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Exchange 2007 トランスポートからのアップグレード

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2015-03-09

Microsoft Exchange Server 2007 を Exchange Server 2010 にアップグレードする場合、運用環境で両方のバージョンが共存する期間が生じます。 Exchange 2007 から Exchange 2010 へのアップグレード パスを計画する場合は、このトピックの情報を参照してください。このトピックには、概要、共存環境でのメッセージ フローに関する技術情報、および混合バージョン環境で操作を行う際の考慮事項が含まれています。

重要

Exchange 2010 を新しい組織として展開すると、Exchange 2007 を後で Exchange 2010 組織にインストールできなくなります。 そのようなシナリオはサポートされていません。 将来的に組織で Exchange 2007 機能が必要になると予想される場合は、最初に Exchange 2007 組織をインストールし、少なくとも 1 つの Exchange 2007 サーバーを保持する必要があります。

Exchange 2010 と Exchange 2007 の共存シナリオで最も重要な点は、各メールボックス サーバーが同じ Active Directory サイト内の Exchange バージョンと一致するハブ トランスポート サーバーを必要とすることです。 Exchange 2010 内の Exchange サーバー オブジェクト (XSO) モデルに加えられた変更により、Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーは、Exchange 2007 メールボックス サーバーとメッセージを送受信することができません。 同様に、Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーも、Exchange 2010 メールボックス サーバーと通信することはできません。 そのため、すべての Exchange 2007 メールボックス サーバーがサイトから削除されるまで、Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーを特定の Active Directory サイトに保持する必要があります。 共存環境におけるメッセージのルーティング方法の詳細については、後述する「バージョン間のメッセージ ルーティング」を参照してください。

注意

Exchange 2010 でのインプレース アップグレードはサポートされていません。 新しい Exchange 2010 サーバーを環境にインストールして、Exchange 2007 サーバーの使用を段階的に停止します。 このドキュメントでは、アップグレードという語は通常、特定のサーバーではなく、ご使用の Exchange 展開のバージョンのアップグレードを指します。

目次

トランスポート サーバーのアップグレード パス

バージョン間のメッセージ ルーティング

EdgeSync の相違点

共存シナリオでのトランスポート ルールとジャーナル

混在環境での DSN 設定の維持

バージョン間のメッセージの追跡

共存のシナリオでの Exchange 2010 トランスポート機能

トランスポート サーバーのアップグレード パス

Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーおよびエッジ トランスポート サーバーのアップグレードは、全体的なアップグレード戦略の一部に含めることが必要です。 順序としては、クライアント アクセス サーバーの後、ユニファイド メッセージング サーバーとメールボックス サーバーの前に、トランスポート サーバーをアップグレードすることをお勧めします。 エッジ トランスポート サーバーは、ハブ トランスポート サーバーのアップグレード後にアップグレードする必要があります。 アップグレードの計画については、「Exchange 2007 - アップグレードと共存のロードマップ計画」(英語) を参照してください。

Exchange 2010 ハブ トランスポートまたはエッジ トランスポート サーバーを導入する前に、そのサイト内の Exchange 2007 サーバーすべてが Exchange 2007 Service Pack 3 (SP3) にアップグレードされていることを確認してください。 Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーと Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーが 1 つの Active Directory サイト内で共存するには、Exchange 2007 SP3 が必要です。 Microsoft Exchange EdgeSync サービスが異なるバージョン間で機能するには、Exchange 2007 SP3 も必要です。

複数のサイトで Exchange 2007 が展開されている場合は、インターネットに直接接続されているサイトを最初にアップグレードする必要があります。 残りのサイトのアップグレードの順序は、特定のトポロジと組織の優先度によって異なります。

次のプロセスは、インターネットに直接接続されたサイトのトランスポート サーバーで推奨されるアップグレード パスを示します。 (エッジ トランスポート サーバーと EdgeSync を使用していることが前提です。 サードパーティ製のスマート ホストを使用している場合は、手順 2 ~ 6 を省略できます。) アップグレード プロセスは以下のとおりです。

  1. サイトに最初の Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーを導入します。 サイトに Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーを導入すると、直ちにインターネットへメッセージを配信するために Exchange 2007 エッジ トランスポート サーバーの使用を開始します。 EdgeSync 同期化プロセスは、引き続き Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーによって処理されます。

    既存の Exchange 2007 サイトへの Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーの導入

    トランスポート サーバーの更新 ステップ 1

  2. Exchange 2007 エッジ トランスポート サーバーを再びサイトにサブスクライブします。 これにより、Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーは送信元サーバーとして、エッジ サブスクリプションに追加されます。 Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーは、EdgeSync の送信元サーバーの選択において、Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーより優先されます。 そのため、次の図に示すように、Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーがエッジ同期を引き継ぎます。 ただし、エッジ トランスポート サーバーは引き続き Exchange 2007 SP3 を実行しているため、Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーは完全な EdgeSync データをレプリケートします。

    注意

    複数の Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーを Active Directory サイトに追加する場合は、エッジ トランスポート サーバーをサブスクライブする前に、すべての新しいハブ トランスポート サーバーを展開すると、時間を節約できます。

    Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバー導入後の、Exchange 2007 エッジ トランスポート サーバーのサブスクライブ

    トランスポート サーバーの更新 ステップ 2

  3. 最初の Exchange 2010 エッジ トランスポート サーバーを境界ネットワークに導入します。

  4. Exchange 2010 エッジ トランスポート サーバーをサイトにサブスクライブします。 この時点で、Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーは、次の図に示すように、Exchange 2010 エッジ トランスポート サーバーへの増分更新を開始します。

    Exchange 2010 エッジ トランスポート サーバーのサブスクライブ

    トランスポート サーバーの更新 ステップ 4

  5. Exchange 2007 エッジ サブスクリプションを削除します。

  6. Exchange 2007 エッジ トランスポート サーバーを、次の図に示すように停止します。

    Exchange 2007 エッジ トランスポート サーバーの削除

    トランスポート サーバーの更新 ステップ 6

  7. すべてのメールボックスを Exchange 2010 メールボックス サーバー上に置いたら、Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーを停止します。

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バージョン間のメッセージ ルーティング

Exchange 2010 内の Exchange サーバー オブジェクト (XSO) モデルでの変更により、Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーは、Exchange 2007 メールボックス サーバーとメッセージを送受信することができません。 同様に、Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーも、Exchange 2010 メールボックス サーバーと通信することはできません。 その結果、Exchange 2010 と Exchange 2007 を同じ Active Directory サイトに置くには、次の図に示すように、そのサイトで両方のバージョンのハブ トランスポート サーバーを保持する必要があります。 サイト B のサーバーのバージョンが図には表示されていないのは、サイト間 SMTP トラフィックの処理は、Exchange 2007 の場合と同じであるためです。 ハブ トランスポート サーバーは配信のため、リモート サイトのハブ トランスポート サーバーにメッセージを中継します。

Exchange 2010 と Exchange 2007 の間のメッセージ フロー

バージョン化されたルーティングのメッセージ フロー

バージョン間のメッセージ フローを有効にするために、バージョン付きルーティングという機能が Exchange 2010 に実装されています。 ルーティング エンジンはバージョン付きルーティングを使用して、メールボックスのホーム サーバーのバージョンとその Active Directory サイトをチェックします。 バージョンが一致しない場合は、次の図のバージョン付きルーティングのワークフローで示すように、メッセージは、一致するバージョンを持つハブ トランスポート サーバーに中継されます。 ルーティングは Active Directory サイトおよび Exchange バージョンの両方に依存するようになっています。

バージョン付きルーティングのワークフロー

バージョン付きルーティングのワークフロー

Exchange 2010 メールボックス ユーザーがメッセージを同じサイト内の Exchange 2007 メールボックス ユーザーに送信すると、次の処理が行われます。

  1. Exchange 2010 メールボックス サーバーは、Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーに新しいメールがあることを通知します。

  2. Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーはメッセージを受信します。

  3. ルーティング エージェントは、配信先メールボックスのホーム サーバーであるメールボックス サーバーのバージョンが、自身のバージョンと一致しないと判断します。

  4. ルーティング エージェントは、ローカル サイトにある Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーを特定します。

  5. Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーは、Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーにメッセージを中継します。

  6. Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバー上のルーティング エージェントは、ターゲット メールボックスがローカル サイトの Exchange 2007 メールボックス サーバー上にあると判断します。

  7. Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーは、Exchange 2007 メールボックス サーバーにメッセージを配信します。

Exchange 2007 メールボックス ユーザーから Exchange 2010 の受信者に送信されたメッセージも、同様のパスをたどります。

Exchange 2007 の SP2 でバージョンによるルーティングが追加されました。 Exchange 2010 と Exchange 2007 の両方を同じ Active Directory サイト内に共存させるには、まず、既存の Exchange 2007 サーバーを SP3 にアップグレードする必要があります。 Exchange 2010 および Exchange 2007 SP3 が同じ Active Directory サイト内にある場合、各ハブ トランスポート サーバーは、一致するバージョンのメールボックス サーバーのメッセージを処理します。 バージョン付きルーティングによって、サイト内のメッセージのルーティング方法が変更されることはありません。

Exchange 2010 と Exchange 2007 が同じサイト内にある場合は、次の点を考慮してください。

  • 互換性のないハブ トランスポート サーバーを、メールボックス サーバーの発信サーバー上書きとして指定することはできません。

  • 特定のメールボックス サーバーで、一致するバージョンのハブ トランスポート サーバーがローカル サイトにない場合、そのメールボックス サーバーのユーザーによって送信されたメッセージはすべて、メールボックス サーバー上に残ります。

  • 特定のメールボックス サーバーで、一致するバージョンのハブ トランスポート サーバーがローカル サイトにない場合、そのメールボックス サーバーのユーザーに送信されたメッセージについて、配信不能レポート (NDR) が発行されます。

  • メールが有効なパブリック フォルダーに送信されたメッセージは、メールボックスに送信されたメッセージと同じ方法で処理されます。

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EdgeSync の相違点

Exchange 2010 では、エッジ同期処理が強化されています。 Exchange 2007 では、EdgeSync はすべての構成と受信者情報全体をレプリケートしていました。特に多数の受信者が存在する組織では、この作業は長時間を要しました。Exchange 2010 では、EdgeSync の増分更新が導入されています。 Exchange 2010 エッジ トランスポート サーバーを初めてサイトにサブスクライブすると、すべての構成情報と受信者データが同期されます。 後で行われるすべての更新では、変更だけがレプリケートされます。 したがって、同期時間とネットワーク使用率が大幅に削減されます。

Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーは、Exchange 2010 エッジ トランスポート サーバーとの EdgeSync に参加できますが、増分更新は、Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーと Exchange 2010 エッジ トランスポート サーバー間でのみ使用できます。 既定では、Exchange 2010 エッジ トランスポート サーバーを、Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーのある Active Directory サイトにサブスクライブすると、Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーによって EdgeSync 処理が引き継がれます。 Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーで Microsoft Exchange EdgeSync サービスを無効にすることにより、Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーにフォールバックできます。 ただし、そのように設定した場合、増分更新は行われず、再び EdgeSync 更新ごとにすべてのデータがレプリケートされます。

EdgeSync の詳細については、「エッジ サブスクリプションについて」(英語) を参照してください。

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共存シナリオでのトランスポート ルールとジャーナル

Exchange 2007 組織でトランスポート ルールまたはジャーナルを既に使用している場合は、どちらのハブ トランスポート サーバーが特定のメッセージを処理していても、共存期間中もこれらの機能が引き続き機能するようにします。

Exchange 2010 のトランスポート ルールとジャーナル ルールには次に示すように、重要な変更が行われており、混在環境でこれらの機能を管理する際に影響が及びます。

  • 形式の変更   Exchange 2010 トランスポート ルールでは、一連の新しい述語とアクションがサポートされます。 これらの新しい述語とアクションをサポートするため、Active Directory でトランスポート ルールを格納するための形式が変更されました。 Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーは、これらの新しい述語とアクションを処理できません。 Exchange 2010 で使用可能な述語と操作の完全な一覧については、「トランスポート ルールの述語」(英語) および「トランスポート ルールのアクション」を参照してください。

  • Active Directory 内の保存場所   Exchange 2007 トランスポート ルール エージェントが Exchange 2010 で作成されたルールを読み込んで処理しないようにするため、Exchange 2010 ルールは独立した Active Directory コンテナーに格納されます。 ジャーナル ルールについても同様です。

Exchange 2010 への既存の構成のコピー

Exchange 2010 のインストール中、セットアップ プログラムが Exchange 2007 トランスポート ルールの存在を検出すると、これら従来のルールは一時的な場所に自動的にエクスポートされ、その後に Active Directory 内の Exchange 2010 トランスポート ルール コンテナーにインポートされます。 この処理は、ユーザーが操作しなくても自動的に実行されます。

注意

既存の Exchange 2010 トランスポート ルールが存在する場合、移行によりすべての既存 Exchange 2010 トランスポート ルールが上書きされるため、Exchange 2007 ルールは移行されません。

同様に、すべての Exchange 2007 ジャーナル ルールがセットアップ中に変換されて、Exchange 2010 ジャーナル ルールにコピーされます。 詳細については、「Exchange 2007 のジャーナル ルールをエクスポートおよびインポートする」(英語) を参照してください。

混在環境でのトランスポート ルールとジャーナルの保持

Exchange 2010 へのルールの自動インポートは、初期セットアップ時にのみ実行されます。 初期セットアップ中、Exchange 2010 と Exchange 2007 のトランスポート ルールとジャーナル ルールのセットが同期されます。 将来的に既存のルールに変更を加えるか、ルールを作成した場合、そのルールは、使用する管理ツールに基づいて 1 つの場所で変更されます。 たとえば Exchange 2010 で、Exchange 管理シェルを使用してルールを作成すると、Active Directory 内の Exchange 2010 ルール コンテナーのみが更新されます。 同様に、Exchange 2007 サーバーで Exchange 管理コンソール (EMC) を使用して既存のルールを変更すると、そのルールの Exchange 2007 バージョンのみが変更されます。

トランスポート ルールとジャーナル ルールの一貫性をバージョン間で確実に維持するには、変更を 2 回行う必要があります。1 回は Exchange 2010 管理ツールで、もう 1 回は Exchange 2007 管理ツールで行います。

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混在環境での DSN 設定の維持

Exchange 2010 では、内部および外部の DSN 設定は、Exchange 組織全体で構成されます。 Exchange 2007 では、これらの設定はサーバー単位で構成されます。 そのため、これらの設定は Active Directory 内の別の構成オブジェクトに保存され、トランスポート ルールとまったく同じように、共存シナリオでは個別に管理する必要があります。

Exchange 2010 では、具体的には次の設定が Set-TransportServer コマンドレットから Set-TransportConfig コマンドレットに移動しました。

  • ExternalDelayDsnEnabled

  • ExternalDsnDefaultLanguage

  • ExternalDsnLanguageDetectionEnabled

  • ExternalDsnMaxMessageAttachSize

  • ExternalDsnReportingAuthority

  • ExternalDsnSendHtml

  • ExternalPostmasterAddress

  • InternalDelayDsnEnabled

  • InternalDsnDefaultLanguage

  • InternalDsnLanguageDetectionEnabled

  • InternalDsnMaxMessageAttachSize

  • InternalDsnReportingAuthority

  • InternalDsnSendHtml

これらの設定のいずれかを組織で変更する必要がある場合は、Exchange 2010 シェルの Set-TransportConfig コマンドレットを使用して組織に対して変更を行い、Exchange 2007 シェルの Set-TransportServer コマンドレットを使用して組織内の各 Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーにも変更を行います。

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バージョン間のメッセージの追跡

Exchange 2010 では、メッセージの追跡機能が強化されています。 エンド ユーザーと管理者は、Exchange コントロール パネルの配信レポートを使用して、送信したメッセージを追跡できるようになりました。

配信レポートにより、1 つの場所からのエンド ツー エンドのメッセージ追跡が可能となり、メッセージがいつ開封済みとしてマークされたかなど、詳細な配信情報を得ることができます。 Exchange 2010 では、配信レポートをサポートするために、メッセージを追跡する新しいリモート プロシージャ コール (RPC) と Web サービス インターフェイスが実装されました。 このインターフェイスは Exchange 2007 には実装されていないので、共存シナリオでは、配信レポート機能は Exchange 2007 インフラストラクチャー拡張されません。 ただし、Exchange 2007 でメッセージ追跡ツールを使用して、異なるバージョン間のメッセージを追跡することは可能です。

次の表に、混在環境でメッセージを追跡する場合に実行する手順を示します。

混在環境でのメッセージの追跡

送信元 送信先 追跡ツール

Exchange 2010 メールボックス

Exchange 2010 メールボックス

Exchange のコントロール パネルの配信レポート ツールを使用します。

Exchange 2010 メールボックス

Exchange 2007 メールボックス

Exchange のコントロール パネルの配信レポート ツールを使用します。 このツールにより、メッセージが Exchange 2007 サーバーに転送された時点のメッセージ追跡情報が提供されます。 そのメッセージについて、それ以上の追跡情報を得ることはできません。

または、Exchange 2010 の追跡ログ エクスプローラーまたは Exchange 2007 のメッセージ追跡を使用できます。

Exchange 2007 メールボックス

Exchange 2007 または Exchange 2010 メールボックス

Exchange 2010 の追跡ログ エクスプローラーまたは Exchange 2007 のメッセージ追跡を使用します。

Exchange 2010 のメッセージ追跡の詳細については、「メッセージ追跡について」(英語) を参照してください。

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共存のシナリオでの Exchange 2010 トランスポート機能

Exchange 2010 の新しいトランスポート機能の大部分は、Exchange 2010 環境のみで機能します。 新しい機能をいつ使用し始めるかは、組織のニーズによって異なります。 アップグレードが完了するまで待つことも、Exchange 2010 を環境に導入してすぐに使用することもできます。 混在環境で、新しい機能をいつ使用するかを決めるときには、次の点を考慮してください。

モデレート受信者

Exchange 2010 では、モデレート受信者が導入されているので、特定の受信者に送信されたメッセージを承認プロセスの対象にすることができます。 モデレート受信者を共存シナリオで使用する場合は、次の問題を認識する必要があります。問題は受信者の種類によって異なります。

  • メールボックス  Exchange 2010 メールボックス サーバー上のメールボックスのみで、モデレートを有効にできます。 メールボックスのモデレートを有効にしたら、メールボックスが Exchange 2007 メールボックス サーバーに戻らないようにする必要があります。

  • 配布グループと動的配布グループ   モデレート配布グループへのメッセージは、その配布グループが Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーで展開されている場合にのみ、承認プロセスにかけられます。 配布グループはどのサーバーにも展開できるので、すべてのハブ トランスポート サーバーを Exchange 2010 にアップグレードしてから、モデレート配布グループを使用することをお勧めします。

  • メール連絡先とメール ユーザー   ハブ トランスポート サーバーは、メール ユーザーまたはメール連絡先ごとに指定された外部電子メール アドレスに基づいてメッセージをルーティングします。 これらの種類の受信者のメッセージは、Exchange 2010 ハブ トランスポート サーバーを強制的に経由させることができないので、混在環境では、これらの種類の受信者のモデレートを無効にします。

受信者のモデレートを有効にする場合は、指定されたモデレーターは必ず、承認依頼の "承認" と "拒否" を表示できるクライアントを使用してください。 すべてのモデレーターが Microsoft OfficeOutlook 2010 または Exchange 2010 の Outlook Web App を使用することを推奨します。 これらのクライアントには、モデレーターがメッセージの処理方法を決定できるビルトイン ユーザー インターフェイスがあります。

注意

モデレーターが Outlook 2007 または Outlook 2003 を使用している場合、モデレーターが受信するメッセージに投票ボタンとしてモデレート依頼が表示されます。 モデレーターは、投票ボタンを使用してメッセージをモデレートできます。 ただし、ユーザーのエクスペリエンスを最善にするためには、ユーザーのクライアントを Outlook 2010 以降にアップグレードすることを検討してください。

モデレート受信者の詳細については、「モデレートされたトランスポートについて」を参照してください。

シャドウ冗長

Exchange 2010 では、シャドウ冗長が導入されており、メッセージが送信される期間中、メッセージに冗長性を提供します。 このソリューションでは、トランスポート収集と同様の手法が使用されています。 シャドウ冗長を使用することで、トランスポート サーバーがメッセージのすべてのネクスト ホップの配信が完了したことを確認するまで、トランスポート データベースのメッセージの削除は遅延されます。 ネクスト ホップのいずれかに失敗して、配信が正常に行われたことを示すレポートが届かなかった場合は、そのネクスト ホップに配信されるようにメッセージが再送信されます。

シャドウ冗長は既定では Exchange 2010 で有効になっており、Exchange 2010 サーバー間で転送されている間にだけ、メッセージを冗長化します。 メッセージが Exchange 2007 サーバーに転送された後は、冗長性は失われます。 したがって、Exchange 2010 サーバーから発信されたメッセージの冗長性を送信完了まで維持するには、メッセージが Exchange 2007 サーバーに転送されないようにします。 たとえば、Exchange 2007 サーバーのあるハブ サイトを使用している場合は、2 つのスポークの両方に Exchange 2010 サーバーがあっても、これらのスポーク間のメッセージは冗長化されません。

シャドウ冗長の詳細については、「シャドウ冗長について」を参照してください。

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