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EdgeSync を使用しないエッジ トランスポート サーバーとハブ トランスポート サーバー間のメール フローの構成

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2007-07-02

Exchange 組織と、エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされた Microsoft Exchange Server 2007 を実行しているコンピュータとの間のメール フローを確立するには、エッジ サブスクリプション プロセスを使用することを常にお勧めします。ただし、エッジ サブスクリプション プロセスを使用してエッジ トランスポート サーバーを Exchange 組織で購読できない状況は確かに存在します。Exchange 組織とエッジ トランスポート サーバーとの間のメール フローを手動で確立するには、Exchange 組織内のエッジ トランスポート サーバーおよびハブ トランスポート サーバーで送信コネクタおよび受信コネクタを作成し、構成する必要があります。

開始する前に

この手順を実行するには、使用するアカウントに以下が委任されている必要があります。

  • Exchange 組織管理者の役割

エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータで以下の手順を実行するには、そのコンピュータのローカルの Administrators グループのメンバであるアカウントを使用してログオンする必要があります。

Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

この手順では、トランスポート層セキュリティ (TLS) 経由で基本認証を使用して暗号化と認証を提供します。TLS 経由の基本認証を使用する場合、受信側のサーバーに X.509 SSL (Secure Sockets Layer) サーバー証明書がインストールされている必要があります。受信コネクタに構成される完全修飾ドメイン名 (FQDN) の値は、SSL サーバー証明書内の FQDN に一致する必要があります。既定では、受信コネクタの FQDN の値は、その受信コネクタを含むサーバーの FQDN です。

外部的にセキュリティで保護された認証方法の構成ははるかに簡単です。ただし、エッジ トランスポート サーバーとハブ トランスポート サーバーの間の通信は、Microsoft Exchange によって認証または暗号化されません。外部的にセキュリティで保護された認証方法は、別の暗号化の方法が追加で使用される場合にのみ使用することをお勧めします。暗号化の方法には、IPsec アソシエーションや仮想プライベート ネットワーク (VPN) を使用できます。

エッジ トランスポート サーバーは通常はマルチホームです。つまり、エッジ トランスポート サーバーには、複数のネットワーク セグメントに接続されるネットワーク アダプタがあります。それらネットワーク アダプタのそれぞれが、固有の IP 構成を持ちます。外部つまりパブリックのネットワーク セグメントに接続されるネットワーク アダプタは、パブリック DNS (ドメイン ネーム システム) サーバーを名前解決に使用するよう構成する必要があります。この構成を行うことで、SMTP (簡易メール転送プロトコル) ドメイン名を MX リソース レコードに解決してインターネットにメールをルーティングすることが可能になります。内部つまりプライベートのネットワーク セグメントに接続されるネットワーク アダプタは、境界ネットワーク内の DNS サーバーを使用するよう構成するか、Hosts ファイルが利用可能になっている必要があります。

詳細については、「エッジ トランスポート サーバーの役割の DNS サフィックスを構成する方法」を参照してください。

エッジ トランスポート サーバーの手順

エッジ トランスポート サーバーには、次のコネクタが必要です。

  • インターネットにメッセージを送信するように構成されている送信コネクタ
  • Exchange 組織内のハブ トランスポート サーバーにメッセージを送信するように構成された送信コネクタ
  • Exchange 組織内のハブ トランスポート サーバーからのメッセージのみを受信するように構成された受信コネクタ
  • インターネットからのメッセージのみを受け付けるように構成された受信コネクタ

既定では、エッジ トランスポート サーバーの役割のインストール中に 1 つの受信コネクタが作成されます。このコネクタは、インターネットからの受信メッセージとハブ トランスポート サーバーからの受信メッセージの両方に使用できます。通常、エッジ サブスクリプション プロセスは、既定の受信コネクタの正しいアクセス許可と認証を自動的に構成します。エッジ サブスクリプション プロセスを使用しない場合は、エッジ トランスポート サーバーの既定の受信コネクタに変更を加えて、インターネットからのメッセージのみを受け付けるようにすることをお勧めします。この変更を行ったら、内部のハブ トランスポート サーバーからのメッセージのみを受け付けるように構成された新しい受信コネクタをエッジ トランスポート サーバーに作成する必要があります。

インターネットにメッセージを送信するように構成されている送信コネクタの作成

この送信コネクタには、次の構成が必要です。

  • 使用法の種類 : インターネット。
  • アドレス スペース : "*" (すべてのドメイン)。
  • ネットワーク設定 : DNS の MX レコードを使用してメールを自動的にルーティングする。ネットワーク構成によっては、スマート ホスト経由でメールをルーティングすることもできます。スマート ホストはメールをインターネットにルーティングします。

Exchange 管理コンソールを使用して、インターネットにメッセージを送信するように構成されている送信コネクタをエッジ トランスポート サーバー上に作成するには、次の操作を行います。

  1. Exchange 管理コンソールを開きます。[エッジ トランスポート] を選択し、作業ウィンドウで [送信コネクタ] タブをクリックします。

  2. 操作ウィンドウで、[送信コネクタの新規作成] をクリックします。SMTP 送信コネクタの新規作成ウィザードが開始します。

  3. [概要] ページで、次の手順を実行します。

    1. [名前] ボックスに、「To Internet」など、このコネクタ用の意味のある名前を入力します。
      [このコネクタの使用目的の選択] ボックスで、[インターネット] を選択します。

    2. [アドレス スペース] ページで、[追加] をクリックします。[アドレス スペースの追加] ダイアログ ボックスで「*」と入力し、[OK] をクリックします。

      note注 :
      Microsoft Exchange Server 2007 Service Pack 1 (SP1) では、ダイアログ ボックスの名前は [SMTP アドレス スペース] です。
    3. 完了したら、[次へ] をクリックします。

  4. [ネットワーク設定] ページで、[DNS (ドメイン ネーム システム) の "MX" レコードを使用してメールを自動的にルーティングする] を選択し、[次へ] をクリックします。

  5. [新しいコネクタ] ページで、コネクタの構成の概要を確認します。設定を変更する場合は、[戻る] をクリックします。構成の概要の設定を使用して送信コネクタを作成するには、[新規作成] をクリックします。

  6. [完了] ページで、[終了] をクリックします。

Exchange 管理シェルを使用して、インターネットにメッセージを送信するように構成されている送信コネクタをエッジ トランスポート サーバー上に作成するには、次の操作を行います。

  • 次のコマンドを実行します。

    New-SendConnector -Name <Name> -AddressSpaces * -Usage Internet -DNSRoutingEnabled $true
    

    たとえば、"To Internet" という名前の、必要な設定が行われた新しい送信コネクタを作成するには、次のコマンドを実行します。

    New-SendConnector -Name "To Internet" -AddressSpaces * -Usage Internet -DNSRoutingEnabled $true
    

構文およびパラメータの詳細については、「New-SendConnector」を参照してください。

内部の Exchange 組織にメッセージを送信するように構成された送信コネクタの作成

この手順を開始する前に、Active Directory ディレクトリ サービスでユーザー アカウントを作成し、そのアカウントを Exchange Servers ユニバーサル セキュリティ グループに追加する必要があります。このアカウントは、Exchange 組織内の送信先のハブ トランスポート サーバーに対する認証のために、エッジ トランスポート サーバーの送信コネクタによって使用されます。

important重要 :
このアカウントには、Exchange サーバーに関連付けられたアクセス許可が与えられます。アカウントが悪用されないように、アカウントの資格情報を保護してください。特定のコンピュータにのみログオンを許可するようにアカウントを構成することができます。

この送信コネクタには、次の構成が必要です。

  • 使用法の種類 : 内部
  • アドレス スペース : Exchange 組織のすべての承認済みドメイン
  • ネットワーク設定 :
    • 1 つ以上のハブ トランスポート サーバー (スマート ホスト用) の完全修飾ドメイン名 (FQDN)
    • スマート ホストの認証設定 : TLS 経由の基本認証

Exchange 管理コンソールを使用して、内部の Exchange 組織にメッセージを送信するように構成された送信コネクタをエッジ トランスポート サーバー上に作成するには、次の操作を行います。

  1. Exchange 管理コンソールを開きます。[エッジ トランスポート] を選択し、作業ウィンドウで [送信コネクタ] タブをクリックします。

  2. 操作ウィンドウで、[送信コネクタの新規作成] をクリックします。SMTP 送信コネクタの新規作成ウィザードが開始します。

  3. [概要] ページで、次の手順を実行します。

    1. [名前] ボックスに、「To Internal Org」など、このコネクタ用の意味のある名前を入力します。
    2. [このコネクタの使用目的の選択] ボックスで、[内部] をクリックします。
  4. [アドレス スペース] ページで、次の手順を実行します。

    1. [追加] をクリックします。

    2. [アドレス スペースの追加] ダイアログ ボックスで、Exchange 組織の承認済みドメインを入力します。[すべてのサブドメインを含む] チェック ボックスをオンにすれば、このコネクタをそのアドレス スペースのすべてのサブドメインへの電子メールの送信に使用できます。完了したら、[OK] をクリックします。

      note注 :
      Exchange 2007 SP1 では、ダイアログ ボックスの名前は [SMTP アドレス スペース] です。

      このコネクタにさらにアドレス スペースを追加するには、[追加] をクリックします。この手順を繰り返し、[OK] をクリックします。

    3. 完了したら、[次へ] をクリックします。

  5. [ネットワーク設定] ページで、次の手順を実行します。

    1. [メールを次のスマート ホストを経由してルーティングする] を選択し、[追加] をクリックします。
    2. [スマート ホストの追加] ダイアログ ボックスで、[完全修飾ドメイン名 (FQDN)] を選択し、送信先のハブ トランスポート サーバーの FQDN を入力します。エッジ トランスポート サーバーは、送信先のハブ トランスポート サーバーの指定された FQDN を解決できる必要があります。完了したら、[OK] をクリックします。
      スマート ホスト用のハブ トランスポート サーバーをさらに追加するには、[追加] をクリックし、上記手順を繰り返します。
    3. 完了したら、[次へ] をクリックします。
  6. [スマート ホスト認証設定の構成] ページで、[基本認証および TLS 経由の基本認証] を選択します。[ユーザー名] および [パスワード] ボックスに、内部ドメインのユーザー アカウントに対する資格情報を入力します。"ドメイン\ユーザー" の形式かユーザー プリンシパル名 (UPN) 形式を使用してユーザー名を入力し、ユーザーのパスワードを入力します。[次へ] をクリックします。

  7. [新しいコネクタ] ページで、コネクタの構成の概要を確認します。設定を変更する場合は、[戻る] をクリックします。構成の概要の設定を使用して送信コネクタを作成するには、[新規作成] をクリックします。

  8. [完了] ページで、[終了] をクリックします。

    important重要 :
    エッジ トランスポート サーバーは、SmartHosts パラメータで指定された FQDN に正確に一致するように、ハブ トランスポート サーバーの名前を解決できる必要があります。これは、送信先のハブ トランスポート サーバーにインストールされている X.509 証明書で指定されている FQDN です。またこれは、送信先のハブ トランスポート サーバー上に構成されている受信コネクタに指定されている FQDN でもあります。

Exchange 管理シェルを使用して、内部の Exchange 組織にメッセージを送信するように構成された送信コネクタをエッジ トランスポート サーバー上に作成するには、次の操作を行います。

  1. エッジ トランスポート サーバーで次のコマンドを実行します。

    $hubcred = get-credential
    
    • 表示されるダイアログ ボックスに、内部ドメインのユーザー アカウントに対する資格情報を入力します。"ドメイン\ユーザー" の形式か UPN 形式を使用してユーザー名を入力し、ユーザーのパスワードを入力します。[OK] をクリックします。
  2. エッジ トランスポート サーバーで次のコマンドを実行します。

    New-SendConnector -Name <ConnectorName> -Usage Internal -AddressSpaces <AcceptedDomain1,AcceptedDomain2...> -DNSRoutingEnabled $False -SmartHosts <HubServer1,HubServer2...> -SmartHostAuthMechanism BasicAuth,BasicAuthRequireTLS -AuthenticationCredential $hubcred
    

    たとえば、名前が "To Internal Org"、対象の承認済みドメインが "contoso.com" とすべてのサブドメイン、送信先のハブ トランスポート サーバーの名前が "hub01.contoso.com" および "hub02.contoso.com" の新しい送信コネクタを作成するには、次のコマンドを実行します。

    New-SendConnector -Name "To Internal Org" -Usage Internal -AddressSpaces *.contoso.com -DNSRoutingEnabled $False -SmartHosts Hub01.contoso.com,Hub02.contoso.com -SmartHostAuthMechanism BasicAuth,BasicAuthRequireTLS -AuthenticationCredential $hubcred
    
    important重要 :
    エッジ トランスポート サーバーは、SmartHosts パラメータで指定された FQDN に正確に一致するように、ハブ トランスポート サーバーの名前を解決できる必要があります。これは、送信先のハブ トランスポート サーバーにインストールされている X.509 証明書で指定されている FQDN です。またこれは、送信先のハブ トランスポート サーバー上に構成されている受信コネクタに指定されている FQDN でもあります。

構文およびパラメータの詳細については、「New-SendConnector」を参照してください。

インターネットからのメッセージのみを受け付けるための既定の受信コネクタの変更

エッジ トランスポート サーバーの役割がサーバーにインストールされるときに、"既定の内部受信コネクタサーバー名" という名前の既定の受信コネクタが作成されます。既定の受信コネクタは、インターネットからのメッセージ、および内部の Exchange 組織からのメッセージを受け付けるように構成されます。エッジ サブスクリプション プロセスを使用せず、既定の受信コネクタに認証方法が正しく構成されない場合は、既定の受信コネクタに変更を加えて、インターネットからの匿名メッセージのみを受け付けるようにする必要があります。この変更を行ったら、内部の Exchange 組織からの信頼できるメッセージのみを受け付けるための、別の受信コネクタを作成する必要があります。

既定の受信コネクタで必要な再構成は 1 か所のみです。ローカル ネットワークのバインディングを、インターネットに直接接続されたネットワーク アダプタの IP アドレスのみに設定する必要があります。また、既定の受信コネクタの名前をわかりやすい名前に変更することもできます。

note注 :
Windows Server 2008 を実行しているコンピュータに Exchange 2007 SP1 が展開されている場合、インターネット プロトコル Version 4 (IPv4) フォーマット、インターネット プロトコル Version 6 (IPv6) フォーマット、または両方のフォーマットの IP アドレスおよび IP アドレスの範囲を入力できます。Windows Server 2008 の既定のインストールでは、IPv4 と IPv6 がサポートされています。
不明 IPv6 アドレスからの匿名接続を受け付けるように受信コネクタを構成しないことを、強くお勧めします。不明な IPv6 アドレスから匿名接続を受け付けるように受信コネクタを構成すると、組織に侵入するスパムの量が増える可能性があります。現在、IPv6 アドレスを検索するための広く受け入れられている業界標準プロトコルはありません。ほとんどの IP 禁止一覧プロバイダは、IPv6 アドレスをサポートしていません。したがって、受信コネクタで不明な IPv6 アドレスからの匿名接続を許可すると、スパム発信者が IP 禁止一覧プロバイダをバイパスし、組織内にスパムを配信できる可能性が高まります。
Exchange 2007 SP1 での IPv6 アドレスのサポートの詳細については、「Exchange 2007 SP1 および SP2 での IPv6 サポート」を参照してください。接続フィルタ、IP 許可一覧と IP 禁止一覧に IP アドレスを追加する方法、および IP 禁止一覧プロバイダ サービスと IP 許可一覧プロバイダ サービスの構成方法の詳細については、「接続フィルタの構成」を参照してください。

Exchange 管理コンソールを使用して、インターネットからのメッセージのみを受け付けるようにエッジ トランスポート サーバー上の既定の受信コネクタを変更するには、次の操作を行います。

  1. Exchange 管理コンソールを開きます。[エッジ トランスポート] を選択し、作業ウィンドウで [受信コネクタ] タブをクリックします。

  2. 作業ウィンドウで、変更する受信コネクタを選択します。既定の受信コネクタには、"既定の内部受信コネクタ サーバー名" という名前が付けられています。

  3. 操作ウィンドウの受信コネクタの名前の下で [プロパティ] をクリックして [プロパティ] ページを開きます。

  4. [全般] タブをクリックして、コネクタの名前を変更します。

  5. [ネットワーク] タブをクリックします。[次のローカル IP アドレスを使用してメールを受信する][編集] をクリックします。

    • [受信コネクタのバインドの編集] ダイアログ ボックスで、[IP アドレスの指定] を選択し、インターネットに直接接続されたネットワーク アダプタの IP アドレスを入力します。[OK] をクリックします。
  6. [OK] をクリックし、この変更を保存して [プロパティ] ページを閉じます。

Exchange 管理シェルを使用して、インターネットからのメッセージのみを受け付けるようにエッジ トランスポート サーバー上の既定の受信コネクタを変更するには、次の操作を行います。

  • 次のコマンドを実行します。

    Set-ReceiveConnector "Default internal Receive connector <ServerName>" -Name <NewConnectorName> -Bindings <ExternalNetworkAdapterIP:25>
    

    たとえば、"Edge01" という名前のエッジ トランスポート サーバー上の既定の受信コネクタの名前を "From Internet" に変更し、IP アドレスが 10.1.1.1 の外部ネットワーク アダプタを指定するには、次のコマンドを実行します。

    Set-ReceiveConnector "Default internal Receive connector Edge01" -Name "From Internet" -Bindings 10.1.1.1:25
    

構文およびパラメータの詳細については、「New-ReceiveConnector」を参照してください。

内部の Exchange 組織からのメッセージのみを受け付けるように構成された新しい受信コネクタの作成

この受信コネクタには、次の構成が必要です。

  • 使用法の種類 : 内部
  • ローカル ネットワークのバインディング : 内部ネットワークに接続しているネットワーク アダプタ
  • リモート ネットワーク設定 : Exchange 組織内の 1 つ以上のハブ トランスポート サーバーの IP アドレス
  • 認証方法 : TLS 経由の基本認証

Exchange 管理コンソールを使用して、内部の Exchange 組織からのメッセージのみを受け付けるように構成された新しい受信コネクタをエッジ トランスポート サーバー上に作成するには、次の操作を行います。

  1. Exchange 管理コンソールを開きます。[エッジ トランスポート] を選択し、作業ウィンドウで [受信コネクタ] タブをクリックします。

  2. 操作ウィンドウで [受信コネクタの新規作成] をクリックします。SMTP 受信コネクタの新規作成ウィザードが起動します。

  3. [概要] ページで、次の手順を実行します。

    1. [名前] ボックスに、このコネクタの意味のある名前を入力します。
    2. [このコネクタの使用目的の選択] ボックスで、[内部] をクリックします。
  4. [リモート ネットワーク設定] ページで、次の手順を実行します。

    1. 既定の IP アドレスの範囲のエントリ 0.0.0.0 - 255.255.255.255 を選択し、[削除] アイコン をクリックします。
    2. [追加] または [追加] の横にある下矢印をクリックし、1 つ以上の内部ハブ トランスポート サーバーの IP アドレスまたは IP アドレス範囲を入力します。完了したら、[OK] をクリックします。
      このコネクタに複数の送信先ハブ トランスポート サーバーを追加するには、[追加] をクリックし、この手順を繰り返します。この手順で定義する各ハブ トランスポート サーバーは、ハブ トランスポート サーバー上で構成されている対応する送信コネクタ内でも送信元サーバーとして列挙されている必要があります。
    3. 完了したら、[次へ] をクリックします。
  5. [新しいコネクタ] ページで、コネクタの構成の概要を確認します。設定を変更する場合は、[戻る] をクリックします。構成の概要の設定を使用して受信コネクタを作成するには、[新規作成] をクリックします。

  6. [完了] ページで、[終了] をクリックします。

  7. 作業ウィンドウで、作成した受信コネクタを選択します。

  8. 操作ウィンドウの受信コネクタの名前の下で [プロパティ] をクリックして [プロパティ] ページを開きます。

  9. [ネットワーク] タブをクリックします。[次のローカル IP アドレスを使用してメールを受信する][編集] をクリックします。

    • [受信コネクタのバインドの編集] ダイアログ ボックスで、[IP アドレスの指定] を選択し、内部組織に接続されているネットワーク アダプタの IP アドレスを入力します。[OK] をクリックします。
  10. [認証] タブをクリックします。[基本認証] および [TLS の起動後にのみ基本認証を提供する] を選択します。

  11. [OK] をクリックし、この変更を保存して [プロパティ] ページを閉じます。

Exchange 管理シェルを使用して、内部の Exchange 組織からのメッセージのみを受け付けるように構成された新しい受信コネクタをエッジ トランスポート サーバー上に作成するには、次の操作を行います。

  • 次のコマンドを実行します。

    New-ReceiveConnector -Name <ConnectorName> -Usage Internal -AuthMechanism TLS,BasicAuth,BasicAuthRequireTLS,ExchangeServer -Bindings <InternalNetworkAdapterIP:25> -RemoteIPRanges <HubTransportServerAddress1,HubTransportServerAddress2...>
    

    たとえば、名前が "To Internal Org"、内部ネットワーク アダプタの IP アドレスが 10.1.1.1 の新しい受信コネクタをエッジ トランスポート サーバー上に作成し、この受信コネクタでは IP アドレスが 192.168.5.10 と 192.168.5.20 の内部ハブ トランスポート サーバーからのメッセージを受け付けるようにするには、次のコマンドを実行します。

    New-ReceiveConnector -Name "To Internal Org" -Usage Internal -AuthMechanism TLS,BasicAuth,BasicAuthRequireTLS,ExchangeServer -Bindings 10.1.1.1:25 -RemoteIPRanges 192.168.5.10,192.168.5.20
    

構文およびパラメータの詳細については、「New-ReceiveConnector」を参照してください。

ハブ トランスポート サーバーの手順

ハブ トランスポート サーバー上には以下のコネクタが必要です。

  • インターネット中継用として境界ネットワークに置かれたエッジ トランスポート サーバーに対してメッセージを送信するように構成された送信コネクタ

既定では、ハブ トランスポート サーバーの役割のインストール中に 2 つの受信コネクタが作成されます。"クライアント サーバー名" という名前のコネクタは、すべての POP3 メッセージング クライアントおよび IMAP メッセージング クライアントからのメッセージを受け付けるように構成されます。"既定サーバー名" という名前のコネクタは、エッジ トランスポート サーバーからのメッセージを受け付けるように構成されます。これらのコネクタに変更は必要ありません。

エッジ トランスポート サーバーに送信メッセージを送信するように構成された送信コネクタの作成

この手順を開始する前に、送信先のエッジ トランスポート サーバーに、ローカルの Administrators セキュリティ グループのメンバであるユーザー アカウントを作成する必要があります。このアカウントは、送信先のエッジ トランスポート サーバーに対する認証のために、ハブ トランスポート サーバーの送信コネクタによって使用されます。

この送信コネクタには、次の構成が必要です。

  • 使用法の種類 : 内部
  • アドレス スペース : *
  • ネットワーク設定 :
    • エッジ トランスポート サーバー (スマート ホスト用) の IP アドレスまたは FQDN
    • スマート ホストの認証設定 : TLS 経由の基本認証

Exchange 管理コンソールを使用して、エッジ トランスポート サーバーに送信メッセージを送信するように構成された送信コネクタをハブ トランスポート サーバー上に作成するには、次の操作を行います。

  1. Exchange 管理コンソールを開きます。コンソール ツリーで [組織の構成] を展開し、[ハブ トランスポート] を選択します。次に、作業ウィンドウで [送信コネクタ] タブをクリックします。

  2. 操作ウィンドウで、[送信コネクタの新規作成] をクリックします。SMTP 送信コネクタの新規作成ウィザードが開始します。

  3. [概要] ページで、次の手順を実行します。

    1. [名前] ボックスに、「To Edge」など、このコネクタ用の意味のある名前を入力します。
    2. [このコネクタの使用目的の選択] ボックスで、[内部] をクリックします。
  4. [アドレス スペース] ページで、[追加] をクリックします。[アドレス スペースの追加] ダイアログ ボックスで「*」と入力し、[OK] をクリックします。

    完了したら、[次へ] をクリックします。

note注 :
Exchange 2007 SP1 では、ダイアログ ボックスの名前は [SMTP アドレス スペース] です。
  1. [ネットワーク設定] ページで、次の手順を実行します。
    1. [メールを次のスマート ホストを経由してルーティングする] を選択し、[追加] をクリックします。
    2. [スマート ホストの追加] ダイアログ ボックスで、[完全修飾ドメイン名 (FQDN)] を選択し、送信先のエッジ トランスポート サーバーの FQDN を入力します。ハブ トランスポート サーバーは、送信先のエッジ トランスポート サーバーの指定された FQDN を解決できる必要があります。[OK] をクリックします。
    3. 完了したら、[次へ] をクリックします。
  2. [スマート ホスト認証設定の構成] ページで、[基本認証および TLS 経由の基本認証] を選択します。[ユーザー名] および [パスワード] ボックスに、送信先のエッジ トランスポート サーバーのユーザー アカウントに対する資格情報を入力します。[次へ] をクリックします。
  3. 既定では、[送信元サーバー] ページには、この手順を実行しているハブ トランスポート サーバーが表示されます。フォールト トレランス用にハブ トランスポート サーバーを追加する場合、これらのハブ トランスポート サーバーは、エッジ トランスポート サーバー上の対応する受信コネクタ上で送信元として構成する必要があります。送信元サーバーを追加するには、[追加] をクリックします。[ハブ トランスポートおよびエッジ サブスクリプションの選択] ダイアログ ボックスで、手順 1. で指定したエッジ トランスポート サーバーにメッセージを送信するための送信元サーバーとして使用されるハブ トランスポート サーバーを選択します。送信元サーバーの追加が完了したら、[OK] をクリックします。
    送信元サーバーをさらに追加するには、[追加] をクリックし、上記手順を繰り返します。
    完了したら、[次へ] をクリックします。
  4. [新しいコネクタ] ページで、コネクタの構成の概要を確認します。設定を変更する場合は、[戻る] をクリックします。構成の概要の設定を使用して送信コネクタを作成するには、[新規作成] をクリックします。
  5. [完了] ページで、[終了] をクリックします。
    important重要 :
    指定したハブ トランスポート サーバーは、SmartHosts パラメータで指定された FQDN に正確に一致するように、エッジ トランスポート サーバーの名前を解決できる必要があります。これは、送信先のエッジ トランスポート サーバーにインストールされている X.509 証明書で指定されている FQDN です。またこれは、送信先のエッジ トランスポート サーバー上に構成されている受信コネクタで指定されている FQDN でもあります。

Exchange 管理シェルを使用して、エッジ トランスポート サーバーに送信メッセージを送信するように構成された送信コネクタをハブ トランスポート サーバー上に作成するには、次の操作を行います。

  1. ハブ トランスポート サーバーで次のコマンドを実行します。

    $edgecred = get-credential
    
    • 表示されるダイアログ ボックスに、エッジ トランスポート サーバーのユーザー アカウントに対する資格情報を入力します。[OK] をクリックします。
  2. ハブ トランスポート サーバーで次のコマンドを実行します。

    New-SendConnector -Name <ConnectorName> -Usage Internal -AddressSpaces * -DNSRoutingEnabled $False -SmartHosts <EdgeServer> -SourceTransportServers <HubServer1,HubServer2...> -SmartHostAuthMechanism BasicAuth,BasicAuthRequireTLS -AuthenticationCredential $edgecred
    

    たとえば、名前が "To Edge"、送信元のハブ トランスポート サーバーが "hub01.contoso.com" および "hub02.contoso.com"、送信先のエッジ トランスポート サーバーが edge01.contoso.net の新しい送信コネクタを作成するには、次のコマンドを実行します。

    New-SendConnector -Name "To Edge" -Usage Internal -AddressSpaces * -DNSRoutingEnabled $False -SmartHosts edge01.contoso.net -SourceTransportServers hub01.contoso.com,hub02.contoso.com -SmartHostAuthMechanism BasicAuth,BasicAuthRequireTLS -AuthenticationCredential $edgecred
    
    important重要 :
    ハブ トランスポート サーバーは、SmartHosts パラメータで指定された FQDN に正確に一致するように、エッジ トランスポート サーバーの名前を解決できる必要があります。これは、送信先のエッジ トランスポート サーバーにインストールされている X.509 証明書で指定されている FQDN です。またこれは、送信先のエッジ トランスポート サーバー上に構成されている受信コネクタで指定されている FQDN でもあります。

構文およびパラメータの詳細については、「New-SendConnector」を参照してください。

詳細情報

詳細については、以下のトピックを参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。