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2007 Office system をメンテナンスするためのベスト プラクティス

更新日: 2008年9月

適用対象: Office Resource Kit

 

トピックの最終更新日: 2014-09-30

この記事の内容 :

  • Config.xml ファイルを使用したメンテナンス

  • OCT を使用したメンテナンス

  • セットアップのコマンド ライン オプションを使用したメンテナンス

この記事では、2007 Microsoft Office system インストールをメンテナンスおよびカスタマイズする方法を説明します。2007 Office system には、Office インストールをカスタマイズおよびメンテナンスするために以下の方法が用意されています。

  • Config.xml   Config.xml ファイルはインストール タスクの構成に使用します。セットアップ カスタマイズ MSP ファイルと Config.xml ファイルの両方を使用して Office をカスタマイズする場合は、Config.xml で定義したカスタマイズがカスタマイズ MSP ファイルより優先されます。Config.xml を使用して、次のようなオプションを構成できます。

    • ネットワーク インストール ポイントへのパスを指定する。

    • インストールする製品を選択する。

    • ログ記録、セットアップ カスタマイズ ファイルやソフトウェア更新プログラムの場所などのセットアップ オプションをカスタマイズする。

    • ユーザー名、会社名などのインストール オプションを指定する

    • Office をインストールせずにローカル インストール ソース (LIS) をユーザーのコンピュータにコピーする。

    • インストールする言語を追加または削除する。

  • Office カスタマイズ ツール   Office カスタマイズ ツール (OCT) は、セットアップ プログラムの一部で、ほとんどのカスタマイズはこのツールを主に使用して行います。OCT を使用したカスタマイズは、セットアップ カスタマイズ (MSP) ファイルに保存され、セットアップ時またはメンテナンス モードの操作中に適用されます。OCT を使用して、次の領域をカスタマイズできます。

    • [設定] セクション。ここでは、既定のインストール場所と既定の組織名、追加のネットワーク インストール ソース、プロダクト キー、ライセンス条項、表示レベル、以前のバージョンの Office の削除、インストール中に実行するカスタム プログラム、セキュリティ設定、およびセットアップ プロパティを指定します。

    • [機能] セクション。ここでは、ユーザー設定の構成およびインストールする Office 機能のカスタマイズを行います。

    • [追加内容] セクション。ここでは、ファイルやレジストリ エントリの追加や削除、およびショートカットの構成を行います。

    • [Outlook] セクション。ここでは、ユーザーの既定の Outlook プロファイルのカスタマイズ、Exchange 設定の指定、アカウントの追加、アカウントの削除と設定のエクスポート、および送受信グループの指定を行います。

  • セットアップのコマンド ライン オプション   Setup.exe のコマンド ライン オプションは、メンテナンス、修復、およびアンインストールの各操作にも使用できます。Setup.exe のコマンド ライン オプションには制限がありますが、OCT を使用すればセットアップ プロパティおよびその他のカスタマイズを構成できます。

Config.xml ファイルを使用したメンテナンス

Config.xml ファイルは、ユーザーのコンピュータにインストールおよびキャッシュされません。セットアップの実行中にのみ使用されます。管理者は、Config.xml ファイルを編集することでインストールをカスタマイズできます。既定では、コア製品フォルダに格納されている Config.xml ファイルによって、セットアップが実行されて製品がインストールされます。たとえば、Pro.WW フォルダにある Config.xml ファイルによって、Microsoft Office Professional 2007 がインストールされます。

Setup コマンド ラインで /config を使用して、製品の既定の Config.xml ファイルやカスタム Config.xml ファイルの場所を指定します。既にインストールされている製品に対して /config を使用した場合、変更する製品が指定されます。/config コマンドの構文は、次のようになります。

/config [path]

たとえば、/config コマンドを使用して Setup.exe を実行するには、次のように入力します。

\\server\share\Office12 \setup.exe /config \\server\share\Office12\Pro.WW\Config.xml

値の意味は以下のとおりです。

Office12 はネットワーク インストール ポイントのルートです。

Config.xml ファイルを使用して、次のインストール後のタスクを実行できます。

  • メンテナンス モードの操作 (機能の追加または削除)

  • 修復

  • 削除

このセクションの内容 :

  • Config.xml ファイルを変更する

  • Config.xml ファイルで機能の状況を個別に構成する

Config.xml ファイルの変更

Office Enterprise 2007 の Config.xml ファイルを変更する方法を次に示します。

Config.xml ファイルの変更

  1. Windows エクスプローラを使用して、*\\server\share\Office_2007\Enterprise\*Enterprise.WW ディレクトリへ移動します。

  2. メモ帳などのテキスト エディタを使用して、Config.xml ファイルを開きます。それには、Config.xml ファイルを右クリックして、[プログラムから開く] をクリックし、次に [メモ帳] をクリックします。

  3. Config.xml ファイルを変更し、カスタマイズが完了したらファイルを保存します。以下のセクションでは、Config.xml ファイルのカスタマイズ例を示します。

    セットアップのユーザー インターフェイスを非表示にし、エラー メッセージおよびその他のダイアログ ボックスを非表示にし、マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項 (Display 要素の AcceptEula 属性では "Eula" と呼ばれてます) に同意するように表示レベルを指定するには、Config.xml ファイルで以下の Display 要素が含まれている行を探します。

    <!-- <Display Level="full" CompletionNotice="yes" SuppressModal="no" AcceptEula="no" /> -->

    Display 要素を次のように変更します。

    <Display Level="none" CompletionNotice="no" SuppressModal="yes" AcceptEula="yes" />

    同様に、詳細なログ記録をオンにし、ログ ファイルを AppInst フォルダに保存する場合は、Config.xml ファイルで Logging 要素が含まれている行を探し、次のように変更します。

    <Logging Type="verbose" Path="%temp%\Log\AppInst\Office2007" Template="Microsoft Office 2007 Enterprise Setup(*).txt" />

    機能の状況をアンインストールに設定するには、機能がユーザーのコンピュータからアンインストールされ、その機能の子機能が同じように指定した状況に設定されるように Config.xml ファイルの OptionState 要素を指定します。この例では、Microsoft Office Access 2007 を使用しています。Office Access 2007 をアンインストールするには、Config.xml ファイルで OptionState 要素が含まれている行を探し、次のように変更します。ここでは、大文字と小文字が区別されることに注意してください。

    <OptionState Id=”ACCESSFiles” State=”absent” Children=”force” />

    Config.xml ファイルの OptionState 要素では、インストール時に個々の製品の機能を処理する方法を指定できます。OptionState 要素の Id 属性の値は、インストールする製品の製品フォルダにある setup.xml ファイルにあります。たとえば、Microsoft Office Enterprise 2007 をインストールする場合のファイルは Enterprise.WW\setup.xml です。Office Enterprise 2007 でインストールされるアプリケーションの OptionState Id 値の詳細については、「Config.xml ファイルの OptionState Id 値」を参照してください。Config.xml ファイルの詳細については、「2007 Office system の Config.xml ファイル」を参照してください。

Config.xml ファイルで機能の状況を個別に構成する

2007 Office system の展開で複数のユーザー グループに対して機能の状況を個別に構成する必要がある場合は、Config.xml ファイルの OptionState 要素を使用して、機能の状況を指定できます。これを行うには、展開している Office 製品の Config.xml ファイルを次の例に示すようにカスタマイズします。このセクションの例は、Microsoft Office Professional Plus 2007 に対してのみ動作します。他の 2007 Office system 製品を使用する場合は、Configuration Product の値として、展開する製品の productID を指定します。たとえば、Office Enterprise 2007 製品の場合は、"Enterprise" を指定します。

ProductID 値は、ネットワーク インストール ポイントのコア製品フォルダ (コア製品フォルダ名**.WW** フォルダ。例 : Enterprise.WW) にある Setup.xml ファイルで指定されています。Setup.xml ファイル内では、[ProductID] は、Setup 要素の Id 属性の値と同じになります。たとえば、Office Enterprise 2007 の Setup.xml ファイルには、Setup Id="Enterprise" を含む以下の行があります。この場合は、EnterpriseProductID です。

- <Setup Id="Enterprise" Type="Product" ProductCode="{90120000-0030-0000-0000-0000000FF1CE}">

<Configuration Product="ProPlus">
<OptionState Id="ACCESSFiles"State="absent"Children="force" /> <!-- Access -->
<OptionState Id="EXCELFiles" State="local"Children="force" /> <!-- Excel -->
<OptionState Id="OUTLOOKFiles" State="local"Children="force" /> <!-- Outlook -->
<OptionState Id="PPTFiles"State="local"Children="force" /> <!-- PowerPoint -->
<OptionState Id="PubPrimary" State="absent"Children="force" /> <!-- Publisher -->
<OptionState Id="SHAREDFiles"State="local"Children="force" /> <!-- Office Shared Features -->
<OptionState Id="TOOLSFiles" State="local"Children="force" /> <!-- Office Tools -->
<OptionState Id="VisioPreviewerFiles" State="local"Children="force" /> <!-- Visio Viewer -->
<OptionState Id="WORDFiles"State="local"Children="force" /> <!-- Word -->
<OptionState Id="XDOCSFiles"State="absent"Children="force" /> <!-- InfoPath -->
</Configuration>

OCT を使用したメンテナンス

管理者は、OCT を実行して既存のインストールを変更できます。それには、Windows エクスプローラで、変更する既存の Office のインストール先に移動し、Setup.exe /admin を実行します。既存の MSP ファイルの更新または新しい MSP ファイルの作成を選択できます。作成または更新された MSP ファイルをカスタム ディレクトリに保存し、Windows インストーラ コマンド ラインを使用して、MSP 修正プログラムをインストールできます。

このセクションの内容 :

  • MSP カスタマイズ ファイルを展開するための準備をする

  • インストールされている製品を確認する

  • MSP カスタマイズ ファイルを変更する

  • OCT MSP カスタマイズ修正プログラムによって更新される 2007 Office system 製品を確認する

  • MSP カスタマイズ修正プログラムをインストールする

MSP カスタマイズ ファイルを展開するための準備をする

このセクションでは、各言語の展開、および MSP カスタマイズ ファイルを使用するときに考慮する必要がある MSP 修正プログラムのシーケンス番号のしくみに関する重要な問題について説明します。

追加の言語を展開する

カスタマイズの一部として追加の言語を展開する場合、まず、展開するすべての 2007 Office system 言語パックを、Office 製品ファイルが格納されているネットワーク インストール ポイント (例 : \\server\share\Office12) にコピーする必要があります。インストール ソースに含まれる製品の静的リストは、カスタマイズ修正プログラムの初期作成時にのみ作成されます。後で別の言語をインストール ソースに追加する場合、既存のカスタム修正プログラムは、この変更を反映するようには更新されません。したがって、言語を追加してインストール ソースを更新した場合は、ユーザーに対して展開するカスタマイズ MSP ファイルを再作成する必要もあります。再作成を行わないと、カスタマイズ MSP ファイルへの変更が追加した言語に適用されないため、予期しない動作が発生する可能性があります。特定の MSP 修正プログラムによって更新される製品については、「OCT MSP カスタマイズ修正プログラムによって更新される 2007 Office system 製品を確認する」を参照してください。

Updates フォルダを使用する

Updates フォルダは、2007 Office system の最初または新規のインストール時にのみ使用されます。Updates フォルダに含めることができるのは、最初のまたはベースラインとなる OCT MSP 修正プログラムで、OCT MSP 保守用修正プログラム、Service Pack、およびホットフィックスの .msp 形式のファイルのみです。最初のインストールの場合は、セットアップ カスタマイズ MSP ファイルを Updates フォルダに置く以外の方法として、セットアップの /adminfile コマンドライン オプションを使用して、セットアップ カスタマイズ MSP ファイルの場所への完全修飾パスを指定できます。たとえば、次のように入力します。

setup.exe /adminfile \\server\share\mychanges\custom.msp

最初のインストールでは、次の例に示すように Config.xml ファイルの SetupUpdates 要素を使用する方法があります。

<SetupUpdates CheckForSUpdates="Yes" SUpdateLocation= "<パス1>;<パス2>" />

それぞれの値の意味は以下のとおりです。

CheckForSUpdates="Yes" は、SUpdateLocation のパス リストを使用してセットアップ カスタマイズ ファイルを検索することを示しています。

SUpdateLocation には、セットアップ カスタマイズ ファイルが含まれたフォルダへの完全修飾パスをセミコロン区切りで指定します。

SetupUpdates 要素の詳細については、「2007 Office system の Config.xml ファイル」を参照してください。

MSP 修正プログラムのシーケンス番号のしくみについて理解する

OCT でカスタマイズ MSP ファイルを保存するたびに、そのカスタマイズ ファイルの修正プログラムのシーケンス番号が現在のコンピュータのタイム スタンプによって更新され、新しい修正プログラムのグローバル一意識別子 (GUID) が生成されます。OCT MSP ファイルは、ファイルのタイム スタンプに従って時間順に適用されます。

次に、シーケンス番号のしくみについて説明します。次のような OCT MSP 保守用修正プログラムを既に作成しているとします。

  1. Office Access 2007 を [インストールしない] に設定した、"uninstall-access.msp" という名前の OCT MSP。このファイルは事前に保存されるため、それ以降に作成した OCT 修正プログラムよりも、修正プログラムのシーケンス番号は若く、スタンプの日時は古いものとなります。この MSP ファイルには最初に番号が付けられ、Office Access 2007 の機能はユーザーのコンピュータで [インストールしない] に設定されます。

  2. Office Access 2007 を [マイ コンピュータからすべて実行] に設定した、"install-access.msp" という名前の OCT MSP。このファイルは最後に保存されるため、修正プログラムのシーケンス番号はより大きくなり、スタンプの日時はより新しいものとなります。この MSP ファイルには、最初の OCT MSP (uninstall-access.msp) よりも後に番号が付けられます。したがって、Office Access 2007 の機能はユーザーのコンピュータで [マイ コンピュータからすべて実行] に設定されます。

Office 2007 カスタマイズ修正プログラムから修正プログラムのシーケンス情報を取得する

カスタマイズ MSP ファイルのタイム スタンプは、SummaryInfo の修正プログラムのタイトルに含まれています。2007 Office system のカスタマイズ修正プログラムから修正プログラムのシーケンス情報を確認するために、このセクションで提供されるサンプル Microsoft Visual Basic スクリプト (.vbs) を使用して、タイム スタンプ情報を表示することができます。タイム スタンプは世界協定時刻 (UTC) で表示され、その形式は YYYY.MMDD.hhmm.sssss です。UTC の詳細については、MSDN Web サイトの「GetSystemTime」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=127840\&clcid=0x411) を参照してください。

スクリプトを実行するには、Microsoft Windows スクリプト ホスト (WSH) を使用します。これは、Windows スクリプト互換のスクリプト エンジン用の、言語に依存しないスクリプト ホストです。WSH を使用すると、Windows デスクトップとコマンド プロンプトの両方からスクリプトを実行できます。

  • Windows からスクリプトを実行できるように、WScript.exe には、スクリプトのプロパティを設定するための Windows ベースのダイアログ ボックスが用意されています。

  • コマンド プロンプトからスクリプトを実行できるように、CScript.exe には、スクリプトのプロパティを設定するためのコマンド ライン スイッチが用意されています。

WSH でも、スクリプトのドラッグ アンド ドロップがサポートされます。つまり、WSH スクリプトの上にファイルをドラッグできます。ドラッグしたファイルの名前が、コマンド ラインの引数に変換されます。WSH の詳細については、MSDN Web サイトの次のリソースを参照してください。

サンプル スクリプトを保存するには、メモ帳などのテキスト エディタを開き、以下のスクリプト コードをコピーしてファイルに貼り付けます。このスクリプト ファイルを OCTPatchSequenceInfo.vbs として保存します。コンピュータ上の任意の場所にスクリプトを保存できます。

' Utility to extract the patch sequence information from an Office 2007 customization patch 
' For use with Windows Scripting Host, CScript.exe or WScript.exe
' Copyright (c) 2008, Microsoft Corporation. All rights reserved.

Const PID_TITLE = 2
Const MSIOPENDATABASEMODE_READONLY = 0

Dim oMsi, SumInfo, sTitle

If Not wscript.arguments.count = 1 Then 
    Wscript.Echo "Office 2007 OCT Patch Sequence Number" & _
        vbNewLine & "You must supply the location of the Office 2007 customization patch " & _
        vbNewLine & _
        vbNewLine & "Copyright (C) 2008, Microsoft Corporation.  All rights reserved."
    Wscript.Quit 1
End If

Set oMsi = CreateObject("WindowsInstaller.Installer")
Set SumInfo = oMsi.SummaryInformation(wscript.arguments(0), MSIOPENDATABASEMODE_READONLY)
sTitle = SumInfo.Property(PID_TITLE)
wscript.echo Mid(sTitle,30,20)

OCTPatchSequenceInfo.vbs スクリプトを実行する

  1. Windows エクスプローラを使用して、OCTPatchSequenceInfo.vbs ファイルが格納されているフォルダを開きます。

  2. スクリプトを実行するには、目的の 2007 Office system OCT MSP 修正プログラムを、Windows エクスプローラ ウィンドウに表示されている OCTPatchSequenceInfo.vbs スクリプトにドラッグします。

    または

  3. [スタート] をクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックして、「cmd」と入力します。

  4. コマンド プロンプト ウィンドウに、次のように入力します。

    cscript <スクリプトのパス> \OCTPatchSequenceInfo.vbs <OCT MSP のパスおよびファイル名>

    または

    wscript <スクリプトのパス> \OCTPatchSequenceInfo.vbs <OCT MSP のパスおよびファイル名>

    Cscript を使用してスクリプトを実行した場合、出力はコマンド プロンプト ウィンドウに表示されます。Wscript を使用してスクリプトを実行した場合、出力を含むメッセージ ボックスが表示されます。

インストールされている製品を確認する

インストールされている Office 製品のオプションを変更する前に、Windows Vista コンピュータにどの 2007 Office system 製品がインストールされているのかを確認します。それには、[コントロール パネル] の [プログラムと機能] を開きます。Windows XP の場合は、[コントロール パネル] の [プログラムの追加と削除] を開きます。その後、OCT を実行して既存の Office インストールを変更するときに、[Microsoft Office 製品を選択してください。] ダイアログ ボックスに表示されている製品の一覧から、クライアント コンピュータにインストールされている製品と同じ Office 製品を必ず選択します。

たとえば、クライアント コンピュータに Office Enterprise 2007 製品がインストールされていて、Microsoft Office Outlook 2007 プロファイルの設定に対する構成の変更を行う必要があると仮定します。OCT を実行して MSP カスタマイズ ファイルを変更する場合は、[Microsoft Office 製品を選択してください。] ダイアログ ボックスの一覧から Office Enterprise 2007 製品 (インストールされている Office 製品) を選択し、その後で構成を変更します。クライアント コンピュータにインストールされている製品と同じ製品を選択しないと、更新された MSP 修正プログラムがインストールされず、以下のようなエラー メッセージが表示されることがあります。

"Windows インストーラ サービスでアップグレード修正プログラムをインストールできません。アップグレードするプログラムがないか、またはアップグレード修正プログラムでアップグレードするプログラムのバージョンが違う可能性があります。アップグレードするプログラムがこのコンピュータにあり、アップグレード修正プログラムが正しいかどうかを確認してください。"

MSP カスタマイズ ファイルを変更する

Microsoft Office Professional 2007 が既にインストールされている場合に、既存の MSP ファイルを変更する方法を次に示します。

MSP ファイルを変更する

  1. ネットワーク インストール ポイントのルートから、次のコマンド ラインを実行して Office カスタマイズ ツールを起動します。\\server\share\setup.exe /admin

  2. [製品の選択] ダイアログ ボックスで、[既存のセットアップ カスタマイズ ファイルを開く] をクリックし、次に [OK] をクリックします。または、[次の製品の新しいセットアップ カスタマイズ ファイルを作成する] をクリックして、新しい OCT 保守用修正プログラムを最初から作成します。

  3. [ファイルを開く] ダイアログ ボックスで、変更する MSP カスタマイズ ファイルを選択し、次に [開く] をクリックします。

  4. OCT の左側のウィンドウでカスタマイズの項目を選択し、右側のウィンドウで使用可能なオプションを構成します。たとえば、インストールから Office Access 2007 を削除するには、左側のウィンドウで [機能のインストール状況の設定] をクリックします。右側のウィンドウで [Microsoft Office] を展開し、[Microsoft Office Access] のインストール オプションを [インストールしない] に変更します。

  5. カスタマイズが終了したら、[ファイル] メニューの [名前を付けて保存] をクリックします。

  6. ファイル名拡張子 .msp を付けて一意のファイル名を指定してから、[保存] をクリックします。

    MSP ファイルをカスタム フォルダに保存することができます。たとえば、\\server\share\Office_2007\Professional\Patches 内のフォルダに NoAccesss.msp という名前で保存できます。

OCT の詳細については、「2007 Office system の Office カスタマイズ ツール」を参照してください。

OCT MSP カスタマイズ修正プログラムによって更新される 2007 Office system 製品を確認する

OCT で行ったカスタマイズは、XML (拡張マークアップ言語) 形式のセットアップ カスタマイズ ファイル (MSP ファイル) に保存されます。このセクションでは、管理者が特定の OCT MSP カスタマイズ修正プログラムによって更新される製品を確認するために使用できるサンプル Microsoft Visual Basic スクリプト (.vbs) を示しています。

.vbs スクリプトを実行するには、Windows デスクトップから WScript.exe を使用するか、コマンド プロンプトで CScript.exe を実行するか、OCT MSP 修正プログラムを .vbs スクリプトにドラッグすることで、Windows Script Host (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=100317\&clcid=0x411) を使用します。

サンプル スクリプトを保存するには、メモ帳などのテキスト エディタを開き、以下のスクリプト コードをコピーしてファイルに貼り付けます。このスクリプト ファイルを OctPatchTargets.vbs として保存します。コンピュータ上の任意の場所にスクリプトを保存できます。

' Utility to extract the patch target information from an Office 2007 customization patch 
' For use with Windows Scripting Host, CScript.exe or WScript.exe
' Copyright (c) Microsoft Corporation. All rights reserved.
'
Dim oMsi, oMsp, View, Record
Dim arrMspTargets, sTarget, sMetadata, sOutput
Dim iStart

Const MSIOPENDATABASEMODE_PATCHFILE = 32
Const PID_TEMPLATE                  =  7
Const MSIREADSTREAMBYTES            =  1
Const OFFSET                        = 13

If Not wscript.arguments.count = 1 Then 
    Wscript.Echo "Office 2007 OCT Patch Targets utility" & _
        vbNewLine & " You must supply the location of the Office 2007 customization patch " & _
        vbNewLine & _
        vbNewLine & "Copyright (C) Microsoft Corporation.  All rights reserved."
    Wscript.Quit 1
End If

Set oMsi = CreateObject("WindowsInstaller.Installer")

On Error Resume Next
Set oMsp = oMsi.OpenDatabase(WScript.Arguments(0),MSIOPENDATABASEMODE_PATCHFILE)
Set View = oMsp.OpenView("SELECT * FROM _Streams WHERE `Name`='metadata' ")
If Not Err = 0 Then
    Wscript.Echo "Failed to read from OCT .msp file: " & WScript.Arguments(0)
    Wscript.Quit 1
End If
On Error Goto 0
View.Execute
Set Record = View.Fetch
If Not Record Is Nothing Then sMetadata = Record.ReadStream(2, Record.DataSize(2), MSIREADSTREAMBYTES)

arrMspTargets = Split(oMsp.SummaryInformation.Property(PID_TEMPLATE),";")
For Each sTarget in arrMspTargets
    iStart = 0 : iStart = InStr(sMetadata,"<Property id="&chr(34)&"ProductCode"&chr(34)&" value="&chr(34)&sTarget)
    iStart = InStrRev(sMetadata,"<Package id=",iStart) + OFFSET
    iEnd = 0 : iEnd = InStr(iStart,sMetadata,chr(34))
    sOutput = sOutput & sTarget & vbTab & Mid(sMetadata,iStart,iEnd-iStart) & vbCrLf
Next

WScript.Echo sOutput

OctPatchTargets.vbs スクリプトを実行する

  1. Windows エクスプローラを使用して、OctPatchTargets.vbs ファイルが格納されているフォルダを開きます。

  2. スクリプトを実行するには、目的の 2007 Office system OCT MSP 修正プログラムを、Windows エクスプローラ ウィンドウに表示されている OctPatchTargets.vbs スクリプトにドラッグします。

    または

  3. [スタート] をクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックして、「cmd」と入力します。

  4. コマンド プロンプト ウィンドウに、次のように入力します。

    cscript <スクリプトのパス>\ OctPatchTargets.vbs <OCT MSP のパスおよびファイル名>

    または

    wscript <スクリプトのパス>\ OctPatchTargets.vbs <OCT MSP のパスおよびファイル名>

    Cscript を使用してスクリプトを実行した場合、出力はコマンド プロンプト ウィンドウに表示されます。Wscript を使用してスクリプトを実行した場合、出力を含むメッセージ ボックスが表示されます。

MSP カスタマイズ修正プログラムをインストールする

OCT で作成したセットアップ カスタマイズ ファイルは、ソフトウェア更新プログラムと同じようにユーザーのコンピュータに適用できる Windows インストーラ修正プログラム パッケージ (MSP ファイル) です。Office インストールは、MSP ファイルで指定したカスタマイズに基づいて変更されます。

セットアップ カスタマイズ ファイルを適用するには、MSP ファイルをダブルクリックするか、次の例に示すように Msiexec.exe/p コマンド ライン オプションを付けて実行します。

msiexec.exe /p \\server\share\custom.msp

セットアップのコマンド ライン オプションを使用したメンテナンス

管理者は次のどちらかの操作を実行することで、セットアップをメンテナンス モード (MMode) で実行できます。

  • 元のインストール ソースから Setup.exe を実行する。

  • 次の例のようにセットアップ用のファイルがすべてインストールされているルート フォルダから Setup.exe を実行する。

    "%commonprogramfiles%\Microsoft Shared\Office12\Office Setup Controller"

このセクションの内容 :

  • Setup.exe をメンテナンス モードで実行する

  • 既存のインストールを変更する

  • 既存のインストールを修復する

  • 製品をアンインストールする

Setup.exe をメンテナンス モードで実行する

元のインストール ソースから Setup.exe を実行できます。セットアップの対象は、1 つの製品、複数言語の製品、または複数の製品の場合があります。セットアップのユーザー インターフェイスが表示される前に、共有フォルダに複数の製品があるかどうかが検索されます。複数の製品が検出された場合は、[Microsoft Office 製品を選択してください。] ダイアログ ボックスが表示され、そこから製品を選択できます。

セットアップを実行するには、元のインストール ソースへのパスを指定する、次のコマンドを使用します。\\server\share\Office12\setup.exe

次のメンテナンス オプションが利用できます。

  • [機能の追加と削除]。このオプションを選択すると、[言語] タブと [インストール オプション] タブのあるウィンドウが表示され、オプションの状況と既定の言語 (2 つ以上の言語がインストールされている場合) を変更できます。[言語] タブでは、インストールされている言語のチェック ボックスがすべてオンになています。また、インストールされていないが、その製品で使用できるすべての言語はチェック ボックスがオフになっています。必要に応じて変更し、[続行] をクリックして、インストールの変更を確定します。

  • [修復]。このオプションを選択すると、製品の再インストールを開始し、ローカル インストール ソース (LIS) の検証と、必要に応じて修復を行います。進行状況バーと完了通知のみが表示されます。

  • [削除]。このオプションを選択すると、製品の削除を確認するダイアログ ボックスが表示されます。[はい] を選択すると、製品全体と関連するすべての言語パックが削除されます。

Setup.exe のコマンド ライン オプションを使用して、次のメンテナンス タスクを実行できます。

  • 既存のインストールを変更する

  • 既存のインストールを修復する

  • 製品をアンインストールする

既存のインストールを変更する

Setup.exe をメンテナンス モードで実行して既存の Office インストールを変更するには、/modify コマンド ライン オプションを使用します。構文は次のようになります。

/modify [ProductID]

値の意味は以下のとおりです。

[ProductID] は変更する製品の値です。前に説明したように、ProductID 値は、ネットワーク インストール ポイントのコア製品フォルダ (コア製品フォルダ名**.WW** フォルダ。例 : Enterprise.WW) にある Setup.xml ファイルにあります。Setup.xml ファイルでは、[ProductID] が Setup 要素の Id 属性の値と同じになります。

次の例には、/modify コマンドを使用してインストールを変更する方法を示しています。Office12 は、ネットワーク インストール ポイントのルートです。

\\ server\share \Office12\setup.exe /modify Enterprise

既存のインストールを修復する

Setup.exe を実行してインストールされている Office 製品を修復するには、/repair コマンド ライン オプションを使用します。構文は次のようになります。

/repair [ProductID]

値の意味は以下のとおりです。

[ProductID] は、変更する製品の値です。製品に対する Setup.xml ファイルで [ProductID] の値を検索します。

次の例は、/repair コマンドを使用して Office Enterprise 2007 インストールを修復する方法を示しています。Office12 は、ネットワーク インストール ポイントのルートです。

\\ server\share \Office12\setup.exe /repair Enterprise

企業展開では、ユーザーに情報の入力を求めず、ファイルの使用中も含め、ユーザーの操作を待つことで修復プロセスやアンインストール プロセスが中断しないように、サイレント修復操作およびサイレント アンインストール操作を実行することをお勧めします。

ユーザーによる操作を必要としない、2007 Office system 製品のサイレント修復を構成するには、以下の手順に示すように、その製品の Config.xml ファイルを変更し、Display 要素の Level 属性を "none" (Display Level="none") に設定した後、Config.xml ファイルを SilentRepairConfig.xml として保存します。

Config.xml のサイレント インストール オプションを指定する

  1. メモ帳などのテキスト エディタ ツールを使用して、修復する製品の Config.xml ファイルを開きます。

  2. 次の例に示すような、Display 要素を含む行を探します。

    <!-- <Display Level="full" CompletionNotice="yes" SuppressModal="no" AcceptEula="no" /> -->

  3. 目的のサイレント オプションを使用するように Display 要素のエントリを変更します。たとえば、構文は次のようになります。

    <Display Level="none" CompletionNotice="no" SuppressModal="yes" AcceptEula="yes" />

  4. Config.xml ファイルを SilentRepairConfig.xml として保存します。

たとえば、Config.xml ファイルを変更してサイレント オプションを指定した後に Microsoft Office Professional Plus 2007 を修復するには、次のコマンドを使用します。\\server\share\Office12\ProPlus は Office Professional Plus 2007 ソース ファイルへのパスで、<pathtoSilentRepairConfig.xml> は Office Professional Plus の変更した Config.xml ファイルの場所です。

\\server\share\Office12\ProPlus \setup.exe /repair ProPlus /config <pathtoSilentRepairConfig.xml>\SilentRepairConfig.xml

製品をアンインストールする

Setup.exe を実行して特定の Office 製品をユーザーのコンピュータから削除するには、/uninstall コマンド ライン オプションを使用します。構文は次のようになります。

/uninstall [ProductID]

値の意味は以下のとおりです。

[ProductID] は、変更する製品の値です。製品に対する Setup.xml ファイルで [ProductID] の値を検索します。

次の例には、/uninstall コマンドを使用して Office Enterprise 2007 インストールを削除する方法を示しています。Office12 は、ネットワーク インストール ポイントのルートです。

\\ server\share \Office12\setup.exe /uninstall Enterprise

企業展開では、上で説明したように、サイレント アンインストールを実行することをお勧めします。ユーザーによる操作を必要としない、2007 Office system 製品のサイレント アンインストールを実行するには、アンインストールする製品の Config.xml ファイルを変更し、Display 要素の Level 属性を "none" (Display Level="none") に設定した後、Config.xml ファイルを UninstallConfig.xml として保存します。

たとえば、Config.xml ファイルを変更してサイレント オプションを指定した後に Microsoft Office Visio Professional 2007 をアンインストールするには、次のコマンドを使用します。\\server\share\Office12\VisPro は Visio Professional ソース ファイルへのパスで、<pathtoUninstallConfig.xml> は Visio Professional の変更した Config.xml ファイルの場所です。

\\server\share\Office12\VisPro \setup.exe /uninstall VisPro /config <pathtoUninstallconfig.xml>\UninstallConfig.xml

Setup.exe コマンドの詳細については、「2007 Office system のセットアップのコマンド ライン オプション」を参照してください。