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インターネット プレゼンス シナリオ : ソリューション管理を計画する

重要

この記事は、Microsoft Office SharePoint Server 2007 に基づく企業のインターネット プレゼンス Web サイトを計画、設計、構築、および管理する方法の概要を示すエンドツーエンドのシナリオについて説明した一連の記事の 1 つです。

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シナリオの先頭

インターネット プレゼンス シナリオ

ソリューション アーキテクト、ソリューション開発者、およびコンテンツ管理者は、ソリューションの管理方法を計画します。ソリューション管理には、次が含まれます。

  • 管理するソリューションの要素の特定

  • 環境の特定 : インフラストラクチャ チームがソリューションを開発、作成、および発行する際に必要となるサーバー ファーム

  • ソリューション チームがソリューションを構築し、あるサーバー ファームから別のサーバー ファームにソリューションを伝達する際に必要となるプロセス

管理するソリューション要素を決定する

操作

計画作成チームは、最初に、Web 作成者、サイト デザイナ、および開発者が作成するソリューション要素の種類を決定します。

成果

作成サイト要素には、次のものがあります。

  • マスタ ページ

  • レイアウト ページ

  • コンテンツ タイプ

  • スタイル シート情報

  • グラフィック ファイル

  • 記事とその他のコンテンツ

ソフトウェア要素 :

  • ユーザーが製品カタログを移動できるように、展開と折りたたみを行うカスタム ナビゲーション コントロール

  • アニメーションを表示するカスタム フィールド コントロール

  • 求人データベースに接続し、ユーザーによるデータベース操作を可能にするカスタム ビジネス データ カタログ ソリューションと Web パーツ

ソリューション管理環境を決定する

操作

計画作成チームは、ソリューションでさまざまな要素とプロセスを管理する際に必要となる環境を決定します。

成果

  • サイト コンテンツが作成され、発行が承認されるオーサリング環境。この環境は、サイト デザイナがレイアウト、マスタ ページ、およびその他のサイト アーティファクトを作成する際に必要となる環境でもあります。この環境には、サイト デザイナ、サイト作成者、およびサイト編集者が使用するワークステーションと共に Office SharePoint Server 2007 ファームが含まれます。

  • カスタム サイト要素が開発される開発環境。この環境には、開発者サーバー ワークステーション、ソース コントロール システム、およびコード要素を統合し、サンプル コンテンツを使用してテストするための小規模な Office SharePoint Server 2007 統合ファームが含まれます。

  • サイトの閲覧者がインターネット プレゼンス サイトを利用できる稼働環境。この環境には、次の 2 つのサーバー ファームが含まれます。

    • プライマリ公開用ファーム

    • プライマリ ファームが利用できない場合にフェールオーバーを行え、新しいサイト機能を試験的に実行することもできる、類似の小規模なファーム

リソース

ソリューション管理プロセスを決定する

次に、ソリューション チームは、さまざまな環境を介してコンテンツおよびソリューションを伝達するための一連のプロセスを決定します。

コンテンツを確認および承認する

成果

コンテンツの作成および承認は、オーサリング ファームで行われます。この作業がオーサリング ファームの主な目的です。発行前にすべてのコンテンツを確実に確認および承認できるようにするには、作成したコンテンツをメジャーおよびマイナー バージョン管理に対応させ、チェックインとチェックアウトを行うことが必要で、既定の承認ワークフローを使用してコンテンツを承認する必要があります。

リソース

サイト設計を伝達する

成果

マスタ ページ、ページ レイアウト、スタイル シート、およびその他のデザイン要素である、完成および承認されたサイト アーティファクトを、サイトが使用できる他のファームに伝達する必要があります。

  • 統合ファーム デザイン チームは、コンテンツ展開を使用して、アーティファクトとサンプル コンテンツを統合ファームにコピーします。その統合ファームでは、アーティファクトにより、開発したサイト要素をテストするためのフレームワークが提供されます。

  • 公開用ファーム サイト デザイン要素が、Office SharePoint Server 2007 コンテンツ展開機能によって、公開用ファームのステージング サイト コレクションに自動的に伝達されます。また、その同じ要素を発行サイト コレクションに伝達する場合にも、コンテンツ展開機能が使用されます。

  • フェールオーバー ファーム SQL Server のミラーリングは、稼働ファームからフェールオーバー ファームにコンテンツを常にコピーする場合に、使用されます。フェールオーバーが発生した場合、オーサリング ファーム、稼働ファーム、およびフェールオーバー ファームのすべてのフロントエンド Web サーバー上の SQL Server クライアント エイリアスが、フェールオーバー データベース サーバーを参照するように更新されます。ここで、オーサリング ファームのコンテンツ展開ジョブがフェールオーバー ファームに展開されます。

リソース

コンテンツを発行する

Office SharePoint Server 2007 をベースにした Web サイトの発行にはコンテンツ展開機能が使用され、展開元のサイト コレクションを展開先のサイト コレクションにコピーします。展開される各 Web ページについては、ページが依存するコンテンツ データベース内のすべてのアイテム (イメージ、スタイル シート、レイアウト ページなど) も展開されます。コンテンツ展開は、スケジュールに基づいて自動的に実行されるか、手動で実行できます。

成果

計画作成チームは、コンテンツを発行するための 2 層のコンテンツ展開方法について決定します。

  • ステージング 最初のコンテンツは、オーサリング サイト コレクションから稼働ファームのステージング サイト コレクションに週間スケジュールで自動的に展開されます。稼働ファームのステージング サイト コレクションは、サイトの閲覧者のサイト使用条件にさらに厳密に合うように調整されます。コンテンツ展開ジョブが正常に完了すると、ステージング サイト コレクションでのテストと承認プロセスの開始がテスト担当者に通知されます。

  • 稼働ステージング サイト コレクションの確認および承認後、テスト チームの管理者は、コンテンツ展開ジョブを手動で実行して、ステージング サイト コレクションのコンテンツを稼働サイト コレクションにコピーします。

  • フェールオーバー フェールオーバー時、ミラーリングと SQL Server のエイリアシングにより、コンテンツ展開ジョブが切り替えられて、サイト コンテンツがオーサリング ファームのフェールオーバー ファームに展開されます。

リソース

コードを開発および展開する

成果

カスタム データ接続、カスタム Web パーツ、およびカスタム ナビゲーション コントロールなど、コード化されたサイト要素は、開発環境で開発されます。開発者は、Microsoft Visual Studio 2005 をホストするワークステーションでカスタム サイト要素を作成し、テストします。開発チームは、ソース管理と構成管理のシステムとして Visual Studio 2005 Team System を使用します。

開発者とテスト担当者は、統合ファームを使用して、サンプル サイト コンテンツのコンテキストでコード要素をテストします。テスト担当者は、このファームを使用して、すべてのサイト要素が想定どおり連携することも確認します。

統合環境で完成し、テストされるコード化されたテスト サイト要素は、その要素が使用されるすべての Office SharePoint Server ファームの各フロント エンド サーバーに展開されます。そのためには、ソフトウェア構成管理の管理者が 1 つまたは複数の SharePoint ソリューション パッケージとしてカスタマイズをパッケージ化します。その後、これらのソリューション パッケージは、以下のファームのすべてのフロント エンド サーバーにインストールされます。

  • オーサリング ファーム

  • 稼働ファーム

  • フェールオーバー ファーム

リソース

ソリューション管理アーキテクチャ

次の図は、ソリューション アーキテクト、ソリューション開発者、およびコンテンツ管理者によって設計されるソリューション管理アーキテクチャを示しています。

インターネット プレゼンス サイト向けソリューション アーキテクチャ

キー :

  1. 開発者は、Visual Studio 2005 Team System のチェックインおよびチェックアウトを行います。

  2. 開発者は、デバッグとデータを使用したテストを行うための完成したサイト要素を展開します。

  3. デザイナは、インターネット サイトのマスタ ページ、レイアウト ページ、およびカスケード スタイル シートを作成します。ファイルは、ドキュメント管理とワークフローを使用して管理されます。

  4. デザイナは、レイアウトとサンプル コンテンツを展開して、テスト用のデータを提供します。

  5. 開発者は、サイト要素をソリューション パッケージとしてバンドルし、オーサリング ファーム、稼働ファーム、およびフェールオーバー ファームに展開します。

  6. 管理者は、品質管理のためにサイトをステージング サイト コレクションに展開します。

  7. 承認済みコンテンツが、発行サイトとフェールオーバー サイト コレクションに展開されます。

コンテンツ移行

計画作成チームは、現在の Web サイト ソリューションからサイトへの初期コンテンツの移行方法を調べます。チームは、ユーザー設定ツールを作成する SharePoint コンテンツ移行 API の使用を検討します。チームは、「SharePoint Server 2007 への移行とアップグレード」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=104403&clcid=0x411) を参照して、コンテンツとメタデータを Office SharePoint Server 2007 に移行する Microsoft 認定製品についての情報を得ます。チームは、コンテンツ移行用のカスタム ソリューションを開発するために、その内部リソースではなく、この製品を使用することを決定します。

成果

チームは、最初のサイトが開発され、統合ファームにコピーされた後、現在のコンテンツの移行を計画します。チームは、認定製品を使用して、統合ファームへのコンテンツ移行を構成し、統合ファームでコンテンツ移行をテストおよび確認します。チームは、統合ファームでの実装を確認した後、オーサリング ファームでコンテンツ移行を実行して、現在のソリューションからすべてのコンテンツをインポートします。

リソース

このドキュメントのダウンロード

このトピックは、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なドキュメントに収められています。

使用できるすべてのドキュメントの一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。