Integration Services のプログラミング アーキテクチャ
更新 : 2006 年 7 月 17 日
Integration Services のアーキテクチャはまったく新しいものであり、データの移動と変換は、パッケージの制御フローと管理から分離されています。このアーキテクチャを定義し、Integration Services のプログラムでの自動化および拡張を可能にする、次の 2 種類のエンジンがあります。1 つはランタイム エンジンで、制御フローとパッケージ管理のインフラストラクチャを実装します。開発者は、このインフラストラクチャによって、実行フローを制御し、ログ記録、イベント ハンドラ、および変数用のオプションを設定できます。もう 1 つはデータ フロー エンジンで、特殊でパフォーマンスの高いエンジンであり、データの抽出、変換、および読み込みを専門に行います。Integration Services のプログラムの際には、これら 2 つのエンジンに対してプログラムを実行します。
次の図は、Integration Services のアーキテクチャを示しています。
Integration Services ランタイム エンジン
Integration Services ランタイム エンジンは、実行順序、ログ記録、変数、およびイベント処理を可能にするインフラストラクチャを実装することによって、パッケージの管理と実行を制御します。Integration Services ランタイム エンジンをプログラミングすることにより、開発者はパッケージの作成、構成、および実行を自動化し、カスタム タスクやその他の拡張機能を作成できます。
詳細については、「スクリプト タスクによるパッケージの拡張」、「カスタム タスクの開発」、および「プログラムによるパッケージの作成」を参照してください。
Integration Services データ フロー エンジン
データ フロー エンジンは、データ フロー タスクを管理します。データ フロー タスクは特殊でパフォーマンスの高いタスクで、さまざまなソースからのデータの移動および変換を専門に行います。他のタスクと異なり、データ フロー タスクには、変換元、変換、変換先のいずれかになるデータ フロー コンポーネントと呼ばれるオブジェクトが追加で含まれています。これらのコンポーネントはタスクの主要な稼働部分で、データの移動および変換を定義します。データ フロー エンジンをプログラムすることにより、開発者はデータ フロー タスク内のコンポーネントの作成および構成を自動化し、カスタム コンポーネントを作成できます。
詳細については、「スクリプト コンポーネントによるデータ フローの拡張」、「カスタム データ フロー コンポーネントの開発」、および「プログラムによるパッケージの作成」を参照してください。
サポートされる言語
SQL Server 2005 Integration Services では、Microsoft .NET Framework が完全にサポートされています。開発者は、.NET 準拠の言語から選択して Integration Services をプログラムできます。ランタイム エンジンもデータ フロー エンジンも、ネイティブ コードで記述されますが、完全マネージ オブジェクト モデルを介して使用できます。
Integration Services パッケージ、カスタム タスク、および Microsoft Visual Studio .NET または別のコードやテキスト エディタ内のコンポーネントをプログラムできます。Visual Studio .NET では、コーディング、デバッグ、およびテストの反復的なサイクルを簡素化および高速化する多数のツールと機能が開発者に提供されています。Visual Studio .NET を使用すると、配置も容易になります。ただし、Visual Studio .NET は Integration Services コード プロジェクトのコンパイルと構築には必要ありません。Microsoft .NET Framework SDK には、Visual Basic .NET コンパイラと C# コンパイラ、および関連ツールが含まれています。コマンド ライン コンパイラを使用したコード プロジェクトのコンパイル方法の詳細については、「Integration Services プログラミング サンプルのインストールとコンパイル」を参照してください。
重要 : |
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既定では、.NET Framework は SQL Server 2005 と共にインストールされますが、.NET Framework SDK はインストールされません。SDK がコンピュータにインストールされておらず、SDK ドキュメントも Books Online コレクションに含まれていない場合、このセクションの SDK コンテンツへのリンクは機能しません。.NET Framework SDK をインストールしたら、「ヘルプ コレクションの追加と削除」の手順に従って、SDK ドキュメントを Books Online コレクションと目次に追加できます。 |
Integration Services スクリプト タスクおよびスクリプト コンポーネントは Microsoft Visual Studio for Applications (VSA) を埋め込みスクリプト環境として使用します。VSA では、プログラミング言語として Visual Basic .NET のみがサポートされています。
メモ : |
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Integration Services アプリケーション プログラミング インターフェイスは、VBScript などの COM ベースのスクリプト言語と互換性がありません。 |
通常使用されるアセンブリ
次の表は、.NET Framework を使用する Integration Services をプログラムするときに頻繁に使用されるアセンブリの一覧です。
アセンブリ | 説明 |
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Microsoft.SqlServer.ManagedDTS.dll |
マネージ ランタイム エンジンが含まれています。 |
Microsoft.SqlServer.RuntimeWrapper.dll |
ネイティブ ランタイム エンジン用のプライマリ相互運用機能アセンブリ (PIA)、つまりラッパーが含まれています。 |
Microsoft.SqlServer.PipelineHost.dll |
マネージ データ フロー エンジンが含まれています。 |
Microsoft.SqlServer.PipelineWrapper.dll |
ネイティブ データ フロー エンジン用のプライマリ相互運用機能アセンブリ (PIA)、つまりラッパーが含まれています。 |
変更履歴
リリース | 履歴 |
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2006 年 7 月 17 日 |
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