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トランスポート ルールの述語

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2015-03-09

MicrosoftExchange Server 2010 では、トランスポート ルールでの条件と例外の作成に述語が使用されます。トランスポート ルールは、ハブ トランスポート サーバーおよびエッジ トランスポート サーバーでルーティングされる電子メール メッセージに適用できます。述語によって、両方のトランスポート サーバーの役割に対して有効なものと、一方のトランスポート サーバーの役割にしか有効でないものがあります。

目次

述語および述語プロパティ

ハブ トランスポート サーバーで使用可能な述語

エッジ トランスポート サーバーで使用可能な述語

述語プロパティ

述語および述語プロパティ

トランスポート ルールの条件と例外は、1 つ以上の述語で構成されます。ハブ トランスポート サーバー上のトランスポート ルール エージェント (またはエッジ トランスポート サーバー上のエッジ ルール エージェント) に対して、送信者、受信者、件名、他のメッセージ ヘッダー、およびメッセージ本文など電子メール メッセージの特定の部分を調べるよう述語によって指示が出され、ルールをそのメッセージに適用するかどうかが決定されます。このように、述語は条件と例外の構成要素として機能します。

ほとんどの述語には、トランスポート ルールをメッセージに適用するかどうかを決定するために値の指定が必要なプロパティが 1 つ以上あります。トランスポート ルール エージェントによって、メッセージ プロパティで指定された値が検査されます。たとえば HasClassification という述語の場合、分類プロパティに対してメッセージ分類を 1 つ以上指定する必要があります。一部の述語には、プロパティがありません。たとえば HasNoClassification という述語の場合、メッセージに分類があるかどうかが検査されるだけですので、値は必要ありません。

述語に値を割り当てるには、述語のプロパティを 1 つ、または (述語でプロパティが 2 つ以上必要な場合は) プロパティを複数指定する必要があります。Exchange 管理コンソール (EMC) の場合、トランスポート ルールの新規作成ウィザードまたはトランスポート ルールの編集ウィザードの [ルールの説明の編集 (下線付きの値をクリック)] ボックスで、述語の値を指定できます。Exchange 管理シェルでは、プロパティは New-TransportRule コマンドレットおよび Set-TransportRule コマンドレットのパラメーターとして使用できます。プロパティ値はプロパティ名の後に指定されます。

注意

Exchange 2010 では、Get-TransportRulePredicate コマンドレットおよび Get-TransportRuleAction コマンドレットを使用して述語とアクションをインスタンス化する必要はありません。上記のコマンドレットは、これらのコマンドレットが実行されるハブ トランスポート サーバーとエッジ トランスポート サーバーで使用可能な述語とアクションを一覧表示するだけです。New-TransportRule コマンドレットおよびSet-TransportRule コマンドレットによって、すべての述語とアクションがパラメーターとして使用でき、1 回のコマンド実行でトランスポート ルールを作成または変更できます。

述語の中には電子メール メッセージ内の特定のフィールド (メッセージ ヘッダーのフィールドなど) を調べるものもあるので、2 つの述語プロパティを設定する必要があります。メッセージ ヘッダーの検査に述語を使用する場合は、宛先、差出人、受信日時、またはコンテンツの種類など、調べる対象のヘッダーを 1 つの述語プロパティが指定します。2 番目のプロパティの値も指定する必要があります。2 番目のプロパティを必要とする述語は、表 1 および表 2 の [2 番目の述語プロパティ] の列に、2 番目のプロパティの一覧と一緒に表示されています。

述語および述語プロパティ

ハブ トランスポート サーバーで使用可能な述語

表 1 では、ハブ トランスポート サーバーで使用可能な述語と、各述語に関する次の情報を示しています。

  • [述語] の列では、EMC のトランスポート ルールの新規作成ウィザードまたはトランスポート ルールの編集ウィザードに表示される述語を示しています。

  • [述語名] の列では、Get-TransportRulePredicate コマンドレットによって返される述語名を示しています。

  • [述語プロパティ] および [2 番目の述語プロパティ] の列では、プロパティの種類を示しています。ほとんどのプロパティの種類では、固有の値が使用されます。プロパティの種類として有効な値を判断するには、表 3 を参照してください。

注意

表 1 の各述語には、トランスポート ルールの新規作成ウィザードまたはトランスポート ルールの編集ウィザードの [例外] ページから選択可能な同等の例外があります。例外として使用可能な述語は、シェルでは最初に [ExceptIf] が付きます。たとえば FromMemberOf という述語の場合、トランスポート ルールのコマンドレットで例外として使用可能なパラメーターは、ExceptIfFromMemberOf と呼ばれます。
同じ述語オブジェクトには、トランスポート ルールの条件および例外で使用されるロジックが含まれます。したがって、Get-TransportRulePredicate コマンドレットを使用して述語を一覧表示する場合、例外は別の述語としては表示されません。

表 1   ハブ トランスポート サーバーで利用可能な述語

X 述語 述語名 述語プロパティ 2 番目の述語プロパティ 説明

1

差出人がユーザーの場合

差出人

アドレス

該当なし

From は、指定されたメールボックス、メールが有効なユーザー、または連絡先から送信されたメッセージと一致します。

注意

この述語を使用して配布グループを指定することはできません。配布グループに送信されるメッセージに対して実行するルールを作成する必要がある場合には、代わりに「"宛先" フィールドの受信者のいずれかがユーザーである場合」(AnyOfToHeader) の述語を使用します。
AnyOfToHeader 述語は、メッセージ内のヘッダーの実際の値を比較します。これは、解決された受信者セット (グループの展開から検出された受信者を含む) を比較する SentTo タイプの述語とは異なります。

2

差出人が配布リストのメンバーの場合

FromMemberOf

アドレス

該当なし

FromMemberOf は、送信者が指定された配布グループのメンバーであるメッセージと一致します。

3

差出人が組織の内部または外部のユーザーの場合

FromScope

FromUserScope

該当なし

FromScope は、指定されたスコープ内の送信者によって送信されるメッセージと一致します。

4

宛先がユーザーの場合

SentTo

アドレス

該当なし

SentTo は、受信者の 1 人が指定されたメールボックス、メールが有効なユーザー、または連絡先であるメッセージと一致します。指定された受信者は、[宛先][CC]、または [BCC] のフィールドに一覧表示できます。

注意

この述語を使用して配布グループを指定することはできません。配布グループに送信されるメッセージに対して実行するルールを作成する必要がある場合には、代わりに「"宛先" フィールドの受信者のいずれかがユーザーである場合」(AnyOfToHeader) の述語を使用します。
AnyOfToHeader 述語は、メッセージ内のヘッダーの実際の値を比較します。これは、解決された受信者セット (グループの展開から検出された受信者を含む) を比較する SentTo タイプの述語とは異なります。

5

宛先が配布リストのメンバーの場合

SentToMemberOf

アドレス

該当なし

SentToMemberOf は、指定された配布グループのメンバーである受信者を含むメッセージに一致します。受信者は、[宛先][CC]、または [BCC] のフィールドに一覧表示できます。

6

宛先が組織の内部または外部のユーザー、またはパートナーの場合

SentToScope

ToUserScope

該当なし

SentToScope は、指定されたスコープ内の受信者に送信されるメッセージと一致します。

7

異なる配布リストのメンバー間の場合

BetweenMemberOf

アドレス (BetweenMemberOf1)

アドレス (BetweenMemberOf2)

BetweenMemberOf は、2 つの配布グループのメンバー間で送信されたメッセージに一致します。

8

送信者のマネージャーがユーザーである場合

ManagerIs

EvaluatedUser (ManagerForEvaluatedUser)

アドレス (ManagerAddresses)

ManagerIs は、指定したユーザー (送信者または受信者) のマネージャーが、指定されたアドレス一覧にあるメッセージと一致します。

9

送信者が受信者のマネージャーである場合

ManagementRelationship

ManagementRelationship (SenderManagementRelationship)

該当なし

ManagementRelationship は、送信者と受信者との間に指定された管理関係があるメッセージと一致します。

10

送信者と受信者の AD 属性が評価である場合

ADAttributeComparison

ADAttribute (ADComparisonAttribute)

評価 (ADComparisonOperator)

ADAttributeComparison は、送信者の指定の Active Directory 属性が、(Evaluation プロパティでの指定に基づき) 受信者の同じ属性と一致または一致しないメッセージと一致します。

11

受信者のアドレスに指定された文字が含まれている場合

RecipientAddressContainsWords

Words

該当なし

RecipientAddressContainsWords は、受信者のアドレスに指定された単語が含まれるメッセージと一致します。

12

受信者のアドレスにテキスト パターンが含まれている場合

RecipientAddressMatchesPatterns

パターン

該当なし

RecipientAddressMatchesPatterns は受信者のアドレスが指定の正規表現と一致するメッセージと一致します。

13

受信者のプロパティに特定の単語が含まれる場合

RecipientAttributeContains

単語* (RecipientADAttributeContainsWords)

該当なし

RecipientAttributeContains は、受信者の指定の属性に指定の文字列が含まれているメッセージと一致します。

14

受信者のプロパティにテキスト パターンが含まれる場合

RecipientAttributeMatches

パターン* (RecipientADAttributeMatchesPatterns)

該当なし

RecipientAttributeMatches は、受信者の指定の属性が指定の正規表現と一致するメッセージと一致します。

15

[宛先] フィールドの受信者にユーザーが含まれている場合

AnyOfToHeader

アドレス

該当なし

AnyOfToHeader は、[宛先] フィールドに指定の受信者が含まれるメッセージと一致します。

16

[宛先] フィールドの受信者に配布リストのメンバーが含まれている場合

AnyOfToHeaderMemberOf

アドレス

該当なし

AnyOfToHeaderMemberOf は、[宛先] フィールドに配布グループのメンバーである受信者が含まれるメッセージと一致します。

17

[CC] フィールドの受信者にユーザーが含まれている場合

AnyOfCcHeader

アドレス

アドレス

AnyOfCcHeader は、[CC] フィールドに指定された受信者が含まれるメッセージと一致します。

18

[CC] フィールドの受信者に配布リストのメンバーが含まれている場合

AnyOfCcHeaderMemberOf

アドレス

該当なし

AnyOfCcHeaderMemberOf は、[CC] フィールドに指定の配布グループのメンバーである受信者が含まれるメッセージと一致します。

19

[宛先] フィールドまたは [CC] フィールドの受信者にユーザーが含まれている場合

AnyOfToCcHeader

アドレス

該当なし

AnyOfToCcHeader は、[宛先] または [CC] のフィールドに指定の受信者が含まれるメッセージと一致します。

20

[宛先] フィールドまたは [CC] フィールドの受信者に配布リストのメンバーが含まれている場合

AnyOfToCcHeaderMemberOf

アドレス

該当なし

AnyOfToCcHeaderMemberOf は、[宛先] または [CC] フィールドに指定の配布グループのメンバーである受信者が含まれているメッセージと一致します。

21

分類が (分類) の場合

HasClassification

分類

該当なし

HasClassification は、指定した分類を持つメッセージと一致します。

22

[件名] フィールドに特定の単語が含まれている場合

SubjectContains

Words

該当なし

SubjectContains は、[件名] フィールドに特定の文字が含まれているメッセージと一致します。

23

[件名] フィールドまたはメッセージ本文にに特定の単語が含まれている場合

SubjectOrBodyContains

Words

該当なし

SubjectOrBodyContains は、[件名] フィールドまたはメッセージ本文に特定の単語が含まれているメッセージと一致します。

24

メッセージ ヘッダーに特定の文字が含まれている場合

HeaderContains

MessageHeader (HeaderContainsMessageHeader)

単語 (HeaderContainsWords)

HeaderContains は、指定のメッセージ ヘッダーに指定された値が含まれているメッセージと一致します。

25

差出人のアドレスに特定の文字が含まれている場合

FromAddressContains

単語 (FromAddressContainsWords)

該当なし

FromAddressContains は、[差出人] フィールドに特定の単語が含まれているメッセージと一致します。

26

[件名] フィールドにテキスト パターンが含まれている場合

SubjectMatches

パターン (SubjectMatchesPatterns)

該当なし

SubjectMatches は、[件名] フィールドのテキスト パターンが指定の正規表現と一致するメッセージと一致します。

27

[件名] フィールドまたはメッセージ本文にテキスト パターンが含まれている場合

SubjectOrBodyMatches

パターン (SubjectOrBodyMatchesPatterns)

該当なし

SubjectOrBodyMatches は、[件名] フィールドまたはメッセージ本文のテキスト パターンが指定の正規表現と一致するメッセージと一致します。

28

メッセージ ヘッダーがテキスト パターンと一致する場合

HeaderMatches

MessageHeader (HeaderMatchesMessageHeader)

パターン (HeaderMatchesPatterns)

HeaderMatches は、指定したメッセージ ヘッダーに指定の正規表現と一致するテキスト パターンが含まれているメッセージと一致します。

29

[差出人] のアドレスがテキスト パターンと一致する場合

FromAddressMatches

パターン (FromAddressMatchesPatterns)

該当なし

FromAddressMatches は、[差出人] フィールドに指定の正規表現と一致するテキスト パターンが含まれるメッセージと一致します。

30

添付ファイル名にテキスト パターンが一致している場合

AttachmentNameMatches

パターン (AttachmentNameMatchesPatterns)

該当なし

AttachmentNameMatches は、添付ファイル内に指定の正規表現と一致するテキスト パターンが含まれるメッセージと一致します。

31

SCL (Spam Confidence Level) レベルが制限値以上の場合

SCLOver

SclValue

該当なし

SCLOver は、指定値と一致するかまたはこれを超える Spam Confidence Level (SCL) が割り当てられているメッセージと一致します。

32

添付ファイルのサイズが制限値以上の場合

AttachmentSizeOver

Size

該当なし

AttachmentSizeOver は、指定値より大きい添付ファイルを含むメッセージと一致します。

33

重要度が (重要度) の場合

WithImportance

重要度

該当なし

WithImportance は、指定の優先度のマークされているメッセージと一致します。

34

メッセージがメッセージの種類である場合

MessageTypeMatches

MessageType

該当なし

MessageTypeMatches は、指定の種類のメッセージと一致します。

35

送信者のプロパティに特定の単語が含まれている場合

SenderAttributeContains

単語* (SenderADAttributeContainsWords)

該当なし

SenderAttributeContains は、送信者の指定の属性が、指定の文字列と一致するメッセージと一致します。

36

送信者のプロパティがテキスト パターンに一致する場合

SenderAttributeMatches

パターン (SenderADAttributeMatchesPatterns)

該当なし

SenderAttributeMatches は、送信者の指定の属性に、指定の正規表現と一致するテキスト パターンが含まれているメッセージと一致します。

37

メッセージ分類のマークが付けられていない

HasNoClassifications

該当なし

該当なし

HasNoClassifications は、メッセージ分類のないメッセージと一致します。

38

添付ファイルのコンテンツに単語が含まれる場合

AttachmentContainsWords

Words

該当なし

AttachmentContainsWords は、指定した文字列を含む添付ファイルのあるメッセージと一致します。

39

添付ファイルのコンテンツがテキスト パターンと一致する場合

AttachmentMatchesPatterns

パターン

該当なし

AttachmentMatchesPatterns は指定の正規表現と一致するテキスト パターンを含む添付ファイルのあるメッセージと一致します。

40

添付ファイルがサポートされていない場合

AttachmentIsUnsupported

該当なし

該当なし

AttachmentIsUnsupported は、サポートされていない添付ファイルのあるメッセージと一致します。

述語および述語プロパティ

エッジ トランスポート サーバーで使用可能な述語

表 2 では、述語のエッジ トランスポート サーバーで使用可能な述語を示しています。

注意

表 1 の各述語には、トランスポート ルールの新規作成ウィザードまたはトランスポート ルールの編集ウィザードの [例外] ページから選択可能な同等の例外があります。例外として使用可能な述語は、シェルでは最初に ExceptIf が付きます。たとえば FromMemberOf という述語の場合、トランスポート ルールのコマンドレットで例外として使用可能なパラメーターは、ExceptIfFromMemberOf と呼ばれます。
同じ述語オブジェクトには、トランスポート ルールの条件および例外で使用されるロジックが含まれます。したがって、Get-TransportRulePredicate コマンドレットを使用して述語を一覧表示する場合、例外は別の述語としては表示されません。

エッジ トランスポート サーバーで使用可能な述語

X 述語 述語名 述語プロパティ 2 番目の述語プロパティ 説明

1

[件名] フィールドに特定の単語が含まれている場合

SubjectContains

Words

該当なし

SubjectContains は、[件名] フィールドに指定の単語を含むメッセージを検索します。

2

[件名] フィールドまたはメッセージ本文に特定の単語が含まれている場合

SubjectOrBodyContains

Words

該当なし

SubjectOrBodyContains は、[件名] フィールドまたはメッセージ本文に指定の単語が含まれているメッセージと一致します。

3

メッセージ ヘッダーに特定の文字が含まれている場合

HeaderContains

MessageHeader

Words

HeaderContains は、指定のメッセージ ヘッダーの値に特定の単語が含まれているメッセージと一致します。

4

差出人のアドレスに特定の文字が含まれている場合

FromAddressContains

Words

該当なし

FromAddressContains は、[差出人] フィールドに特定の単語が含まれているメッセージと一致します。

5

受信者のアドレスに特定の文字が含まれている場合

AnyOfRecipientAddressContainsWords

Words

該当なし

AnyOfRecipientAddressContains は、メッセージの[宛先][CC]、または [BCC] フィールドに特定の単語が含まれているメッセージと一致します。

6

[件名] フィールドがテキスト パターンと一致する場合

SubjectMatches

パターン

該当なし

SubjectMatches は、[件名] フィールドのテキスト パターンが指定の正規表現と一致するメッセージと一致します。

7

[件名]フィールドまたはメッセージ本文がテキスト パターンと一致する場合

SubjectOrBodyMatches

パターン

該当なし

SubjectOrBodyMatches は、[件名] フィールドまたはメッセージ本文のテキスト パターンが指定の正規表現と一致するメッセージと一致します。

8

メッセージ ヘッダーがテキスト パターンと一致する場合

HeaderMatches

MessageHeader

パターン

HeaderMatches は、指定したメッセージ ヘッダー フィールドに指定の正規表現と一致するテキスト パターンが含まれているメッセージと一致します。

9

[差出人] のアドレスがテキスト パターンと一致する場合

FromAddressMatches

パターン

該当なし

FromAddressMatches は、メッセージの [差出人] フィールドに指定の正規表現と一致するテキスト パターンが含まれるメッセージと一致します。

10

[受信者] のアドレスがテキスト パターンと一致する場合

AnyOfRecipientAddressMatches

パターン

該当なし

AnyOfRecipientAddressMatches は、メッセージの [宛先][CC]、または [BCC] フィールド内のテキスト パターンが、指定の正規表現と一致するメッセージと一致します。

11

SCL (Spam Confidence Level) レベルが制限値以上の場合

SCLOver

SclValue

該当なし

SclOver は、指定の値以上の SCL を持つメッセージと一致します。

12

添付ファイルのサイズが制限値以上の場合

AttachmentSizeOver

Size

該当なし

AttachmentSizeOver は、指定値より大きい添付ファイルを含むメッセージと一致します。

13

差出人が組織の内部または外部のユーザーの場合

FromScope

範囲

該当なし

FromScope は、指定の範囲から送信されるメッセージと一致します。

述語および述語プロパティ

述語プロパティ

次の表では、トランスポート ルール述語で使用されるプロパティの種類を示します。

表 3   トランスポート ルール述語で使用されるプロパティの種類

述語 名前 説明

ADAttribute

使用可能な Active Directory 属性の 1 つ

ADAttribute 述語には、トランスポート ルールでこのプロパティの種類と一緒に使用可能な、次の Active Directory 属性の名前のうち 1 つを指定できます。

  • DisplayName

  • FirstName

  • Initials

  • LastName

  • Office

  • PhoneNumber

  • OtherPhoneNumber

  • Email

  • Street

  • POBox

  • City

  • State

  • ZipCode

  • Country

  • UserLogonName

  • HomePhoneNumber

  • OtherHomePhoneNumber

  • PagerNumber

  • MobileNumber

  • FaxNumber

  • OtherFaxNumber

  • Notes

  • Title

  • Department

  • Company

  • Manager

  • CustomAttribute1 - CutomAttribute15

RecipientAddressContains 述語または RecipientAddressMatches 述語で構成されるトランスポート ルールの作成にシェルを使用する場合は、上記の一覧から後ろにコロン (:) が付く属性名、および指定の属性で検索する単語またはテキスト パターンを指定する必要があります。表記全体は、引用符 (") で囲む必要があります。たとえば、City という属性および San Francisco または Palo Alto の値を指定するには、City:San Francisco, Palo Alto を使用する必要があります。

複数の Active Directory 属性と値の組み合わせを指定することもできます。たとえば、"City:San Francisco, Palo Alto"、"Department:Sales, Finance" などです。この場合、受信者の City 属性には San Francisco または Palo Alto のいずれかが、また Department 属性には Sales または Finance のいずれかが含まれる必要があります。

アドレスおよびアドレス 2

Active Directory メールボックス、連絡先、または配布グループ オブジェクトの配列

Addresses 述語および Addresses2 述語には、単一のメールボックス、連絡先、メールが有効なユーザー、または配布グループ オブジェクトを指定できます。

分類

メッセージ分類オブジェクト

Classification 述語には、メッセージ分類オブジェクトを指定できます。メッセージ分類オブジェクトを指定するには、Get-MessageClassification コマンドレットを使用する必要があります。

たとえば、次のコマンドを使用して ExCompanyInternal 分類を持つメッセージを検索し、メッセージの件名の先頭に「CompanyInternal」と追加します。

New-TransportRule "Rule Name" -HasClassification @(Get-MessageClassification ExCompanyInternal).Identity -PrependSubject "CompanyInternal"

EvaluatedUser

単一の値 (Sender または Recipient より選択)

ManagementRelationship 述語の ManagerForEvaluatedUser プロパティに EvaluatedUser の値を指定できます。これにより、トランスポート ルール エージェントで、メッセージの送信者または受信者の述語による検査するべきかが指示されます。

評価

単一の値 (Equal または NotEqual より選択)

ADAttributeComparison 述語には、ADComparisonOperator プロパティに種類の値である Evaluation を指定できます。これにより、送信者および受信者の指定の Active Directory 属性値を比較できます。

FromUserScope

単一の値 (InOrganization または NotInOrganization より選択)

FromScope 述語には、FromUserScope の種類のスコープ値を指定できます。これにより、メッセージが組織内にいると見なされる送信者によって送信されるかどうかを指定できます。次の値を使用できます。

  • InOrganization   以下の条件のいずれかに当てはまる場合、送信者は組織内であると見なされます。

    • 送信者が、組織の Active Directory 内に存在するメールボックス、メールが有効なユーザー、配布グループ、またはパブリック フォルダーである。

    • 送信者のドメインは Exchange 組織の承認済みドメインであるが、ExternalRelay ドメインではない。また、メッセージは、認証された接続を使用して送受信する必要がある。

注意

メールの連絡先が組織の内部であるか外部であるかを判断するため、送信者アドレスのドメイン部分が設定された承認済みドメインと比較されます。詳細については、「承認済みドメインについて」を参照してください。

  • NotInOrganization   送信者のドメインが Exchange 組織の承認済みドメインでなく、ExternalRelay ドメインである場合は、組織外の送信者であると見なされます。

Importance

単一の値 (HighLow、または Normal より選択)

Importance 述語には、メッセージの優先度を指定できます。

ManagementRelationship

単一の値 (Manager または DirectReport より選択)

ManagementRelationship 述語によって、たとえば送信者と受信者などの、評価される 2 ユーザーの関係が指定されます。評価されるユーザーの Active Directory 情報は、マネージャーおよび直属の部下を判断するために保存されます。

MessageHeader

単一の文字列

MessageHeader 述語には、調べる対象となる SMTP メッセージ ヘッダーの指定に使用できる文字列を指定できます。このプロパティは、照合するヘッダー フィールドの値を指定する Words プロパティまたは Patterns プロパティと共に使用されます。ヘッダー名にコロン (:) を追加する必要はありません。

MessageType

1 つのメッセージ種類名

MessageType 述語には、次のうちいずれかのメッセージの種類を指定できます。

  • OOF

  • AutoAccept

  • 自動転送

  • Encrypted

  • Calendaring

  • PermissionControlled

  • Voicemail

  • RSS

  • Signed

  • ApprovalRequest

  • ReadReceipt

パターン

配列または正規表現

Patterns 述語には、識別可能なパターンに従っているテキストの照合に使用できる正規表現を指定できます。表現は二重引用符 (") で囲みます。詳細については、「トランスポート ルールの正規表現」を参照してください。

SclValue

単一の整数

SclValue 述語には、メッセージに割り当てられる Spam Confidence Level (SCL) の照合に使用できる整数を指定できます。SCL 値の範囲は -1 ~ 9 です。

Size

KB や MB などの量指定子が付く単一の整数

Size 述語には、電子メールの添付ファイルのサイズを指定する整数を指定できます。EMC を使用する場合、指定値はキロバイト単位で表示されます。シェルを使用する場合、次のいずれかの単位で指定される整数値を入力できます。

  • B (バイト)

  • KB (キロバイト)

  • MB (メガバイト)

  • GB (ギガバイト)

たとえば、20MB のように指定します。

ToUserScope

次のいずれかの値になります。

  • InOrganization

  • NotInOrganization

  • ExternalPartner

  • ExternalNonPartner

SentToScope 述語には、ToUserScope の種類のスコープ値を指定できます。InOrganization および NotInOrganization の値は、FromUserScope プロパティと同様に評価されますが、受信者のコンテキスト内で評価されます。次に、他の設定可能な値について説明します。

  • ExternalPartner   これらのドメインは、"ドメインのセキュリティで保護されている" セキュリティを使用して、メールを外部ドメインに送信するよう構成されています。

  • ExternalNonPartner   ExternalPartner ドメインと見なされないすべてのその他のドメインを表します。

Words

文字列の配列

Words プロパティには、1 つの文字列または複数の文字列の配列を指定できます。これは、特定の単語または文字列でメッセージの色々な部分を検査するすべての述語で使用されます。

Exchange 2010 では、プレフィックスまたはサフィックスのない単語のインスタンスのみが照合されます。たとえば "contoso" という単語を指定する場合、完全一致が検索された場合のみ、ルールが開始されます。次のように、検索する単語がサフィックスやプレフィックスとして、または (スペース文字以外の) 他の文字間に表示されるような場合には、完全一致とは見なされません。

  • Acontoso

  • Contosoa

  • Acontosob

プロパティでは、大文字と小文字が区別されません。アスタリスク (*) はリテラル文字として扱われ、ワイルドカード文字としては使用されません。

述語および述語プロパティ

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