コネクタの管理
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2009-09-02
コネクタとは、送信元サーバーと送信先サーバーの間の接続の論理的な表現です。コネクタは、Microsoft Exchange Server 2007 を実行していて、エッジ トランスポート サーバーの役割またはハブ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータが次の通信を行う方法を表します。
- 相互通信
- インターネットとの通信
- Exchange 2000 または Exchange 2003 を実行しているサーバーとの通信
- その他のメッセージング システムとの通信
コネクタは、送信コネクタ、受信コネクタ、または外部コネクタに分類されます。すべての送信コネクタおよび受信コネクタは、簡易メール転送プロトコル (SMTP) を使用して、メッセージを転送します。一方、外部コネクタは、ハブ トランスポート サーバーから、メッセージの転送に SMTP を使用しないローカルのメッセージング サーバーに、メッセージを転送します。すべての受信コネクタは、SMTP アドレス スペースからのメールのみを受け付けます。一方、送信コネクタおよび外部コネクタは、SMTP アドレス スペースまたは SMTP 以外のアドレス スペース (X.400 など) にメールを送信するように構成できます。
ここでは、Exchange 2007 で使用されるコネクタおよびその管理を行うためのタスクに関する情報について説明します。
受信コネクタ
受信コネクタは、SMTP の受信接続ポイントです。受信コネクタは、受信した SMTP 通信の Exchange 2007 トランスポート サーバーでの処理方法を定義します。Exchange 2007 では、受信コネクタとは "受信リスナ" のことです。つまり、このコネクタは、受信コネクタの設定に一致する受信接続を待ちます。受信コネクタは、特定の IP アドレスおよびポートを使用して、指定された IP アドレスの範囲から受信する接続を待機します。
また、受信コネクタを構成して、コネクタが受け付けるアクティブな接続数、最大メッセージ サイズ、およびメッセージあたりの受信者の最大数などの制限を構成できます。
受信コネクタは、単一サーバーにスコープを制限して、その特定のサーバーが接続待ちをする方法を決定します。ハブ トランスポート サーバー上に受信コネクタを作成すると、受信コネクタは、コネクタが作成されたサーバーの子オブジェクトとして、Active Directory ディレクトリ サービスに格納されます。エッジ トランスポート サーバー上に受信コネクタを作成すると、受信コネクタは、Active Directory Application Mode (ADAM) に格納されます。
送信コネクタ
送信コネクタは送信通信を中継します。送信コネクタに対して、1 つまたは複数の送信元サーバーを設定します。送信元サーバーは、メッセージ配信を処理するためにそのコネクタに関連付けられたトランスポート サーバーです。Exchange 2007 サーバーがリモートの送信先宛てのメッセージを受信すると、メッセージは、送信先ドメインに電子メールを送信するように構成されている送信コネクタの送信元サーバーに中継されます。送信コネクタは単一のサーバーにスコープを制限しません。送信コネクタは、Active Directory 内または ADAM 内で、コネクタ コンテナ内のオブジェクトとして作成されます。
外部コネクタ
外部コネクタは、主要なトランスポート メカニズムとして SMTP を使用しないローカルのメッセージング サーバーに対してメッセージを送信するために、ハブ トランスポート サーバーのドロップ ディレクトリを使用します。これらのメッセージング サーバーは、外部ゲートウェイ サーバーとも呼ばれます。外部ゲートウェイ サーバーの例としては、サード パーティの FAX ゲートウェイ サーバーがあります。外部コネクタには、SMTP または SMTP 以外のアドレス スペースを割り当てることができます。詳細については、以下のトピックを参照してください。
コネクタの作成方法
コネクタは、明示的、暗黙的、または自動的に作成できます。
- コネクタは、管理者によって明示的に作成されます。
- コネクタは、システム トポロジから計算されると、暗黙的に作成されます。この場合のコネクタは、Exchange 管理コンソール内、または Exchange 管理シェルのタスクの使用によって表示されません。
- コネクタは、エッジ サブスクリプション処理の使用によって、セットアップ中に自動的に作成されます。
Active Directory フォレスト内のハブ トランスポート サーバー間のコネクタを構成する必要はありません。Exchange 2007 組織内のハブ トランスポート サーバー間の接続は、Active Directory サイト リンク コストに基づく Active Directory サイト間のパスの計算によって、暗黙的に作成されます。
インターネットへのメール フローを確立するコネクタは、エッジ トランスポート サーバーを Exchange 組織にサブスクライブすると、自動的に作成されます。エッジ トランスポート サーバーの役割およびハブ トランスポート サーバーの役割のインストール後、エッジ サブスクリプション処理を使用して、エッジ トランスポート サーバーを Active Directory サイトにサブスクライブします。この処理中、Active Directory に格納されたデータは、エンド ツー エンドのメール フローを有効にするため、エッジ トランスポート サーバー上の ADAM インスタンスにレプリケートされます。このデータには、送信コネクタおよび受け付けたドメインの構成が含まれます。Exchange 組織と境界ネットワークとの間のコネクタ、および境界ネットワークとインターネットとの間のコネクタを準備するため、エッジ トランスポート サーバーを Active Directory サイトにサブスクライブすることを推奨します。
外部ドメインのための一意のコネクタ構成を作成する場合は、Exchange 管理コンソールまたは Exchange 管理シェル内のタスクを使用できます。
コネクタ管理タスク
Exchange 管理コンソールまたは Exchange 管理シェルを使用して、コネクタを管理できます。コネクタの構成オプションの一部は、Exchange 管理シェルのみで使用できます。一般的なコネクタ管理タスクは次のとおりです。
- 新しいコネクタを作成する。
- コネクタを削除する。
- 送信コネクタを有効または無効にする。
- 送信コネクタのスマート ホストを構成する。
- 受信コネクタのアクセス許可を構成する。
- メッセージ サイズの制限を確立する。
- プロトコルのログ出力レベルを設定する。
- サポートされる認証機構を構成する。
詳細情報
詳細については、以下のトピックを参照してください。
- ハブ トランスポート サーバー コネクタの構成
- エッジ トランスポート サーバー コネクタの構成
- 送信コネクタ
- 受信コネクタ
- 外部コネクタ
- Active Directory サイトベースのルーティングについて
- Exchange 2007 のトランスポート アクセス許可モデル
- Telnet を使用して SMTP 通信をテストする方法
- メッセージ サイズの制限の管理
- Exchange 組織でのエッジ トランスポート サーバーの購読
- トランスポートのアーキテクチャ
- Set-SendConnector
- Set-ReceiveConnector
- Exchange 2007 で TLS 認証を使用してサード パーティの電子メールとの間でメッセージを送受信する方法
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。