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新しい受信コネクタを作成する方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2007-11-08

ここでは、Exchange 管理コンソールまたは Exchange 管理シェルを使用して、Microsoft Exchange Server 2007 の新しい受信コネクタを作成する方法について説明します。

Exchange 2007 では、受信コネクタとは "受信リスナ" のことです。つまり、受信コネクタは、受信コネクタの設定に一致する受信接続を待機します。受信コネクタは、特定のポートを通じ、指定の IP アドレスまたは IP アドレスの範囲から受信する接続を待機します。受信コネクタがサポートするアクティブな接続数に制限を設けることもできます。

note注 :
Windows Server 2008 を実行するコンピュータに Exchange 2007 Service Pack 1 (SP1) を展開している場合は、IP アドレスおよび IP アドレス範囲を、Internet Protocol Version 4 (IPv4) 形式と Internet Protocol Version 6 (IPv6) 形式のどちらか一方または両方で入力できます。Windows Server 2008 の既定のインストールでは、IPv4 と IPv6 の両方がサポートされます。IPv6 アドレスに対する Exchange 2007 SP1 のサポートの詳細については、「Exchange 2007 SP1 および SP2 での IPv6 サポート」を参照してください。

エッジ トランスポート サーバーの役割とハブ トランスポート サーバーの役割をインストールした後、EdgeSync プロセスを実行して、インターネットとのメール フロー、およびエッジ トランスポート サーバーと Exchange 組織との間のメール フローに必要な受信コネクタの構成を行います。組織が特定の構成オプションを持つ受信コネクタを必要としている場合、または EdgeSync プロセスを使用しない場合は、受信コネクタを手動で構成する必要があります。Microsoft Exchange EdgeSync サービスの詳細については、「Exchange 組織でのエッジ トランスポート サーバーの購読」を参照してください。

開始する前に

この手順を実行する前に、受信コネクタを作成するために準備する必要がある情報の詳細な説明について「受信コネクタ」に目をとおしてください。

コネクタの属性を正しく構成できるように、このコネクタの具体的な使用タイプを判断します。受信コネクタ用に選択する使用タイプにより、既定の認証機構とそのコネクタに割り当てられるアクセス許可が決定されます。使用タイプを指定しない場合、既定の選択は Custom で、セキュリティ設定は自動構成されません。

すべての受信コネクタは、名前、およびローカル バインド、ポート、リモート ネットワーク設定の一意の組み合わせを必要とします。名前はコネクタを識別します。バインドは、ローカル サーバー上のネットワーク アダプタに割り当てられている IP アドレスです。ポートは、ネットワーク アダプタが SMTP (簡易メール転送プロトコル) 接続を受け付ける通信ポートです。すべての利用可能な IP アドレスに対する既定の設定は、ポート 25 です。リモート ネットワーク設定は、このコネクタが受信接続を受け付ける IP アドレス範囲です。受信コネクタの既定の設定の詳細については、「受信コネクタ」を参照してください。

次の手順を実行するには、使用するアカウントに以下が委任されている必要があります。

  • Exchange サーバー管理者の役割および対象サーバーのローカルの Administrators グループ

エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータで以下の手順を実行するには、そのコンピュータのローカルの Administrators グループのメンバであるアカウントを使用してログオンする必要があります。

Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

手順

Exchange 管理コンソールを使用して新しい受信コネクタを作成するには、次の操作を行います。

  1. Exchange 管理コンソールを開きます。次の手順のいずれかを実行します。

    1. エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされたコンピュータで、[エッジ トランスポート] を選択し、作業ウィンドウで [受信コネクタ] タブをクリックします。
    2. ハブ トランスポート サーバーの役割で受信コネクタを作成するには、コンソール ツリーで [サーバーの構成] を展開し、[ハブ トランスポート] を選択します。結果ウィンドウで、コネクタを作成するサーバーを選択し、[受信コネクタ] タブをクリックします。
  2. 操作ウィンドウで [受信コネクタの新規作成] をクリックします。SMTP 受信コネクタの新規作成ウィザードが起動します。

  3. [概要] ページで、次の手順を実行します。

    1. [名前] ボックスに、このコネクタの意味のある名前を入力します。この名前は、コネクタを識別するために使用されます。

    2. "このコネクタの使用目的の選択" フィールドで、このコネクタの使用タイプを選択します。使用法の種類によって、受信コネクタに接続するセッションに対して与えられるアクセス許可およびサポートされる認証機構が決まります。
      [クライアント]   クライアント受信コネクタは、Microsoft Exchange のユーザーから電子メールを受信するために使用されます。このコネクタは、認証された Microsoft Exchange ユーザーからのクライアント送信の受け付けのみを行うように構成されます。[クライアント] の使用法の種類は、ハブ トランスポート サーバーで構成されている受信コネクタでのみ使用できます。
      [カスタム]   Exchange サーバー以外のシステムへの接続で使用するためのカスタマイズされたコネクタを作成するには、このオプションを選択します。
      [インターネット]   インターネット受信コネクタは、インターネット上のサーバーから電子メールを受信するために使用されます。このコネクタは、匿名ユーザーからの接続を受け付けるように構成されます。

      note注 :
      不明 IPv6 アドレスからの匿名接続を受け付けるように受信コネクタを構成しないことを、強くお勧めします。不明 IPv6 アドレスからの匿名接続を受け付けるように受信コネクタを構成すると、組織内に入ってくるスパムの量が増える可能性があります。現在、IPv6 アドレスを検索するための業界標準プロトコルとして、広く受け入れられているものはありません。ほとんどの IP 禁止一覧プロバイダは、IPv6 アドレスをサポートしていません。したがって、受信コネクタで不明 IPv6 アドレスからの匿名接続を許可すると、スパムの発信者が IP 禁止一覧プロバイダをバイパスし、組織にスパムを送り込むことに成功する危険性が高くなります。
      Exchange 2007 SP1 での IPv6 アドレスのサポートの詳細については、「Exchange 2007 SP1 および SP2 での IPv6 サポート」を参照してください。接続フィルタ、IP 許可一覧と IP 禁止一覧に IP アドレスを追加する方法、および IP 禁止一覧プロバイダ サービスと IP 許可一覧プロバイダ サービスの構成方法の詳細については、「接続フィルタの構成」を参照してください。

      [内部]   内部受信コネクタは、所属する Exchange 組織内のサーバーから電子メールを受信するために使用されます。このコネクタは、Exchange サーバーからの接続のみを受け付けるように構成されます。
      [パートナー]   パートナー受信コネクタは、パートナー ドメインから電子メールを受信するために使用されます。このコネクタは、セキュリティで保護されたドメインの一覧に含まれている SMTP ドメインのトランスポート層セキュリティ (TLS) 証明書を使用して認証されるサーバーからの接続のみを受け付けるように構成されます。この一覧にドメインを追加するには、Set-TransportConfig コマンドで TLSReceiveDomainSecureList パラメータを使用します。
      受信コネクタの使用タイプの詳細については、「受信コネクタ」を参照してください。[次へ] をクリックします。

  4. [ローカル ネットワーク設定] ページで、[追加] をクリックします。[ローカル ネットワーク設定] ページは、手順 3. で使用法の種類として [カスタム][パートナー]、または [インターネット] を選択した場合にのみ表示されます。[受信コネクタのバインドの追加] ダイアログ ボックスで、次のオプションのいずれかを選択します。

    1. [このサーバーで利用可能な IP アドレスをすべて使用する]   このオプションを選択した場合、コネクタは、ローカル サーバーのネットワーク アダプタに割り当てられているすべての IP アドレスで接続を待機します。

    2. IP アドレスの指定   このオプションを選択した場合は、ローカル サーバーのネットワーク アダプタに割り当てられている IP アドレスを入力する必要があります。コネクタは、指定した IP アドレスでのみ接続を待機します。

      note注 :
      受信コネクタが存在するハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーで有効なローカル IP アドレスを指定する必要があります。無効なローカル IP アドレスを指定する場合、Microsoft Exchange Transport サービスはサービスを再開するときに失敗する可能性があります。
    3. [ローカル ネットワーク設定] ページで、[ポート] ボックスに、ポート番号を入力し、[OK] をクリックします。
      このコネクタに複数のローカル IP アドレスを追加するには、[追加] をクリックし、この手順を繰り返します。
      以前のエントリを変更するには、目的のエントリをクリックしてから [編集] をクリックします。
      既存のドメインを削除するには、目的のドメインをクリックしてから [削除] アイコン をクリックします。

  5. [ローカル ネットワーク設定] ページの [HELO または EHLO に応答してこのコネクタが提供する FQDN を指定する] ボックスに、SMTP HELO または EHLO コマンドに応答して通知される名前を入力します。このフィールドを空白のままにすると、コネクタの作成時に、ハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーの完全修飾ドメイン名 (FQDN) が自動的に追加されます。[次へ] をクリックします。

  6. [リモート ネットワーク設定] ページで、コネクタが受信接続を受け付けるリモート サーバーの IP アドレスまたは IP アドレス範囲を入力します。[ローカル ネットワーク設定] ページは、手順 3. で使用法の種類として [カスタム][パートナー][内部]、または [クライアント] を選択した場合にのみ表示されます。リモート IP アドレスまたはリモート IP アドレス範囲を追加するには、次のいずれかの方法を使用します。

    • サブネット マスクを使用せずに IP アドレスまたはサブネットを入力したり、クラスレス ドメイン間ルーティング (CIDR) 表記法を使用してサブネット マスクを指定したりするには、[追加] または [追加] の横にある下向き矢印をクリックして、[IP アドレス] を選択します。[リモート サーバーの IP アドレスの追加] ダイアログ ボックスで、以下のいずれかの方法を使用して IP アドレスを入力します。
      サブネット マスクなしの IP アドレス   たとえば、「192.168.1.0」と入力します。CIDR 表記法を使用してサブネット マスクを指定しない場合は、既定のクラスフル サブネット マスクが使用されます。
      CIDR 表記法を使用した IP アドレス   たとえば、「192.168.1.0/24」と入力します。
    • IP アドレスまたはサブネットをドットで区切られた 10 進数表記のサブネット マスクと共に入力するには、[追加] の横にある下向き矢印をクリックし、[IP およびマスク] をクリックします。[リモート サーバーの追加 - IP およびマスク] ダイアログ ボックスで、以下の構文を使用して IP アドレスとサブネット マスクを入力します。
      IP アドレス   たとえば、「192.168.1.0」と入力します。
      サブネット マスク   たとえば、「255.255.255.0」と入力します。
    • 範囲の最初の IP アドレスと最後の IP アドレスを使用して IP アドレス範囲を指定するには、[追加] の横にある下向き矢印をクリックし、[IP アドレスの範囲] をクリックします。[リモート サーバーの追加 - IP アドレスの範囲] ダイアログ ボックスで、以下の構文を使用して IP アドレスとサブネット マスクを入力します。
      開始アドレス   たとえば、「192.168.1.1」と入力します。
      終了アドレス   たとえば、「192.168.255.255」と入力します。
      サブネット マスクを指定しない場合は、既定のクラスフル サブネット マスクが使用されます。

    完了したら、[OK] をクリックします。

    このコネクタに複数のリモート ネットワークの範囲を追加するには、[追加] をクリックし、この手順を繰り返します。

    以前のエントリを変更するには、目的のエントリをクリックしてから [編集] をクリックします。

    既存のドメインを削除するには、目的のドメインをクリックしてから [削除] アイコン をクリックします。

  7. 完了したら、[次へ] をクリックします。

  8. [新しいコネクタ] ページで、コネクタの構成の概要を確認します。設定を変更する場合は、[戻る] をクリックします。構成の概要の設定を使用して受信コネクタを作成するには、[新規作成] をクリックします。

  9. [完了] ページで、[終了] をクリックします。

Exchange 管理シェルを使用して新しい受信コネクタを作成するには、次の操作を行います。

  • 次のコマンドを実行して受信コネクタをローカル サーバーに作成します。このコネクタは、既定の設定が内部使用タイプで、指定のリモート IP アドレス範囲からの接続を受け付けます。

    New-ReceiveConnector -Name "Contoso.com Receive Connector" -Usage Internal -RemoteIpRange 192.168.30.1-192.168.30.5
    

構文およびパラメータの詳細については、「New-ReceiveConnector」を参照してください。

詳細情報

詳細については、以下のトピックを参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。