電子メール配信用のレポート サーバーの構成
Reporting Services には電子メール配信拡張機能があり、電子メールを使用してレポートを配布できます。電子メール サブスクリプションをどのように定義するかに応じて、配信は、通知、リンク、添付ファイル、または埋め込みレポートから構成されます。電子メール配信拡張機能は、既存のメール サーバー テクノロジと連携して動作します。メール サーバーは、SMTP サーバーまたはフォワーダーである必要があります。レポート サーバーは、オペレーティング システムに用意されている Collaboration Data Objects (CDO) ライブラリ (cdosys.dll) を通じて SMTP サーバーに接続します。
既定では、レポート サーバーの電子メール配信拡張機能は構成されていません。Reporting Services 構成ツールを使用して、この拡張機能の最低限の構成を行う必要があります。詳細なプロパティを設定するには、RSReportServer.config ファイルを編集します。この拡張機能を使用するようにレポート サーバーを構成できない場合は、代わりに共有フォルダにレポートを配信できます。詳細については、SQL Server オンライン ブックの「Reporting Services でのファイル共有の配信」を参照してください。
構成要件
レポート サーバーの電子メール配信は Collaboration Data Objects (CDO) に実装されており、ローカルまたはリモートの簡易メール転送プロトコル (SMTP) サーバーまたは SMTP フォワーダを必要とします。SMTP は、一部の Windows オペレーティング システムではサポートされていません。Itanium ベース エディションの Windows Server 2008 を使用している場合、SMTP はサポートされません。CDO によって提供される構成オプションの詳細については、MSDN の「Configuration」を参照してください。
レポート サーバー サービス アカウントには、メールを送信する SMTP サーバーに対する権限が必要です。
電子メール配信拡張機能では、電子メール添付ファイルに UTF-8 エンコードが使用されます。エンコードを変更することはできません。HTML 表示拡張機能では UTF-8 だけがサポートされます。
注 |
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既定の電子メール配信拡張機能では、送信するメール メッセージのデジタル署名および暗号化はサポートされていません。 |
ローカルまたはリモートの SMTP サービスに対するレポート サーバーの構成
ローカルの SMTP サービス、あるいはリモートの SMTP サーバーまたは SMTP フォワーダーを使用して、電子メール配信をサポートできます。既存のリモート SMTP サーバーにアクセスできる場合は、リモート SMTP サーバーを使用してください。使用できる SMTP サーバーがない場合、または後でコンピューター接続の障害が原因と考えられるレポート配信エラーが発生した場合は、ローカル SMTP サービスを使用するように切り替える必要があります。ローカル サービスまたはリモート サービス用にレポート サーバーを構成する方法の詳細については、このトピックでさらに説明します。
電子メール配信用の構成オプションの設定
レポート サーバーの電子メール配信を使用するには、先に、使用する SMTP サーバーに関する情報を提供する構成値を設定する必要があります。
電子メール配信用にレポート サーバーを構成するには、次の操作を行います。
SMTP サーバーと、電子メールを送信する権限を持つユーザー アカウントを指定するだけの場合は、Reporting Services 構成ツールを使用します。これらは、レポート サーバーの電子メール配信拡張機能を構成するために最低限必要な設定です。詳細については、「レポート サーバーを電子メール配信用に構成する方法 (Reporting Services 構成)」を参照してください。
(省略可能) テキスト エディターを使用して、RSreportserver.config ファイルで追加の設定を指定します。このファイルには、レポート サーバーの電子メール配信の構成設定がすべて含まれています。ローカル SMTP サーバーを使用する場合や、電子メールの配信を特定のホストに限定する場合は、これらのファイルで追加の設定を指定する必要があります。構成ファイルの検索と変更の詳細については、SQL Server オンライン ブックの「Reporting Services の構成ファイルを変更する方法」を参照してください。
注 |
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レポート サーバーの電子メール設定は CDO に基づいています。特定の設定に関する詳細については、CDO の製品マニュアルを参照してください。 |
レポート サーバーの電子メール構成の例
次の例は、リモート SMTP サーバーに対する RSreportserver.config ファイルでの設定を示しています。設定に関する説明と有効な値については、SQL Server オンライン ブックの「RSReportServer 構成ファイル」または CDO の製品マニュアルを参照してください。
<RSEmailDPConfiguration>
<SMTPServer>mySMTPServer.Adventure-Works.com</SMTPServer>
<SMTPServerPort></SMTPServerPort>
<SMTPAccountName></SMTPAccountName>
<SMTPConnectionTimeout></SMTPConnectionTimeout>
<SMTPServerPickupDirectory></SMTPServerPickupDirectory>
<SMTPUseSSL></SMTPUseSSL>
<SendUsing>2</SendUsing>
<SMTPAuthenticate></SMTPAuthenticate>
<From>my-rs-email-account@Adventure-Works.com</From>
<EmbeddedRenderFormats>
<RenderingExtension>MHTML</RenderingExtension>
</EmbeddedRenderFormats>
<PrivilegedUserRenderFormats></PrivilegedUserRenderFormats>
<ExcludedRenderFormats>
<RenderingExtension>HTMLOWC</RenderingExtension>
<RenderingExtension>NULL</RenderingExtension>
</ExcludedRenderFormats>
<SendEmailToUserAlias>True</SendEmailToUserAlias>
<DefaultHostName></DefaultHostName>
<PermittedHosts>
<HostName>Adventure-Works.com</HostName>
<HostName>hotmail.com</HostName>
</PermittedHosts>
</RSEmailDPConfiguration>
メッセージの [宛先] フィールドを設定するための構成オプション
"個別のサブスクリプションを管理" タスクで与えられる権限に従って作成されたユーザー定義サブスクリプションには、ドメイン ユーザー アカウントに基づく定義済みのユーザー名が含まれます。ユーザーがサブスクリプションを作成すると、[宛先] フィールドの受信者名は、サブスクリプションの作成者のドメイン ユーザー アカウントを使用して自動的に指定されます。
使用している SMTP サーバーまたはフォワーダーで、ドメイン ユーザー アカウントとは別の電子メール アカウントを利用している場合、SMTP サーバーからそのユーザーにレポートの配信が試行されたときに配信が失敗します。
この問題に対処するには、ユーザーが [宛先] フィールドに名前を入力できるように構成設定を変更します。
テキスト エディターで RSReportServer.config を開きます。
SendEmailToUserAlias を False に設定します。
DefaultHostName を SMTP サーバーまたはフォワーダーのドメイン ネーム システム (DNS) 名または IP アドレスに設定します。
このファイルを保存します。
リモート SMTP サービスの構成オプション
レポート サーバーと SMTP サーバーまたはフォワーダーの間の接続は、次の構成設定によって決まります。
SendUsing では、メッセージを送信する方法を指定します。ネットワーク SMTP サービスまたはローカル SMTP サービスのピックアップ ディレクトリを選択できます。リモート SMTP サービスを使用するには、RSReportServer.config ファイルでこの値を 2 に設定する必要があります。
SMTPServer では、リモート SMTP サーバーまたはフォワーダーを指定します。リモート SMTP サーバーまたはフォワーダーを使用している場合には、この値は必須です。
From には、電子メール メッセージの [差出人] 行に使用する値を設定します。リモート SMTP サーバーまたはフォワーダーを使用している場合には、この値は必須です。
リモート SMTP サービスで使用する他の値としては、次のものがあります (既定値を変更するのでない限り、これらの値を指定する必要はありません)。
SMTPServerPort は、ポート 25 に構成します。
SMTPAuthenticate では、レポート サーバーがリモート SMTP サーバーに接続する方法を指定します。既定値は 0 (認証なし) です。この場合、接続は匿名アクセスをとおして行われます。ドメインの構成によっては、レポート サーバーと SMTP サーバーが同じドメインのメンバーであることが必要になる場合があります。
制限付きの配信リスト (たとえば、認証されたアカウントからの着信メッセージだけを受け付ける配信リスト) に電子メールを送信するには、SMTPAuthenticate を 2 に設定します。
ローカル SMTP サービスの構成オプション
レポート サーバー電子メール配信のテストまたはトラブルシューティングを行う場合は、ローカル SMTP サービスの構成が役に立ちます。既定ではローカル SMTP サービスは無効になっています。有効にする方法については、「レポート サーバーを電子メール配信用に構成する方法 (Reporting Services 構成)」を参照してください。
レポート サーバーとローカル SMTP サーバーまたはフォワーダーの間の接続は、次の構成設定によって決まります。
SendUsing は 1 に設定します。
SMTPServerPickupDirectory には、ローカル ドライブのフォルダーを設定します。
注 ローカル SMTP サーバーを使用する場合は、SMTPServer を設定しないでください。
From には、電子メール メッセージの [差出人] 行に使用する値を設定します。この値は必須です。