複数列のレポートの記述
更新 : 2005 年 12 月 5 日
複数列のレイアウトを使用するレポートをデザインできます。このレイアウトでは、一般的な新聞の欄と同様に、隣り合った複数の列にデータが配置されていきます。複数列のレイアウトは、レポート全体に適用されます。レポートの上半分に複数列のレイアウトを指定し、下半分に表形式のレイアウトを指定することはできません。複数列のレイアウトを指定すると、レポート サーバーは非常に幅が狭い一連のページとして各列を作成し、それを順に並べることで複数の列に見えるようにします。ページ レベルで設定したプロパティは、レポートの各列に適用されます。列は必要な数だけ定義できます。
最適な結果を得るには、データ行が繰り返されるデータ領域 (表やリスト ボックスなど) を使用します。複数列のレポート内に配置されたリスト ボックスでは、データがページの左側先頭部分からページの左側最後の部分にまで表示されたら、次の列の先頭から一覧が続けて表示されます。テキスト ボックスまたは画像を使用する場合は、列ごとに繰り返されるように一覧に配置します。
サブレポートを使用して個別のレポートを親レポートに埋め込むことに慣れている場合は、複数列のレイアウトではサブレポートを使用して同じ結果を得ることはできない点に注意してください。複数列のレポートでは、サブレポートは親レポートの列設定を継承します。つまり、サブレポートに対して複数列のレイアウトを定義しても、指定された列設定は無視されます。また、サブレポートを使用して、複数列レポートの中に自由形式のレイアウトや単一列のレイアウトを作成することもできません。複数列のレポートに埋め込むサブレポートは、常に親レポートの列設定を使用します。
それぞれの列に含まれるデータの量を制限するには、グループ式を定義してからそのグループに対して改ページを設定します。たとえば、列あたりの行の数を制限する式を追加することができます。これを実現するための方法については、このトピックで後述する例を参照してください。
すべての表示拡張機能が複数列のレイアウトをサポートしているわけではありません。複数列を表示するには、次の表示拡張機能を使用します。
- TIFF
レポート デザイナのプレビューや、ほとんどの表示拡張機能では、複数列のレポートを表示できません。プレビューと、HTML、Web アーカイブ、Excel、CSV、および XML の出力を生成する表示拡張機能では、複数列のレイアウトは単一の列として表示されます。
複数列のレポートの表示
複数列のレポートをプレビューまたは表示するには、レポートを PDF ファイルまたは IMAGE ファイルとしてエクスポートし、ファイル システムからそのファイルを開く必要があります。HTML では複数列のレポート レイアウトがサポートされないため、HTML を既定の出力形式として使用するレポート マネージャや SharePoint Web のパーツからはレポートを実行しないことをお勧めします。最適な結果を得るには、複数列のレポートを配置するための次に示す代替案を検討してください。
- レポートを .pdf ファイルまたは .tiff ファイルとして共有フォルダの場所に配信するサブスクリプションを作成します。
- URL アクセスを使用してレポートを配置します。レポート URL に対して PDF 表示拡張機能または画像表示拡張機能を指定し、必ず複数の列をサポートする出力形式でレポートを開くようにすることができます。
レポート表示ツールで見えないようにレポートを非表示にするには、レポートをレポート サーバー フォルダにパブリッシュした後、そのフォルダに対するフォルダ表示アクセスを除いたロール割り当てを作成します。フォルダのセキュリティとロール割り当ての詳細については、「フォルダのセキュリティ保護」および「ロールの割り当ての作成、変更、および削除」を参照してください。
例 : 複数列のレポートのデザイン
次の例では、複数列のレポートを作成する方法について説明します。この例では、レポートの作成方法、データセットの定義方法、および基本的なレポート レイアウトの作成方法について理解していることを前提としています。レポートやデータセットの作成方法がわからない場合は、「チュートリアル : 基本的なレポートの作成」を参照してください。
行あたり 2 つのフィールドを返すレポートとデータセットを作成します。この例では、次のクエリを使用して、サンプル データベース AdventureWorks から 2 つのフィールドを取得します。
Select distinct Lastname, Firstname from Person.Contact Order by Lastname
列の数と余白を指定するレポート プロパティを設定します。この例では、レポートに対して 2 つの列を指定します。レポートに列を追加する方法については、「レポートに複数列を指定する方法 (レポート デザイナ)」を参照してください。
ツールボックスから、レポートのデザイン画面に [一覧] をドラッグします。
レポートの上端に来るように [一覧] を配置します。これによりレポートから余分な余白が除かれ、レポートを表示する際にページの両方の列が互いに揃います。
[テーブル] を [一覧] の上にドラッグします。[テーブル] は、繰り返されるデータ行でフィールドが均一に配置されるので便利ですが、目的のレポート レイアウトにするためにあらゆる種類のデータ領域を使用することができます。
[Lastname] フィールドと [Firstname] フィールドをデータセットからテーブルの "詳細" 行にドラッグします。
"フッター" 行と 3 番目の列を削除します。
ページ レイアウトのサイズを変更して、余分な余白を削除し 2 番目の列が見えるようにします。レポート レイアウトは次の画像のようになります。
レポートに 2 列以上の列を定義すると、レポート デザイナによって、列の数を基に、レポート内の列の幅、レポートの幅、列間隔の幅が計算されます。続いて、列内に収まるようにレポート アイテムをレポートに配置できるよう、デザイン画面が縮小して表示されます。レポート全体のレイアウトが、縮小されたデザイン画面上に配置される必要があります。定義した列の数がページの寸法に合うことを確認できるように、追加の列が表示されます。ページ サイズや余白を調整して、より多くの列をページに合わせることができます。
一覧に対するグループ式を作成して改ページを指定し、データを強制的に次の列に移動させます。
一覧を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
[一覧のプロパティ] ダイアログ ボックスの [全般] タブで、[グループの詳細を編集] をクリックします。
[グループ化と並べ替えのプロパティ] ダイアログ ボックスの [全般] タブで、各列に表示される行の数を制限するための式を入力します。次の式では、各列に 20 行まで表示されます。
=Ceiling(RowNumber(Nothing)/20)
[末尾で改ページする] をクリックします。
[OK] をクリックして、[グループ化と並べ替えのプロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。もう一度 [OK] をクリックして、[一覧のプロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。
レポートをプレビューし、PDF または IMAGE 出力にエクスポートします。
複数列のレポートをデザインする際には、レポート デザイナのプレビュー モードで、プレビュー ツール バーの [エクスポート オプション] から目的の出力形式を選択することで、レポートを .pdf ファイルまたは .tiff ファイルにエクスポートすることができます。レポートをプレビュー モードで開いている間は、複数列のレイアウトは表示されません。
参照
処理手順
一覧にグループを追加する方法 (レポート デザイナ)
一覧を追加、移動、または削除する方法 (レポート デザイナ)
概念
レポートのエクスポート
レポートのプレビュー
サブスクリプションの作成、変更、および削除
レポート レイアウトのデザイン
その他の技術情報
セットアップの実行による AdventureWorks のサンプル データベースとサンプルのインストール
URL アクセス
ヘルプおよび情報
変更履歴
リリース | 履歴 |
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2005 年 12 月 5 日 |
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