接続] ページで、[新しいサーバー ファームの作成] をクリックし、[次へ] をクリックします。
[構成データベースの設定] ページで、次の操作を行います。
[データベース サーバー] ボックスにサーバーの名前を入力します。
SharePoint_Config の既定のデータベース名を使用します。
データベース アクセス アカウントの適切なユーザー名とパスワードを入力します。
[次へ] をクリックします。
[ファーム セキュリティ設定の指定] で、目的のパスフレーズを入力し、[次へ] をクリックします。
[SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションの構成] ページで、次の操作を行います。
ポート番号を入力します。
目的の認証プロバイダーをクリックします。
[次へ] をクリックします。
[SharePoint 製品構成ウィザードの終了] ページで、設定を確認し、[次へ] をクリックしてウィザードを実行します。
[構成成功] ページで、サーバーの全体管理の設定を確認し、[完了] をクリックします。構成ウィザードが終了すると、ブラウザーが起動し、SharePoint サーバーの全体管理ページとファーム構成の初期設定ウィザードが読み込まれます。
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ファーム構成ウィザードを完了するには
ファーム構成ウィザードが表示されます。[ウィザードの開始] をクリックし、サービス アカウントを入力します。
有効なサービスの既定の一覧を確認します。[次へ] をクリックします。この処理には数分かかります。
次のページで、SharePoint のインストール用に新しいトップレベル Web サイト コレクションを作成できます。サイトには、"共有ドキュメント" という名前の既定のドキュメント ライブラリが含まれます。そのドキュメント ライブラリを使用するか、別のドキュメント ライブラリを作成して、Reporting Services のアイテムを操作するために使用できます。サイトのタイトルと簡単な説明を入力します。
サイトの URL を http://[servername]/sites/YourNewSiteName のように入力します。
テンプレートに対して既定のオプションの [チーム サイト] が選択されていることを確認し、[OK] をクリックします。
サイト コレクションの作成には、数分かかります。[完了] をクリックします。
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SharePoint Web サイトにホスト ヘッダーが使用されている場合
SharePoint アプリケーションの内部アドレスとパブリック アドレスが同じ場合は、「同一の内部およびパブリック ホスト アドレスを使用した SharePoint アプリケーションの公開」を確認します。
サポート技術情報の記事「IIS 5.1 または以降のバージョンでホストされ、統合認証を使用する Web サイトを参照するとエラー 401.1 が表示される」に記載されている説明に従って、ループバック アドレスにマップされているホスト名を構成するか、ループバック チェックを無効にします。
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Reporting Services の基本的なインストールの確認
インストールを確認するには、管理者としてブラウザーを開き、レポート サーバーを参照します。
URL は http://example-server-name:8080/reportserver のような形式で指定します。「https://localhost/reportserver」を使用することもできます。これはプロキシ エンドポイントに対する URL です。レポート サーバー アイテムを SharePoint ライブラリに追加した後、ブラウザー ウィンドウでこの URL を開き、サイト上のアイテムを表示できます。
次のようなメッセージが表示されます。このメッセージは、Reporting Services が SharePoint モード用にインストールされているが、まだ SharePoint と統合されていないことを表します。
レポート サーバーで構成エラーが発生しました。SharePoint 統合モードを使用するようにレポート サーバーが構成されている場合、サーバーが SharePoint ファームに参加していること、およびその SharePoint ファームへのアクセスがレポート サーバーのサービス アカウントに許可されていることを確認してください。(rsServerConfigurationError)
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SharePoint サーバーの全体管理でレポート サーバーの統合機能を構成するには
Reporting Services と SharePoint 環境はインストールされましたが、まだ統合されていません。Reporting Services と SharePoint 配置の統合を完了するには、「SharePoint サーバーの全体管理でレポート サーバー統合を構成する方法」を参照してください。
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次の手順
その他の管理タスク
また、自動実行レポートの実行をサポートする必要がある場合は、自動実行レポート処理アカウントを構成することもできます。必要に応じて、電子メール配信を行うようにレポート サーバーを構成します。詳細については、「自動実行アカウントの構成」および「電子メール配信用のレポート サーバーの構成」を参照してください。
ユーザーが SharePoint サイトにアクセスできるように権限を設定します。セキュリティは必要ですが、既存の権限を継承する場合は、特定のアイテムに対して権限を設定する必要はありません。詳細については、SQL Server オンライン ブックの「SharePoint サイトのレポート サーバー アイテムに対する権限の付与」または「サイト上のレポート サーバー アイテムに対する権限を設定する方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。
新しい共有データ ソース、レポート モデル、およびレポート ビルダー レポートを作成する場合は、Reporting Services のコンテンツの種類をドキュメント ライブラリに追加します。詳細については、「レポート サーバー コンテンツの種類をライブラリに追加する方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。
[監視] をクリックし、[診断ログの構成] をクリックして、[SQL Server Reporting Services] のオプションを構成します。詳細については、「方法: SharePoint トレース ログの Reporting Services イベントをオンにする (ULS)」を参照してください。
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インストールの確認
以下の作業が完了したら、SharePoint モードの Reporting Services と SharePoint 2010 のインストールを確認できます。
SharePoint モードの Reporting Services のインストール。
SharePoint 製品用 Reporting Services アドインのインストール。通常は、SharePoint 2010 製品準備ツールによってインストールされます。
SharePoint 2010 製品のインストール。
Reporting Services と SharePoint の統合。
インストールを確認する方法を以下に示します。
管理者としてブラウザーを開き、レポート サーバーを参照して、レポート サーバーの URL を確認します。URL は http://example-server-name:8080/reportserver のような形式で指定します。「https://localhost/reportserver」を使用することもできます。
Reporting Services 構成マネージャーを使用してレポート サーバーに接続できること、サービスが開始されていること、および [レポート サーバー モード] が [SharePoint 統合] になっていることを確認します。
Management Studio を使用して新しい SharePoint 環境に接続し、プロパティを表示したり編集したりできることを確認します。
管理者として Management Studio を開き、[サーバーの種類] で [Reporting Services] を選択します。
サーバー名のフィールドに、レポート サーバーと統合されている SharePoint Web サイトを入力します (サーバー管理サイトの URL、SharePoint のウィザードを実行して作成したサイトの URL など)。URL の例を次に示します。
http://[server name]/:64000 (サーバーの名前と、SharePoint サーバーの全体管理用に構成したポート)
http://[server name]/sites/sitename
接続したら、[オブジェクト エクスプローラー] ウィンドウでサーバー名を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
[ログ記録] をクリックし、実行のログ記録が有効になっていることを確認します。
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データ ソースとレポートの作成の概要
SharePoint ドキュメント ライブラリから、[ドキュメント] タブをクリックし、[新しいドキュメント]、[レポート ビルダー レポート] の順にクリックして、レポート ビルダー アプリケーションを起動してレポートの作成を開始できます。
レポートおよびモデルで使用する共有データ ソースを作成します。詳細については、「共有データ ソースを作成および管理する方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。
レポート定義ファイル (.rdl)、データ ソース ファイル (.rds)、およびレポート モデル ファイル (.smdl) を作成して SharePoint ライブラリにパブリッシュします。また、SharePoint ライブラリでアップロード コマンドを使用して、.rdl ファイルと .smdl ファイルをアップロードすることもできます。ただし、.rds ファイルはアップロードできません。権限に応じて、レポート ビルダーでレポートを作成してライブラリに保存することもできます。共有データ ソースまたは外部ファイルへの参照がレポートに含まれている場合、参照を更新する必要があります。詳細については、SQL Server オンライン ブックの「SharePoint サイトへのモデルおよび共有データ ソースの配置」および「SharePoint ライブラリにドキュメントをアップロードする方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。
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関連項目
タスク
概念
変更履歴
変更内容 |
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セットアップ ダイアログの画面キャプチャを追加しました。詳細な手順を追加しました。また、以前のバージョンの SharePoint ではなく SharePoint 2010 製品のインストールを参照するように SharePoint の手順を更新しました。 |
インストール後の確認の手順を追加しました。 |