メッセージの配信制限を構成する方法
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2007-07-26
ここでは、Exchange 管理コンソールまたは Exchange 管理シェルを使用して、メッセージの配信制限を構成する方法について説明します。
Microsoft Exchange Server 2007 では、個々の受信者にメッセージを発信する方法に対して制限を設定できます。メッセージの配信制限は、Exchange 2007 組織の特定の受信者へのアクセスを制御するのに便利です。メッセージの配信制限の詳細については、「受信者の制限について」を参照してください。
ここで説明するメッセージの配信制限は、Exchange 2007 のすべての受信者の種類に適用されます。Exchange 2007 の受信者の種類の詳細については、「受信者について」を参照してください。
開始する前に
以下の手順を実行するには、使用するアカウントに次の役割が委任されている必要があります。
- Exchange 受信者管理者の役割
アクセス許可、役割の委任、および Exchange 2007 を管理するために必要な権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。
手順
Exchange 2007 Service Pack 1 (SP1)
Exchange 2007 SP1 では、共有メールボックスは Exchange 管理コンソールには表示されません。これらの受信者に対するメッセージの配信制限を構成するためにのみ Exchange 管理シェルを使用することができます。
Exchange 管理コンソールを使用してある受信者のメッセージの配信制限を構成するには、次の操作を行います。
Exchange 管理コンソールを起動します。
メールが有効なすべてのパブリック フォルダを除くすべての受信者に対して、次の手順を実行します。
- コンソール ツリーで、[受信者の構成] を展開します。
- 結果ウィンドウで、メッセージの配信制限を構成する受信者を選択します。
- 手順 4. に進んでください。
メールが有効なパブリック フォルダでは、次の手順を実行します。
- コンソール ツリーで、[ツールボックス] をクリックします。
- 結果ウィンドウで [パブリック フォルダ管理コンソール] をクリックしてから操作ウィンドウで [ツールを開く] をクリックします。パブリック フォルダ管理コンソールは、別の Microsoft 管理コンソール (MMC) に表示されます。
- コンソール ツリーで [既定のパブリック フォルダ] を展開し、構成するパブリック フォルダをクリックします。構成するパブリック フォルダが最上位のパブリック フォルダである場合、[既定のパブリック フォルダ] をクリックします。
- 結果ウィンドウで、メッセージの配信制限を構成するパブリック フォルダをクリックします。
- 手順 4. に進んでください。
操作ウィンドウで、受信者名の下にある [プロパティ] をクリックします。
[<受信者> のプロパティ] で、[メール フローの設定] タブをクリックします。
メール フローの設定の一覧から [メッセージの配信制限] を選択し、[プロパティ] をクリックします。
[メッセージの配信制限] では、以下のフィールドを使用して、受信者のメッセージの配信制限を構成します。
[受信を許可する送信元]** [すべての送信者]** をクリックすると、Exchange 組織と外部の送信者の両方の送信者を含む、すべての送信者からのメッセージを受け付けるようにこの受信者を構成します。これは既定でオンになっています。
注 : このオプションに外部ユーザーが含まれるのは、[すべての送信者の認証を要求する] チェック ボックスをオフにした場合のみです。このチェック ボックスがオンの場合、[すべての送信者] がオンであっても、外部ユーザーからのメッセージは拒否されます。 [次の一覧に含まれる送信者のみ] をクリックすると、Exchange 組織内の指定した一連の送信者からのメッセージのみを受け付けるよう、この受信者を構成します。
このオプションをクリックした後、[追加] をクリックして、メッセージを受け入れる送信者を選択する必要があります。これにより [受信者の選択] ダイアログ ボックスが開き、Active Directory ディレクトリ サービス フォレストのすべての受信者の一覧が表示されます。目的の受信者を選択し、[OK] をクリックします。また、[検索] ボックスに名前を入力し、[検索開始] をクリックすることによって、特定の受信者を検索することもできます。一覧から受信者を削除するには、受信者を選択し、 をクリックします。[すべての送信者の認証を要求する] このチェック ボックスをオンにすると、匿名ユーザーはこの受信者にメッセージを送信できなくなります。
注 : 既定では、このチェック ボックスは配布グループと動的配布グループに対してのみオンになっています。 [受信を拒否する送信元]** [送信者なし]** をクリックすると、Exchange 組織の送信者からのメッセージを拒否しないように、この受信者を構成します。これは既定でオンになっています。[次の一覧に含まれる送信者] をクリックすると、Exchange 組織内の指定した一連の送信者からのメッセージを拒否するように、この受信者を構成します。
このオプションをクリックした後、[追加] をクリックして、メッセージを拒否する送信者を選択する必要があります。これにより [受信者の選択] ダイアログ ボックスが開き、Active Directory フォレストのすべての受信者の一覧が表示されます。目的の受信者を選択し、[OK] をクリックします。また、[検索] ボックスに名前を入力し、[検索開始] をクリックすることによって、特定の受信者を検索することもできます。一覧から受信者を削除するには、受信者を選択し、 をクリックします。
[OK] をクリックして [メール フローの設定] タブに戻ります。
[OK] をクリックします。
次の手順では、Exchange 管理シェルを使用して、メールボックスのメッセージの配信制限を構成する方法を示します。その他の受信者の種類には、同じパラメータと共に、対応する Set- コマンドレットを使用します。
Exchange 管理シェルを使用してあるメールボックスのメッセージの配信制限を構成するには、次の操作を行います。
ユーザー Lori Penor、Jeff Phillips、および配布グループ Sales Department のメンバからのメッセージのみを受け付けるように、メールボックス John Smith を構成するには、次のコマンドを実行します。
Set-Mailbox -Identity "John Smith" -AcceptMessagesOnlyFrom "Lori Penor","Jeff Phillips" -AcceptMessagesOnlyFromDLMembers "Sales Department"
注 : 個別の送信者からのメッセージのみを受け付けるようにメールボックスを構成する場合は、AcceptMessagesOnlyFrom パラメータを使用する必要があります。特定の配布グループのメンバである送信者からのメッセージのみを受け付けるようにメールボックスを構成する場合は、AcceptMessagesOnlyFromDLMembers パラメータを使用する必要があります。 すべての送信者の認証を要求するようにメールボックス John Smith を構成するには、次のコマンドを実行します。
Set-Mailbox -Identity "John Smith" -RequireSenderAuthenticationEnabled $true
ユーザー Joe Healy、Ellen Adams、および配布グループ Sales Department Contractors のメンバからのメッセージを拒否するように、メールボックス John Smith を構成するには、次のコマンドを実行します。
Set-Mailbox -Identity "John Smith" -RejectMessagesFrom "Joe Healy","Ellen Adams" -RejectMessagesFromDLMembers "Sales Department Contractors"
注 : 個別の送信者からのメッセージを拒否するようにメールボックスを構成する場合は、RejectMessagesFrom パラメータを使用する必要があります。特定の配布グループのメンバである送信者からのメッセージを拒否するようにメールボックスを構成する場合は、RejectMessagesFromDLMembers パラメータを使用する必要があります。
構文およびパラメータの詳細については、以下の関連トピックを参照してください。
- Set-DistributionGroup
- Set-DynamicDistributionGroup
- Set-Mailbox
- Set-MailContact
- Set-MailPublicFolder
- Set-MailUser
Exchange 2007 RTM (Release to Manufacturing) 版
Exchange 2007 RTM では、共有メールボックスとメールが有効なパブリック フォルダは Exchange 管理コンソールには表示されません。これらの受信者に対するメッセージの配信制限を構成するためにのみ Exchange 管理シェルを使用することができます。
Exchange 管理コンソールを使用してある受信者のメッセージの配信制限を構成するには、次の操作を行います。
Exchange 管理コンソールを起動します。
コンソール ツリーで、[受信者の構成] を展開します。
結果ウィンドウで、メッセージの配信制限を構成する受信者を選択します。
操作ウィンドウで、受信者名の下にある [プロパティ] をクリックします。
[<受信者> のプロパティ] で、[メール フローの設定] タブをクリックします。
メール フローの設定の一覧から [メッセージの配信制限] を選択し、[プロパティ] をクリックします。
[メッセージの配信制限] では、以下のフィールドを使用して、受信者のメッセージの配信制限を構成します。
[受信を許可する送信元]** [すべての送信者]** をクリックすると、Exchange 組織と外部の送信者の両方の送信者を含む、すべての送信者からのメッセージを受け付けるようにこの受信者を構成します。これは既定でオンになっています。
注 : このオプションに外部ユーザーが含まれるのは、[すべての送信者の認証を要求する] チェック ボックスをオフにした場合のみです。このチェック ボックスがオンの場合、[すべての送信者] がオンであっても、外部ユーザーからのメッセージは拒否されます。 [次の一覧に含まれる送信者のみ] をクリックすると、Exchange 組織内の指定した一連の送信者からのメッセージのみを受け付けるよう、この受信者を構成します。
このオプションをクリックした後、[追加] をクリックして、メッセージを受け入れる送信者を選択する必要があります。これにより [受信者の選択] ダイアログ ボックスが開き、Active Directory ディレクトリ サービス フォレストのすべての受信者の一覧が表示されます。目的の受信者を選択し、[OK] をクリックします。また、[検索] ボックスに名前を入力し、[検索開始] をクリックすることによって、特定の受信者を検索することもできます。一覧から受信者を削除するには、受信者を選択し、 をクリックします。[すべての送信者の認証を要求する] このチェック ボックスをオンにすると、匿名ユーザーはこの受信者にメッセージを送信できなくなります。
注 : 既定では、このチェック ボックスは配布グループと動的配布グループに対してのみオンになっています。 [受信を拒否する送信元]** [送信者なし]** をクリックすると、Exchange 組織の送信者からのメッセージを拒否しないように、この受信者を構成します。これは既定でオンになっています。[次の一覧に含まれる送信者] をクリックすると、Exchange 組織内の指定した一連の送信者からのメッセージを拒否するように、この受信者を構成します。
このオプションをクリックした後、[追加] をクリックして、メッセージを拒否する送信者を選択する必要があります。これにより [受信者の選択] ダイアログ ボックスが開き、Active Directory フォレストのすべての受信者の一覧が表示されます。目的の受信者を選択し、[OK] をクリックします。また、[検索] ボックスに名前を入力し、[検索開始] をクリックすることによって、特定の受信者を検索することもできます。一覧から受信者を削除するには、受信者を選択し、 をクリックします。
[OK] をクリックして [メール フローの設定] タブに戻ります。
[OK] をクリックします。
次の手順では、Exchange 管理シェルを使用して、メールボックスのメッセージの配信制限を構成する方法を示します。その他の受信者の種類には、同じパラメータと共に、対応する Set- コマンドレットを使用します。
Exchange 管理シェルを使用してあるメールボックスのメッセージの配信制限を構成するには、次の操作を行います。
ユーザー Lori Penor、Jeff Phillips、および配布グループ Sales Department のメンバからのメッセージのみを受け付けるように、メールボックス John Smith を構成するには、次のコマンドを実行します。
Set-Mailbox -Identity "John Smith" -AcceptMessagesOnlyFrom "Lori Penor","Jeff Phillips" -AcceptMessagesOnlyFromDLMembers "Sales Department"
注 : 個別の送信者からのメッセージのみを受け付けるようにメールボックスを構成する場合は、AcceptMessagesOnlyFrom パラメータを使用する必要があります。特定の配布グループのメンバである送信者からのメッセージのみを受け付けるようにメールボックスを構成する場合は、AcceptMessagesOnlyFromDLMembers パラメータを使用する必要があります。 すべての送信者の認証を要求するようにメールボックス John Smith を構成するには、次のコマンドを実行します。
Set-Mailbox -Identity "John Smith" -RequireSenderAuthenticationEnabled $true
ユーザー Joe Healy、Ellen Adams、および配布グループ Sales Department Contractors のメンバからのメッセージを拒否するように、メールボックス John Smith を構成するには、次のコマンドを実行します。
Set-Mailbox -Identity "John Smith" -RejectMessagesFrom "Joe Healy","Ellen Adams" -RejectMessagesFromDLMembers "Sales Department Contractors"
注 : 個別の送信者からのメッセージを拒否するようにメールボックスを構成する場合は、RejectMessagesFrom パラメータを使用する必要があります。特定の配布グループのメンバである送信者からのメッセージを拒否するようにメールボックスを構成する場合は、RejectMessagesFromDLMembers パラメータを使用する必要があります。
構文およびパラメータの詳細については、以下の関連トピックを参照してください。
- Set-DistributionGroup (RTM)
- Set-DynamicDistributionGroup (RTM)
- Set-Mailbox (RTM)
- Set-MailContact (RTM)
- Set-MailPublicFolder (RTM)
- Set-MailUser (RTM)
詳細情報
メッセージの配信制限の詳細については、「受信者の制限について」を参照してください。
受信者の管理の詳細については、「受信者の管理」を参照してください。
Exchange 2007 の受信者の詳細については、「受信者について」を参照してください。
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。